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國務大臣(
大屋晋三君)
予算案並びに
給與法案の
審議につきまして、一昨日、昨日の二日間、当院におきまして御
審議の続行を一時見合わせて頂かなければならなくなりましたことにつきましては、誠に恐縮に存じておる次第でございます。つきましてはその間の事情を概略申上げまして、
諸君の御
了承を得たいと存ずる次第でございます。
実は御
承知の
通り、本月の十五日までは、
政府の
方針といたしましては、
給與ベースは五千三百円を採用いたしまして、從いましてその線に沿いました
給與の額を二百六十二億円に算定いたしまして、
予算案と共に当院に
提出御
審議を
願つておつたのでございます。然るに十五日の晩に至りまして、
吉田総理大臣が
関係方面に参りまして話をいたしました結果、
関係方面から特に
勧奨がございまして、その
勧奨の線に沿いまして、(「かんし
ようとは何だ」と呼ぶ者あり)アドヴアイスであります。
勧告ですか。(
笑声)(「よろしいよろしい」と呼ぶ者あり)その
勧告がございまして、その線に沿いましてこの
給與法案の
内容を変更することにいたした次第であります。即ち五千三百円
ベースを六千三百円
ベースに変更いたしまして且つ
人事院の
方式に
從つてこれを処理いたし、且つ
予算の二百六十二億の枠は変更いたさない。この三つの
原則に從いまして在來の
政府の採
つて参りました
方針を変更する
勧告を受けました次第であります。つきまして、早速十五日の晩に私が
官房長官と次官その他を帶同いたしまして、
関係方面に参り、ヂー・エス並びにイー・エス・エスの
首脳部の方と約四時間ばかり基本的の問題につきましてそれぞれ指示を受け、協議をいたしまして、
國会に一時頃に戻
つて参りまして、更に一時から
大藏省給與局その他の幕僚を召集いたしまして、(
笑声)(「えらいぞ」「
予算は
政府の
責任か」と呼ぶ者あり、その他
発言する者多し)ちよつと待
つて下さい。段々説明いたしますから‥‥。(
笑声)(「よろしい」「その調子だ」「大胆でいい」と呼ぶ者あり)それぞれ計算をいたしまして、爾來引続いてそれをや
つておるのであります。然るに御
承知の
通り、この
ベースを変更いたし、且つ
人事院方式を採用いたします段に相成りますると、この
給與の形態は御
承知の
通り基本給の点がありまするし、
家族手当がございまするし、
地域給がございまするし、労働時間の
関係がございまするし、且つ又それに從いまして、この新
給與の
実施期日を、
予算が二百六十二億に限定いたされておるのでありますから、その在來の
政府の五千三百円べ
ースは、十一月一日から來年の三月までに支給いたす
考え方にな
つておりますものを、べ
ースを六千三百円に増額いたしまして、而も且つ
総額の二百六十二億に変更を來さないということに相成りまするというと、ここに
二つの
方法を採るより外仕方がないということに相成ります。即ち
給與の額が増せないのでありまするから、いわゆる
実施期日を先へずらすという
方法、それから
二つの
方法というのは、六千三百円に殖やしまするというと、
予算を殖やすか、或いは
予算を殖やさないならば
実施期日を先に延ばすという以外にないのでありまするが、その
二つの
方法のうち
予算総額の二百六十二億は、これは不動であるという
原則に縛られまするというと、勢い
実施期日の点で按配しなければならんということに相成るのであります。さて又
実施期日の点を
如何ように決定いたしまするにつきましても、その間に十二月には
幾ら、一月、二月、三月には
幾らと、一定の金額の
配分方法につきまして、相当のここに議論があり、
考え方が生れて來る次第でありまして、かたがたそれらの事務を処理いたしますために、尚引続いて目下や
つておる
ようなわけでございまして、恐らく甚だ残念ながら本日一杯はかかるのではないかと考えられる次第でありまするから、さ
ようにその点は御
了承を願いたいのであります。
次に昨日あたりも
衆議院におきましていろいろな
質問が出たのでございまするが、然らばさ
ような径路であるならば、
政府の
責任甚だ重大で、且つ
予算の組替え或いは
修正予算を
提出する
ような必要が生じて來やしないかという
ような
質問を頻々と受けましておるのでありまするが、
只今も申上げました
通り、これは
給與法の
内容の
修正改良でございまして、
予算の点に対しましては、
只今申上げました
通り二百六十二億の額に手を触れないのでございまして、從いましてその他すでに御
提出申上げました
予算に対しては、これは
修正変動を行わないという
原則に相成
つておりまするので、
勢い給與法案の
内容のみを修正いたすということに相成る次第なのでございます。さ
ように御
了承願います。恐らく今日一杯かかりましたならば
給與法案の仕上げが多分できると思うのでありまするから、どうぞさ
ように御
了承願いたいと思う次第であります。(
拍手)(「
衆議院提出はいつだ」と呼ぶ者あり)