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横田委員 これは別に弁解しなくてもよいのですが、
民自党の
先生方に
お答えするのです、私の言いましたのは、
人命の尊重とか、数の正確さの点については、
民自党の
先生方も同じ
ように思われる、こう
言つたのです。それが
一つ。それから今
池見先生がおつしやいましたのですが、その点において
見解の違う点があるのは、死亡しているのではないか、あるいは帰れないのではないかと
池見先生はおつしやいましたが、もしその
ようなことがあ
つたらたいへんだ、もし
ソヴイエトで殺したのであれば、
ソヴイエトから骨を返してもらおうというのです。もし帰れないのであれば、これは
援護廳が言
つているのか、
外務省が言
つているのか知りませんが、巷間傳えるところのデマによると、
ソヴイエトの五箇年
計画に酷使されておるとか、
刑務所にほうり込まれておるとか言われているということですが、もしそういうのだ
つたら、なぜほうり込まれるのか、なぜ帰してくれないのか、
理由がないと思うがためにわれわれはハツキリしてくれと言
つておる。四十万という
ようなことに
理由があ
つて、こちらから
誠意のあることが言われるならば、
向うも好感を持つだろうと思う。ところが
向うに九万五千しかおらぬのに、かりにこちらにおいて四十万おるのだと言えば、これはとんがられるだけだと思います。だから、今日のベルリン問題の
ように、今一應解決しておる
ように見えるけれ
ども、
米ソの
二つの対立する力、その勢力の葛藤のために、
日本のとうとい
抑留者の生命を
向うの地においてむだに過してもらいたくない。もつと簡單に言えば、
ソヴイエトだけにおるんじやない。なぜかというと、
終戰当時残留者の数を
発表さわたのが
二つあ
つた。
一つは
海軍省、
一つは
厚生省であ
つた。そのときのことは、
政府委員が疑うのだ
つたら、
昭和二十二年の
時事年間を持
つて來て、百七十ページを開いてもらうとわかる。そのときにはプレス・コードの違反もやかましく言われなか
つたから、この出版社が間違うたんだと言われるのだ
つたら、それは知りませんよ。そうでなか
つたら
日本政府の
発表としてここに出ているのはこういう
ように書いてあります。陸軍
関係では三一九七四二五とな
つております。それから海軍
関係では四五五九四三とな
つております。それから一般邦人は三四二二八〇六とな
つております。合計しまして七〇七六一七四とな
つております。それから
厚生省の調査によりますとそれが六三七四九八一人とな
つているのです。この間において開きがすでに七十万千百九十三人にな
つております。そのときにもすでに七十万の開きがあるにもかかわらず、どういうわけで
海軍省の
報告が正しくて陸軍省の
報告が間違いと言われたかわからない。これは調べれば調べるほど官僚が不当にも人民の命をむしりと
つた点に対して憎悪の年を持たざるを得ない。なぜかと言えば、ここには四月五日の衆議院の
引揚委員会において高山復員課長が出て來て、開戰当時における満州の状況はま
つたく混乱した状態でほとんど
計画的な準備がなされず、しかもあわてて現地で召集した人員が多数に上るため具体的にはわからないと言明しているのです。この言明にもかかわらずその当時において七十万の誤差がある。いかなる原因によ
つて厚生省が間違えて
海軍省があわてるという
ようなずさんな
発表をしたか。それだから調べれば調べるほど疑惑の念がわいて來る。今日において問題が起るのだ
つたらよいのですけれ
ども、
終戰のどさくさにおいてわからない。それから
一つ答えてください。