○尾崎
説明員 この前のこの
委員会で
日本の食品衛生の取締方針はどうか、またその
現状はどうかという御質問がありまして、それにお答えしたのでありますが、その際に申し上げましたように、われわれの現在の食品衛生行政と申しますか、これは前は警察がや
つておりましたのを三年ほど前からわれわれが引継いでや
つておりますが、その歴史が新しいのと、その取締りにあた
つております監視員は千五百名でありまして、それも一割五分切下げたのでありますが、そういう調子でとても十分な状態でなく、そのために
日本の食品で
外客を賄うことができない、信用していただけないということはわれわれはなはだ遺憾とするのでありまして、この前この
委員会でなんとかそれを考えろという御申付けもありましたし、また通産省の方からも御連絡がございまして、
部分的には、魚の
問題等に対しましてGHQからの御要望もありまし川ので、現在いろいろ研究しておるのでありますが、その
計画を
ちよつと御
説明申し上げます。まずこのような仕事の試験台と申しますか、すでに昨年の何月でしたか、末ごろと思います。
ちよつと正確に覚えておりませんが、
從來第八軍の軍医の手でや
つておられました〇・S・Sの監視に関しまして、東京に関してだけお前の方でや
つてみろという御命令がありまして、現在明治屋の販賣店とその供給をいたしておりますところの七つだつたかの
倉庫を私どもの監視員の手でやらしております。これは各月報告をと
つておりますが、何ら
アメリカさんからの文句もなくや
つております。われわれの手で大体監視作業はこの程度人と予算さへあればや
つて御信用を得るのではないかと考えるのですが、しかしながら御承知のように、この監視は現存食品を
向うから持
つて来て、それの貯藏法とか、貯藏の
施設とか、また販賣の方法とか何とかを監視しておるのであ
つて、
日本内地の食品についてやる場合にはそれと趣を異にする。たとえば野菜について申しますと、
日本でできました野菜はすべて人糞肥料でありますから、こういうような野菜は傳染病、赤痢、チフスの危険がありまして、
向うの方では許可しないのではないか、そういたしますとわれわれはその食品の監視をやります場合には、これはすべていけないということにしなければなりませんから、
施設、販賣從事員というものを幾ら取締りましても、結局荷が動かないということになりまして、その魚なり野菜は供給源から衛生的に考えなければならぬ。こうなりますと、もうわれわれの力だけでなく農林省とか、さらにそういうことを動かして行きますための價格の問題、やはりそこにさそい水をやらないとそういうものを特別に生産しないのでありますから、そのように價格の問題で、他の行政職との話合いをつけなければならないという問題が大きく浮び上
つて來るのであります。この点通産省の方とも十分連絡いたしまして、一回われわれみんなで集
つて考えてみる必要があるのではないか、こういうふうに考えるのであります。
それから今の監視員は、現在
一般的な国民全体にわたる取締りだけで人手が足りず、その仕事が十分に行
つていないのを、特別こういうふうな仕事をやらせるということになりますと、その地域には非常な負担になるというので、そこに増員をしなければならない。このような國家全体のための仕事というようなことになりますと、國でやはり手を打たなければならないというようなことも考えられます。現在輸入食糧を調べるためにそういう監視員を
大藏省に要求しておりますが、それとからみ合せて考えてよいじやないかということも考えて、現在どことどこの観光地というような所でそういう食糧供給をしなければならないか、そこでわれわれがやらなければならないかということを御
計画願いたいと通産省に申し入れたいと思
つております。われわれとしては現在そういうふうにいろいろ努力しておりますが、今どういう状態にあるかと申しますと、牛乳、肉類は現在の状態においてある程度御承認を得られるのじやないかという氣がいたしますが、野菜とか果物類はまだ
ちよつと問題があると思います。魚も向の御承認が得られないと思います。よほどこれは考えなければならぬと思います。調味料、飲物
関係はある程度御承認が得られるのじやないかと思います。こういう状態でございます。一應御報告申し上げます。