運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
1948-12-04 第4回国会 参議院 本会議 第3号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十三年十二月四日(土曜日) 午後三時七分
開議
—————————————
議事日程
第一号
昭和
二十三年十二月四日 午後二時
開議
第一
國務大臣
の
演説
に関する件
松平恒雄
1
○
議長
(
松平恒雄
君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。
松平恒雄
2
○
議長
(
松平恒雄
君) これより会議を開きます。 この際お諮りいたします。本日、
左藤義詮
君より
予算委員
を、
橋本萬右衞門
君より
議院運営委員
を、それぞれ理由を附して辞任したいとの申出がございました。いずれも許可することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松平恒雄
3
○
議長
(
松平恒雄
君) 御
異議
ないと認めます。つきましては、その補欠として
予算委員
に
橋本萬右衞門
君を、
議院運営委員
に
左藤義詮
君を指名いたします。 —————————————
松平恒雄
4
○
議長
(
松平恒雄
君) 次にお諮りして決定いたしたいことがございます。在外同胞引揚問題に関する
特別委員長
より、引揚者及び
復員者
の
受入施設
並びに
厚生対策等実増調査
のため、中
國地方
に
淺岡信夫君
、
天田勝正
君、水久保、一甚作君を、
近畿地方
に
穗積眞六郎
君、
千田正
君、
池田宇右衞門
君、
伊東隆治
君を、四
國地方
に
岡元義人
君、
大内キヤウ
君、
矢野酉雄
君、
紅露みつ
君を本月三日より三十一日までのうち十日間、
中部地方
に
草葉隆圓
君、
三木治朗
君、
星野芳樹
君を、
奨励地方
に
北條秀一
君、
木下源吾
君を本月三日より三十一日までのうち八日間の
日程
を以て派遣いたしたいとの
要求
がございました。これら十六各の
議員
を派遣することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松平恒雄
5
○
議長
(
松平恒雄
君) 御
異議
ないと認めます。よ
つて議員派遣
の件は決定いたしました。
松平恒雄
6
○
議長
(
松平恒雄
君)
日程
第一、
國務大臣
の
演説
に関する件、
内閣総理大臣
及び
経済安定本部長官
より発言を求められました。この際許可いたします。
吉田内閣総理大臣
。 〔
國務大臣吉田茂
君
登壇
、
拍手
〕
吉田茂
7
○
國務大臣
(
吉田茂
君) 私は第四
國会
の初めに当りまして、現
内閣
の
施政
の
方針
を述べることを欣快に存ずる者であります。 去月十五日、私の
演説
におきまして述べました
通り
、それは
衆議院
でありまするが、現
内閣
は
芦田内閣
総辞職の後、
首班指名
を受けた
少数党内閣
であります。この
少数党内閣
は、先ず
國民
の信を問うために、世論に
從つて冒頭衆議院
を解散すべきであると信じたのでありまするが、第三
國会
は御
承知
の
通り
芦田内閣
以來公約せられました
公務員法
の一部
改正案
及びその
関係法規
の制定のために召集せられました
臨時國会
であります。その
公務員法等通過
のため、その後
関係方面
の斡旋によりまして、先月二十八日、
政府
と
社会党
、民主党、
國協党
など
主要政党
との間に
協定
が成立いたしたのであります。即ち
政府
は
公務員
の
給與
及びその他の
緊急予算
を第三
國会
に
提出
し、野党はその
予算
の
提出
後二週間を経て
不信任案
を通過せしめて、
衆議院
を解散することに
協定
ができたのであります。その
予算
は去る二十九日
提出
いたしました。又現に本第四
國会
において審議をせられております
緊急予算
でございます。
従つて
私の
施政方針演説
もその
予算
を主として申述べる
考え
でございます。 第一に、
國家公務員法
の
改正
に照應いたしまして、
公務員
の
生活
を保証し、その職務の
能率的運営
を
確保
するために、
國民経済
と
国家財政
の
現状
とを睨み合せまして、
公務員
に対して妥当な
給與対策
を講ぜんとするものであります。 第二は
災害復旧費
であります。近時各種の
災害
が続出いたしまして、
罹災地方
に対しては誠に同情に堪えないところでございます。これが
根本対策
につきましては、組閣以来いろいろ
政府
におきましても腐心いたしておりましたのでありますが、取敢えず本
國会
に
提出
した
予算案
中に所要の
経費
の一部を計上し、迅速適切な
処置
を講ぜんとするものであります。 次に現在尚
海外残留者
が四十余万に上
つて
おりまして、酷寒の
折柄
、四度
海外
において越冬を余儀なくせられる
状態
は誠に憂慮に堪えないのであります。今後一段と引揚の
促進
のためにあらゆる
努力
をいたしますると共に、
引揚同胞及び留守家族
の
援護厚生
につきましては、万全の
処置
を講じたい
考え
ております。 その他、
予算成立
後の
経済情勢
、殊に
物價騰貴等
の必要に基きまして、
終戰処理費
、
價格調整費等
の
増額
を計上いたしております。これは誠に止むを得ないところの
経費
であります。 他面、
政府
は我が
党年來
の
主張
によりまして、
生産
第一
主義
に則り、
統制
の
整理簡素化
、
行政
の
整理
、
企業
の
合理化等
を断行いたしますると共に、
健全財政
の
方針
を堅持いたしまして、
収支
の
均衡
を図ることを
根本
といたして
財政計画
を立て、一層健全なる
予算編成
に
努力
するつもりでおります。(
拍手
) 尚特に附加えたきことは文教の刷新、
民主教育
の
徹底
であります。これが
國家再建
の
根本
であることは今更申すまでもございません。新らしい理想を目指して発足した新
教育制度
は現に
実施
の途上にあるのでございまするが、この
完成
のためには今後容易ならぬ
努力
を要することであるのであります。
政府
は能う限りの熱意を以ちまして、その
実質的完成
を期したいと思
つて
おる次第であります。
最後
に申述べたいことは
講和條
約についてであります。先般第三
國会
における決議にありました
通り
、
講和條
約なき限り我が國の独立は
確保
せられないのであります。又
経済復興
は期し難いのであります。
講和條
約
促進
のためにも、先ず第一に我が國において
民主政治
が
確立
されなければならないのであります。 新
憲法
の成立せる今日これが運用を全からしむるためには、その新
憲法
の
精神
に則りまして最も正しき
憲法
上の慣例を打ち立てることが大切なのであります。この故を以ちまして、我が党は新
憲法
の下に行われました最初の総
選挙
の結果を尊重いたしまして、
首班
を当時第一党である
社会党
に譲り、
吉田内閣
が総辞職いたしましたことは御
承知
の
通り
でありまするが、これは
民主政治
の
趣旨
、
精神
の
貫徹徹底
を期したいためであ
つたの
であります。
主義政策
を異にせる
政党
の
連立内閣
は遂に
内閣
を弱体化いたしまして敗戦後の
日本再建
を
妨ぐる
ようなことになるであろうかと
考え
て、当時我が
民自党
は入閣を肯んじなか
つたの
でありまするが、爾後一年
有余
、政局は安定を欠き、
政党政派
の
離合集散
は続出いたしますし、
経済
は萎縮し、
生産
は振わず、
紛擾
又
紛擾
、ために
片山内閣
より
芦田内閣
に及び、遂に
疑獄事件
のために
吉田内閣
の出現に至りましたことは御
承知
の
通り
であります。(
拍手
)然るに過般の
首班選挙
に当りまして、私を
首班
に推せるは百八十余、白票を投ぜるは二百
有余
であるにも拘わらず、私が
首班指名
を受け、
國会
内における
少数党内閣たる
の事実が明白になりました。以上は、早きに及んで正しき
國民
の批判を待つことこそ
國民
の期待するところと
考え
るのでありまるが、(
拍手
)苟も
公党
たるものは、よろしく議論の命するがままに総
選挙
に従い、以て正しい
民生政治
を
確立
いたすべきものであると私は信ずるのであります。(「その
通り
」と呼ぶ者あり)(
拍手
) 第二には我が
國復興再建
でありますが我が
國唯一
の
経済資源
は御
承知
のごとく我が
國民
の
生産的労働力
であります。正直にして勤勉、企画的に且つ能率的なる我が
國民
の
労働力
がその
愛国的熱情
を以て我が
國再建復興
に協力する事実の顕著なるに及んで、初めて
外資
の
導入
となり、
資材
の
供給
となるのであります。即ち我が
國経済
の
復興
が
世界
の
繁栄増進
の一環を成すことの事実を
列國
が承認するに及んで、初めて
外資導入
となり、
資材
の
供給
となるのであります。 第三には、刻下の
疑獄事件
或いは政界の浄化或いは官紀の
粛正等
でありまするが、
政治
と
行政
に対する
国民
の
信頼と列國
の信用を
回復
するがために、
政府
といたしましては十分これがためにその事実を究明し、又
粛正
の
方法
を講ずる
考え
であります。 以上申述べた三点の達成によりまして、我が國は初めて
講和條
約を締結し、待望するところの
國際国体復帰
を許されるに至るものと信ずるのであります。何とぞ各
政党
におかれても
暫らく党利党略
を度外視せられ、その
主義主張
に基いて互いに切磋琢磨し、我が
國再建復興
のために、
公党
として
民主政治
の
確立
、
経済復興
のために
努力
せられんことを私は熱望する者であります。(
拍手
)
松平恒雄
8
○
議長
(
松平恒雄
君)
泉山國務大臣
。 〔
國務大臣泉山
三六君
登壇
〕
泉山三六
9
○
國務大臣
(
泉山
三六君)
只今吉田内閣総理大臣
より、本
内閣
の
施政
の
根本
につきまして述べられたのでありまするが、私は
経済安定本部総務長官
としてこの
機会
に今後における
経済
ならびに
財政施策
の
基本
となるべきものにつきまして聊か所信を申述べたいと存じます。
終戦
後すでに三年
有余
を経過いたしまして、我が
國経済
は
終戦
当時の
混乱状態
から脱却いたしまして緩慢ながら
漸次回復
の途を辿
つて
参りましたことは、
占領軍当局
の好意ある
援助
によることは勿論でありまするが、(
拍手
)又
國民各位
の
困苦欠乏
に耐え不断の
努力
を傾倒せられた結果でございまして、誠に御同慶に堪えない次第であります。併しながら、我が
國経済
の
復興
は今漸くその緒についたばかりでございまして、
経済
を
再建
し、
国民生活
を安定し、進んでは
世界経済
の
平和的発展
に寄與することができるようになりまするには、前途尚遼遠でおると申さねばなりません。即ち第一に、鉱工業の
生産状況
は
終戦以來逐次回復
の徴を示して
参つて
はおりますが、本年下期における
産業用配炭
の
減少
、この冬の
渇水期
におきましての
電力需給
の不
円滑等
、当面の
事情
を考慮いたしまするときは、必ずしも
楽観
を許さぬ
状態
にあるのであります。
貿易
の
状況
も、
輸出
におきましては、最近やや
改善
の跡を示すに至りましたのでありまするが、尚遺憾ながら
輸出
不振の域を脱せず、本年上期の
実績
は、昨年上期のそれを下廻るという誠に憂慮すべき
状態
であります。(「
爲替レート
をどうするかと」呼ぶ者あり)
ただ輸入
におきましては概ね予定
通り
進捗して、
國民生活
の安定と
日本経済
の
復興
とに寄與しておるのでありまするが、この結果は
輸出
入の著しい不
均衡
を来し、
アメリカ
の巨額の対日
援助
によ
つて
辛うじてその尻がカバーせられておる
状態
であります。 次に、
インフレーシヨン
の
綜合指標
であります。
通貨
、
物價及び賃金
の
動き
を見ますと、
通貨
及び
物價
につきましてはこの数ケ月間、明らかにその
動き
は緩慢に相成
つて
おるのでありまするが、
ひとり賃金
のみは急激なる
上昇
を示しておるのでありまして、(「
物價
はどうした」と呼ぶ者あり)そのために
実質賃金
は
向上
し、
家計
の
赤字
も漸次
減少
の傾向を辿
つて來
てはおりまするが、
生産
の
増加
を伴わない
名目賃金
の
追求
が果して眞に
生活
安定に資するものであるか否かを(「そうだ」と呼ぶ者あり)深く反省しなければならないと思うのであります。(「誰が
名目賃金
を
追求
しておるか」と呼ぶ者あり)次に、
企業
の
状況
を見るに——労働問題の應接と
赤字
の
処理
に寧日なく、その
経済性
及び
自主性
を喪失いたしておる感が深いのでございまして、(「株が上
つて
おるじやないか」と呼ぶ者あり)
企業
の実体は依然として
改善
されておらん実情であります。更に
國家財政面
を見ましても、
公務員給與
の
増額
、
災害復旧費
、
企業赤字
の
処理等
のため、
予算
の
膨脹
を余儀なくせられ、すでに
國会
に
提出
いたしましたように、多額の
補正予算
を必要とすることと相成
つたの
でございます。(「
大蔵大臣
は六十億しか出さんじやないか」と呼ぶ者あ以上
全般
を通じて我が
國経済
は、
アメリカ
の
援助
を主たる支柱といたしまして、漸次
安定化
の方向を辿りつつあるとはいえ、
國民経済
全体乏しては依然として大きな
赤字経済
を継続しておる
現況
と申さねばならんのであります。(「その安定を得るために苦心しているのだよ」と呼ぶ者あり)かかる
現況
を
打開
して
国民経済
の
自立
を目指し、
生産
の
増強
、
輸出
の
増進
を
促進
し、
経済
の安定及び
復興
を成し遂げることが、今我々に課せられた課題でありまするが、(
拍手
)その具体的の
施策
については、そのときその
経済情勢
と調和を保ちつつ、
生産
の
増強
、
流通秩序
の
確立
、その他
経済
安定を目途とするもろもろの
施策
を総合的に
実施
する必要があると
考え
るのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)以上の構想に基きまして、本
内閣
として特に重点を置かんとする諸
施策
につきまして以下申述べたいと存じます。 先ず第一に、
経済統制
の
整理簡素化
について申上げます。
終戦
以来
國民経済
の各分野に亘りまして行われました
経済統制
は、それそ、重要なる役割を果して参
つたの
でありまするが、最近における
物資需給状況
の
改善
、
購買力
の
減退等
、
経済條件
の変動に鑑みまして、
統制全般
に亘り再検討を必要とする段階に到達とておると
考え
るのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)よ
つて
この際、害あ
つて益
なき
統制
はもとより、もはや不必要となりました
統制
のごときは、思い切
つて
これを廃止すると共に、(「賛成」と呼ぶ者あり)他方、
国民経済
の安定と
復興
とに次くことのできない
基本
的な
統制
は、その縮小された
領域
を
対象
として、むしろ強力に行な
つて
参る
所存
であります。(「
官僚統制
だ」と呼ぶ者あり)そもそも
生産増強
の要諦は各
企業
の積極的な創意と
責任
とに俟つべきものでありまして、限られた
領域
に
統制方策
が明瞭にされますならば、即ち明るい
統制
の下に自由な
活動
は認められ、各
企業
は必ずや自己の
責任
において向うべきところを自覚し、
活撥
なる
企業活動
もこれによ
つて
初めて期待できるのであります。(「その
通り
だ」と呼ぶ者あり)同時に
統制
の
整理
は、(「
資本家
万歳」と呼ぶ者あり)これによ
つて行政
の
簡素化
、
能率化
を
促進
することと相成るのでありまして、総合的なる
失業対策
を行うことと相俟ちまして強力なる
行政整理
を断行しへ
行政運営
の
的確敏速
と
國庫財政
の
負担
を軽減すべき
基礎工作
も、これによ
つて
初めて可能となると
考え
るのでございます。(「そうだ」「できないことを言うな」と呼ぶ者あり、
拍手
) 次に
企業
の
合理化
について申述べたいと存じます。(「それも首切りさ」と呼ぶ者あり)
経済再建
のためのあらゆる
施策
の成否を決するものは、一に
生産
の
増加
にあることは今更申すまでもないのであります。(「そうで、あります」と呼ぶ者あり)然るにこれら
経済活動
の任に当るべき各
企業
が今日のようにその
経済性
と
自主性
とを喪失いたしておる
状態
の下におきましては、眞の
生産
の
回復
は期し難いと申さねばならないのであります。この点に鑑みまして、
企業
の
自主性
を
回復
し、その
運営
においては飽くまで
経済性
を
基盤
とし、以て現在の
不健全性
を拂拭すると共に、
経済道義
の高揚を期することが緊要でございます。加うるに一本
爲替レート
の設定は次第にその時機が迫りつつありまする今日、
企業
みずからの自覚と
努力
とによる
生産技術
の
向上
、経理の
健全化
と共に、
労働効率
の
引上げ等
による
企業
の
合理化
を急速に
促進
することこそ、我が國の
経済
が
世界経済
に参加して確乎たる地歩を
占むる
上に絶対欠くべからざる要件と存ずるのであります。(「そうだ」「
世界経済
に逆行するぞ」と呼ぶ者あり)從來、
企業
がその
自主性
と
経済性
とを喪失いたして來ましたその
原因
はもとより多々ございまするが、(「そうだ」と呼ぶ者あり)
政府
の
統制
と保護の下に甘んじて参りましたということも、
企業
が非合理的に相成りました
原因
の一つと存ずるのであります。今後
政府
といたしましては
企業
の正常なる
採算性
の
確保
を期すると共に、健全なる
資本
の蓄積その他
経営基盤
の
強化等
に資する
施策
を行う
考え
でありまするが、他面、
賃金
安定に関するいわゆる三
原則
の線に
沿つて赤字融資
、
價格差補給金
の交付による
企業赤字
の
負担等
、
企業
の
経済性
及び
自主牲
と相矛盾するがごとき
措置
は、これを採らざることをその
基本方針
といたすものでございます。(「
資本家
が喜ぶよ」と呼ぶ者あり) 次に
貿易
の
振興
について申上げます。
國民経済
の
復興
と
自立
のためには先ず
一定物資
の
輸入
が要請せられ、従いましてこれに見合う
輸出
の
振興
こそ
経済復興
と
経済自立
の第一歩であるのでございまするが、最近の
輸出貿易
の
実績
を見まするとき、誠に寒心すべき
状態
にございますることはすでに前段申述べました
通り
でございます。
貿易
の不振の
原因
は或いは國内的に或いは國際的に頗る
複雑多岐
でございまして、これが
打開
は実に容易ならざるものがあるとは存じまするが、
政府
におきましては、速かに有効適切なる
根本的措置
を講ずると共に、
関係方面
の理解ある
援助
を要請すべきものにつきましては速かにこれを懇請して、以て
貿易
不振の
打開策
を講ずる
所存
でございます。(「
労働強化
と低
賃金
でか」と呼ぶ者あり) 次に
食糧
問題について申上げます。すでに十月より
労務加配
の
対象
の拡大と
配給量
の
増加
を、又十一月よりは
一般主食配給基準
の増量を
実施
することができたのでございます。(「前
内閣
でや
つたの
だ」と呼ぶ者あり)併しながらこの
増配
の実現を以て直ちに今後の
食糧事情
に
楽観
を許すことはできないのであります。(「そうだそうだ」と呼ぶ者あり)即ちこのことは、
連合軍
の
援助
による
食糧
の
大量輸入
と
農民諸君
の理解ある
供出
の完遂とがあ
つて
初めて
確保
できるのでございまして、これにつきましては
政府
も
食糧増産対策
に一層の
努力
をいたす
所存
でございます。何とぞ
農民諸君
におかれましても、割当てられましたる
供出
の先途はもとより更に進んでは
超過供出
にも特段の
努力
を傾倒いたされんことを切望して止まん次第でございます。尚
政府
につきましても
供出完了
後の米の
自由販費
について、その時期と
方法
とについて
折角考慮
中であるのでございます。(
拍手
) 尚、本問題に関連して
農地制度
の
改革
について一言いたしたいと存じます。昨年以来
実施
中の
農地
の買収、
買渡
は、
関係官民
の
努力
によりまして今年一ぱいを以て所期の目的を達成できることと相成りましたのでありまするが、(「
民自党
は反対しておつたじやないか」と呼ぶ者あり)いわゆる第三次
農地制度改革
のごときことは、
政府
といたしましてはこれを行う意思はないのであります。(「地主が喜んでおるよ」と呼ぶ者、
拍手
)今後の農村対策といたてましては
既開墾地
の
土地改良開墾地
の選択、
治山治水等
、
土地
の
総合的利用
を
確保
して
農業生産
の
増強
に努めると共に、折角創設した自作農の安定を期するため、
農業経営
の
合理化
を図り、
負担
を軽減し、且つ
農業協同組合
を育成して農村の
経済力
を培養するよう、各般の
施策
を具体化して参りたいと存ずるのあでります。(
拍手
)尚この際附言して置きたいと存じますることは、
生鮮食料品
の
統制
の撤廃及び
大衆料飲店
の
再開等
についても、
食糧需給
の
推移
とも見合いまして、その時期
方法
を折角研究いたしておるのであります。(
拍手
) 次に労働問題について申述べます。(「羊頭を掲げて
狗肉
を賣るな」と呼ぶ者あり)
政府
といたしましては
労働組合運動
の健全なる発達をば衷心より翼うものであります。(「うまいぞ」と呼ぶ者あり)そのためには、ますます
労働組合
の完全たる
民主化
を図ると共に、その
自主性
及び
責任制
を
確立
し、
労資共
に
秩序
と規律を重んじ、
労資関係
の正常化せられるるよう
努力
を拂うこと勿論でございまするが、不幸にして起ります
労働争議
に対しましては、その早期且つ平和的なる解決を図りますよう
努力
を重ぬる
所存
でございます、今石炭、電産等早く解決しろ」「黙
つて
おれ」と呼ぶ者ありと
政府
といたしましても、
勤労者
の
生産意欲
を高揚し、
労働生産性
の
向上
を図ることが、
生産増強
、
経済再建
の
推進力
となることを確信するものでございまして、
勤労者
の
生活
安定特に
実質賃金
の
確保
を図るため、一段の
努力
を傾倒して参りたいと存ずるのでございます。併しながら最近
産業界
の一部に見られますように、
勤労者
は徒らに
名目賃金
の
追求
に走り、(「何を言
つて
おるか」と呼ぶ者あり)これに対し
企業
は
政府補給金
、
赤字融資等
の不健全なる給源によ
つて
これに應え、或いは
製品價格引上げ
を
要求
するがごとき、
労資一体
の
企業努力
を忘れて安易なる遂に流れらようなことがあれば、それこそインフレと
賃金
の
悪循環
を断つことはできません。遂には
勤労者
の
実質賃金確保
の
要求
にも相副わぬ結果と相成ることを憂うる者でございます。先般
賃金
問題に関連して明らかにせられましたいわゆる三
原則
も、全くこの
趣旨
に基くものに外なりません。今や
主食
の
増配
、
労務加配
の
増加等
により、更に又
実効價絡一
の横這いによりまして、
実質賃金
の
向上
、(「芋ばかりだ」と呼ぶ者あり)
家計安定増加機会
にありますので、この際特に
賃金バランス
の維持、
賃金
の
安定化
に全
勤労者諸君
の理解ある御協力を要請いたしたいと存ずるのであります。 次に
物價対策
について申上げます。昨年来の
物價
趨勢は、
一般物價指数
、
実効價格指数
を見ましても、明らかに騰勢にはありますが、その進行は比較的緩慢でございます。又この
物價
騰勢の
緩慢化
と相並んで、
家計
の
安定度
は最近やや
増加
したやに見えるのでございまするが、
國民経済
の
赤字
は決して解消しているわけのものではないのであります。「そうだ」と呼ぶ者あり)その
赤字
は
財政
か、
企業
か、或いは
家計
かのいずれかに、又はこの三者に
負担
せしめる外にはないのであります。然るに三者のいずれも、すでに
負担限度
の極限に近くな
つて
おることを
考え
まするとき、
財政負担
と
物價及び賃金
の調和ある
相関関係
と
平衡関係
とを
確立
し、且つ能う限りこれを堅持して動かないことが、
経済
り
安定化
のために特に望ましいところであるのであります。従來の例に徴しますと、
均衡
ある
生産
の見通しを完全に反映し得ない性急なる
公定慣格
の
引上げ
は、
企業採算
の不
均衡
と
賃金
の
跛行的上昇
を招来して、この面から
物價
と
賃金
との
悪循環
を誘発する慮れがあるのでございまして、これらの
事情
を
考え
まするとき、用意なくして全面的の
償格改訂
を企てるがごときことは、この際絶対に避けたい
所存
であります(
拍手
、「その
通り
」と呼ぶ者あり)
最後
に、先に
提出
いたしました
補正予算
に関連して(「
選挙
済んでからやるんだろう」と呼ぶ者あり)
財政金融
の
方策
について申述べたいと存じます。先ず、
補正予算
の
提出
を必要とするに至りました
基本的事情
について申述べますなれば、その第一は、
一般賃金水準
の
上昇
に伴う
國家公務員
の
給與ベース
切替えの問題であります。御
承知
のように、現
在官公吏諸君
の
給與ベース
は本年七月の
補正物價体系
に織り込まれました
民間工業平均賃金
に
均衡
を取つたものでありますが、その後の
推移
に顧みますのに、
公務員給與
三千七百九十一円
ベース
の据置に対しまして、民間問題は
相当
に
上昇
し、一方
生計費
も亦
相当
の
膨脹
をいたしておるのでございます。尚、今回
國家公務員法
の
改正
に伴い、
官公吏
は特殊の
地位
を與えられたのでございまして、(「奴隷の
地位
だ」と呼ぶ者あり)この際、
官公吏
の待遇を政善することが是非とも必要と相成
つたの
でございます。(「その能力がないのだよ」と呼ぶ者あり)
補正予算提出
の
基本的事状
の第二は、最近における
災害
の続出と、これが
復旧対策
の問題であります。戦時中及び戦後を通ずる我が国土の荒廃は誠に憂慮すべきものがあるのでございまして、特に本年度におきましては、先に
北陸地方
の震災があり、又更に
アイオン台風
を初めといたしまして、各地の風水害が相次いで起り、これを放置するにおいては、
民生
の安定、
経済
の
再建
の上に実に重大なる支障となることを痛感せられるのでございます。以上二点の要請を根幹とし、これに
終戦処理費
、
價格調整費等
、必要止むを得ざる諸
経費
を計上いたし、ここに
補正予算
を編成することと相成
つたの
でありまするが、その
編成方針
につきましては、
財政
の
健全性
を貫くことこそ、
インフレーシヨン
を収束し、
経済
を常道に立て直すための鍵であり、且つ
外國
の
援助
を期待し得る前提であることを確信し、飽くまで
健全財政
の
方針
を堅持することといたした次第であります。即ち第一に、
一般会計
及び
特別会計
を通じ、巌に
収支
の
均衡
を保持することとし、第二には、
鉄道運賃
、
通信料金
の改訂その他一
段物價
に影響を及ぼし、
インフレーシヨン
を
促進
するような歳入に
賦源
を求めることを避け、尚第三には、
財政資金
全体の規模が
國民負担
の
現状
から見まして苛酷に亘らない範囲に改まるよう、極力これを圧縮することといたしたのでございます。 以上の
原則
に從いまして編成いたしましたのが、今回の
補正予算案
でございまして、先に申上げました
主要費目
以外に亘りましても、既定
経費
の不定一或いは新規事項の追加等、
相当
多額の歳出の要請が存したのでございましたが、これらは極力これを圧縮し、
一般会計
総額において歳入歳出共に五百八十六億余万円と決定いたした次第であります。今後の
財政
運営
につきましても、
財政
の面からする
インフレーシヨン
の進行を阻止するため、実質的なる
収支
の
均衡
を図亘、
経済
の安定
復興
と
生産
の
増強
とを第一目標としつつ、
財政
と
国民経済
全体との調和的発展に深く留意いたしまして、全体的見地に立つた幅のある
健全財政
の
運営
を実現いたしたい
所存
であります。尚、
財政
収支
の時期的調整、國家
財政
と地方
財政
場との間の財源及び
負担
の適切なる配分等に書ましてしも、一連の問題として特段の配慮をいたす
考え
でございます。 歳入
確保
の点につきましては、担税収入、專費益金等の確実なる増収を図るため適切なる
措置
を強力に推進して参りたいと
考え
ております。現行税制の下における
国民
の租税
負担
は
相当
に重く、
國民経済
の
現状
からいたしまして、この
負担
に耐えることは容易ならん
努力
を必要とすると思われるのでありまするが、幸いに
國民各位
が國家
財政
の窮状をよく認識せられ、租税完納のため更に一段の御協力を賜わらんことを切に希望いたす次第であります。(「取引高税はどうした」と呼ぶ者あり)尚、取引高税につきましてはその撤廃について
補正予算
中にこれを織込む運びに至りませんなんだことは誠に遺憾とするのでございますが、これを廃止するという
根本
方針
には変りはないのでありまして、これが
実施
の時期並びに代り財源について引続き研究を進めておる次第であります。 次に金融政策につきましては、健全金融を建前としていわゆる
赤字
融資に一切これを行わない
方針
で進むものでございます。併しながら現在各方面におきまして悩まされつつある金融梗塞の実情は十分これを認識し、金融に一層の強力性を附與したいものと工夫しておるのでございます。
インフレーシヨン
の抑制
方策
といたしまして、金融引締めの
方法
が即効的に有効であることは明らかでありまするが、それが度を過しまして、
生産
を萎縮し、
企業
意欲を減退せしむるようなことがあ
つて
は、終局的に
インフレーシヨン
克服の目的を達成することができないことも、これ亦極めて明瞭であります。この間の
事情
をよく勘案して(「石橋時代とは大分変つたな」と呼ぶ者あり)金融の
健全性
を保持しながら而も
生産
の
増強
、
経済
の
復興
に活路を與えるよう善処いたしたいと存ずる次第であります。特に中小
企業
及び農漁村金融の円滑化については格別の
措置
を講じたいと
考え
ておる次第でございます。面してこのような金融政策が運賃の増発を招來せしめないためには、手形制度の活用等、信用取引を発達助長せしむると共に、貯蓄の
増強
に一段の工夫と
努力
とを必要といたすことは申すまでもないのであります。疑いましてその見地からも、
通貨
に対して何らかの
措置
を探るというがごときことは
政府
として全く
考え
てはおらないのであります。 尚、從來とかくの批判の
対象
とな
つて
おりました復金融資の問題につきましても、復金本來の使命を達成するに必要なものに限定すると共に、融資の
責任
を明確にするため必要な仕組等について成案を急ぎつつある次第でございます。 以上、私は本
内閣
として当面
実施
すべき重要政策に触れて参
つたの
でございまするが、
政府
といたしましては更に五ヶ年後における
日本経済
の
自立
を目標として、困難な現勢において見通し得る限りの
経済條件
と又
経済情勢
を織り込みつつ、いわゆる
経済復興
五ケ年計画の立案を急ぎつつあるのでございます。併しながらこれを
再建
の目標として、
生産
の飛躍的
増強
と
國民生活
水準の同上を期すると共に、國際
収支
の
均衡
を
確保
して、現在
アメリカ
の
援助
に支えられてる我が
國民経済
をして眞に更生
自立
せしめるためには、現在我が國の置かれておりまする内外情勢から見ましても誠に異常の
努力
を要するものと申さねばならないのであります。幸いに全
國民
諸君の理解ある御支援によ
つて
政府
の諸
施策
が所期の実効を挙げ得ますよう、十分御協力を賜わらんことを切望して相止まん次第でございます。(
拍手
)(「石橋湛山よりえらいぞ」と呼ぶ者あり)
松平恒雄
10
○
議長
(
松平恒雄
君) 只今の
國務大臣
の
演説
に対しまして質疑の通告がございますが、この質疑は明後日に譲りまして本日はこれにて延会いたしたいと存じます。御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松平恒雄
11
○
議長
(
松平恒雄
君) 御
異議
ないと認めます。明後六日は午前十時より開会いたします。
議事日程
は決定次第公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十五分散会 ————————————— ○本日の会議に付した事件 一、委員の辞任及補欠の件 一、実地調査のため
議員
派遣の件 一、
日程
第一、
國務大臣
の
演説
に関する件