○
石田(博)
委員 前回の
委員会におきましても、
提案者としてただいまと同様の御
質疑に対してお答えをいたして
参つたのであります。
從つて今の御
要求は、われわれがここに揚げておるのは、あくまでその
あとに書いてある「その他の諸
行為で
日本再建に重大な
悪影響を與えた」という
例示であります。今の
淺沼君の御
質問は、
例示の事由のまた具体的
例示を求められておると解釈しますが、不正に租税の
賦課を免れさせ、
納税意欲を低下させる。その
言葉の点についは
あとでいろいろ御
意見を承ることにして、私
どもが
考えておるのは
納税が
國民の
義務であることはわかりき
つておる。さらに現在の税
機構、あるいは
國民に課税されておる
行政官廳の下部のやり方が、はたして適当であるかどうか、あるいはそのこと自身が
國民の
納税意欲をはかるに不適当であり、不公平であるために
納税意欲を低下させる現象は、われわれが例証するまでもなく明らかであります。そういう本質的原因を突き詰めて、すばらしい
納税を確立することが必要と思われる。また他の面におきまして、その不公平、不平等、不適当を是正することが行われなければならぬことは当然であります。しかしその場合には、やはり一定の
法律秩序、社会秩序を守りつつや
つて行くのが、
國家を形成しておる法治
國家の態度でなければならぬ。そういう場合における是正の仕方、あるいは直してもらうやり方等についても、現在の法治下におきましては、一定の規律というか、規定が與えられておる。それにのつと
つて私
どもが漸次不適正、不公平を是正一して参ることが合法的であり適当であると思われますし、また現在の状態において、不十分な鮎があれば
研究して合理的にして行くこともしなければならぬ。しかしながら純粋に
國民の税負担を軽減し、純粋に
納税制度を合理化して、それを適切に直して行くことによ
つて、
國民の
納税意欲を増進させようという
目的から出るのでなく、他の第二義的
——当人たちにと
つては敵は本能寺にあるような
考え方をも
つてやられる
行為があるならば、現在の法秩序のもとにおきましては、それを直して行かなければならぬと
考える。それから
供出制度その他につきまして、現在
淺沼君も
供出そのものをどうこうするはずがないとおつしやいますが、私
どもの経驗によりますと、昭和二十一年度におきまして、他府懸のことは存じませんが、少くとも私
どもの秋田懸におきましては、
供出割合は現在の状況においては八割程度すればいいのだというような方針というか、指導というか、それがある一定の組織の中に瀰漫されて、その結果
あとにな
つてみると強権発動が行われた。そうすると農民はその指導によ
つて八割程度
供出すればいいというので、残りをか
つてに処理してしま
つて、その
あとで強権を発動されて、非常に
供出制度が混乱した事態がある。こういうふうに
供出制度を合法的に改善して行くのでなく、他の
目的をも
つてこういう制度を利用し、かつ阻害しようという
行為、そういう具体的
事例は枚挙にいとまないほどあると
考えられる。それは一々あげなくとも、
承知しておられるだろうと思う。また
供出を割当てる側において、地方の実情その他を十分参酌することなく、不当な因縁
関係あるいは過去の因襲にとらわれて、または私利私欲の立場から不合理な、不公平な割当をやる、それが全体の
供出を阻害する場合もある。そういうことを私
どもは両面から調べて
行つて、その実体を突き詰める必要があると
考える。さらに
不法に
労働争議を挑発させる
行為は、先般來いろいろ
議論があ
つた。たとえば経営者側の怠慢によ
つて賃金の不拂いが起
つた、
公共事業に
悪影響があ
つた場合においては、その
責任を追求することが必要である。その逆にわが國経済の現況においてとうてい不可能であることを
承知しておりながら、純粋にただいまの労働法規に許されている
目的以外を
目的として行われるような社会撹乱
行為も、私
どもは今日予測し得ないとは言えないと
考える。そういろ
行為について実体を突き詰めて
調査を
行つて行くことが、この項目の最終に掲げてある
日本再建に重大な
悪影響を與えたものを
調査するという
考えであります。