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田村文吉君
物價廳の御
関係の問題についてお尋ねいたしたいのでありますが、それは第一に先般本
会議において、私御
質問いたしましたものに対して、安本長官としての御答弁は甚だ的外れの御答弁であつたので甚だ遺憾としておりましたので、この機会に私の
質問の趣旨を申上げ、又御答弁も明確にして頂きたいとこう
考えておるのであります。それは第一に私の
考えておりまする点は、米であるとか石炭であるとか電力であるというような主要な物資は
生活地の原價に準じて府縣別に消費者
價格を決めることが至当ではないかということであります。米價について
檢討して見ますると、二十三年度米の農家からの買上
價格は、一俵千四百三十八円と一應決
つておるのでありますが、これが消費者
價格は御
承知のように、一キロ三十五円七十銭です、即ちこれを一俵に換算いたしますと、二千百四十二円と相成
つておりますので、その差額が四割八分もあるということでありまするが、これは公團その他食糧管理のいろいろの点からして、それぞれの御
理由もあることでありましようが、その点については又他日お伺いをいたすことにいたしますが、ただ見逃すことができない問題と
考えますことは、
政府が各地方々々で米をお買入れになりまして、それを
政府のお倉にお入れになり、それから公團にいよいよお賣り渡しになるのでありますが、公團がそれを中央の消費地に運んで参ります場合に、運賃だとか配達賃だとかそういつたようなものを当然拂われるのでありまするが、その
費用が私の
調べましたところによりますと、新潟縣の場合には一俵に四十三円これは無論公團の手数料を含まない、公團の手数料を全然除外しまして、運賃と諸掛りが一俵四十二円掛かります。秋田縣の場合でありますというと、一俵五十三円掛かる、これは私
調べて見たのでありまするが、そうしますると、新潟縣の人達はどういう感情を持つかというと、
自分達の運賃も掛からない安く食べられる米を東京へ行
つて全國プールという計算で都会地の人々と同じ
値段で食べさして頂くということはどうも合点が行かない、すべての物が皆安くな
つているならばよろしいけれども、こういう扱いにな
つておるものは
割合数は少いのであります。少いのでありますが、それだけでも甚だや
つていられることは不公平ではないか、その土地々々に特殊の機構というものもあり、その土地々々に惠まれたところもあり惠まれないところもある、だがその土地で原價で
幾らで挙げる、ここでその都会地等に比べて安く生産費が挙
つておるものならば、やはり安く賣
つて貰いたいと、こういう
考え方を持つのでありますが、今新潟縣の縣外の移出米が三百二十万俵あるのでありまして、これがために都会地の方に御奉公しておると計算せられる額が一億四千万円に相成るのであります。秋田縣の場合でありますると、百五十万俵も縣外移出しておりますので、八千万円と相成
つておるのでありますが、これは両縣の例を引いただけに止まりませんが、各縣皆同樣のことにな
つておるのでありまして、こういうことを私もたびたび
物價廳に申し入れしたこともあるのであります。主食のようなものは一定
價格の方がいいのだ、面倒だだからそうして我慢して欲しいこういうことでありまするが、年々雪に虐められたり、或いは洪水に虐められたり、颱風に虐められたりしておるために、東北各縣のごときに至りますと非常に氣の毒なのであります。こういう点から
考えまして若し
物價廳としてそれぞれの生産地の原價に照應して各縣毎に米に対して決めるという
方法ができませんならば、これは他の
方法でその金をその縣へ返してやるというようなことができないものであろうかこう
考えるのであります。
それから石炭についても同樣のことが言えるでありまして、生産者
價格は二千三百八十八円でございまするが、消費者
價格は御
承知のように三千三百四十五円とな
つております。九州、北海道の石炭生産地の消費者は皆港に近くて、且つ立地
條件のいい大阪とか京阪神とかいうような、
工場により当然一トン六、七百円は安く扱はれておるのである、九州にいたしましても安く扱われていいわけであります。それを全く同一
値段でお仕入れになり、同一
値段で販賣しておいでになる、こういうことになりますと、段々都会地にばかり
工場が集まることになりまして、こりは國家経済に上からい
つて非常な大きなこれはマイナスを出しているのじやないか、こう
考えまするので、これは府縣別に
値段をお決めになることは決して困難でないのでありますから、そういうふうにおできになるものか、電燈、電力の問題につきましても同樣電燈は全國均一にな
つております。又五十万キロ未満の動力も全國均一にな
つております。ところが五十キロのものに対してもABCの地区にお分けになりまして、その差が一割乃至二割
程度つけてあるのでありますが、東北配電、関東配電、中部配電、関西配電の各配電会社の区域はこれはB地区とな
つております。B地区としまして
値段も同一にな
つておるのであります。越後や東北のような永遠に地方民を塗炭の苦しみに陷れておりまするあの半年に亘る降雪と雨天によ
つて生ずる水力電氣の元をなしているその水力電氣の料金がその地元でも綿入れを着る必要のないような関西、関東でも全く同一であるということはどうも呑み込めないのでありまして、これは統制による惡平等である、こういうふうに私共は
考えるのであります。殊に実際原價の上から見ましても送電線を作るには非常に金が掛か
つて、それからこの土地のロスが一割ぐらい、或いは一割五分多いところになると二割もロスが出ておるのでありまして、昨年のごときは長距離送電によりまして三十億キロワツト時の電氣が失われておるのです。この三十億キロワツト時の電氣と申しますると、これは
日本における全部の電燈を供給し得る電力量でありまして、又今日増産を叫ばれておりまする硫安
工場の使用量は一年に十七億キロワツト時ぐらいでありまするから全國の硫安
工場の一・七倍のものが新らたに作れる、こういうような非常なロスをしておるのであります。こういうロスをしてまず最近にでき上つた某会社のごときは川崎の附近に大きな硫安
工場を復興した、こういうのでありまするが、そういうことができる度に益々ロスが大きくな
つて來て我々はこの電力が不足して行つた場合に非常な損をしておる、こういうことなのでありまするが、その元はというとつまり川崎で電氣を使うのも、福島縣の電源地の下で電氣を使うのも電氣の料金が同じだこういう不合理があるからこういうことが起
つて來る、今十九キロワット時、二十キロワット時、三十キロワット時というものは非常に大きな例である、こういうようなものが失われておるということは
價格政策が誤
つておる、こういう点をお
考えにならないからこういう非常な國家的に見て……、我々が
自分たちの家の電燈さえ満足につけられないような
状況にな
つておるということも、こういう
價格政策が誤
つておるからだ、こう私は
考えますので、今の米につきましても石炭についても、電力についても、これは
一つこの電源地、出炭地或いは米産地、それぞれの原産地の
價格に大体順應して、各地々々各縣で決められたらよろしいのではないか、これが本当の……、どうせ今後統制を全部止めるというわけにも行かない、主要なものに対しては統制なさる、なさるがそれならばもつと自然に近いように
一つお決めになるということが本当に生きた統制になるのでありまして、今のような不合理、不自然が解消するのである、こういうふうに私は
考えておりますので、この点についてどうしてもこれはお
考えを頂かなければならん。いずれ來年の又三月頃には
物價の改訂をなさる時期が來るであろうと思いますが、その場合にこういう
考え方でおやりになることができるか、又今までのように如何に國家の電力が損であろうが何であろうが、惡平等でも一本で決めて行くというお
考えでおられるのか、この点を
一つ問い質して置きたいのであります。こういうわけなのでございます。先ずその問題から
一つ……。