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証人(
西條芳次郎君) それは私は
昭和十八年頃から青海寮という保護少年の委託團体を経営しておりました。それが御
承知の通り少年法が改正になりましたので、
相当大きい約二千余坪に
相当大きい建物の施設を持
つておりましたが、それで法務廳から命ぜられまして、
ちよつと日にちは記憶ありませんが、夏の初めだと思います。今度少年法が変
つて民間のこういう團体は以後廃止になるのだ、そうして全部國が直接にこういうものを
一つやることにな
つたので、その施設を國に利用さして呉れんかという法務廳から依頼状がありまして、その点に関しまして私は、実際を申上げますと私は子供がなか
つたですから、可愛い犯罪少年を何とかしてよくしてやりたいといういろいろな希望を持
つてお
つたものですから、
相当私財を投じてや
つて來たわけです。それを急にそういうように止めて、國に利用さして呉れんかというお話もあ
つたので、それまで
相当実際問題として成績よくや
つて來たわけですから、それには職員の並々ならん苦労もありましたし、或いは
檢察廳その他からいろいろな指導なり、助言なりを受けたものですから、私の立場としては急に即答できません。併しいろいろ
関係者の方に御相談申上げ、國に移管するとも、利用されるとも御返答申上げますというので、法務廳から來た係官二三人おいで願
つて、早速返事して呉れという話もありましたので、青海寮の経営に関しては、直接監督であります
檢事正、その外にしよつ中御指導を受けた方もありますから、早速そのことをこうこうこうなんだから、一遍先生の御意見を承りたいが、
一つお会い申したい。それにはできるならば
最高檢察廳の方も、地方
檢察廳の方も、一緒においで願
つていろいろお話を承りたいということを申上げてお
つたのです。その儘にな
つてお
つたのですが、その返事を急いて來たものですから、督促して來たものですから、法務廳の方から。それで督促を受けましたから、八月の末頃と思いますが、その話もありましたので、私も予ねて古くから知り合
つている山口屋さんの家を借りまして、そこで皆さんお寄りにな
つて、その問題のことにつきましていろいろ御意見を伺
つたわけです。そのときの話によりますと、福島の少年院も立退かなければならんことにな
つておりますし、
仙台の少年院の建設も亞炭鉱区の
関係で、
ちよつと目安がつかず、是非國が利用せられるようにして呉れんかというような話も承
つたものですから、私としてもそれを決心して、國にお渡しするということに決意いたしまして、直ちに法務廳の方にお話申上げる。成るたけ急いで
仙台に立派な少年院を造
つて欲しい。その間無償で建物、敷地、これをお渡しましよう。成るたけ早く
仙台に立派なものを造
つて頂きたい。その間無償でお貸しいたしましようということをお話申上げ、そういうような集まりでお会いしております。