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柄澤委員 ただいま長官のお話では、総合的なとか何とか、いろいろ理由をおつけに
なつたのでございますが、今まで
國鉄が
運賃値上げをしても
赤字が解決できなか
つたのに、また
運賃の
値上げをして解決をされようと思うのは、矛盾ではないかという私の
質問に対しては、適当な御答弁ではなか
つたように思うのでございます。インフレを押えるために、
旅客運賃だけを上げるということでございますけれども、一体インフレというものを、
貨物等の、取運びをいたしますものだけとお
考えに
なつていらつしやるのですか。
運賃もあるいは衣料費もすべてのものが上るのがインフレではなかろうかと思うのでございますけれども、インフレをとめると言いながら、
運賃を上げるということは、
政府みずからがインフレを促進していることになるのです。この
根本的な矛盾にどうか思いをいたされまして、こういうことは撤回していただきたいと思うのでございます。さらに引続きまして、今度の
運賃値上げは、当然
國民から安野と思われなければならないと思うのでございますしインフレを阻止するのでなければ、御
当局の
説明というものは、何らその根拠が成り立たないものと思うのでございます。
國民を納得させるためにも、今日私どもに入
つておりますいろいろな情報並びにこの
運輸委員会に提出されました国鉄の地方施設部からのあの
國鉄の白書にもございますように、終戰後車両などは多少購入されまして、車体なども表面はいくらかきれいに
なつておるようでありますが、国鉄の基礎というものが今日崩壊しようとしておることは、もう事実のことだと思うのであります。このことは、現に何らか
運賃の
値上げをしなければならないとお
考えに
なつておる、さらに
行政整理をどうしても断行しろと言
つておられる民自党の方並びに
政府の方、
運輸委員のすべての
方々が、今日安心して
國鉄に乗ることはできないと言
つておられるのでございます。事故が非常に増大しておることは、数学的に例をあげることができるのであります。この事故をなくすように、
運賃の
値上げをして、そうして
人員を
整理して、
國鉄が実際にや
つて行けるかどうか。
運輸委員は責任をも
つてこういうことをきめなければならないと思うのでございます。先ほど一億二千九百万トンの
輸送を全うしたのは、皆さんの御協力だという
政府委員の御答弁がございましたが、まことにその
通りでございます。現場の労働者の時間外勤務とか、労働強化とか、いろいろなごとがあ
つたのでございますが、今度の
予算には報奨金が体いくら組まれておるでございましようか。今
年度の当初はたしか八十四億御要求に
なつたはずでございますけれども、これらのものがほとんどゼロだということを聞いておるのであります。まさかそんなことはないと思うのでございますがす、どう
なつておるのでございましようか。時間外勤務とか、超過労働に、どういうふうに手当として
予算を組まれておるのでございましようか。職務手当に二十五億組まれたものが一億に減
つたと聞いておりますが、これはどう
なつておるのでございましようか。時間外は五六%減
つたということでありますが、これもどう
なつておるのでございましようか。あらゆる点で
人員整理をした上にこうした勤務に対するいろいろの手当が削減されて行く。それでどうして
國民の命を全うする
輸送ができますでしようか。そうしてあぶない汽車に乗る
國民に、六割の
運賃の
値上げをされる。これはとんでもない人殺しの
運賃値上げだと私どもは
考えるのでありまして、こういう点について十分責任ある御回答を賜わりたいと存じます。いざとなりますと、
運輸大臣を初めとして
関係当局、
関係当局と言われますが、私ども
運輸委員会は、むしろ國会のあの規則にございますように、権威を持
つてこの問題について
委員長が当初に答弁されましたように、
政府がいかなることをきめようとも、
運輸委員会としては権威ある
決定をすると言われたのでありますから、時間がないから
公聽会をやらないとかうようなことではなく、十分納得の行くようにや
つていただきたいと思います。
質疑が打切られまして、
予算委員会におきましても、
運輸省関係のものは私どもといたしましてははつきりした御答弁を得ていないのでございますから、この際ぜひその点の御答弁を煩わしたいと思います。