○高田
政府委員
厚生省
関係の
検査報告にあげられました
批難事項につきまして御
説明申し上げます。
第一は、宮城縣が
昭和二十一
年度内に引揚者等越冬用ふとん綿を收納しないにもかかわらず、これに対し小切手を振出したものを、
経費の
年度所属を乱るものとして
批難されたものでございますが、当時の
状況を申し上げますと、
昭和二十
年度において
実施いたしました引揚者等の越冬用寝具配給業は、海外よりの引揚者を対象としまして、迅速に商工
当局と打合せの上、第三四半期分として割当てられましたふとん七十万組を各府縣に割当て
日本寝具統制組合とも
連絡をとりまして早急なる現物化を各府縣に指示いたしましたが、何分にも相当厖大なる数のふとんでありましたので、短期間に製品現物化することは困難でありましたため、最後の手段といたしまして、各府縣保有の製綿が相当数あるとの
関係当局の見通しもありましたので、各府縣自体で縫製の上支給することにしまして、綿の
購入代金としまして
昭和二十
年度内に所要の
予算を配賦したのでございます。宮城縣におきましても
予定通り現物化し得る見通しで諸般の手配をしたのでありますが、担当者の不なれ等のため御指摘のようなことが生じましたことは、まことに遺憾に存じている次第でございます。その後、
昭和二十二年内にこれらの
物品は宮城縣においても
納入いたしまして、それぞれ配給を完了いたしておる次第でございます。
(
委員長退席、川端
委員長代理着席〕
第二は
厚生省が
官舎用土地
建物の
購入費として、傳染病予防費から支出しているが、これらは
予算の目的外に
経費を使用したものとしまして
批難されたのでございますが、当時の
状況を申上げますと、傳染病予防並びに防疫
関係事務は、細大を問わず
関係方面の詳細な指示に基いて一段と拡充強化されるに至りましたが、これらの諸施策は、事務の性質上、急速処理を要するものでありますことは御承知の
通りでありまして、これが
責任担当官であります防疫官等が定の地域におりまして、常に
関係方面と緊密な
連絡をとり、事態の推移に即應した防疫
措置を臨機指揮督励することが最も緊要であります。これにつきましては、
昭和二十年四月下旬、浦賀への引揚船にコレラが発生いたしまして以来特にその必要を痛感されましたので、万全の防疫
措置を講ずる必要上、
官舎を買入れ、一定の地域に住居せしめますことといたしまして、本科目より支出いたしたのでございます。当時
購入しました
官舎は、現存國有財産として取扱
つておりまして、防疫担当官等の住居に当て、防疫
措置に万全を期しておるような次第でございます。
第三は、京都府に対しまして生活保護法による補助金の交付多額に失したものとして
批難されたものでありますが、御指摘の
通りで、まことに遺憾に存じておる次第でございます。当時の
状況を申上げますと、生活保護法施行日直後のことでもありますし、また民生委員の改選な
どもありまして、本法の趣旨及び
手続等が十分に
関係者の間に徹底しなか
つた上に、京都市が御承知の非戰災都市でありました
関係上、戰災者、引揚者等の轉住移動が他に比べて相当頻繁でありましたために、要保護者の人員の
調査等に種々困難が伴いまして、その正確な数字の把握に非常に困難を感じましたことと、かつ
昭和二十二
年度当初から府市を通じまして、各種選挙の施行に伴いましてこれが準備に忙殺されて、概算交付の過不足調整をはからねばならない
年度末において、その必要を痛感しながらもついその機を逸し、できなか
つたような次第でございます。なお
本件超過額一千三十七万九千三百二十一円は、
会計検査院の御
注意によりまして、
昭和二十二年十二月國の歳入に納付いたしました。
第四は、引揚者等越冬用寝具費拂
代金の
徴收に当り
措置緩慢に失するものとして
批難されたものでありますが、当時の
状況を申し上げますと、配給系統機関における現物の在庫量、偏在等が予期に反しましたことと、輸送
状況におきましては、石炭
事情並びに雪害等が災いいたしまして、配給に非常な遅延を来しました
関係上、地方機関が引揚者等よりその毛布
代金を領收いたし、中央機関を経て國庫に
納入するまでには相当の日数を要するような
状況でありまして、なお取扱者たる
日本織物株式会社が
昭和二十二年十月一日閉鎖機関令の適用を受け、閉鎖機関整理
委員会の手にゆだねられましたために、御指摘のように收入未済として残りましたことは、まことに遺憾に存じている次第でございます。なお回收入未済額は
昭和二十二
年度末までに全部
納入いたさせました。
第五は、秋田縣の
職員の犯罪によりまして國に損害を與えた事柄でありますが、これも御指摘の
通りでありまして十分なる監督を怠
つたために右の事態を生じましたことは、まことに遺憾に存じている次第でございます。以上申し上げましたごとき次第でありますが、かかる事態を生じましたことに、つきまして
当局はこれらの監督者、決定者執行者等にそれぞれ
司法上あるいは行政上の処分をいたしまして、今後は監督を一段と嚴にし、このような遺憾なことがないようにと期している次第でございます。なお犯人木谷一雄は、
昭和二十二年六月四日詐欺罪として懲役二年に処せられ、現在服役中で、本人はま
つたくの無資力でございまして、短期に
徴收することが不可能でございますので、
昭和二十三年四月三十日にすえ置き貸し七万一千七百四十円として
措置いたしてございます。
以上でございます。