○
加賀山政府委員 ただいま
滿尾さんの言われましたことは、まことにごもつともと存ずるのでありまして、
運賃の
値上げをする以上は、どうしてもこれを
國民に
納得していただたかなければならない。
國民感情を尊重しなければならぬことは当然と存ずるのであります。これをもつともと
考えていただくには、
國鉄が、今までこういうことをや
つて来た、またこれからこういうことをやろうとしているのだということを明らかにして、いかに
國鉄が苦しんで來たかということを、知
つていただかなければならぬことも当然だと存ずるのであります。実は「
國鉄経営健全化への途」という冊子をお手元に差上げまして、從来と
つて参りました
——まことにこれは微温的なものであるとおしかりを受けるかもしれないのでありますが、国鉄従事員が今日まで果して参りました、わずかながらやり遂げました
合理化の方策を、そこにごらんをいただいておる次第であります。
なお本年度の
予算がいかにきびしいものであるかということに、過日もいろいろ御批判をいただいたのでありますが、この本年度の
予算そのものが、経営
合理化を敢してやらなければ、その執行が非常にむずかしい
程度の
予算であると私
どもは存じておりますので、本年度自体の問題といたしまして、今後極度の経営の
合理化をいたさなければならぬ。これは
予算の内容自体がこれを示しているその具体策については、もちろんわれわれといたしまして、ここに
考えておるところもございまするけれ
ども、これらの点につきましては、今後要すれば発表もいたしますし、また事実をも
つてごらんを願うことにいたさなければならないと
考えるのであります。そのうち特に、利用される
國民各位に一番
関係の深いのは、サービスの改善の問題であろうかぞんずるのであります。極度の経費の節減をいたします結果、たとえばサービス改善中の一番大きなものは、
輸送力の増強であり、また車輛等の新造等によ
つて、気持よい車を動かすということでありますが、それらの点につきましては、遺憾ながら、非常に大きな
——車を新造いたしましたり、また列車の大増発をするような
予算に相な
つておらない次第でありして、本年度の
予算をも
つていたしましては、ただいま予定いたしておりますところの八月の時刻
改正も、でき得る限りそういう線に沿
つてやりたいと存じておりますが、非常に大々的にはできない。また車輛の改造も、あるいは新装もできないので、これは従事員が骨を折りまして、現在の車輛を生かして使う、改繕に最善の努力をいたしまして、せめて車輛をよく手を入れて動かす。そうして先ほど申しましたような、車をできるだけ必要な所へ向けて列車の回数も必要な所へふやして参る。かようなことにいたしたいと
考えておる次第でございます。
最後の、わく内の変更は自由であるということは、これはもちろん
國会において、いかなる御
審議も御自由にお願いをいたさなければならぬことは当然でありますけれ
ども、ただ
定期券の事の問題、遠距離削減の問題等は、非常にこまかい技術的の面を持
つておりまして、ただ一部を変更するということになりますと、必ずそこにわくの問題が出て参るのでありまして、そのわくに
関係なく、うまい修正をすることの非常にむずかしい点があることは、これは専門家であられる
滿尾さんのよく御存じの点と存ずるのでありますが、そういう点を御
考慮くださいまして、修正の問題について御
審議を煩わしたい、かようにお願いいたす次第であります。