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1948-12-07 第4回国会 参議院 本会議 第5号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十三年十二月七日(火曜日) 午前十時四十一分
開議
—————————————
議事日程
第三号
昭和
二十三年十二月七日 午前十時
開議
第一
國務大臣
の
演説
に関する件(第三日)
—————————————
松平恒雄
1
○
議長
(
松平恒雄
君) 諸般の
報告
は朗読を省略いたします。
—————
・
—————
松平恒雄
2
○
議長
(
松平恒雄
君) これより本日の
会議
を開きます。 この際、
日程
に追加して、
淺井清
、
山下興家
、
上野陽一
を
人事官
に任命することについて
同意
を求めるの件を議題とすることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松平恒雄
3
○
議長
(
松平恒雄
君) 御
異議
ないものと認めます。先ず
委員長
の
報告
を求めます。
人事委員長中井光次
君。
—————————————
〔
審査報告書
は都合により第八号の末尾に掲載〕
—————————————
〔
中井光次
君
登壇
、
拍手
〕
中井光次
4
○
中井光次
君 只今上程されました
淺井清
、
山下興家
、
上野陽一
を
人事官
に任命することについて
同意
を求めるの件につきまして、その
内容
及び
委員会
における
審議
の経過並びに結果について御
報告
申上げます。
本件
は去る十二月二日の
議院運営委員会
におきまして
人事委員会
に付託すべきものと決定され、同日、
議長
より当
委員会
に付託せられましたものでございまして、
委員会
は十二月三日、四日及び六日の三日間に亘り
愼重審議
をいたしました。 先ず
本件
の
内容
について申上げますに
國家公務員法
の第
五條
第一項によりますと、
人事官
は両
議院
の
同意
を経て
内閣
がこれを任命することと相成
つて
おるのでありまして、これに基いて、
内閣
より
人事官
に
淺井清
君、
山下興家君
及び
上野陽一
君を任命することについて、本院の
同意
を求めて参つたものでございます。 次に
委員会
における
審議
の模様を簡單に申上げます。先ず
政府委員
より三名の
経歴
及び
選考
の
事情
について
説明
があり、これに対して
委員
より、今回
同意
を求められた三君の外に尚他の
候補者
があつたかとの
質問
がございましたところ、
政府委員
より、
候補者
は他にもいろいろあつたが、十分檢討した結果、この三名が一番適当であると決定した旨の
答弁
がございました。又一
委員
より、この三君は
経歴等
から見て同一色彩の人のように思うが、
人事官
には、その権限から考えても、
民間
のエキスパートで各
方面
のことに理解がある人物を参加させるべきではないかとの
質問
に対しましては、
政府委員
より、今回決定した三君の
経歴
を見ましても、
淺井清
氏は
慶應出身
であ
つて同校
の教授であり、
上野陽一
氏は
東京大学文科出身
で、
労働
、
能率
に関する研究の
権威者
であり、又
山下興家
氏は
上野
氏と同一の
東京大学出身
ではあるが、工科の
出身
であ
つて
、官界というても特殊な
技術畑
を歩んだ方である。御
質問
のように三名の
人事官
ができるだけ異なつた分野から出るのが望ましいことではあるが、上述の三君もその点から見て異なつた
経歴
の持主と言い得るのであり、三名共その人格、
経歴
又は
人事行政
に関する
識見等
より見て、
國家公務員法
第
五條
に規定する資格を具備し、
人事官
として最も適任であると
確信
しておるとの
答弁
がございました。その他、尚
本件
はその事の重大さ及び
將來
に対する
問題等
から見ましても、愼重に取扱うべきであるとの
委員
全部の一致した
見解
の下に、種々熱心な
質疑
がございましたが、詳細は
速記録
により御承知を願いたいと存じます。
かく
て十二月六日
討論
に入りましたところ、一
委員
より、三君の
選考事情
その他
政府
の
説明
を聞いた結果、この際
本件
には
同意
する方が適当であると考えるとの
賛成
の旨の
発言
があり、更に一
委員
より、
國家公務員法
によれば
人事官
の任務は重大なものであり、
政府
はもつと廣い視野に立
つて
慎重に
選考
すべきであるが、今度
同意
を求めて來た三君は、
臨時人事委員
としての
経験
はあるが、
人事行政
に対する、知識、
経験
の点より見ると未だ未知数であり、而も
公務員
に対する
給與ベース決定
の経緯を見ても、
政府
は必ずしもこの
臨時人事委員
に信頼を置いていたとは言い得ないものがある。その他種々の点より見て、
政府
は独自の
見解
により
國民
のためになる良き
人事官
を任命するの
誠意
を欠いておると言わざるを得ないので、
本件
には反対するという
発言
がございました。
かく
て
討論
が終局し、次いで
採決
に入りましたところ、多数を以て
本件
は
同意
すべきものと議決いたしました。以上御
報告
申上げます。(
拍手
)
松平恒雄
5
○
議長
(
松平恒雄
君) 別に御
発言
もなければ、これより
本件
の
採決
をいたします。
本件
全部を問題に供します。
本件
は
委員長報告
の
通り同意
を與えることに
賛成
の
諸君
の
起立
を請います。 〔
起立者
多数〕
松平恒雄
6
○
議長
(
松平恒雄
君) 過半数と認めます。よ
つて本件
は
同意
を與えることに決定いたしました。
—————
・
—————
松平恒雄
7
○
議長
(
松平恒雄
君)
日程
第一、
國務大臣
の
演説
に関する件(第三日)、昨日に引続き順次
質疑
を許します。
内村清次
君。 〔
内村清次
君
登壇
、
拍手
〕
内村清次
8
○
内村清次
君 私は
総理大臣
及び
経済安定本部長宮
の
施政方針
に対しまして、
日本社会党
を代表いたしまして、
総理大臣
、
安定本部長官
、
労働大臣
に
質問
をいたしたいと存じます。 先ず
首相
の
施政方針演説
を聞きまして第一に遺憾に思いましたことは、その
趣旨
において、眞に
國家
百年の大計を憂慮して、一
國政治
の衝に当るという積極的な
憂國
の熱情が少しも感ぜられず、その言うところは
言動不一致
で、而も
選挙目あて
の
項目
の羅列であつたことを感ぜられたのであります。その
趣旨
は大別して、当面の
國会
に対する
政府
の進退と、その弁明から始まりまして、
講和会議促進
のための
民主主義
の
確立
、
生産
の
増強
、
綱紀粛正
その他の
項目
が羅列されておりました。その
項目
の
一つ一つ
が、私共の実際に見聞いたしておりまするところとは非常にかけ離れた
矛盾だらけ
であります。私はこれらの各
項目
について
質問
いたしたいと存じますが、その前に先ず
質問
をいたしたい基本的な問題がございます。 それは
首相
がみずから掲げておられるところの
民主主義
の
確立
という重要な問題についてであります。今次
内閣
が、
組閣
より今日までに行な
つて來
た非民主的な
態度
につきましてであります。その
組閣早々
より、党利のため
國会
多数の
意思
を無規して飽くまで
早期解散
を強行せんとし、これがため
官公吏給與改善
の
予算化
が、
公務員法改正
と不可分であるとの
國会
の決議を、ともすれば無規しがちな、独善的な
態度
を以て終始せられて來た
行爲
であります。我々が党はもとより
解散
を避けるものではありません。
國会
の
権威
を尊重し、
國民福祉
のため、十分なる言論の確保がなさるべきであるとの
民主主義
の
原則
よりいたしまして、我々は今まで探
つて來
た
吉田首相
の
態度
を極めて遺憾に思うものであります。又
國会解散
に関する
憲法
上の
解釈
につきましても、去る十一月十二日、我が党の
片山委員長
が
関係方面
から聽取いたして來ましたごとく、即ち「第六十九條以外に
政府
が独自の
解散権
を持つとの考え方は旧
憲法
の
思想
であり、曾ての
天皇制
の
思想
とも繋がるものである」と、
かく
のごとく
國際輿論
からも
吉田内閣
の独善的な
憲法
第七條による一方
的解散論
に対して手厳しき批判が加えられ、且つ又
國会
におきましても、第六十九條による
解散
のみしか認められないという正しい
憲法
上の
解釈
によ
つて
、独善的なる
政府
は遂に屈服したのであります。以上のごとき例でも明白でありまするが、
吉田首相
は、ともすれば
首相
御
自身
、
議員
であることを忘れて、
國会
を、軽視し、非
民主主義的態度
が随所に見られるのであります。(「その
通り
だ」と呼ぶ者あり)去る三十日、本
院本会議
における
國家公務員法
の
審議
の際における
態度
然り、各
委員会
における
態度
又然りであります。(「その
通り
」と呼ぶ者あり)尚、昨日の本
会議
におきましては、
首相
の
施政方針演説
に対しましては、
各党各派
それぞれの
立場
から
質問
をして、その
政策
を批判檢討することが
國民挙つて
の要望であります。
議院運営委員会
におきましては、
日程
を定め、
質問順位
を決定して、円滑なる
議事
の進行を期待していたに拘わらず、
首相
の
國会軽視
の
行動
から遂に
議事
の遅延を來しましたことは、
國民
に対して甚だ遺憾とするところであります。
首相
は如何なる用件のために本
会議
を退場せられたか。この点明確にされるよう要求するものであります。
かく
のごとき
態度
において現
内閣
による
民主主義
の
確立
は到底望み得ないと思うのでありまするが、
首相
のお考えはどうであるか明確なる御
答弁
をお願いしたいのであります。更にこれらのことは、廣く
國民
、特にその基幹である
勤労大衆
に対しても同じことであります。遺憾ながら今までの
吉田首相
の探られて來た各般の
態度
は極めて官僚主義的であり、強圧的であります。例えば
首相
は
組閣早々
非
日活動委員会
のごときものを考えておられると言明されましたが、それは何を意味するものであるか。若し或る特定の政党が常識を逸脱した
行動
を執つたといたしましても、それに対して
政府
がその
基本的人権
を妨害するごとき非
民主的措置
を執ることは、納得と
輿論
によ
つて世論
を動かす
民主主義
の
原則
からいたしまして、行うべきことではないと信ずるものであります。例えば毒を制するに毒を以てするがごとき
ナチス的手法
は断じて採るべきものでないと思います。又第一次
吉田内閣
におきましても、
首相
はややもすると
労働階級
に必要以上の刺戟的な
断圧態度
を似て一貫しておられる。
目下世界
各國の現状におきまして、
労働組合
を中心とする
民主勢力
は、健全なる
手段
によ
つて
一國の
政治
を左右する重要なる役割を持
つて
おります。
イギリス
において然り、
アメリカ
において然り、又このことは
民主主義
の
徹底
において当然認めらるべき
態度
であるのに、現に
吉田首相
のごとく、健全なる
労働組合
にすらいわゆる
保守反動
と
一言
にして表現せられる方が
政権
をと
つて
おられる。又
農民諸君
にと
つて
も同様であります。第三次
農地改革
はおろか、
組閣早々
の閣僚の言明によると、
小作料
の値上を放言し、第二次
農地改革
の成果に対してすら逆行し妨害せんとする
言動
をなされておられる。
國内外
の
情勢
から見て、
民主主義
の
確立
が緊急の時に当
つて日本
の
民主化
未だ成らず、むしろそれに逆行するがごとき
政権
があること誠に悲しむべきことであると存ずる次第であります。(「
同感
」と呼ぶ者あり)
首相自身
一昨昨日の
施政方針演説
において、
講和会議
を促進するためには先ず
民主主義政治
の
確立
が不可分の
條件
であると認められております。それに拘わらず、かかる
民主主義
に逆行するごとき
態度
を以て終始せられる
政府
であ
つて
、何で
國際信用
が得らるるでありましようか。これらの空気は、
講和会議
を前にして
世界
各風の
輿論
が
吉田内閣
に対して極めて不評であることによ
つて
も明白なる事実であります。このことにつきましては、先に
参衆両院
の
議員諸君
によりまして言い盡されておることでありまするが、重ねてこの
言動不一致
について
講和会議
を待望する
國民
が重大なる不安を感じておりまするときに、次のことについて
質問
をする次第であります。即ち
講和会議
を前にして、かかる非民主的なる
態度
を尚も続けられる所存であるかどうか。(
笑声
)又口先ばかりでなく、この具体的なる
講和会議
に臨む
決意
と
準備
がおありになるかどうかについてお伺いしたい。 次にその
経済財政政策
の
大綱
について
質問
をいたします。今次の
追加予算
の
編成
を見ましても、亦
首相
及び
安本長官
の
施政方針
を聽きましても、私共から見ますると、その
財政政策
の
大綱
は
芦田内閣
のそれと五十歩百歩でありまして、何ら大きな変化がない。それ以上に
保守的性格
が更に露骨に現われておることが特に目に立つのみであります。(「具体的にやれ」と呼ぶ者あり)これらの点につきまして更に具体的に
質問
いたしたいと存じます。 その第一点はこの度の
吉田内閣
は、
芦田内閣
より更に
はつ
きりと
行政整理
、
企業合理化
を露骨に公約として誇示されております。更に惡いことには、これらについて何らの
失業対策
も
社会保障制度
についても言明するところがなく、
労働大臣
のごときは、無慈悲にも首を切ることを放言なさ
つて
おられます。(「心配するな」と呼ぶ者あり)私共は民生安定、
労働力
の保全という
立場
から、当然、
企業整備
、
企業合理化
が行われる以前に、万全の
措置
、即ち
配置轉換
とか
失業対策
、
社会保障制度
の
計画
と
準備
が
確立
されねばならないことを信ずるものであります。(「
準備
はできてるよ」と呼ぶ者あり)無秩序にして、徒らに
資本家
の思うがままに
不当馘首
を行わせるとすれば、成る程個個の
資本
とか
企業
の
採算
はよくなり、ただ
名目資本
の
再建
にのみ役立つかも知れませんが、
馘首
された多くの
生産的労働者
は、結局
失業
のため非
生産
的な闇屋に轉落して、一
國生産力
の
向上
には
却つてマイナス
となるばかりか、又それが惹き起す社会的な不安と混乱は甚だしいものがあると信ずるのであります。(「余りおだてるな」と呼ぶ者あり)又
資本家側
におきましても、それのみでは何らの
機械設備
の改新による
企業
の
合理化
、
生産性
の
向上
をもたらすものでなくして、
不当馘首
に便乗して、
残つた労働者
の
労働強化
のみによ
つて資本
の
採算
を確保したり、甚だしいのは、闇投機とん積のみによ
つて
、利潤のみを追う結果となり、これでは何らの
生産
の
増強
でもなく、
却つて縮小
であり、社会不安が拡大するのみであります。折角の
再建
の糸口がこの点から閉されてしまうのであります。(「
ノーノー
」と呼ぶ者あり)このような事態を
政府
は
はつ
きりと予想せられておるかどうか。特に
生産
の
増強
と
労働能率
の
向上
を基本的な
施政方針
として高唱しておられますが、今まで述べましたことと
政府
の探
つて
おられることと
矛盾
が感ぜられはしないか。その
所信
の程を伺いたいのであります。 以上の点よりいたしまして、我々は無秩序な
馘首
による
合理化
は絶対に行うべきことではなく、
計画
的にして而も労組の参加した民主的な
委員会
によ
つて秩序
正しく行うべきことを主張するものであります。即ち先ずこれらの
措置
が必要であるかどうかを民主的に確かめた後に、万人の公正妥当だと認める部分についてのみ、先ず
労働力
の合理的な
配置轉換
、例えば他の
優秀工業
とか
農村工業
、
災害復唱
、
水力電源
の
振興等
の方に振向け、然る後に、止むを得ざる
失業者
に対しては完全なる
社会保障制度
を
確立
して置く。このような
態度
が必要であると思うのであります。特に
爲替一
本
レート
の
設定
による
調整恐慌
を予想するときに、この種の
計画
的な施策が早急に必要であると思いまするが、
首相
及び
安本長官
のこれに対する
具体案
と
所信
を求める次第であります。
質問
の第十二点は、結局において、この
内閣
は尚も
芦田内閣
の行な
つて來
た
中間安定構想
に基く
経済
十
原則
を、更に加えて
合理化
三
原則
によ
つて
強行するもののごとくでありまするが、これらの
方針
が
勤労大衆
の一方的な犠牲を強要することによ
つて大衆購買力
の
抑制
を求めるものであることは明らかであります。これらがただ單に
農民
には低
米價供出
を、
労働者
には低
賃金
安定を強要し、更に
大衆課税
の強行とか、
中小企業
に対する
融資
の引締め等にのみ意を房いて、
復金インフレ
とか、
厖大予算
とか、
インフレ
の
根因
を忘れておる結果、これらの甘い
中間安定構想
の背後には、
勤労大衆
の不満と、又尚且つ
インフレ
の
破局化
という脅威が絶えず附きまと
つて
いることをお忘れにな
つて
おるのであります。元
來インフ
の結果に過ぎない
賃金
と
物價
の値上りのみを抑えて、
インフレ
の原因である
復金融資
とか
厖大
な
闇所得
を放任し
インフレ予算
をそのままにして置くということは、恰かも大雨のときに屋根に大穴をあけてバケツを持ち廻るのと同じような愚な
政策
であることを固く信ずるものであります。(「
片山内閣
はどうした」と呼ぶ者あり) 〔
議長退席
、副
議長
著席〕 特に
爲替一
本
レート設定
による
調整恐慌
の後においては、
インフレ
の
収束棚
としては絶好の機会であると思われます。このときに当
つて
今後
計画
的に行うべき何らかの根本的な
処理方策
が必要でありまするが、この度の
施政方針
を聴きましても、これらの
計画
については、
はつ
きり明示されてありません。我が党は先に
インフレ
の
根本的処理方策
として、その
根因
である
復金機構
に対する民主的な
管理
、金融の
融会化
、
大口闇所得
に対する
徹底
的な徴税を行い、
通貨増発
の
根因
をせき止めんとする一連の
難策
を発表いたしております。
かく
のごとく
計画
的に、且つ国民ひとしく公正な
負担
によ
つてインフレ
を克服せんとする要求に対して、
首相
及び
安本長官
は如何なる
見解
を持
つて
おられるか、御
答弁
をお願いしたい。
質問
の第三点は、
安本長官
は
インフレ
の
根本的収束
には
通貨措置
は必要なきものと言われております。(「まだ早いよ」と呼ぶ者あり)本来
インフレ
とは
通貨現象
であります。平價の
切下げ
も含めまして何らかの
通貨処理
をなないで
インフレ
を最終的に安定せし
むる確信
があるかどうかについて、特に明答をお願いいたしたい。 次に
追加予算
について
質問
をいたしたいのであります。第一に、その歳出の中で最も重要なものは
官公吏
の
給與改善費
でございます。これは
ベース
に換算いたしますると五千三百円台にしかなりません。遂に
吉田内閣
は
人事委員会
の六千三百円べ
ース
を強引に否定し通したわけであります。併しこの六千三百円は単なる
給與水準
ではなく、先に問題を起して漸く通過いたしました
國家公務員法改正
において、
官公吏
が
公務員
という
立場
から止むなくその
生活権
の
保障
とも言うべき
労働組合
の
基本的権利
を制限せられたその代償として、不可分の
條件
であると
内外
に認められた六千三百円でございます。たとえ後に
人事委員会案
として
現物支給
の償却その他の点において批判さるべき点があるといたしましても、我々の問題とする点はその
ベース
における六千三百円であります。とに
かく
人事委員会案
をすら否認した点において、
政府
は正に
勤労階級
に対する重大な
背信行爲
を心したと
確信
する次第であります。((闇をどうするのだ」と呼ぶ者あり、
拍手
)
政府
はこれらのべ
ース改善
に対する
誠意
は全く喪失しておられるかどうかについてお伺いをしたい。 第二に、この
予算
全体について見ますると、
一言
にして申したならば、
消費的膨脹予算
でありながら而も
勤労大衆
の一方
的負担
による
デフレ的側面
を持つ、誠に不可思議な
性格
を持
つて
おるのであります。即ち
特別会計
を含めたら本年度一兆余の
厖大予算
になりながら、一方では
経済
三
原則
による
賃金
安定、
融資
の引締め等を企図しておりまする点において、デフレ的な
性格
を持
つて
おるのでありまするが、この
追加予算
純計七百三億余の財源の殆んど八割までが
國民大衆
の
負担
によ
つて
おるのであります。これは全く昨年度よりの過大なる
租税負担
を続けて強行するものであり、昨年度の二倍にも上る
負担
となります。特に最近税金によ
つて
苦しめられておるところの
勤労大衆
に対する税の軽減について、
政府
は何らかの考慮がなされたかどうか、具体的にお聞きしたいのであります。 次に
予算
の
削減
を図るためにただ一冊筋に
行政整理
、
大量馘首
のみを採り上げておられますが、一体これらの
行政整理
によ
つて如何程
の
経費節減
が可能であるか。それだけの
節約
によ
つて
この
厖大予算
がどの程度まで喰い止められるか。その具体的な
数字的根拠
と
行政整理
の
計画
を示して貰いたいのであります。私はそれらの
官人員
の
削減
による僅かの
経費節減
では何らこの
インフレ予算
を喰い止めるだけの
経費節約
は浮んで來ないと
確信
をいたします。それは却
つて
労働
不安を弾圧する
警察諸費用
その他が加重するのみでありましようし、そのために起る
官臨公務員び労働加重
による
國家公務
の停滞しかもたらさないと思うのであります。思うに
インフレ
の
根因
は、先に指摘いたしましたごとくに、根本的には
賃金
の上昇などによ
つて
は惹き起されるものではなく、
政府
は
厖大
な
闇大口所得
に手を触れずして、徒らに
財政
の苦しさを訴えで、それをすべて
賃金給與
の引上げによるかのごとく一方的に宣停しておられる。これほど一方的に
保守反動性
を陰険に示した卑劣な
宣博
はないのであります。(「その
通り
」と呼ぶ者あり)この
インフレ闇大口所得
の徴収については、この度の
予算編成
及び
施政方針
には何ら触れられておらないのでありまするが、果してこれを実行なさる
誠意
と
具体案
があるかどうかについて御
答弁
を要求いたします。 次にこの度の
施政方針
において一筋に貫かれておりますことは、
経済合理化
の三
原則
でございまするが、この三
原則
というものは、ややもすると
民間労働階級
に対して、いわば一方的な攻撃的なものとして悪用される虞れがあります。もともとこれら
重要企業
に
赤字
が出ておるということは、
企業
本來の
赤字
というよりも、
官僚統制
による低
物價政策
と
インフレ
の
矛盾
によ
つて
生れた、いわば
官僚統制
の碕型見でありまして、これに便乗して誇大に
宣博
せられておる傾向が強いのであります。かかるときに
企業
の
自主性
を目指すこれらの三
原則
を本氣にな
つて
強行する
決意
があるといたしましたならば、先ず第一に本格的に
官僚統制
の
民主的改廃
と、
企業内容
の民主的な
管理
とか監査とかを必要とするのであります。かかる
決意
がなくして若しこれを強行するならば、ただ一方的に
賃金
の
切下げ抑制
という一方的の
手段
にのみ使われまして、本来の
合理化
とか
自主化
とかは全く
空念佛
に終
つて
しまうのでございます。
官僚統制
の撤廃を主張せられる
民自党内閣
といたしましては、この点まで
徹底
して行う
決意
があるかどうか。この
決意
と
具体案
について御
答弁
を求めます。 次に
外資導入
と貿易の問題について
質問
いたしたい。
安本長官
の
施政方針
によりますと、
輸出振興
を強調しておる。又
組閣早々
において
國民
に公然と
飢餓輸出
と
耐乏生活
を強要しておられる。このように
政府
が頻りに
輸出振興
を唱え輸出入のバランスを強調するということは、一説によると
経済
安定に資すべき
クレジット
の貸與が
望み薄
になつたということを言われておりますが、いわゆる
クレジット
に対する見通しについてお聞きしたいことが
一つ
。と同時に、
吉田内閣
も、このように不安定な
外資依存一本槍
の
芦田内閣
の方式をそのまま継承するものであるかどうか。
経済
の
自主的復興
に如何なる
確信
があるか。
國内外
の
情勢
から見ましてその
基本的態度
についてお聞きしたいのであります。 次に
労働政策
につき、その
主要点
について
質問
を申上げたいのであります。
國家公務員法
の
改正
が曲りなりにも前
國会
を通過いたしましたが、この
審議
の過程におけるその
態度
につきましても、
民自党
はやはり
労働階級
にと
つて
喜ぶべき存在ではないと痛感いたしました。(
笑声
)このことによ
つて
更に私は、この
内閣
がみずから刺戟して起した
労働
不安に手を焼いて、早速
民間労働法規
の
改悪
を行うのではないかという
可能性
を強く予感したわけであります。そもそも
労働組合
の諸
権利
、
團結権
、
團体交渉権
、
争議権
は、
ポツダム宣言
を初めとした
連合國
の
意思表示
にも明らかでありまするごとく、
イギリス
の産業革命以來発達した少数の
資本家
の支配に対して、
勤労大衆
が血と汗とでかち取りました
民主主義
的な諸
権利
であり、これが健全なる行使は実に
民主主義徹底化
の基礎であります。今我が國には
繊維工業
や
土建事業
に見られまするごとく、幾多の封建的な慣行が残存いたしておりまして、
労働
三法の満足な
実施用
未だ完全ではないのでございます。かかるときに一部の行き過ぎを口実といたしましてこれら
労働者
の民主的な
権利
を侵害することは、誠に容認し難い反動的な
行爲
であります。と同時に、これらの刺戟的な
行動
が若しもあつたといたしましたならば、もはや健全なる
労働組合
ですち、
國会
頼むに足らずという直接的な
政治的抗争
に起ち上る慮れが多分にあることを憂うるのであります。(「
同感
」呼ぶ者あり)再び
吉田内閣
はあの二・一ストの再來を惹起するという結果になることを思いまして、重ねて重要な点でありまするから質したいのであります。国際的に見ましても、現に
タフトハートレ法
が
アメリカ
において如何に
トルーマン大統領
の再選という奇蹟をもたらしたか。又フランスにおいて
労働争議
の一方的弾圧が如何に大きな抗爭と社会的不安を惹起しておるか。これらの実例を、
目下労働法規
の
改悪
を否定したり或いは強調したり、いずれとも判断しかねておられるところの
増田労働大臣
に、特に
將來
このような
反動的企図
があるかどうか、明確なる
答弁
を要求する次第であります。(
拍手
) 最後に、
生産
増強
を基本
方針
としておられる現
内閣
が、先程言明しましたごとく
大量馘首
を実行し、
労働
不安を惹超し、且つ又
経済
三
原則
による低
賃金
と
融資
の引締めなど一連のデフレ的強行をなすのであるといたしましたならば、徒らに
生産
を萎縮せしめ、ただ
資本
の
採算
のみが
再建
せられるという、いわば一将功成
つて
万卒枯れるという悲惨事が予想されるのでありまするが、これらについて
矛盾
を感じないかどうか、明確なる御
答弁
を要求いたします。 以上を以て私の
質問
といたしまするが、
首相
初め
安本長官
、
労働大臣
の
答弁
が明確でなく、不十分のときは、再
質問
を留保することを申上げて
質問
を終りたいと存じます。 〔
國務大臣
吉田茂君
登壇
、
拍手
〕
吉田茂
9
○
國務大臣
(吉田茂君) お答えをいたします。私が施政
演説
その他において申述べた
通り
、現
内閣
は首班選挙の投票において現われたことく少数党
内閣
であります。少数党
内閣
であるが故に、冒頭
解散
をして信を国民に問うべきであるということは私の
確信
であります。これが
民主主義
に合うか合はないか、私はこれが
民主主義
と考えるの、であります。(「その
通り
」「分つたか」と呼ぶ者あり)又
早期解散
については、私よりもむしろ片山君の方が先におつしやつたように思います。殊に
早期解散
を主張した免租はむしろ社会党の
諸君
であると私は了解するのであります。(「その
通り
」と呼ぶ者あり、
拍手
)又
憲法
上の
解釈
云々ということでありまするが、
輿論
も、学者の議論も、七條でいいということは殆んど一致した議論のようでありまするが、(
拍手
)暫らくこの学理問題は別といたして、事実、四党協定によりまして不信任案の通過を待
つて
解散
をすることにな
つて
おることは、この間申上げた
通り
であります。 又非
日活動委員会
について私が何か言明をいたしたということでありまするが、私の記憶にはこれはありません。 又
労働者
に対する非民主的
態度
とおつしやるけれども、私は
労働者
に対して非民主的
態度
をと
つて
おらないのであります。
勤労大衆
が一致して日本の復興、日本の
経済
再建
について協力するにあらずんば日本の
再建
はできないのであるから、
勤労大衆
の福祉厚生については十分考えるということは、私のしばしば本議場その他
委員会
において言明いたしたところであります。これを似て或いは私の
態度
が非民主的なりという御批評に対しは、この
説明
を以てお答えといたします。 又國際的な
吉田内閣
に対する不信云々ということでありまするが、私は従来
宣博
とか或いは自家廣告はいたしたくない考えでありますために、從來
民自党
の
態度
もしくは自分
自身
に対する
態度
については弁明は曾ていたしたことがないのであります。併しながら現
内閣
になりましてから、私としては職務上國の新聞通信員その他に努めて接触をいたしておりまするが、私の感じたところにおいては、又私の所においていろいろな議論を戰わしたところにおいては、おつしやる不信なるものは私その形跡を認めないのであります。(
拍手
)又最近の海外における各新聞記事についての論調について御覧になつたら分ると思いまするが、決して我が党、我が
内閣
に対して不評などということは私は認めないのであります。むしろ國内からいろいろ、放送をせられて現
内閣
を誹謗せられる声が、その御
自身
、言われる
諸君
においてお目に付くかも知れませんが、場私はこの際
諸君
にお願いいたしたいのでありまするが、日本國の
再建
復興は決して容易ならん仕事であります。前途については頗る懸念を持
つて
おるのであります。どうか国民
諸君
は勿論のこと、
議員
各位におかれても、この國を、日本帝國…(「日本帝国か」「帝国主義だ」と呼ぶ者あり、その他
発言
する者多し)擁護するごとなく、徒らに批評を出されることはよくないと思います。(「速記者よく書いたか」と呼ぶ者あり、その他
発言
する者多し) 又
講和会議
に対する具体的
準備
、これは私が
委員会
その他においてしばしば申しておる
通り
に、この
準備
は、今日我々が瀕死の状態にあるときにおいて、(「今の言葉を忘れるな」と呼ぶ者あり)滅多に、外交的に積極的に動くことは禁止されておりまするが、できるだけのことは現にいたしておるのであります。(「懲々々」と呼ぶ者あり)又
講和会議
に代るべき暫定的
措置
等についても、種々各
方面
と接触をして、そうして
講和会議
が、講和條約が、仮に促進されなくても、これに代る暫・定
措置
を以て講和條約までその間
措置
をとりたいと、種々各
方面
に連絡をと
つて
おるのであります。でありまするから、具体的
準備
の
決意
があるか、無論
決意
があるために
かく
のごとき
措置
をと
つて
おるのであります。(「帝国はどうした」と呼ぶ者あり) 〔
國務大臣
泉山三六君
登壇
、「詳細に具体的にやれよ」「泉山節でもよいから」と呼ぶ者あり〕
泉山三六
10
○
國務大臣
(泉山三六君) 内村さんにお答えを申上げます。 先ず第一点は、本
内閣
は
行政整理
をやるのであるか、然らば
失業対策
との関係は如何、かようの点でありましたが、もとより本
内閣
におきまして、
行政整理
に対しまて深甚の考慮を用い、目下その
具体案
につきまして鋭意研究を重ねておりますることは、内村さん御了承の
通り
であります。「了承していないよ」「誰が了承したのだ」「お前一人で了承しているのか」と呼ぶ者あり)ご心配のように、
失業対策
その他対策なくして
行政整理
を断行するがごとき無謀のことは決してやりませんので、(「その
通り
」と呼ぶ者あり)ご心を願いたいと思うのであります。(「やらないのだな」と呼ぶ者あり)そこで問題は、
行政整理
によりまして
財政
上幾ばくの軽減を來すものであるか、かようのお尋ねでありまするが、その
具体案
の作成と同時にこれを発表いたしたいと思うのであります。 次に御
質問
の第二点は、
インフレ
の収束についてどういう
計画
的な施策があるか、こういう意味に
解釈
いたしたのでありまするが、
インフレ
の収束のためにはあらゆる部面の
経済
施策をば総合集中して、強力にこれを推進することが必要である。かように考えておる次第でございます。
政府
といたしましては、(「どういうひとを強力にするのだ」と呼ぶ者あり)かようの見地に立ちまして、
生産
の
増強
を第一義とし、
財政
、金融、
物價
、流通、貿易等の各部門に亘りまして強力なる総合的施策を実施いたしまして、又特に輸出の振興と外資の援助を期待して、以て我が剛健済の安定と
再建
に向
つて
邁進したい、かように考えておる次第であります。
経済
三
原則
の
趣旨
につきましては、極めて時宜に適したものと考えておりまするが、その具体的適用に関しましては、
政府
におきましても今日における我が國
経済
の実情に即應して、以て十分考慮いたし、これを実施面に施したい、かように考えておる次第であります。 次に、
國家
計
公務員
諸君
の新給與べ
ース
を
政府
は五千三百円にこれを決めた、が、更に改善の
誠意
ありや、かようのことでありましたが、
政府
におきましては、たびたび申上げました
通り
、
官公吏
諸君
の給與の改善の問題は極めて重大且つ緊急なものであることを認めておるのでありまして、さればこそ、この新
ベース
の決定に当つたのであります。かようへの意味合におきまして、その
誠意
については十分御了承のところと思うのであります。 次に大口の
闇所得
の徴税等に関しましてのお尋ねでありましたが、この大口の聞所得の捕提につきましては、課税の適正を図る見地から、かねていろいろ努力をいたして参
つて
おるのであります。先般大蔵省におきましては、中央並びに地方部局に國視査察の制度を設けまして、この点について折角努力を集中いたしておるのでありまして、その実積には見るべきものがあるのであります。 次に、外資の導入に関連いたしまして御
質問
がございましたが、申すまでもなく我が國の
経済
安定復興には、当面相当の外資の援助を頂きまげることが非常に肝要でありまして、従來連合軍の絶大なる好意によ力まして、多額の
政府
援助を受けて参つたのでありまするが、今後も暫らくは引続き食糧或いは
経済
復興用の資材、輸出用の原料等の輸入につきまして、その援助を受けなければならないのでございます。尚又、目下司令部御当局におかれましても日本の
経済
復興評画に懸念をいたし三て、今後の
計画
を更にご検討中であるやに仄聞いたします。
國民
と共にその好意に対しては深甚なる謝意を表する次第であります。以上お答え申上げます。 〔
國務大臣
増田甲子七査
登壇
、
拍手
〕
増田甲子七
11
○国務大臣(増田甲子七君) 内村さんの御
質問
にお答え申し上げます。内村さんは、先ず
吉田内閣
が健全なる
労働組合
方面
からも
保守反動
と言われているというようなことを言われましたが、私はこの際
一言
いたしまするが、これ悪口であります。悪口というものは、よく戦時中はやりましたが、例えば反國体的であるか、或いは反軍的であるとかいう言葉が非常にはやつた。又その悪口に対しまして、その悪口を述べられた相手方は弁明しようと思
つて
、自分はそういう
立場
を執らんということを一生懸命弁解するために、心ならずも軍國主義的
行動
に走つたというような悲惨な結果をしばしば見たのでありまて、私はよろしく悪口のごときは、これからの民主日本においては放逐すべきものであると思います。(「それは誰だ」と呼ぶ者あり、その他
発言
する者多し)すべからく、その政党なり、その国体なりの
行動
の実績を分析檢討いたしまして、その結果、或いは
保守反動
なり、その他の悪口は、これはその具体的問題において甘受してもよろしい。併しながら一應悪口を人に言うということは、これはその悪口を言う人がずぼらであるか、分析したり檢討することが嫌いであるかというようなことであると思
つて
おります。将來着くも知性以
つて
任ずる民主日本においては、一應何ら人の実績を檢討せず悪口を言うことは止めて欲しいと思う次第であります。 その次に、
労働大臣
が
企業
体の健全性の
確立
によ
つて
大量の
馘首
をするということを放言したということを言
つて
おりますが、私はそういうことを放言しておりません。ただ併しながら、民主自由党を與党とするこの
政府
におきましては、
行政整理
なり或いは産業
合理化
については
政策
の公約があるのでありまして、その公約を実施することについて
誠意
と責任とを持つということを、私は衆
議院
の
委員会
等において、
はつ
きり申上げております。併し内村君のお説のごとく、成るべく血の出ない整理なり
合理化
をいたすべきでありまして、先ず第一に
配置轉換
をするとか、或いは
配置轉換
をする前に、我々が今考えているところは、積極的に受入れ態勢を作りまして、その受入れ態勢を作
つて
合理化
なり整理を断行したいと、こう思
つて
おります。それから仮に役人の整理にいたしましても、今、実人員と欠員との、そういう定員と欠員との差異がございますから、先ずそこに一應手を着ける。その次には
合理化
の見地からいたしまして、役所でこれだけの人しか要らんということにつきましては、冗員については役所に出勤しないでもよろしい。その間、一年俸給を拂いまして、その間において
政府
なり、主務大臣なり、主務官職において責任を以て
配置轉換
なり、就職の斡旋奔走をするということを考えている次第であります。 その次に、
労働者
の
行動
権についての制約であるところの
労働
法の
改悪
をするかどうかという御
質問
であります。
公務員
法以外のことについては、只今私共は
改悪
ということは絶対考えておりません。
改正
という点については、
労働組合
法なり
労働
関係調整法については、すでに
片山内閣
、又
芦田内閣
の時において、
労働組合
法は終戦直後できた法規であり、
労働
関係調整法はその後できた法規でございまして、すでに相当年限の
経験
を持
つて
おります。その
経験
に徴して檢討するのみならず、内村君の、御存じの
通り
、労務者側からもこういう
方面
を改革して欲しいという申出があるのでございまして、米窪君なり加藤君も折角研究中でございまして、その研究の成果を私も檢討いたしております。これは大勢に向か
つて
善処したい、こう存じております。
労働
基準法につきましては衆
議院
の本
会議
におきましても、八時間実
労働
という
原則
は、これは國際
労働
通念でございまして、
原則
的なものに手を着けたくない、こう考えております。それから
合理化
なり
企業
体の健全化なりを図つた結果、一将特功成
つて
万卒枯るという結果な
つて
はいかん。これはお説は御尤もでありまして、我々は完全雇傭々々々々と言います。当該
企業
体から
失業者
を出さず、冗員であ
つて
も抱えて置くということを完全雇傭完全雇傭と言
つて
おりますが、これはフル・エンプロイメントの非常な誤解でありまして、我々は
國民
八千万の完全庸傭を考えているわけであります。即ち万卒枯るどころか、八千万の完全雇傭を図るために
企業
体の健全性を
確立
するということが先ず第一でございまして、例えば身体におできができた。その時に手術をすれば治るけれども、手術をすればちよつと血が出る。或いは血が出なくても痛い目を見る。そこで厭だからして、そのおできを放
つて
置くというようなことになりますと、身体全体が死んでしまう。即ち一将功成り万卒枯るという結果を惹起しかねない。そこで我々は、このおできは、多少は血が出るかも知れないし或いは痛いかも知れないが、手術をすることによ
つて
、本人
自身
は再び健康体になる。即ち日本が
経済
が
再建
され、産業は復興する。こういう見地から
企業
体の
合理化
を考えている次第でございまして、決して内村君のおつしやつたように、一将功成句万卒積るどころか、
國民
完全雇傭のために一時の産業の
合理化
を考えている次第でございます。(
拍手
) 〔内村清史君
発言
の許可を求む〕
松本治一郎
12
○副
議長
(松本治一郎君) あと三分残
つて
おりますから、
質問
を許します。
内村清次
13
○
内村清次
君 只今の
首相
及び
経済
安定本部長官
へ又
労働大臣
の御
答弁
は、私が
答弁
をお願いしました
項目
の中一には、まだ
答弁
をしておられない点がありますのと同時に、その
内容
において不明確な点が沢山あります。私はその点に対して不満の意を表明します。同時に重大でありますことは、
首相
の
答弁
の中に不穏当な言辞が、ありました。これは新
國会
といたしましても、新
憲法
下の
國会
といたしまして、決して看過することのできない言辞であると思います。(「その
通り
」と呼ぶ者あり)その問題につきましては、この問題をお残しいたします。それから
議事
の准行がありまするかち、私は再
登壇
はいたしませんが、
議長
に要求いたしますことは、この
答弁
不明確、及びまぜ
答弁
なさ
つて
おらない点につきましては、
國会
法の七十
五條
によ
つて
、
速記録
によ
つて
内閣
は「この
答弁
書を提出するように」、
議長
からお取計らい頂けることを特に希望いたします。以上。 〔栗山良夫君「
議事
進行について……先程
吉田首相
が内村君の
質問
に答えられた中において、不穏当の字句がありますので、これの処置につきまして
発言
をお願いいたしたいと思います」と述ぶ〕 〔「
議長
々々「
登壇
々々」と呼ぶ者あり〕
松本治一郎
14
○副
議長
(松本治一郎君)
議長
から
発言
を求められております。(
笑声
)
総理大臣
から…… 〔「こつちが先だよ」と呼ぶ者あり〕 〔
國務大臣
吉田茂君
登壇
、
拍手
〕
吉田茂
15
○
國務大臣
(吉田茂君) 今、私の
演説
中に、(「こちらが
発言
中だ」と呼ぶ者あり)不穏当の言葉がありましたらば、
議長
において適当に取消して頂きたいと思います。(「ありましたらばとは何だ」「了解々々」と呼ぶ者あり、
拍手
、「ありましたらばじやないよ」と呼ぶ者あり)
松本治一郎
16
○副
議長
(松本治一郎君) 栗山良夫君。 〔栗山良夫君
登壇
、
拍手
〕
栗山良夫
17
○栗山良夫君 終戰後三年有半、(「簡單簡單」と呼ぶ者あり)私共は、日本の一民主的の
再建
のために、(「それば
質問
演説
か」と呼ぶ者あり)國内を纏め、更に国際的信用を高めるために、偉大なる努力を拂
つて
来ておるのであります。(「その
通り
」と呼ぶ者あり)然るにこの三年有余を経ました今日、ここに、日本民主
再建
の先頭を切
つて
進むと数日前にこの本
会議
場でその
意思
を明らかにせられました
吉田首相
みずからが、明治
憲法
の流れを汲むところの日本帝國なる言葉を本
会議
場において述べられましたことは、私は愕然たらざるを得ないのであります。(「その
通り
」と呼ぶ者あり、
拍手
)これは即ち日本
國民
の民主的
再建
の方向を誤またせるばかりではないのであります。(「そんな馬鹿なことはないと」呼ぶ者あり)國際的信用をかち得なければならん極めて重大なる段階において、日本の首班である吉田総理が、
かく
のごとき誤まてる考え方を本
会議
場を通じて堂々と國内並びに國際社会に発表されましたことは、重大なる(「何を言うか」と呼ぶ者あり)問題であると思うのであります。終戦以後、
労働階級
を捉えで不逞の輩とし、或いは又昨日の民主党の稲平太郎君の、民主自由党こそ極右政党である、支配階級の勢力温存のために戰
つて
いる致党ではないかと指摘せられた、その言葉そのものにも通用する出与えであると思うのであります。(「そうだそうだ」「その
通り
」と呼ぶ者あり)私は、この考え方が民主自由党の考え方であり、又吉田総理の個人的イデオロギーであるならば、一向にここで問題にする必要はないと思うのでありますけれども、現在異常であり、日本國の総理であるところの
吉田首相
が、この席上において、
かく
のごとき言葉を使われましたことは、日本の
再建
の上に、國際社会の信用を失塗すること測り知れざるものがあるということを、私はその点を明らかにせざるを得ないのであります。(「言葉尻だ、言葉尻だ」と呼ぶ者あり)言葉尻ではない。言葉尻ではない。自分の本心に流れているところの一貫した
思想
である。言葉尻ではないのである。(「揚げ足取りだ」「追放だ」と呼ぶ者あり)私は
かく
のごとき点におきまして、
吉田首相
の明快なる釈明一を求めると共に、先程
かく
のごとき言葉があつたらという話がありましたが、我々は、今この耳で寸刻前に明らかに聞いたことである。(「
ノーノー
」と呼ぶ者あり)耳に入つた事実なんである。それを率直に取消しをせられると共に、その釈明を求めたいのであります。(「責任を取らせろ」「單なる失言ではない」と呼ぶ者あり)これは單なる國内問題ではない。國際問題として、極めて重要な問題と私は信ずるが故に、敢えて動議を提出をしたいのであります。(
拍手
)
松本治一郎
18
○副
議長
(松本治一郎君)
議事
進行についての
発言
があり、総理からも今
発言
があつたようで、あつた
通り
でありまして、事重大と考えますから、
議長
においては、
速記録
をよく調べまして、善処いたします。(「了解々々」と呼ぶ者あり)
議事
の都合により、本日はこれにて延会いたしたいと存じます。御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松本治一郎
19
○副
議長
(松本治一郎君) 御
異議
ないと認めます。明日は午前十時より開会いたします。
議事日程
は決定次第公報を以て通知いたします。本日はこれを以て散会いたします。 午前十一時四十八分散会
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○本日の
会議
に付した事件 一、
淺井清
、
山下興家
、
上野陽一
を
人事官
に任命することについて
同意
を求めるの件 一、
日程
第一、国務大臣の
演説
に関する件
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