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1949-05-17 第5回国会 衆議院 運輸委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年五月十七日(火曜日)     午後二時二分開議  出席委員    委員長代理 理事 岡村利右衞門君    理事 大澤嘉平治君 理事 關谷 勝利君    理事 佐伯 宗義君 理事 田中 堯平君    理事 飯田 義茂君       岡田 五郎君    尾崎 末吉君       土倉 宗明君    小西 寅松君       高橋 定一君    米窪 滿亮君       柄澤登志子君    岡田 勢一君  出席政府委員         運輸政務次官  加藤常太郎君         運輸事務官         (海運総局長         官)      秋山  龍君  委員外出席者         議     員 眞鍋  勝君         議     員 三宅 則義君         議     員 中村 又一君         運輸事務官   藤井松太郎君         專  門  員 岩村  勝君         專  門  員 堤  正威君     ————————————— 五月十六日  海上運送法案内閣提出第二一一号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  海上運送法案内閣提出第二一一号)   請願  一 城端北濃間鉄道敷設請願平野三郎君    紹介)(第三八七号)  二 仙石線の複線化並びに石巻女川鉄道電化    の請願大石武一君外二名紹介)(第三八    九号)  三 一戸より鳥海浄法寺を経て好摩に至る間    に鉄道敷設請願野原正勝紹介)(第    四四四号)  四 斜里根室標津間鉄道敷設促進請願(松    田鐵藏紹介)(第四八一号)  五 平津戸、茂市間鉄道復旧促進に関する請願    (山本猛夫君外六名紹介)(第五一六号)  六 川口より江刈、小川を経て小本に至る間に    鉄道敷設請願山本猛夫紹介)(第六    九九号)  七 相生西大寺両駅間に鉄道敷設促進請願    (大上司紹介)(第八一三号)  八 根室本線狩勝峠勾配切下に関する請願(林    好次紹介)(第八七四号)  九 奥三河開発のため鉄道敷設に関する請願(    三宅則義紹介)(第八七九号) 一〇 三陸沿岸縦貫鉄道敷設請願高橋清治郎    君外三名紹介)(第八八五号) 一一 大糸線全通促進請願塚田十一郎君紹    介)(第八八六号) 一二 前谷地気仙沼間鉄道敷設促進請願(角    田幸吉君外二名紹介)(第八九一号) 一三 小樽より倶知安を経て豊浦に至る間に鉄道    敷設請願苫米地英俊紹介)(第九七    八号) 一四 新内、二股間鉄道敷設請願高倉定助君    紹介)(第九七九号) 一五 岩川國分駅間鉄道敷設請願前田郁    君紹介)(第九八二号) 一六 伊萬里唐津間鉄道敷設請願中村久一    君外一名紹介)(第九九五号) 一七 信濃大町駅改築の請願増田甲子七君紹    介)(第一〇一八号) 一八 樣似村より幌泉村を経て廣尾に至る鉄道敷    設の請願篠田弘作君外一名紹介)(第一    〇一九号) 一九 飯岡より勝間田、植月を経て豊田又は大原    に至る鉄道敷設請願(逢澤寛君紹介)(    第一〇二〇号) 二〇 實積寺、市塙両駅間に鉄道敷設請願(山    口好一紹介)(第一一一三号) 二一 油津港に臨港鉄道敷設促進請願田中不    破三君外五名紹介)(第一一一四号) 二二 内海線全通請願田中不破三君外五名紹    介)(第一一一五号) 二三 紅葉山、金山両駅間に鉄道敷設請願(佐    々木秀世紹介)(第一一四九号) 二四 川之江、池田間鉄道敷設請願眞鍋勝君    外二名紹介)(第一一五〇号) 二五 狩勝トンネル改良工事施行請願(佐々木    秀世紹介)(第一一五九号) 二六 八幡浜港に臨港鉄道敷設請願小西英雄    君紹介)(第一二二一号) 二七 豫讃線と内子線との接続駅変更の請願(高    橋英吉君外八名紹介)(第一二四六号) 二八 涌網線全通請願林好次紹介)(第一    二四七号) 二九 鹿兒島臨港鉄道敷設に関する請願岩川與    助君紹介)(第一二七二号) 三〇 二俣、佐久間間鉄道敷設促進請願中村    幸八君外二名紹介)(第一二七六号) 三一 大高駅裏口に昇降口開設請願)(川本末    治君紹介)(第一三一九号) 三二 勝田、上菅谷両駅間に鉄道敷設請願(山    崎猛紹介)(第一四三五号) 三三 相生西大寺両駅間に鉄道敷設促進請願    (大上司紹介)(第一四三六号) 三四 三國線全通促進請願坪川信三君外一名    紹介)(第一六三〇号)     —————————————
  2. 稻田直道

    稻田委員長 これより委員会を開きます。  昨十六日本委員会に付託になりました海上運送法案議題といたし、審査を進めます。  まず政府提案理由説明を求めます。
  3. 加藤常太郎

    加藤(常)政府委員 ただいま議題となりました海上運送法案について、御説明を申し上げたいと思います。  従来海上運送並びに海上運送事業につきましては、それがわが國の産業経済上、または國民生活上占めるような重要な地位にもかかわらず、統一的な基本法規が存在せず、断片的臨時法規の運用ないしは実際上の行政指導に依存して来た実情であります。しかしながら現在において、すべての行政は、法律の根拠の上に行わなければならず、この趣旨から見て、海上運送並びに海上運送事業を規律する統一的基本法規定する必要があります。海上運送法案はこの必要に應ずるものでありまして、この構造は次の通りであります。  海上運送事業は、元来その國際間に事業活動がまたがる性質からして、事業者の創意とくふうとにより、自由に行われるべき性質を持つておりますので、本法案原則として、その自由な事業活動を発展助長するため届出制、その他事業現状把握に関して規定するにとどまるのでありますが、定期航路事業につきましては、それが陸上における道路ないしは鉄軌道バス事業と同様に、國民生活に直接重大な関係があり、従つてそれが持つている社会公共性の面を重視して、事業免許制その他の特別の監督規定を設けるとともに、他方社会公共上必要がある場合は、航路補助金を與えて道を開いておるのであります。  次にこの法律案は、海運業者相互が、國内的または國際的に締結します運賃同盟その他の協定が、國際海運の慣行であり、最も反カルテル立法の進歩した米國においても、それについては独占禁止法が適用除外されておるのであります。しかるにわが國の現在の独禁法及び事業者團体法のもとにおきましては、かかる協定は一切禁止されており、かくてはわが國海軍の健全な発展も望み得ぬ実情にありますので、右の絶対禁止を緩和いたしまして、極端に独占となり、または不公平なる競争方法がとられる場合を除きましては、協定の存在を認める規定を設けております。  第三にこの法律案恒久法であることを建前としておりますが、さしあたりの経済情勢に対應して、重要物資を指定してその運送を命ずる航海命令規定を設けております。これは明らかに臨時的、統制的規定でありますので、その有効期間を二年と限定しますとともに、この命令は、予算で成立する損失保証の額の範囲内で、発し得ることになつております。  第四に檢数、鑑定、檢査人につきましては、それが貨物海上運送上占める公共的地位にかんがみ、これに職業として従事する場合は登録制として、一定の欠格者を排除し、その質の向上を目途としております。  最後に以上述べました場合を通じまして運輸大臣法律に基く権限を行使します場合には、原則として運輸審議会に諮り、その意見を聞かなければならず、運輸審議会は、またその意見を決定しようとする場合は、原則として公聴会を開いて利害関係人申立てを聞かねばならぬことになつておりますと同時に、運輸審議会にその性質上諮ることが適当でない事項は、運輸大臣が直接当事者を出頭せしめてそお言い分を聴聞しなければならぬことし、従来、ともすれば発生しがちな、官廳独断専行を防止するに十分な規定がなされておるのであります。  なお戦時制限され、なお現在存続しております臨時船舶管理法は、別途御審議を願つております造船法案及び本法案が成立すれば、不要となりますので、本法案の成立と同時に、これを廃止いたします。  本法案趣旨は以上申し述べた通りでありますが、会期切迫折柄はなはだかつてがましくございますが、何とぞご審議の上、早急に御可決あらんことを切望いたします。
  4. 稻田直道

    稻田委員長 質疑は次会に譲ります。     —————————————
  5. 稻田直道

    稻田委員長 これより請願に入ります。  日程九、奥三河開発のため鉄道敷設に関する請願三宅則義紹介文書表第八七九号を議題といたします。紹介議員三宅君の説明を聞きます。
  6. 三宅則義

    三宅則義君 ただいま議題になりました奥三河開発のため、鉄道敷設に関する請願でありますが、このことにつきまして、わが愛知縣の最北端でありまして、ちようど北海道といわれおるような所であります。面積は四百十三平方キロ、人口は三万七千でありますが、ほとんどその全部の八割までは、山々をもつて囲まれておるのであります。その中には國有林もありますし、また公共團体所有林もあるわけでありまして、このことにつきましては、私どもは早く開発をいたして、林産物名古屋方面、あるいは大阪方面にも移出いたししたいとかんがえておつたのでありますが、何せ鉄道が敷けておりません。そのために隣郡の西加茂郡という所まで名古屋鉄道が参つておるのでありますが、これは現在西中金というところで終点になつております。それで私どもの希望いたしますところでは、東加茂郡足助町というところまで、鉄道延長させてもらいたいと思います。そのキロ数は十キロでありまして、二里半であります。すでにそのうち半分は用地がも貰つてあるのでありまして、戦争前にこれがあつたのでありますが、戦争レールがないというわけで名古屋鉄道は遠慮いたして、今日までたつておるのであります。ところがわが地方におきましては、非常に交通不便のため、もしくは林産物搬出に困つておりますから、これを再々早く敷設してもらいたいということを願いましたところ、資材がないということで断られておるのでありますが、現在も滞貨が非常にありまして、迷惑を感じております。林産資源開発におきましても、最も必要であると思いますから、この鉄道線路の割当を、ぜひひとつ名古屋鉄道にやつてもらいたいということを申し上げます。はなはだ簡単でありますが、奥三河地方開発のために、すでに道路ができておるのでありますから、線路だけつければ車がまわりますのでぜひ線路を御割愛あらんことをお願いいたします。何とぞ本委員会におきましては、全会一致御可決あらんことを希望いたします。
  7. 藤井松太郎

    藤井説明員 この鉄道名古屋鉄道株式会社の知立、西中金間終端西中金駅より足助に至る延長約八キロの線路でありまして、沿線林産農業等物資の豊富なところであります。経過地は一貫して縣道に沿い、石野及び盛岡両村を経て、足助に至る線路でありまして、地勢ははおおむね平坦であつて、大した建造物もない、施工はきわめて容易の見込みであります。なお本区間名古屋鉄道建設工事施工認可区間であります。従つて運輸省としては本区間建設する考えを持つて居りません。
  8. 三宅則義

    三宅則義君 ただいまの御説明につきまして、名古屋鉄道延長線を施設することになつておりますが、レール資材を割当てるには、やはり運輸省がこれに対してあつせんをしていただきたいと思いますが、いかがですか。
  9. 藤井松太郎

    藤井説明員 鉄道建設に関しましては、國有と施設とを問わず、その筋の厳重な監督を受けておりまして、こういうさしあたり採算のとれるような線路が、早急に建設運びになるということは、はなはだ困難だろうと思いますけれども、なお関係の向きと連絡をとりまして、促進するようとりはからいます。     —————————————
  10. 稻田直道

    稻田委員長 先般政府答弁を保留いたしておりました長崎より茂木町を経て喜々津に至る間の鉄道敷設請願について、この際政府より答弁を承りたいと思います。
  11. 藤井松太郎

    藤井説明員 本件は現在の長崎本線にある急勾配を緩和し、沿線資源開発するため、すみやかに鉄道敷設せよとのお話でありますが、この線路延長二十三キロの見込みで、一部は予定線であります。沿線には矢上、茂木等の都邑もあり、また林産農産果実等物資の多い所であります。経過地の大部分は橘湾に面した凹凸の激しい海岸地帯であり、また途中長崎半島を縦貫する山脈もあつて延長約三キロ以下のトンネル十二箇所もできるほか、あまた架橋工事を要するようであります。当局といたしましては、この線路長崎本線改良線でもありますし、かたがた比較線もございますので、そこらも考えて十分研究を進めて行きたい。かように考えております。     —————————————
  12. 稻田直道

    稻田委員長 次は、日程第一、第三、第四、第六、第七、第九、第一〇、第一二、ないし第一六、第一八、ないし第二一、第二三、第二四、第二六、第二九、第三〇、第三二、第三三、の各請願は、ただいま三宅君より御紹介になりました鉄道敷設に関する請願と同じような内容でありまして、内容文書表によりまして十分御承知のことと思いますので、一々説明することは省略しまして、一括して政府の御答弁を伺いたいと思います。
  13. 藤井松太郎

    藤井説明員 お答え申し上げます。個々路線を申し上げる前に、全國の建設線が一体どんなふうになつておるかということを一應申し上げました方が、御了解を得るために便宜かと考えますので、一應現状を簡単に申し上げます。昭和十二年の戦争前におきまして、國有鉄道が手をつけておりまして、路盤工事がほぼでき上がつた路線が約五百キロございます。鉄道路盤工事ができ上がりますと、その工費から考えまして大体八割くらいできたということになりますが、そのまま戦争のために中止されまして、戦後の鉄道におきましては、戦争中のこわされました戦災の復旧であるとか、あるいは物資の不足のために低下した現在線の補強といつた方面に、主力が傾倒されまして、遺憾ながらこの五百キロの路線は開業する運びに至つておりません。従つて二十四年度おきましては、建設線といたしましては、過般のアイオン台風によつてこわされた山田線の代替的な役割を演ずる保安線一線を、本年度は施行しておるのみであります。しかしながら申し上げるまでもなく、國土利用性を高めるためには、鉄道線路をまず敷く。従つて開発の基盤をつくつて行くということが、不可欠の問題でございますので、鉄道が赤字をもつてしておる現状においては、早急には困難でございますけれども事情が好轉しさえすれば、急を要するものから漸次取上げて、路線建設に移りたい。それにはまず持つて路盤工事ができ上がつておるというようなものが優先的に拾い上げられまして、それが一應片づいたあとに、新しい路線に手をつける、こういつた順序になるのではないかと存じております。従つて本年もわれわれのやりたいというような線路に合致しておりますけれども、今年度は遺憾ながらこれに現実に着手するということは、至難でございますので、まずもつて御了承を得ておきます。     〔委員長退席岡村委員長代理着席〕  それでは個々のものに移りまして、請願の三八七号の城端北濃間の鉄道敷設請願でございます。これは城端から岐阜縣の大野郡白川村、荘川村及び群上郡の高鷲村を経まして北濃駅に至る路線敷設して、中部の裏表日本物資、文化の交流をはかるとともに、鉄道沿線地帯の無盡蔵な資源開発せよ、こういつた趣旨の御請願でございます。沿線には廣大なる國有林及びご料林等もあり、林産資源の豊富なところで、また床川筋には既設の大発電所があります。なお北濃、鳩ヶ谷間約六十四キロには、昭和八年八月より國営自動車を運行し、旅客貨物輸送をはかつております。当局といたしましては、目下のわが國経済事情では敷設することは困難であつて、御趣旨に沿いかねる次第であります。  次は御請願の第四四四号でございまして、東北の一戸から好摩間の鉄道敷設せよというのであります。お話のような好摩駅より七時雨山麓、浮法寺町を経て北福岡に至る鉄道敷設は、いまだ調査もしたこともなければ、敷設の計画はありません。本請願線のうち、一戸、荒屋新町間は鉄道敷設法予定線に該当する線路でありまして、第五十六議会昭和四年三月において建設費予算に計上された線路でありますが、財政の都合から工事着手に至らないので、第五十九議会昭和六年三月で予算を削除された線路であります。好摩・一戸間のうち好摩荒屋新町間は既成花輪線の一部であります。浄法寺荒屋新町間は地勢おおむね平坦で、安比川に数箇所の架橋を要するのみで、施工上さしたる困難はありませんが、一戸より島海を経て浄法寺に至る間は、いまだ調査をいたしたことがありませんが、図上の研究によりますと、一戸鳥海村界附近地勢急峻で、急勾配でなければとりつかないので、東北本線勾配改良としては、可能性がないのであります。なお東北本線奥中附近勾配改良につきましては、今後なおとくと研究してみたいと考えております。  次は請願の第四八一号でございまして、北海道斜里から、根室標津間の鉄道敷設を促進せよというのであります。この標津斜里間鉄道は、運輸系路上並びに拓殖上の必要と、沿線における資源開発を目的をしまして、第七十議会昭和十二年三月に建設費予算に計上された線路であります。このうち斜里越川間は路盤工事竣工し、越川、熊の巣間は土木工事に着手いたしましたが、戦争のため、資材資金その他の関係から、工事請負を解約して中止いたしております。熊の巣・奥留邊期間並びに標津糸樽別間線路設計が済んでおりますが、まだ工事には着手いたしておりません。当局といたしましては、現在わが國経済情勢その他から、早急に工事再開または新たに工事に着手することは困難であり、御趣旨に沿いかねる次第であります。  次は請願の第六九九号でございまして、川口より江刈を経て小本に至る間に鉄道敷設せよというのであります。本区間のうち岩手川口葛巻間は敷設法予定線に該当しておりませんが、葛巻浅内間は敷設法予定線、小鳥谷より葛巻を経て袰野に至る鉄道の一部であります。残りの浅ノ内・小本間は建設線小本線の一部でありますが、戦争の影響を受けて資材資金等関係から、いまだ工事着手に至らなかつたのであります。経過地はおおむね狭隘なる河岸を通りますので、あまたの小隧道を要し、葛巻浅内間は馬瀧川小本川の流域でありまして、九戸、下閉伊の郡界たる國峠延長約二キロの長隧道掘繁するほか、二十数箇所に小隧道をうがち、橋梁もまた三十数箇所架橋を要し、線路の最急勾配千分の二十五であります。なお本区間中、川口、元木間を除き、一貫して國営自動車を運行して、旅客貨物輸送をはかつております。建設線浅内小本間は、現在建設工事は全面的に中止のやむなき現状で、新たに本区間工事着手することは困難でありまた川口浅内間鉄道敷設も、目下のわが國経済情勢では、さしあたつて困難でありまして、御趣旨に沿いかねる次第でございます。  次は御請願の八一三号でありまして、相生西大寺間の鉄道敷設を促進せられたいというのであります。この赤穂線は第六十九議会昭和十一年三月、地方産業開発運輸交通見地から、建設費予算に計上された線路でありまして、このうち相生赤穂、日生間は工事に着手しましたが、竣工まで至らず、資材その他の関係から工事中止している次第であります。  次は第八八五号でございまして、二陸沿岸鉄道敷設せよという御請願であります。この気仙沼石巻間、延長約八十一キロのうち、気仙沼横山間運輸経路並びに資源開発上の見地から、第六十九議会昭和十一年五月において建設費予算に計上された気仙沼前谷地間鉄道の一部でありまして、気仙沼陸上間、延長約九キロは工事に着手いたしましたが資材その他の関係から、工事中止しております階上津谷間延長約十三キロは、線路選定は済んでおりますが、工事着手には至つておりません。また津谷、横山間延長約三十三キロは選定未済区間であります。残余の横山、石巻間、延長約二十六キロは敷設法予定線にも該当いたしておりません。当局といたしまして、目下建設線は全面的に中止のやむを得ない事情にありますので、急速に工事再開または新たに工事に着手することは困難であります。なお現在の建設線たる気仙沼前谷地間鉄道終点前谷地を、石巻に変更する件は、調査いたしたことはあります。両線についてなお比較研究しておりますが、いまだ決定の段階には至つておりません。  次はただいまの御請願と一部重複いたしておりますが、前谷地気仙沼間鉄道敷設促進の件でございます。この前谷地気仙沼間鉄道は、運輸経路並びに鉱産林産農産等資源開発上の見地から、第六十九議会昭和十一年五月において建設費予算に計上された線路でありまして、このうち気仙沼階上間延長約九キロは工事に着手いたしましたが資材、その他の関係から、工事中止いたしております。階上津山間延長約十三キロ及び前谷地豊里間延長約十二キロは線路設計は済んでおりますが、まだ工事に着手しておりません。  当局といたしましては、目下建設工事は全面的に中止のやむを得ない実情にありますので、急速に工事再開することは困難であります。さよう御了承願います。  次に小樽豊浦両駅間に鉄道敷設の御請願でありますが、本区間のうち、南小樽具知安間約八十キロ及び比羅夫豊浦間約四十キロは、敷設法予定線に核当いたしておらぬ線路でありまして、残余具知案比羅夫間、六・七キロは既成函館本線の一部であります。沿線にはお話のやうに農耕開拓適地も相当あり、農産林産鉱産等物資が豊富な所であります。経過地赤井用村地内及び幹線、具知安間地勢は平坦でありますが、その他はおおむね山間部に属しまして、ことに膽振、後志の國境山脈小樽、余市の郡界を回する小樽峠に、延長約四キロの長大なる隧道が二箇所もできる見込みであります。また橋築においても、狭隘なる川岸を通過いたします関係上、二十数箇所も築設を要するので、相当の難工事が予想されます。なお南小樽具知安の中間には明治、轟の両鉱山があり、金、銀、銅等の鉱床があります。当局といたしましては、現在のわが國経済情勢では、さしあたつてこの鉄道敷設することは困難であつて、御趣旨に沿いかねる次第でございます。  次は御請願の九七九号でありまして、新内、二股間鉄道敷設の御請願であります。この鉄道は、新内、三十一号間を除く以外は、敷設法予定線別表第百四十二号茅室トムラウシ付近(二股)間鉄道の一部に該当する線路であります。線路狩勝峠の山すそになりますので、地勢急峻のため、新内より分岐することは技術的に困難と思われますが、種々比較研究いたしております。沿線林産農業物資も豊富で、また牧畜の業も盛んでありますが、大半は國立公園地域に属しますので、木材の伐採あるいは農耕地開拓等は、観光の立場よりも考慮する要があると存じます。いずれにせよ本線路建設には巨額の工費を必要としますので、現下の國内情勢では、早急にこの鉄道は至難と存じます。  次は九八二号の、九州の岩川國分駅間鉄道敷設の御請願であります。本線路志布志線岩川駅より日豊本線國分駅に至る鉄道でありまして、このうち敷根、國分間、約七キロは、敷設法予定線別表第二十六号に該当する國分古江間鉄道の一部であります。沿線は農林産物資の豊富なところでありまして、経過地前川流域地帯で、地勢おおむね狭隘であります。湊川、前川分水地である始良、囎唹の郡界を画する峰脈延長約五キロの長大隧道ができる見込みでありまして、ここより線路は鹿児島湾に臨み、急轉直下の地形で龜割坂の山腹を傳い、山すそに数多の小隧道をうがちて漸下し、敷根を過ぎ、日豊本線國分駅に至る延長約三十二キロの鉄道であります。なお國分、敷根間には國営自動車が運行して、旅客貨物輸送をはかつており、また敷根、岩川間には三州自動車会社のバスが運行しております。当局といたしましては、工事量も相当多く、さしあたつてこの鉄道敷設は困難かと思われます。  次はやはり九州の伊万里、唐津間に鉄道敷設の御請願でありますが、本区間も先ほどから申し上げましたような事情によりまして、当局といたしましては、現下の國内情勢では、さしあたつてこの鉄道を早急に敷設することは困難であります。  次は北海道の様似村より幌泉を経て廣尾に至る鉄道敷設の御請願であります。本区間敷設法予定線別表第三十三号に該当する苫小牧、幣廣間鉄道の一部でありまして、日高線様似駅より太平洋沿岸に沿い、地方費道と併進して、様似村字幌浦字苗舞、幌泉市街を経て、襟裳岬に通ずる日高山脈隧道を貫き、庶野を過ぎ、旧猿留山道下に約一キロ二百メートルの隧道二箇所を掘懇して猿留に至り、これより太平洋沿岸に出て嶮隘なる海岸に沿うて音調律、美幌を経て廣尾線の終端廣尾駅に連絡する鉄道でありまして、経適地はおおむね山脚相追れる海岸線で丘陵、山嘴、断崖等があつて隧道も多く、また地盤も悪しき所多く、地形上填削、擁壁その他の工事も少からず、巨額の建設費を要する見込みであります。中間にはニツケル、黒鉛の鉱床もあり、また林産、海産物資も豊富な所であります。なお全区間に一貫して國営自動車が運行して、旅客貨物輸送をはかつております。当局といたしましては十勝、日高間の運輸経路上必要であることは認めておりますが、目下わが國経済実情では、さしあたつてこの鉄道敷設することは困難であるが、将来経済事情が好轉いたしますれば、考慮さるべき線路であろうと思います。  次は御請願の一〇二〇号の飯岡より勝間田、植月を経て、豊田または大原に至る鉄道敷設の御請願でありまして、本区間鉄道敷設法予定線に該当いたしておりませんし、いまだ調査もいたしたことがありませんが、図上の研究によりますと、片上鉄道の美作、飯岡駅より姫新線勝間田駅に連絡し、植月を迂回して栗井、大吉の村界を圃する峰脈に、延長一キロ余りの隧道を掘懇して、吉野川に沿うて漸上いたしまして、敷設法予定線上郡、智頭間鉄道の大原町に達する線路であります。当局といたしましては、現在のわが國経済情勢では、さしあたつてこの鉄道敷設することは困難かと思います。  次は御請願の一一一三号でありまして、宝積寺、市塙両駅間に鉄道敷設の御請願であります。この鉄道敷設法予定線で、延長は約十八キロであります。沿線農産物及び石材の多い所であります。まだ調査はいたしておりませんが、経過地はおおむね平坦で大した建造物はありません。またこの鉄道敷設に際しては、戦時中に敷設された旧宇都宮陸軍航空廳までの専用鉄道を轉用利用せよとのことでありますが、これをかりに利用するにいたしましても、なお相当の資金資材を要しますので目下のわが國経済情勢では、早急にこの鉄道敷設することは困難であります。なおこの区間の大部分には、國営自動車及び市民バス等が運行いたして、旅客貨物輸送をはかつております。  次は御請願の一一一四号であります。九州の油津港に臨港鉄道敷設促進の御請願であります。本港は南九州の商港並びに漁港としての重要性は認めておりますが、建設工事目下全面的に中止している現状であります。当局といたしましては、わが國の経済情勢」から、さしあたつてこの臨港鉄道を急速に敷設することは困難と思われます。なお第一回及び第二回國会におきまして両院で請願選択になつておりますから、今後慎重に考究したいと思つております。  次は請願の一一四九号でございまして、北海道の紅葉山、金山両駅に鉄道敷設請願であります。本区間のうち紅葉山、上穂別間、約十八キロを除くほかの大部分は、鉄道敷設法別表第百三十四号に該当する予定線でありまして、延長は約七十キロほどあります。拓過地はおおむねホルカクルキ川、穂別川及び鵡川等の狭隘なる流域に沿う山間部でありまして、途中の大峠、穂別及び胆石峠等の附近地勢急峻であつて延長二キロないし三キロの長大なる隧道が四箇所もできる見込みであり、その他橋梁、擁壁等の工事が多く、大工事が予想されます。なお占冠、金山間には昭和二十二年十二月二十七日より國営自動車を運行して貨物輸送をはかつております。当局といたしましては、目下のわが國経済情勢ではさしあたつてこの鉄道敷設することは困難であります。     —————————————
  14. 岡村利右衞門

    ○岡村委員長代理 日程第二四、川之江、池田間鉄道敷設請願文書表第一一五〇号、紹介議員眞鍋勝君外八名。紹介議員が見えましたから、御説明を願います。
  15. 眞鍋勝

    眞鍋勝君 本請願は愛媛縣川之江町から徳島縣池田町に至る鉄道敷設でありまして、昭和十二年度に、当時喜安次官のときに、もういよいよ実行というところまで行つておつたのでありますが、不幸にして日支事変が起つたのでさたやみになり、無期延期となり、現在に至つているのであります。しかるにこの鉄道の持つ重大な使命は、単に四國地方における交通に寄與するばかりではなく、九州大分から大阪へは、従来の十七時間を三時間短縮し得るのであります。このように短縮できるのでありますから、どうかすみやかにこの区間鉄道敷設されたいというのが本請願趣旨であります。よろしくお願いいたします。
  16. 藤井松太郎

    藤井説明員 お答えいたしますこの線路鉄道敷設法別表第百一号に核当する予定線でありまして、延長は約二十一キロの見込みであります。沿線林産資源が豊富であるほか、途中の上分町付近は和洋紙の産地として有名なところであります。経過地は金生川、佐馬地川等の流域でありまして、両端の川之江町、池田町附近の地形は、おおむね平坦でありますが、中間の愛媛、徳島の縣界附近地勢は急峻でありますので、土工量も多く、また延長約二キロ以下の隧道十七箇所もできるほか、池田附近の吉野川には長大なる橋梁を要する見込みであります。なお全区間昭和九年三月から省営自動車を運行いたしまして、旅客貨物輸送をはかつております。当局といたしましては、目下のわが國経済実情では資材資金、その他の関係から、さしあたつて、この鉄道敷設することは困難でございますが、御趣旨に沿いまして、研究を進めて行きたいと存じております。     —————————————
  17. 岡村利右衞門

    ○岡村委員長代理 それでは、先ほどからの引続いての請願に対する政府意見を承します。
  18. 藤井松太郎

    藤井説明員 次は請願の第一二二一号、八幡浜港に臨港鉄道敷設の御請願でございます。お話のように御不便はごもつともでございまして、この臨港線の必要性は、当局といたしましても十分認めておりますが、現下のわが國の経済実情では、早急に敷設することは困難でありますので、全國的に見まして急を要するものから漸次具体化するように取運びたいとと存じております。
  19. 關谷勝利

    ○關谷委員 今の八幡浜の臨港線でございますが、全國的に見まして、漸次必要度の高いものからということになりますけれども、八幡浜の港湾改修にあたりましては、臨港線を引込みますために埋立てその他ができてありますので、これは明らかに最も緊要欠くべからざるものと認められるであろうと思います。ことに九州と四國をを連絡する、省営連絡というようなことが非常にやかましくなつておりまして、それにも関連いたしておりまして、九・四連絡箇所に」なつておりますので、これをやります場合には、最緊要なるものとして最優先的にやつてもらいたいと思います。この点に対する政府の御答弁を願います。
  20. 藤井松太郎

    藤井説明員 お話のごとく、九・四連絡の相当重要なことは十分認めますが、これがはたして最優先に取扱われるかどうかは、ちよつと明言いたしかねますけどど、いずれにしても重要性は認めておりますので、十分慎重に調査研究を進めて、具体化したいと考えております。
  21. 關谷勝利

    ○關谷委員 この緊要なることを決定するというのはどういうふうな基準から決定しておりますか。
  22. 藤井松太郎

    藤井説明員 こういつた路線建設とか、その他の緊要度を決定いたしまする基準は、鉄道から言えば、このことをやることによつて鉄道の収入がふえるという見方もありますし、國家全体から見れば、これをやることによつて地元の方の利益がどれだけ上がるかという見方もございますし、一方資金資材の面が現在のごとく縛られておりますこと、そういつた見方から見まして、非常に重要度が高いと申しましても、それが数年かかつても、予算のわくに入らぬということになりますと、具体化の道がありませんので、その時の興られた予算資材その他のわくからにらんで、しかも効果というものを合わせ考えて、従来も判定いたしておりますし、将来においてもそういつた判定をいたすことと思います。
  23. 關谷勝利

    ○關谷委員 この八幡浜の臨港鉄道関係は、距離的に申しましても、非常に距離が短いのでありますし、ことにこれは九・四連絡の地点になつておりますので、これができ上がりますと、相当利用する面も多いのでありまして、鉄道の収入の面から言いましても、もちろんもつとも歓迎すべきものでありますし、地元から申しましても、これができないために、非常に不便を感じておるということでありますし、資金資材を要する点も少ないのでありまして、地元の受ける利益、鉄道の収入の面、ことごとく合致しておりますから、これを最優先と認める御意志ありやいなや、これを承りたいと思います。
  24. 藤井松太郎

    藤井説明員 ほかのことに類似いたしました臨港線の調査を、実は今持つておりませんので、これの最優先性を認めるかどうかということは明言いたしかねますが、ただいまお説にありましたように、延長にいたしましても短いのでありますし、工費の点から考えましても三千万円程度でございますから、事情が好轉いたしますれば、とにかく重要度を認めておりますので、なんとか具体的に行くべきものではないかと考えております。これがはたしてほかのものと比較いたしまして、最優先であるかどうかということは、お答えいたしかねるような状態でありますから、御了承願いたいと思います。
  25. 關谷勝利

    ○關谷委員 ただいまこれをご明答願いたいと申しましても、無理でありましようし、いろいろ各地と比較研究の上、その結果をこの委員会に御提示を願いたいと思います。     —————————————
  26. 岡村利右衞門

    ○岡村委員長代理 それでは引続いて先ほどの請願に対する政府意見を承りたいと思います。
  27. 藤井松太郎

    藤井説明員 次は御請願の一二七二号でございまして、鹿児島臨港鉄道敷設に関する請願でございます。本臨港線は鹿児島駅より中央市場まで敷設し、さらにこれを船だまり西南まで延長敷設するものであつて昭和二十三年度より工事に着手し、すでに五月二日完成いたしましたが、三百メートルの延長工事は引続き施行中であいまして、本年度の完成でございます。  次は御請願の一二七六号でございまして、静岡縣の二俣、佐久間両駅間に鉄道敷設せよという請願でございます。本区間は第五十一議会建設費予算に計上された鉄道でありますが、従来資金素材及び労務等の面から、計画通工事に着手できなかつたのであります。当局といたしましては、目下建設線は全面的に工事中止のやむを得ない実情でありますので、この鉄道を急速に着手することは、現在わが國経済情勢では困難でありまして、御趣旨に沿いかねる次第であります。なお、昭和二十一年十月から全線に省営自動車を運営いたして、旅客貨物の便をはかつております。  次は御請願の一四三五号でございまして、勝田、上賛谷両駅間に鉄道敷設せよという御請願でございます。本区間のうち上管谷、下管谷間、延長二キロ八分は既成水郡線の一部でありまして、残余の勝田、下菅谷間、延長五キロ八分は鉄道敷設法予定線第四十一号に核当する区間であります。沿線地勢平坦であつて、大した建造物もなく、工事施行はきわめて容易であります。当局といたしては、さしあたつてこの鉄道敷設することは、目下國内情勢ではきわめて困難でありますがす、水郡線の水戸駅構内改良の関係もあり、研究いたしております。  次は請願の一四三六号のございまして、相生西大寺両駅間の鉄道敷設促進請願でございます。これは先ほど御説明申し上げました請願の八一三号と、全然同一の御請願でありますので、説明を省略させていただきたいと思います。     —————————————
  28. 岡村利右衞門

    ○岡村委員長代理 次は日程第二、仙石線の複線化並びに石巻女川鉄道電化請願、大井氏武一君外二名紹介文書表第三八九号を議題といたします。紹介議員の方が出席しておりませんので、關谷君から御説明願います。
  29. 岡村利右衞門

    ○岡村委員長代理 仙石線の複線化並びに石巻女川鉄道電化請願でありますが、この請願の要旨は、仙台市の発展と石巻市及び隣接町村の膨張によつて、仙石線沿線地方の産業、経済、文化及び交通が緊密化して、輸送力の増強を必要とするようになり、また石巻市を中心とする牡鹿、桃生両郡の水産業の急激な進展によつて、現在の鉄道でははなはだしく不利不便となつたのであります。ついては仙台、石巻間を複線にし、かつ石巻、女川間を電化して、仙台市と女川町を直結されたいと思うのであります。政府の御答弁を願うと同じに、委員各位の御賛同を願いたいと思います。
  30. 藤井松太郎

    藤井説明員 この仙石線は、昭和十九年五月法律第八号によつて買収いたしました、宮城電気鉄道線路であります。延長は約五十キロでありまして最急勾配は三三キロで、最小半径は百六十メートル電気運轉区間であります。このうち仙台、陸前原町間約三キロは複線になつております。当局といたしましては、全線を複線とすることは資材資金その他の関係から、御趣旨に沿いかねる次第であります。また石巻、女川間十七キロの電化については、省として優先的に幹線電化の必要もあり、予算資材の制限も、目下のところ、急速に御請願趣旨に沿いがたいと存じておりますので、御了承を得たいと思います。     —————————————
  31. 岡村利右衞門

    ○岡村委員長代理 次は日程第五、平津戸、茂市間鉄道復旧促進に関する請願山本猛夫君外六名紹介文書表第五一六号を議題といたします。紹介者の方が見えませんので、關谷君から御願いいたします。
  32. 關谷勝利

    ○關谷委員 本請願の要旨は山田線平津戸、茂市両駅間に位する間馬川井村は、昭和二十三年の水害により、運輸機関を奪われ、村民唯一の生活資材である木材、木炭等の搬出が困難となり、ために村民は生活に困窮しておる。ついてはすみやかに前期両駅間の鉄道復旧するとともに、各線開通に至る期間は、臨時に自動車を運轉せられたいというのであります。政府当局の御説明並びに全委員の賛同を得たいと存じます。
  33. 藤井松太郎

    藤井説明員 山田線の平津戸、茂市間は、昨年秋のいわゆるアイオン台風」による被害のうちで、最も大きな被害をこうむつた箇所でございまして、閉伊川の氾濫によつて沿線の各所でがけ崩れを起し、鉄道の盛土であるとか、切取りが崩壊し、線路が流失して石垣が崩れ、橋梁が流れるという被害がおびただしい数に及んだのであります。私どもといたしましては、平津戸、茂市間の災害はあまりにも甚大でございますので、この災害の根源をなくす治山治水などに関連いたしまして、十分慎重な研究を重ねてこれを着手いたしませんと、同じ災害を繰返すおそれがありますので、目下復旧対策研究会を設けまして、鋭意研究中でございますから、その結果によりまして、一日も早く対策を樹立いたしたいと存じております。なお現在運轉いたしております仮線のモーター・カー線路は、作業用の一時的なものでございまして、これに多くを期待することはできないかと存じてますから、申し添えておきます。     —————————————
  34. 岡村利右衞門

    ○岡村委員長代理 次は日程第八、根室本線狩勝勾配切下に関する請願林好次紹介文書表第八七四号を議題といたします。紹介議員のかた見えませんので、關谷君からお願いいたします。
  35. 關谷勝利

    ○關谷委員 本請願の要旨は、北海道総合開発輸送の隘路となつている根室本線の狩勝峠は、上川郡新得町の西北方に位し、標高七百メートルの壁が、北海道を東西に二分し、千分の二十五の急配が道東地区の産業の興隆を妨げていることは、この上もない。ついては核峠の勾配切下げを実施され、鉄道輸送の改善に資せられたいというのであります。なにとぞ政府当局の御答弁を得ますとともに、全委員の賛成を得たいと思います。
  36. 藤井松太郎

    藤井説明員 この狩勝トンネルは、明治四十年九月八日落合、幣廣間の開業とともに開通いたしましたもので、そのトンネル延長約一キロ、線路勾配千分ぼ二十五であります。勾配の切下げ工事を施行して、輸送上の障害を除去せよとの請願であります。その必要性は私どもも十分認めておりますが、何しろ大改良工事に属しまして、莫大の資材と巨額の工費を要しますので、当局といたしましては現在のわが國の経済情勢では、さしあたつてこの改良工事を早急に実施することは、きわめて困難でありますが、十分調査研究を進めまして、この改良工事が可能になりさえすれば、その具体化に持つて行きたいと、かように存じております。なお本年度は應急の手当といたしまして、溺水防止工事を施行いたす予定になつておりまうす。     —————————————
  37. 岡村利右衞門

    ○岡村委員長代理 次は日程六一一、大糸線全通促進請願塚田十一郎紹介文書表第八八六号を議題といたします。紹介議員塚田君がおりませんから、關谷君からお願いいたします。
  38. 關谷勝利

    ○關谷委員 本請願の要旨は、中央線松木市と北陸線大糸線は昭和四年起工され、長野縣側は中土、新潟縣側は平岩まで建設を終了したが、戦争のため中止され、現在中上並びに小瀧までそれぞれ運轉されているが、未開通区間十六キロ余が路床工事を終り、軌條敷設持つばかりになつている現状でありますから、すみやかに大糸線の企画を促進されたいというのであります。なにとぞ政府当局の御答弁を得たいと存じますとともに全委員の御賛成を得たいと思います。
  39. 藤井松太郎

    藤井説明員 日本海側の糸魚川と長野縣の大町を結ぶいわゆる大糸線は、第四十五議会におきまして林産農産鉱産等資源開発するとともに、運輸系路上見地から、郵便鉄道として予算に計上された古い歴史の線路でありまして、このうち大部分開業いたしましたが、未完成のところは小瀧、中土間のわずか八十キロであります。これも路盤工事が大体竣工いたしておりますが、この路線は姫川の谷に沿いまして、姫川の洪水の影響をうけまして、一度竣工した路盤その他も、相当の被害を受けているような状態であります。当局といたしましては、資源開発線路については積極的に工事再開したい希望は持つておりますが、現在建設線は全面的に中止のやむを得ない実情でありますので、未成区間につきましても、急速に工事再開することのできないのを、はなはだ残念に思つておるような次第であります。     —————————————
  40. 岡村利右衞門

    ○岡村委員長代理 次は日程第一六、伊萬里唐津間鉄道敷設請願中村又一君外一名紹介文書表第九九五号を議題といたします。本請願は先ほど政府委員から御答弁を得たいと承りましたが、紹介議員がお見えになり、補足説明をされるそうでありますから、御説明を願います。中村又一君。
  41. 中村又一

    中村又一君 佐賀縣西松浦郡伊萬里町、唐津市間鉄道敷設に関する請願の補足説明を申し上げます。伊萬里より伊萬里漁港、黒川、波多津を経て、東松浦半島海岸を迂回、呼子町に達し、さらに唐津市に通ずるいわゆる玄海側面の一帯は、伊萬里町二万一千五百八十一、黒川村四千六百、波多津村四千六百九十六、切木村五千百六十九、人野村一万五千二百六、有浦村三千三百六十四、値賀村四千九百十八、名護屋村六千八百八十一、打上村三千九百八十六、呼子町九千四百三十一、湊村六千二百二十七、唐津市五万八百三、計十三万六千八百六十二人の人口を有し、北に玄海灘を隔て朝鮮に対し、西に東支那海を経て中國に対し、地理的に見ましても、本土中アジア大陸への最短距離地点にありまして、貿易再開に臨むに最悪の環境に置かれ、他面玄海、東支那海の有数漁業もまた控えているのであります。この漁業での漁獲物は、伊萬里、入野、呼子、唐津等に陸揚げされ、単に伊萬里漁港のみによりましても、地元及び京浜、阪神地区への出荷は、年間約百五十万貫、二億二千万円を揚げているのであります。また一方周辺陸地には農産物、畜産物はもちろん、筑肥炭田より連なる一連の炭田と、伊萬里湾内福島、應島等の地下資源も、その埋蔵量は豊富なものでありまして、特來國家産業開発の原動力として、必ずや御期待に沿い得るものと確信するものであります。ことに環境上から申しましても、松浦湾の二虹松原や伊萬里湾一円の風光はもちろん、沿岸には七ッ島イロハ四十七島の風光明媚の絶景であり、七ッ釜、立神岩等の天然記念物あり、あるいは遠く豊太閣朝鮮出師の遺跡名古屋城跡等、いわゆる玄海國立公園として取上げられた、一環の中心をなす絶好の観光地帯であるのであります。  以上のごとく交通上、産業上、はたまた観光上、枢要にして欠くるところなき好条件下にあるにもかかわらず、現在関係地域の交通機関を見まするに、ほとんど見るべきものなく、一部区間の乗合バスと沿岸小型機船の航行数艘あるのみでありまして、これら地域住民はもちろん、國家資源の活用、産業の振興開発に障害となり、かつ関係住民の國家再建意欲に大きい暗影となりつつ、今日に及んでおるのであります。願わくば如上の実情御洞察の上、早急かつ強力な御借地によりまして、伊萬里、唐津間の海岸線鉄道敷設の御試策を相仰ぎ、特に枢要地点であります伊萬里伊萬里漁港間及び唐津、呼子間双方よりの鉄道着工実施具現方、御詮議願いたく、理由を開陳いたしまして請願に及んだ次第であります。何とぞ御採択を賜るようにお願い申し上げます。
  42. 岡村利右衞門

    ○岡村委員長代理 次は日程第十七、信濃大町駅改築の請願増田甲子七君紹介文書表第一〇一八号を議題といたします。紹介議員の出席がありませんので、高橋君からお願いいたします。
  43. 高橋定一

    高橋(定)委員 本請願の要旨は、長野縣北安曇平における要術であるとともに、日本アルプスの観光基地であるが、信濃大町駅は旅客の多いときには、待合室が狭小のため旅客は寒暑風雪にさらされ、駅事務室も能率に支障を来し、かつ駅舎が腐朽して危険な状態にある。ついてはすみやかに該駅改築を実現されたいというのであります。政府委員の御答弁を得ますと同時に、委員各位の御賛同を得たいと思います。
  44. 藤井松太郎

    藤井説明員 信濃大町駅は狭隘でありまして、お話通り御不便はごもつともであります。本駅は老朽いたしましたため、所轄の新潟鉄道局管内といたしましても、施行順位は最上位にありまして、当局といたしましても極力改築をいたしたいのでありますが、二十四年度の工事経費というものは、非常に圧縮されておりますので、本年度御請願の御趣旨に沿うことは不可能でありますが、十分できるだけ早く具体化いたしたい、かように存じておりますから、ご了承願います。     —————————————
  45. 岡村利右衞門

    ○岡村委員長代理 次の日程第二二は、去る五月二十三日に紹介説明がありました第三二三と同趣旨でありますので、紹介いたしましす。  なお日程第二五は、先ほどの日程第二八と内容がまつたく同一でありますので、紹介議員の説明政府答弁を承ることは、省略いたします。     —————————————
  46. 岡村利右衞門

    ○岡村委員長代理 次は日程第二八、桶網線全通の請願林好次紹介文書表第一二四七号を議題といたします。紹介議員の出席がありませんので、關谷君からお願いいたします。
  47. 關谷勝利

    ○關谷委員 本請願の要旨は、北海道桶網線は昭和十五年度に全通完成の予定であつたが、わずかな工事を残して中絶され今日に至つているが、各地方一円の豊富な農、水、林、鉱産資源開発と地元住民の福祉のため、残存再開し、各線の全通をはかられたいというのであります。政府当局の御説明並びに委員各位の御賛同を得たいと存じております。
  48. 藤井松太郎

    藤井説明員 北海道の中桶別、網走を結ぶいわゆる桶網線の全通の請願でありますが、この鉄道は第六十議会運輸経路並びに資源開発上の見地から、建設費の予定に計上された線路でございまして、財政その他の関係から繰述べに繰述べを重ねまして、いまだ完成に至らなかつたものであり、その路盤工事はすでに竣工いたしましたが、いまだ完了の運びには立ち至つていないのであります。当局といたしましては建設工事は全面的に中止のやむを得ない現状にありまするが、経済情勢が好轉いたして参りましたならば、なるべく早い機会に工事再開し、開業の運びにいたしたいと存じております。     —————————————
  49. 岡村利右衞門

    ○岡村委員長代理 なお日程第二七、第三一、第三四は、関係政府委員がお見えになつておりませんので、次回に延期いたします。  明日は大体午後一時より開会の予定でありますが、明日は海上運送法案議題といたしまして質疑に入りますので、全員の御出席をお願いいたします。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後三時十五分散会