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1948-12-14 第4回国会 参議院 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年十二月十四日(火曜日)   —————————————   本日の会議に付した事件 ○引揚者厚生対策に関する件 ○継続調査要求に関する件   —————————————    午前十一時十七分開会
  2. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) これより在外同胞引揚問題に関する特別委員会開会いたします。その前に私からちよつと御挨拶を申上げて置きたいと思います。実は昨日はこの委員会といたしまして、委員会だけではなく、参議院として、いや日本國全体といたしましても、誠に記念すべき日であつたと存じます。それは未復員者給與法の一部を改正する法律案、並びに特別未帰還者給與法案が、参議院から衆議院共に通過いたしましたことでありまして、このことは全く劃期的立法であろうと存じます。殊に特別未帰還者給與法提案されて、岡元義人君外の皆さん各党各派協同提案として、御提案になりまして、その後でかねてお打合せを申上げておつた通り、私が賛成演説をいたす予定でありましたが、時間等の関係でそれを省かねばならんことになりまして、誠にこれは残念であり、手違いの点は御了承を賜わりたいと存じますが、私は実はしの際によく本議場を通じて、この趣旨並びに経過について國民によく了解して欲しいと存じておつたのであります。併し只今申上げたような時間的等関係で、これを申上げるいとまがなかつたことを甚だ遺憾に存じまするが、この特別未帰還者給與法成立に当りましては、本在外同胞引揚問題に関する特別委員会の各位の御熱心なる御協力によりまして、殊に岡元義人君が晝夜兼行全く涙ぐましい御活動によりまして、この画期的立法成立いたしましたことに対しましては、皆さんと共に岡元君の御努力と御熱意に対しまして、この機会に謹しんで感謝を申上げる次第でございます。言葉少くて意を盡さない次第でありますが、衷心より同君の御苦勞に対しまして感謝を申上げる次第でございます。これは私は二つの見方があろうと存じます。議院提案といたしまして、いわゆる國会國権最高機関であつて、國の唯一の立法機関である立場から、この新らしい常に唱えられながらまだそれが具現し得なかつた問題を、議院提案として解決されたということと、もう一つは、敗戰後におきまする客観情勢の重大なる変化が、この立法によつて來たされたのではないかと考えるのであります。この客観情勢の重大な変化を來たしたのも、結局特別委員会皆さんの御努力であり、殊に岡元君の献身的な御努力に結果であろうと存じます。そういう意味におきまして、私はこの立法が昨日参議院並び衆議院を共々に通過いたしまして、近く実施されることに相成つたのでありまするが、それを思つて現在ソヴィエットに四たびの冬を迎えておる我々同胞の方々に、若しや何かの方法を以て又声が届くものであるならば、大きな声を出して、このようにして國会が殊に在外同胞引揚問題に関しまする特別委員会の諸君が御努力になつて、この立法ができましたことを傳えたいような心持に相成るのでありまして、この点に対しまして、皆さまと共に衷心よりこの立法の、画期的立法成立を、お喜び申上げる者であります。最後に重ねて岡元君の御努力に対しましては、皆さんと共に謹しんで厚くお礼を申上げます。次に本日の議題に移りたいと思います。
  3. 岡元義人

    岡元義人君 議題に入る前に、只今委員長から非常に過分なお言葉を頂戴いたしたのでありますが、この法案最後の通過を見まして、誠に御同慶に堪えないのでありますけれども、当委員会の各委員方々におきましては、到底満足でき得る法案ではなかつたということをば、私は非常に痛切にその責任をば感じておるのであります。併しながら繰返して前の委員会にも申上げましたように、このだびはいろいろ欠陷相当ありましたし、私自身も皆さんのいろいろな攻撃をば受ける覚悟でおりますが、ただ時間的に今後機会を見まして、皆さんの今まで御要望なすつた点をば、更に何らかの方法でこの中に盛り上げて行きたいと、そういう又機会を作りたいと、又関係方面との努力を續けて行きたいと考えておりますので、このたびは誠に皆さんの御意に副いませんでしたが、惡しからずこの点のお許しをこの委員会においてお願いをして置きたいと思うのであります。  なお引續きまして本日未復員者給與法改正法案が昨日通過いたしましたので、更に当委員会で問題になつておりますところの第四條の第二項をばお手許にお配りしてありますように議院改正案として提案すべく折衝をば續けておりますので、幸いにまだ時間が今日、明日國会もあるようでありますから、この機会最後の仕上げをばして置きたいと考えておりますので、その点御了承を願いたいと思うのであります。
  4. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 順序を変更いたしまして、政府委員の次々に御出席方々関係から進めさして頂きたいということを御了承願いたいと思います。只今大藏省主計局阪田次長が御出席になつております、その関係からお願を申上げます。尚復員局岡林業務課長も御出席になつております。
  5. 岡元義人

    岡元義人君 時間がありますので、ちよつと先に阪田次長質問さして頂きますが、先程來特別未帰還者給與法につきましては、いろいろ御協力願いまして、この際、この機会お礼を申上げておきたいと思うのであります。ただ私がお尋ねしたいことは、特別未帰還者給與法並びに未復員者給與法改正におきまして、今度の予算処置につきましては、連合軍輸送がまだ中止指令が出ていないという前提の下に、予算処置がとられたのであります。で、一日おいて、結局正式な輸送中止という指令日本政府は受取つたわけでありますが、そういたしますと、当然そこに予算的な過剰の点があると思うのであります。これに対しましてどういうことを今後お考えになつておられるか、或ははつきりこうした以上は、何らか別の方法でこれはこういう方面使つてもよろしいというようなお氣持があるかどうか、その点を一つ先ず伺つておきたい。  第二点はいよいよ年の瀬も迫つて参りまして、愛の運動及び駅頭援護というものは……、駅頭援護そのものは暫くここで中止されるのでありますが、今まで地方自治体において或は婦人團体或は学生同盟等が、相当無理をして、そうして自分の金を立替えたり、政府当局から当然これは貰えるという前提の下に処置して、收拾できないような状態に置かれておる、例えば東京の学生同盟のごとき、これは相当の金が援護廳から出ております。併しながら地方学生同盟等においては、まだ予算処置ができないからというので、そのまま一銭の金も貰つてないという状態にあるのでありまして、速かにこれを收拾しなければならんと思うのですが、この点についてはどういう工合にその後処置されたか、その点伺つておきたい。  それからもう一点は、これは他の委員からもいろいろ御質問があると思いますが、無縁故者というものは、單に北海道だけが受入れているのじやなくて、非常に各般に亘つて縁故者がおるわけなんです。今までの予算処置としては、北海道、東北だけの無縁故者住宅というものが考えられておりますが、併しながら今度厚生省からもそういうような一般の、例えば長崎のごとき、四百幾らの離島を持つておる、或は沖繩に帰ろうとして、鹿兒島まで來て無縁故者になつておる、そういう者達に対する予算処置がどういう工合に今後組入れられたか、そういう点に対して伺つておきたいと思うのです。以上三点に対して御回答願いたいと思います。
  6. 阪田泰二

    政府委員阪田泰二君) 只今岡元議員の御質問に対してお答え申上げます。只今お話しございましたように、帰還が止まりましたので、年度初めに見積つておりました人員だけは帰還できない、遺憾ながらそういうことに相成りましたわけでありますが、大体その金額は、只今計算いたしておりまして、近い中に明確なものが出ると思いますが、この残額につきましては、復員引揚関係に使用する経費でありまするから、今後或は今までのものがあるかもしれませんが、こういうふうな関係におきまして、いろいろ緊急の経費が出て参りました場合には、これに充当するということを考えております。ただ余つただけを全部使つてしまわなければならん、こういうものでは性質上ございませんから、必要なものが出て参ればこれに充当する、こういうふうに考えております。それで只今お話がございました愛の運動その他に関する経費の点でございますが、この愛の運動に関する経費につきましては、すでに所管厚生省の方から私共の方にも御相談がございまして、いろいろ協議いたしまして、大体三百万円程度金額をこの残額の中、多分この中からということになると思いますが、支出するということに大体相談いたしておる次第でございます。それから駅頭援護でございますが、これは大体引揚予定より少くなりましたので、実際はそういう人員割というような計算からいたしますると、この予算より減らなければならないようなわけでありますが、実際実情厚生省の方から伺つてみますと、やはりこれは非常に経費余計使つて府縣とも非常に熱心に努力しておる、そういうような実情を無視して参りますわけにも参りませんので、これにつきましても、やはり只今厚生省の方と協議中でございます。これはまだはつきりした金額を申上げるわけには参りませんが、大体において両方近いうちに話合が纏まるという程度にまで達しております。  それから最後お尋ねがございました無縁故者住宅関係でございますが、樺太以外の引揚者につきましても、住宅施設を考慮して参らなければならないわけであるということは御尤もなお尋ねでございますが、これにつきましては安定本部の方で今年度の公共事業におきまして、一般住宅の建設を計画いたしております。その方の計画を、この方の人に或る程度優先的に振向けて貰いたい、第四、四半期の公共事業計画にそういうようなことを考えて頂きたいと、ということで只今その方の打合せをいたしております。これはまだ確定的に、どういうふうな計画で、どういうものがこちらにまわされるということは、ちよつとまだ申上げられる時期に至つておりません。そういう方向にあるということを申上げておきます。
  7. 岡元義人

    岡元義人君 第二点の駅頭援護の問題ですが、すでに越冬を控えまして、今まで学生同盟等には、何らの処置をしていない、金銭をやるのもまずい、できるならば、地下足袋とか、或いは服なり、そういうものを以て、これに代えるというのでありますが、全國の学生同盟が、それを非常に期待いたしております。今までの三年間の労苦に対して、政府から靴の一足も貰えるというので非常にこれを期待しておるんでありますが、それは尚いまだに決定がないのを非常に残念に思うのです。この点に一つ大体いつ頃までにという見通しがあるのか、この点を一つ伺つておきたいと思うのですが、それからもう一つ、私時間がありませんので大事な問題を質問したいのでありますが、委員長から又他の委員からも一つ伺つて貰いたいと思いますことは、生業資金引揚者等一般金融中止状態になつている、そういうときに今度の追加予算においても、本年頭初において生業資金要求額は二十七億だつたか、二十二億でしたか、要求されておつて、それが五億に削られた。而もこれの償還見返りおば相当含んだものをば考えておられたようでありますが、償還成績は実際上つておらない、そうしますと一億五千万円放出しまして今、政府の残高というものは、もう一億円しかない、この一億しかないのに今度の予算等に対しても何らこういう遂に対する追加予算とか、そういうものが考慮されていなかつたという点であります。この点は何か外に方法があるから、便法があるから、何か見込財源があるから、そういう考慮をしなかつたのか、その点を阪田次長から伺つて置きたいと思います。
  8. 阪田泰二

    政府委員阪田泰二君) 只今岡元委員からかお尋ねになつた点でありますが、駅頭援護経費につきましては、お話がありましたが、至急に近日中に厚生省の方と話を纏めて行きたいとこう考えております。  それから生業資金の方の問題でございますが、生業資金につきましてはいろいろ実情も直接或いは厚生省の方を通じてお伺いいたしておりまして、何らかこれが限度、その外やり方等につきまして考え方を聞いて行き、それに伴つて予算等の問題も起つて來るわけでありますが、そういうようなことを研究いたしておつたわけであります。或いはお聞き及びかと思いますが、これにつきましては関係方面でもまだ難色がございまして、その関係上それに伴う具体的な予算を考慮する、或いは今回の補正予算にこれを盛り込むというようなところまで遺憾ながら行き得なかつた、こういう実情でございますので、尚今度とも努力いたすつもりでございますが、実情はそういうことに相成つております。御了承を願います。
  9. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 私からも附け加えてこの機会伺つて置きたいと思いますが、実は近く各委員それぞれ手分けをしまして近畿、中部、四國等の各方面調査に参ることになつておりますので、至急駅頭援護の費用を厚生省と話を進めるという話でございますが、できますならば、ここ三、四日の中の大体の府縣等割当等が話ができますようにお願い申上げ、同時にそのことができましたらこの委員会にお示しを願いたいと思います。
  10. 阪田泰二

    政府委員阪田泰二君) 了承いたしました。
  11. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 生業資金関係について御質問はございませんか。
  12. 穗積眞六郎

    穗積眞六郎君 今のお話は、そうしますとGHQとの関係がうまく行けば、必ず増すというだけの御決意はあるわけでありますか。
  13. 阪田泰二

    政府委員阪田泰二君) 生業資金の点につきましては、私共の方で考えましたことは厚生省なり或いは皆さま方の必ずしも御満足を得なかつたかも知れませんが、とにかく我々といたしましても一應の考えを以ちましてお話を進めたわけでありますが、それが進行ができなかつたというようなわけでございます。從いまして或程度我々の方で見通しをつけておりました程度のものでありますが、その後の状況におきまして何んとか財政処置ができるだろうという見通しでやつておりました。ただ今回は御承知のように非常に切り詰めました追加予算を提出いたしました。財源としましても今見積られる財源は確実なものは殆んど計上して、その範囲内で歳出を立てて、補正予算を編成したという関係に相成つておりますので、新規に相当の多額の財源を見出してこれを引き当てにして生業資金の増額をいたすということは、これは困難だと思います。ただ先刻來岡元委員からお話がございましたように既定予算関係におきまして剰余を生じて來る分があります、そういうものが先程來申上げましたようにいろいろな経費に充当いたし、或いは未復員者救護改善等に当て、尚余裕があるということでありますれば、そういうものは或程度こういう方に廻わすということが現在の予算でも出て來るのではないか、そういうふうに考えております。
  14. 紅露みつ

    紅露みつ君 生業資金の問題は、お話伺つて、大変たよりないのでございますが、私共は國民金融公庫と申しますか、この方の法案が出ると思つて期待しておつたのでございますが、これも先般來のお話では、恩給金庫の方の問題で、スムースに行かないということでございますが、そうすると、差し当つてこの小口の金融はどういうことになりますでしようか、早速これは地方に出ますと、第一の聞かれることだと思うのですが、この公庫が設立されない内は、やはり生業資金は、これまでの何にで申込んでよろしいわけでございましようか、その財源が大変たよりないようでございますが、どういうことに具体的になりましようか、もう少しはつきり聞かして頂きたいと思いますが。
  15. 阪田泰二

    政府委員阪田泰二君) 國民金融公庫の問題につきましては、御承知のような事情でありまして、大藏省といたしましても、最後まで努力いたしまして、お尋ねのような恩給関係の事項というようなものは切離しまして、それでやろうと、又出資関係のことが補正予算関係いたしまして、大分問題になりまして、この関係も、場合によつては或程度出してもいいから、何とかしてこの際金融公庫法提案したいということで、努力いたしましたわけでありますが、到頭最後の日になりまして、不可能のような状態になりまして、甚だどうも遺憾に思つている次第でございます。それでそういうようなことになりますると、引揚者に対する金融の問題について、相当欠陷が生じて來るというようなことにどうしてもならざるを得ないので、この点につきましては、公庫の設立、或いは生業資金の貸附、こういうような本格的の措置が、今のところこういうような難関に逢着いたしておりますので、到底十分なことはできないと思いますが、併し既存の施設で何かできるような、ちよつと私共の方で言えば、銀行局の方面連絡をとりまして、いろいろ今回こういうふうな遺憾な事態になりましたことに対する対策を研究して頂いており、こういうふうに相談いたしております。
  16. 紅露みつ

    紅露みつ君 ちよつと速記を止めて頂きます。
  17. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 速記を止めて。    〔速記中止
  18. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 速記を始めてこの機会ちよつと皆さんにお諮りを申上げて置きたいと存じますが、最近の情勢は、御案内のように、衆議院が解散の情勢になつておりまするが、そうなりますると、参議院閉会と相成りますから、その期間中、殊に重大な問題が山積いたしております際に、同胞引揚問題に関しまする特別委員会の機能も中止してしまわねばならんという情勢になりますので、この機会に、継續調査をいたす必要がありますから、継續調査要求書を、委員長から議長宛に出して置くことが妥当であると存ずるのであります。その理由は、「本特別委員会は、目下右(同外同胞引揚問題に関する調査)に関して、調査を進めているが、この調査は、その対象が廣汎多岐に亘り、相当長期間を必要とするので、閉会の場合においても継續して調査を行いたい。よつて特別委員会の議決を経て、本院規則第五十三條により、閉会の場合において、尚右の調査を継續することを要求する。」という要求書を提出いたして置きたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) それでは、さよう取計らいます。それでは、その生業資金その他の融資に問題につきましては、後刻厚生省政府委員の御出席を持つて、あとの問題を續行して行きたいと存じます。  尚第三の問題の、引揚促進に関しまする問題についてお諮りを申上げて置きたいと思います。この問題は、最近御承知のように、本年再び昨年と同じように、冬季間輸送中止状態に相成つたようでありまするから、從つて特別委員会といたしましては勿論國民といたしましても、誠に悲痛に堪えない次第であります。何とかして冬季継續を熱望いたしておりました我々といたしましては、残年至極に存ずる次第であります。この点につきまして、今後の委員会処置方法等について、何か御意見等がありますると、委員会の総意を纏めて進んで参りたいと存ずる次第であります。
  20. 紅露みつ

    紅露みつ君 委員長お話通り帰還中止されたというお話でございまするので、本当に私共は残念に存じますが、これは一方的にもうそう言われればそれに從うより外はないということに帰結するのではございましようけれども、委員会として何か、もう少し駄目を押してみるというようなところまで行つてみたいと希望するのでございますが、そうして尚どうしても途がないというところまで行つて、そこで諦めるならいたし方がないが、何か手を打つてみたいと考えるのでありますが、委員長如何でございますか。
  21. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 外務省管理局の高野引揚渡航課長が御出席になつておりまするので、このことにつきまして一應御意見を拜聽いたして置きたいと思います。
  22. 高野藤吉

    説明員高野藤吉君) 今委員長からお話がありました通り、十一日、土曜日に司令部の発表で、今期冬引揚中止というソ側通告があつたという連絡がござしまして、これは御承知の一昨年の十二月米ソ協定に基いて、各どちらでも氣候上の理由とかで引揚を中断することができる……。それに基いてまあソ側通告して参つたわけでありまして、これに対してどうということは、殊に日本政府としてはできない次第でございます。但し國民として又何かしたいという氣持は勿論ございますが、政府立場といたしましては、その通告を受け司令部から連絡を受けまして、これに対してまあ具体的にどうということはちよつといたすことのできない立場にあることは、極めて遺憾と思います。我々としてはできるだけ來年早く再開ということに、関係方面連絡し、懇請いたしたいと思つておる次第であります。
  23. 紅露みつ

    紅露みつ君 その時期については、何も通告なかつたのでございましようか。
  24. 高野藤吉

    説明員高野藤吉君) 昨年の通告には四月までとございましたが、今年の通告には航行できる時期までというふうに書いてありまして、いつということはございません。昨年は四月という通告がございましたが、開けたのは現実に五月でございまして、本年はそういう月の明示はございません。
  25. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) ちよつと速記を止めて……。    〔速記中止
  26. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 速記を始めて。次に未復員者給與法の一部を改正する法律案、未復員者給與法の一部を改正する法律案は昨日衆議院参議院を通過いたしたのでありますが、その通過した政府案の未復員者給與法の一部を議員提案として改正する法律案を、できるならば本日提案をしたいと思いまして、只今岡元委員関係方面との折衝に現在出向いておるのであります。御案内の未復員者給與法昭和二十二年法律第百八十二号の一部を、即ち第四條第二項を昨日の改正によりまして、扶養手当が從來二百二十五円が二百五十円になりましたのを、更に議員提案として、扶養手当の月額は扶養親族にうち妻(届出をしないが事実上結婚関係と同樣の事情にある者を含む)については六百円とし、その他の者については一人について四百円とする。これは明年の一月一日から施行するという議員提案としての改正を本日提案いたしたいと存じております。提案者その他につきましては、從來御相談申上げましたように進めて参りたいと存じますが御異議ございませんか。    〔「異議ありません」と呼ぶ者あり〕
  27. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) それではさよう進めて参ります。昨日通過いたしました未帰還者給與法案の施行につきましてはこれは外務省並び厚生省或いは大藏省とそれぞれ関係があつて、尚どこの省でどういうふうに取扱う、その細部に亘つてどうなるかというような点はまだ決定いたしておらないと存じまして、殊に私共が近く各府縣調査に廻ります際はこの具体的問題について相当質問もあり又意見もあろうと存じますから、この特殊委員会の意思といたしまして、政府が速かにこの所管事務をどこでとるか、そうして具体的にどういうふうなやり方をするかということを閣議等で決定するように急いでその処置をとつて貰いたいということを申入れて、その協力を求めたいそと存じております。御異議がなかつたらさよう進めて参りたいと存じます。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) それではこの点もさよう進めて参ります。  大分時間も進みましたのでここで暫く休憩いたしたいと存じますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) それでは暫時休憩いたします。    午後零時八分休憩    ——————————    午後三時九分開会
  30. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 午前に引續き開会いたします。
  31. 岡元義人

    岡元義人君 局長に念を押して伺つて置きますが、駅頭援護の何か学生同盟の待遇が非常に不平等になつておりますので、地方学生同盟が何か処置される、これは前宣傳相当利いておりますので、待つておりますが、このお正月に、例えば服なり靴なり間に合わせられる自信があるか、問題はそれなんです。丁度お正月に皆が期待しておるんです。これはちよつとここで申上げるのは非常に変なんですが、昨日も学生同盟等が皆で期待しておつたけれども、何もして呉れないということをば、昨日私のところの九州から連絡があつたんです。それはそうじやないんだ、とにかく現物化するのに相当いろいろな手續もあるし暇が要つておるのであつて、年内に多分何とかされるんじやないかと考えておるのだという私は苦しい返事をばしてあるんですが、議員も今度全國から出て参りまするし、この問題について相当地方で各議員が責められるので、この点局長は解決をつけるという御自信があるが、その点伺つて置きたいのと、その予算処置等は今年の引揚援護費の中から差向けても差支ないということを阪田次長は申していましたが、その点はそれでよろしいのか伺いたい、もう一つ伺いたいのですが、先つきの生業資金の問題ですが、局長の御説明によりますと、今残つております一億円から、各府縣で零になつておるところ、又今後やらなければならないというようなところには残つた一億円の財源からおやりになる、こういう御説明のように聞いたのですが、若しそうだとすればいわゆる第五回の今年度にはもう再放出するだけの財源はないということになるのであつて、又一億円では非常に少ないのですが、これを一億五千万円程度にもしてやりたいというならば振替の財源がどこにあるか、この点を伺いたい。
  32. 田邊繁雄

    政府委員(田邊繁雄君) 学生同盟処置でございますが、すでにララ物資から学生同盟に対して靴を給與して頂くことに話が決まりまして、目下支給するだけの手續を進めております。早晩学生同盟の一人々々にララ物資からの靴が渡るようになると思います。それから靴の外に着物も何とかララ物資の方から出して貰いたいということでお願いしておるのであります。それから駅頭援護の金を府縣に補助いたしたいという先程のお話でありますが、各府縣は現金として学生同盟に差上げる、こういう趣旨じやありませんので、勿論学生同盟がいろいろの所要経費その他の経費にお向けになることは一向お差支ありませんけれども、このまま現金として学生同盟にやるということにつきましては、学生同盟の意向もありますので、その点は十分考慮しなければならないと思います。今後ともいろいろの機会学生同盟の從來の献身的な努力につきましては十分國としてもお報いしたい、こういう氣持で行きたいと思います。それから生業資金の問題でありますが、これは今年の冬の分を出しまして尚一億円ぐらいの余裕があります。その他に年度当初に各府縣に目標額というものを割当たのですが、その中に一億円入つておる筈でありますが、その外に相当の金が準備してございます。これは年に目標額では到底賄い切れないという府縣実情を見まして追加割当をする金として取つております。それやこれやを睨み合せまして処置をする、又尚既存の財源では到底賄い切れない状況になりましたならば予算処置を講じなければならない、かように思つております。
  33. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) ちよつとここで先つき阪田次長らの答弁があつた点一つ申上げて置きたいと思います。駅頭援護についての問題はまだ未解決になつておりますから、午前中岡元委員からの御質問に対してこれは至急厚生省援護局と御相談申上げて配分を決定したい、今事務的には進めておるけれども、まだ決定していない、そのときに私からここ数日中におのおの各府縣実情調査に参りまするから、三、四日のうちに各府縣の配分が凡そどこがどうということが分つたら援護局と打合せてこちらに資料を出して欲しいということを申上げて、承知いたしまして、それまでに何とか話がつくようにしたい、こういう話でございましたから一つ援護局の方からもさようお取計らい願えると結構だと思います。
  34. 岡元義人

    岡元義人君 今の援護局の生業資金は一億円ぽつきりなのか、或いは一億五千を出しますか、もつと出しますか。
  35. 田邊繁雄

    政府委員(田邊繁雄君) 各府縣に年間目標額というものがあつて、それによつてつておりますが、その他に五千万円ほどあります。
  36. 岡元義人

    岡元義人君 それから續いて伺います。学生同盟の問題は局長もお忙しいでしようが、厚生省がああいう運動を実施されるのでありますから、この週間中にやつて頂きたい。
  37. 田邊繁雄

    政府委員(田邊繁雄君) 週間中にララ物資から学生同盟に渡したいと思つております。
  38. 岡元義人

    岡元義人君 援護局長や厚生大臣に各議員の方からお願いして頂きたいのは、今度議員が派遣されますにつきましては援護局からも誰か議員に附いて行つて頂きたい、國会においても今度のように各地区にこれだけ出すということは大変です。それでこの効果を有効ならしめるために、できるだけ一つ援護局あたりから、この議員派遣に出て貰いたい、これは各議員の意向を委員長からお諮り願いたいと思います。それから復員局、世話部関係で未復員者給與の問題等もございますので、そういう点につきましても復員局あたりも留守家族等の実体を把握するために二、三人でも若し出られたら附いて來られるよう、各委員にお諮りを願つて、各委員の御希望があれば、かように援護局長、厚生大臣に要望したらどうかと思います。
  39. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 岡元委員の御発議がありましたように、各府縣調査に参ります際に援護局並びに復員局からも、それぞれ関係の事務担当者を御同行願つて、一層この調査を完璧にしたいという御意見でございますが、皆さん異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) さようにすることがこの調査を一層有効適切ならしめるものと存じますから、援護局においてもさよう御考慮願いたいと存じますが、この点につきまして局長何かお考えがありますか。
  41. 田邊繁雄

    政府委員(田邊繁雄君) 從來も本委員会の議員の方々地方実情を御視察にお出でになります場合に、援護局といたしましても、できるだけ係員をお附けいたしまして勉強いたしておるのでありますが、何分手不足でございますので、十分御希望に副うように行つておらないのでございますが、近く又議員の方々地方にお出でになるということを承つておりますから、できるだけ御趣旨に副うようにいたしたいと思います。何分年末を控えましていろいろの調査や事務もございますので、或いは場合によつては御希望に副え得ない場合もあろうかと思いますが、できるだけ御趣旨に副うように取計らいたいと存じます。
  42. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 今回はここ数日中に、中國班、四國班、近畿班、中部日本いわゆる北陸班とこれだけ参ることになつております。
  43. 千田正

    ○千田正君 只今山形縣の引揚同胞対策審議会の方が陳情に参つております。これは引揚同胞対策審議会が中央にできておるのだが、その方針がまだ十分末端まで徹底していない、同時に非常にその点において歯痒い点がある。嚴密においては誠に緊迫した状況にあるから至急方針を決定して実施に当つて頂きたいと、この條項の一としては引揚者住宅についての問題、それから引揚者住宅金融資の特例を設置して貰いたいという件、住宅組合法の復活の件、引揚者住宅設置の件、引揚者失業対策厚生事業の件、引揚者に対する特別融資再開の件、引揚者に対する寢具衣類等の特配の件、並びに引揚促進の件、この五つの要件を是非実施して頂きたいという要望を持つて山形縣内において、中央と対應して山形縣引揚同胞対策審議会というものが、実は只今その代表者が陳情に参つておりますから、後程十分に山形縣の意向を聞いて頂きたいと思います。
  44. 岡元義人

    岡元義人君 私、これは千田委員に……。特にこの委員会にも私はつきりした態度を一遍聞いて置く必要があると思うのですが、私はこの、地方引揚同胞対策審議会を作ることには反対なんです。これはかねがね言うておるのですが、それはなぜかと申すとですね、いわゆる大きな問題を処理するために全國的なものとしての中央の審議会、これは存外資産の処理だとか、いろんな問題がありますから必要でありますが、地方においてその一つの枠を作つて、自分から垣根を拵えるというようなことは賢明な策じやない、それよりももつと民族の統合して行く、それの垣根を特別に作らんで行く方が賢明な策じやないか、これは私一人の考えなんです。この点については一つ今私千田委員お話を聞いておりまして、まあ各所にもできたところがあるわけなんです、この件は余り指導していいかどうかという点を一遍皆さんに判断願つて置きたいと思つてつたのですが。
  45. 千田正

    ○千田正君 岡元委員がこの対策審議会設置に対して地方において中央と相俟つて起すということはどうかという疑義の点でありまするが、これはこの対策審議会を設置するのがいいか惡いかという問題は相当論議された問題であつて、これは今後とも本当に強化する問題について我々は十分に愼重に討議しなければならない問題であると思います。只今私の紹介したのは中央においてそういう指導方針を採つたからですね。特に現実に迫られておるところの山形縣においてもそういう対策審議会というものが生れたのだろうと思いまして、ただ只今のこれは地方的な要望がこういうふうな状況にあるのだということを御紹介した問題であります。中央においてどうとる、それから地方においてどういうシステムでやつて行くかという問題は委員会でも相当愼重に審議して行かなければならない問題だろうと思います。以上私の所感を述べて置きます。
  46. 岡元義人

    岡元義人君 了解しました。
  47. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 今の山形縣からの千田委員の問題のことにつきまして、これについて田邊局長から御発言があります。
  48. 田邊繁雄

    政府委員(田邊繁雄君) 引揚同胞対策審議会が中央に設置せられまして以來地方にもこれと似たような組織を作つた方がいいじやないかという御意見もときどき耳にいたすのであります。併しこの中央に設けました引揚同胞対策審議会では問題の特殊性に應じまして設置されたものでありまして、これと同じ構想のものを地方に作つて見ても果してどうかという疑問は確かにあると思います。併し私共といたしましては引揚対策が総合的なものである、即ち縣廳各課に亘つておるのでございます。民間方面との連絡も十分しなければならない、さような意味合におきまして、互に連絡を緊密にし意見の交換をし、明らかにすべきところは明らかにして、中央に陳情すべきところは陳情する、そういう連絡協議の意味の機関というものは非常に結構なことだと思つております。併し中央の対策審議会と肩を並べてこういう大きな問題を処理するということはちよつと適当ではないと、かように考えます。從いましてすでに設置せられました審議会等においていろいろ御要望があり、御意見のあつた点は私共の方で今後十分中央対策審議会の審議の際に参考にして行きたい、かように考えております。
  49. 千田正

    ○千田正君 只今の田邊局長のお言葉はよく分りましたが、先程岡元委員の、いわゆるこの問題については疑義の点があると述べられたのですが、なぜこういうものが生まれなければならないか、なぜこういうものを地方においても中央と呼應して生まれなければならないかということは、結局引揚対策というものは十分でなかつた、徹底しておらん、そういう意味から対策審議会が生まれ、又地方の受入態勢に対する政府の意向の反映として実施しと來るときに、便宜上又強力にしなければならないという必要上から生まれたものだと思考するのでありまして、この点は十分研究して尚且つ貧弱な縣に対してはむしろ生まれて中央と相即應するべきが至相であると私は考えておりますが、中央においても十分お含み置きを願いたいと思います。
  50. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) これはわざわざ山形縣から縣会議員白田定治君並びに山形縣民生委員の駒形脩君が陳情にお見得になりましたので、後でこの委員会が済みましてから、一つ皆さん達にその陳情の趣をお聞きしたいと思います。
  51. 岡元義人

    岡元義人君 これを片附けて頂くために引揚問題について、細川委員からのリンチ事件を一應この委員会で諮られてやられたらいいと思います。
  52. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) それでは次の問題に移りまして、引揚促進に関する件、これは午前中もいろいろ御相談申上げておつたのでありますが、そのうちの一つとして、前回並びに前々回の委員会におきまして、細川委員から舞鶴に起つたいわゆるリンチ事件について、事、重大であり、且つ不明僚な点があるから、この委員会としても、十分これに関心を持つて調査をいたすべきであるから、適当な方法によつて或いは証人を喚問するなり、或いはその他の方々によるなりして、この委員会がこの問題を明確に把握するように努めたいということを御発議になつて、その決定を本日まで延ばしておつたというわけであります。委員の御出席がそのときにおいて極く少かつたので延ばしておつたのであります。丁度本日は各委員も御出席になつており、細川委員も御出席になつておりますから、この問題について改めて細川委員から御発議を願いたいと思います。
  53. 岡元義人

    岡元義人君 ちよつと議事進行について……。この問どうするか、しないかどうかということだけを決めることになつてつて、今本当に説明を求めるとか何とかいうことでなく、どうするか、しないかということを決めることを私は委員長においてお諮りして貰いたいと思います。
  54. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 リンチ事件の調査をやらなければならんということの理由は前申上げましたから、ここで改めて申上げる必要はないわけであります。ただどういうふうにしてやるかということにつきましては、これは私の考えでは被害者を証人として喚び出して、我我がここで檢討するのを先ず先にやつて、それからその目撃者、それらを同時にやるか、或いは先ず被害者をやつてから目撃者の方に及んで行くか、ただ何とかして行きたいと思つて……。前申上げましたように、この前に相当援護事業に当つている船上、或いは陸上の勤務者、これらのやり方に大分かかわつておるから、これらの人達も喚ぶというようにしてやつたらどうかと思うのです。最初にこの被害者の方からやつたらよいじやないかと思うのですが、それもだらだらと長く引延してはいけないと思うのです。早くうちに効果を挙げたいと思うのであります。その点委員の賛意を得たいと思います。
  55. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 只今の細川委員の御発言の方法に関することについて御意見がありましたら、お伺いしたいと思います。
  56. 岡元義人

    岡元義人君 私は大体賛成なんです。細川委員の納得の行くように委員会においては、明らかにすべしということに賛成なんです。
  57. 千田正

    ○千田正君 それはまだ決定しないのでしよう。
  58. 岡元義人

    岡元義人君 但し、でき得ならば、苟も委員会の権威という問題も考えまして、あなたの方の、いわゆる共産党の最高組織を以て、本当に死んだ者がどこの誰かということが分らないということは私は、どうしても合点が行かないのです。だからできるなら一つ細川委員の方から、現に何縣の何郡の何町の誰々が一諸に船へ乘つてつて來たんだ、これが現に居なくなつているというようなことを以て今の調査要求を出されれば、私はそうしたならば、本当にこれは國会相当時間を掛けて、この問題を眞劍に檢討するという、その権威があると思うのです。併しながらあれから相当の時日が経つておるにも拘わらず尚その誰と誰が死んだというような名前も分らない、ただ死んだという話だけで行くということは、これは私どうかと思うのです。併しながらどうしても満足ができないというならば一人々々喚んでどうこうということをせずにその被害者と、それから加害者は警察においても取調べて分つているんですから、加害者と同船した者の証人を一諸にして、一遍に解決をつけて頂く、ところが恐らく解決を付けたと申しましても、誰々が死んだということが分らないんじやないかと思う。そこの所は非常に私不安なんですが、又各委員におかれましても、是非これを調査するとするならば、その程度で証人を喚問する、この委員会調査する、こういうことで一つ細川委員提案に私は賛成したいと思います。
  59. 星野芳樹

    ○星野芳樹君 死んだか、死んでないかということははつきりしないでも、暴行が行われたということだけはこれは明らかなので、今後は暴行一切が行われては困るので、これを根絶するためにやはり調査は必要と思う、その意味でやはり被害者と加害者、それから同船した者それから船員ですね、そうした者を喚問して調べるというのが一番適当じやないかと思うのです。
  60. 岡元義人

    岡元義人君 今星野委員の言われた意味はよく分るんですが、前の委員会で結局細川委員の申出られたのは、まだ死んだ者が相当ある、死んだ者がどうもあるということで、その調査をする必要があると……。
  61. 星野芳樹

    ○星野芳樹君 僕はそういうことを言つたのじやない、死んだ者があるからでなく、とにかく暴行があつたから調査するということです。
  62. 岡元義人

    岡元義人君 今星野委員の言われた問題であれば、一應政府から弁明もあり、それから陳謝されるところも陳謝された、これに対しては今後相当処置をとるということで一段落がついております。ところが細川委員の言われたのはまだ死んだものがある、それを突き止めて行かなければならない。私はそれで調査を要求していると解釈しているのであります。    〔千田正君発言の許可を求む〕
  63. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) ちよつとその前に今の岡元委員の中心の点についての何か細川委員の方からお話がありますれば承つて置きたいと思います。
  64. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 千田君が喋られてから私は喋つた方がいいのじやないかと思います。
  65. 千田正

    ○千田正君 先般來細川委員から帰還先におけるいろいろな問題、リンチ事件、その他について十分調査すべきである、それを委員会に諮られたのですが、これは調査することに私は賛成です。ただその方法を如何なる方法において調査するかという問題が、これからの委員の御審議になることと思うのでありますので、皆さん十分に活溌に論議されていいと思います。どういう方法調査して國民に知らせ、且つ又今後の促進になる、こういう方法を講ずるということを委員に御審議を願いたいと思います。
  66. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 この前の委員会では調査をやることについては皆さん賛成であつたと思います。今岡元委員お話を承ると、この間片附いておつたことが片附かないようである、私は先程來説明を略したが、調査をするが、その方法が残つているということに了解しているのであります。問題を新らしく岡元君から決つたことが決らないように申されるのでありますが、それでお答えいたします。政府当局からの調べがあつた、それで満足すべきじやないかということについては、この間それは満足すべきものじやないということは縷々述べたわけであります。それなら今申されたような共産党の細川君の納得の行くようにしてと岡元君は採上げられている、これは一共産党の問題でないということを一言申上げたのであります。委員会としてどう扱うかという問題であります。委員会としてこういう問題を放置することはできない、権威にかかわるから調べなければならないということを私はこの間述べたのであります。更に岡元委員は私の提案は死んだ者があるという話である、併し帰つた者の間からそういう報道がある、傳わつているのである、それからそれについては引揚者の間における組織、それに引揚者生活擁護同盟、こういうような連中からも調査についてのいろいろのことが問合せに出しているし、今まで引揚者の間で傳わつていることについても報道しているのであります。で、ありますから、この事件は全國に知れ亘つている報道なのであります。それでありますから、これを放置するわけに行かないというのがこれは條理じやないかと思うのです。これを放置して置くというといつまでもこういうものが國民の間にくすぶつて來ますから、早く採上げなければならんと思つているのであります。私が申したのは幾人か死んだ人があるという報道、それから幾人かの者が海中に投げ込まれたという報道、それから上陸において幾人が足りないという報道、岡元委員は單に死んだ者があるという話というふうに限られるのでありますが、こういういろいろなものがあるのであります。それから今星野委員が指摘されたことも、私がすでに述べたことでありまして暴行があつたということ、暴行事件、これについての調べもしなくちやならん、今申したように同種な事柄が、ここに手に入れているわけであります。今この暴行事件と申しますか、これは先般も申したことでありますが、今度の事件は、今までにない大事件であります。現に七名の者が檢察廳へ送られている事件であります。今までにありません、暴行の点だけ見てもこうであります。それでありまするから、この全体を含めた調査をこの委員会がやるかやらんかという問題になつているわけです。この間やるような話が決つてつたと思うのでありますが、私は共産党か何とかかんとかというこれは事件ではない、民主主義の立場において、正義の立場において、人民の正義の立場において不正な者に対する調査、それに対する適切な施策、これをやるのがこの委員会の私は権威に掛けての問題だと思います。どうかこの今申したような諸点についての調査がここで行われることを、私が皆さんの御賛同を得て成立するようにお願いしたいのであります。後は、若しそれが認められれば、如何にしてそれをやるか、今千田委員のおつしやるように、どうしてやるかということが残された問題になります。
  67. 岡元義人

    岡元義人君 今細川委員のおつしやるのは、私は大変違つていると思います。そういうことは是非私も賛成であると、共産党の方というようなことは、細川委員が共産党を代表して、この委員会に出ておられるから、とにかく細川委員に共産党の立場で十分納得して頂かなければならんから、当然賛成である、併しその方法は現地に行くのか、或いは証人を喚問するのかということが残されております。併しその方法をよく檢討して頂いて、そうして次の委員会でこれを賛成されたらどうか、こういう具合に私は意見を申上げた、それもまだ正式に決定ということになつていなかつたと思います。改めて、今日どうするかということが、この委員会で決せられるべきであるということを、冒頭にこの委員会に発言したのであります、その点は多少違いがある、ただあなたがお考えになつているそういう調査要求は、又これは私個人の、この問題に対する賛成の意味とは多少意味が違うかも分らないと思います。私は勿論この問題については、当然放置してはいけない、とにかく政府当局その他に対して、又國民にも、こういうことが二度とないように希うということについては、人後に落ちないです。ただ私は、この問題が過大に宣傳され、そうして横浜の帰還促進協議会からああいうパンフレットが出て、そうして自分の子供が帰つて來るその時に、三年も四年も苦労して帰つて來る間際になつて、怪我をさせられたり、殺されたりしては困る、それで帰還促進運動も余程考えなければならんというので、ああいうパンフレットが配られたということは、却つて事実を曲げてやつたものと、こういう具合に私は解釈しております。あなたの方では、それはそうじやない、それが本当だと思つてあるかもしれない、そこにあなたと私の食い違いがあると思いますが、ただ私の合点の行かないのは、先程來申上げるように、とにかく細川委員が、死んだ数字が合わないから、とにかくこの問題を調査する必要があるとおつしやつた、数字が合わないということは、結局死んだ者がいるということなんです。その死んだ者がいるということについてなら、それが合点が行かないので、あつたならば、今まで時日も経過しているし、日本國内のどつかで死んだ者であつたら大抵分りそうなものである、若しこの委員会調査するということであつたら、権威あらしめるために、ただ委員会が何でもかんでも採上げるということでなく、十分な根拠を以て、そうして始めてこの委員会でやつたら、將來禍根を残さないという途が開けるのじやないか、又全國に與える影響が、そういう意味において、收獲があつたのではないか、徒らにこの委員会が……、これは私の個人の考えです……、委員会一つの目的のために利用されたというふうに解釈されることがあつてはならない、そういう意味において、できるならば、権威のある根拠を示して頂く、そうしてこういう問題を採上げて行くということにしたらいいんじやないかと私は考えたのであります。私の賛成するのは、成るべくその問題の眞実を突き止めて、そうして納得が行つて頂くことが一番いいのではないか、そういう意味において、私は賛成するのであります。
  68. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 これは長く述べていることはないと思いますが、岡元委員が、何か私が共産党を代表して、この事件を元にして、何か宣傳でもするように考えられるのは、以ての外であります。
  69. 岡元義人

    岡元義人君 すでに然り。
  70. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 あなたが言われるように、この事件の眞相は何んであるか、これを突き止めて、なすべきことをなされなければならんということに過ぎないのである。パンフレットが配布されて、どうとかこうとか言われるが、パンフレットが何ものであるか、私は知つておりませんが、岡元委員御存じのことと思いますが、私はこの死んだ者があるということは、確定的な事実だということは申していません、始めから。そういうことが傳わつておる、この問題をどうするかということ、廣く傳わつている、これをどうするかということであります。今時日も経過しているから、もう共産党の方でもそういうことは分つているだろうと言われる。この事件は、相当つて來た者の口々に言われることは、えらい口留めされているということがある、そうしてこの祕密にされているということが相当ある、そういうようなわけで、この事実はなかなかむつかしいのではないか、現に私は一人の証人について見ても、これはもうそういうことは、歴歴として現われつつあるような簡單なことで分るようなら、これはそう沢山調べたりなんかすることはない、上陸した時の人間の数が足りないとか足りるとか、この点についても、そうはつきりしないだろうと思います。それがためには、いろいろの手を打たなければならんことだと思います。そういうようなわけで、そのことが確定しているのに、この事件を、私が持出しているというようにとられては、これは大間違いであります。そういうことが帰還者の間に傳わつている、それを調べるのはなかなか困難である、そういうことから、ここの調べが必要であるというのであります。今岡元君は、檢察廳でも調べているだろうと言われているが、それだつて当てにならない、今そんなら檢察廳でやつていると、それじや当てになる調べであるとするならば、衆議院が不当財産特別委員会でありますか、あれなんかは閉めてしもう、併しそれだけでは完全にならないから、ああいうことをやつているのでしよう、こういう困難な問題に対して、この委員会が十分にここでなされるだけのことをなして、事実をはつきりされて、このいろいろの帰還者の間から傳わつているこの報道、或いはこの事件、これを採上げてはつきりさせるのは、我々の任務である。何を措いてもなすべき重大な任務であると思います。そうでなければ、この引揚は、なかなか促進するのは、相当故障が起きて來る、特に一日も早くこの引揚を促進したい、それならこの重大な問題を放置することは、國内的にも國際的にも支障が起きる。
  71. 岡元義人

    岡元義人君 結局そういうような所へ持つて行くんだ。
  72. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) ちよつとここで、甚だ恐縮でありますが、援護局長が内閣その他大変せわしい時間ですから、もう少しおつて頂く間に、愛の運動その他についての、援護局関係のことを一つ片附けて頂いて、そうしてそのあとで一つお進めを願うように、ちよつとその間援護局関係をお進め願うことを御了解願いたいと思います。
  73. 岡元義人

    岡元義人君 議事進行について、この手許にある第一の引揚同胞対策審議会要綱というのは、これは各委員の御了解を得ますならば書類で報告して貰いたい、そうしてそれを各委員に配布して頂きたい、そういう工合にした方がいいと思います。
  74. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) これは岡元委員の御提案のように書類で御配布を願い、尚この要綱の進捗状況、各省関係、殊に商工、農林というような新らしい仕事の許可、認可という問題がどこまで行つているか、これも我々が地方を廻ります時に、具体的にこの問題はこうというようなことが引つ掛つて参りますから、そういう点についても成るべく詳しく書類で、できるだけ早く二、三日中に一つお願いを申上げるというので、この機会に御依頼を申上げて、又各位の御了承を願つて置きます。それでは愛の運動についてお願いいたします。
  75. 岡元義人

    岡元義人君 この愛の運動に対して、各縣から金を貰えるようなことを皆考えておるようでありますが、そういう氣持はあるのですか、縣廳に対して……。
  76. 田邊繁雄

    政府委員(田邊繁雄君) 引揚援護の愛の運動につきまして、各縣に経費を國から補助して貰うことを要望しておる向があるかというお尋ねでありますが、これは事実ございます。又私の方からも府縣に対して補助することを約束しております。すでに財務当局に対しまして、本運動に要する経費の中で、國から支出すべきものにつきまして折衝をたびたび重ねまして、先般三百万円に決定いたしました。その中の半数以上を府縣に補助する方針の下に今数字をはじいております。決まりましたら恐らく今日中にでも、電報で各縣にお知らせすることができることになつております。
  77. 岡元義人

    岡元義人君 決まりましたら委員会にそれを配布して頂くことを委員長から要望して頂きたい。僅か二万か三万ですね。
  78. 田邊繁雄

    政府委員(田邊繁雄君) 金額は極く僅かでございます。できるだけ府縣に應援したいと思つておりますけれども、併し全額これを國で持つということは、この運動の筋から申しましても適当でございませんし、むしろ重点を府縣に置いて、府縣でできるだけやつて頂く、それに対して國が應分の補助をする、こういう氣持であります。尚この運動は御承知のように政府乃至公共團体が主体となつて行う運動ということではなしに、民間の諸團体の盛り上る自発的な運動ということが、最もその効果を挙げる上において適当だということから、私共の方といたしましては一應呼び掛けまして、あとは後に引つ込んでおります。却つてその方が実際においてはいい案が浮んで参りますし、又熱心にもやつて頂けると思います。そういう線で進んでおりまして、民間諸團体でも自分のいろいろのものを持ち寄つて、この運動を進めておられるように承つております。その足りない分を府縣が持ち、それに対して國が補助をするというふうに考えております。勿論この三百万円の金は全國にばら撤きますと僅かでありますが、いろいろの他の運動等の関係から、そう沢山出すわけに参りませんので、一應この程度で話をつけた次第であります。御了解願います。
  79. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) この愛の運動の各府県の配分については、岡元委員の御希望のように成るべく、決定しましたら、直らに一つその資料を当委員会に御配布願いたいことをお願い申上げて置きます。
  80. 岡元義人

    岡元義人君 もう一点田邊局長の帰られる前にお尋ねして置きたい。今日、支給の問題は当局から説明があつたということを聽いたのでありますが、これはいよいよ官房長官等との打合せが終つたのですか。それからもう一点は、これに対する全國調査を開始しなければならん問題が相当あると思うのでありますが、そういうような要綱その他について計画をもうすでに立てられたか。それから大体支給はいつ頃から開始ができるか、この点各議員が地方に行かれますと相当聽かれると思いますが、一つ局長の意見伺つて置きたいと思います。
  81. 田邊繁雄

    政府委員(田邊繁雄君) 本委員会、殊に岡元さんの非常な御盡力でシベリヤ地区等に残留しておりまする一般邦人で、未復員者と同じような状況にある者に対して、未復員者のあれを準用するというこの特殊未帰還法案國会を通過したということは、非常に感謝申上げるところであります。この法律所管をどこで担当するかという問題の所管をどこで担当するかという問題につきまして、今政府としていずれ御決定願わなければならん問題であると思います。これは至急に決めて頂きまして、これは勿論そのためにはいろいろ関係方面との御了解も要るのじやないかと思います。それらの点を定めまして早速実施計画の段取に移りたいと思つておりますが、いずれこれを施行するための省令が必要でございます。尤もその省令の大部分は未復員者給與法施行令の規定を準用することになろうかと思いますが、今御指摘の通り、そのために特別未帰還者の留守家族の調査ということが必要でございます。これはどうしても施行令によつて届出の制度をとらなければならんかと思います。法律なり命令なりの規定に根拠を置いて、それによつて届出られた者に対してそれを確認して支給するという段取になるかと思います。來年の一月一日からでございますので、それから届出を取つて、それに基いて支給するということになりますので、一月一日から直ちに支給するというわけには参らんかと思いますが、できるだけ早く調査の届出があり、実態を確認した者につきましては、できるだけ速かに支給するようにしたい、かように考えております。
  82. 千田正

    ○千田正君 田辺局長にお伺いしたいのは、援護院としまして、引揚げて來てから後において就職或いは就農しておるところのパーセンテージ、そういうようなものと、それから実際に我々としまして東北の関係から見ると、東北、北海道は樺太、千島の無縁故者を引受けておるのでありますが、現実において住宅だけは辛うじて入つてはおるけれども、就職、就農の点においては誠に困つておる、これに対するところの方針を決めるという意味からいつても、そうした実際の数字が当局において分つておらなければ、なかなかその対策、方針が立たないと思います。この点は十分調査されておるかどうかという問題と、潜在失業者になりつつある多くのこうした人々に対する失業対策は、労働者がやるのだ、或いは厚生省がやるのだというようなセクショナリズムでなくて、本当に援護対策考えておるならば、特にはつきりした数字的な根拠を持たなければならないと思いますが、この点について調査ができておるかどうか、この点をお伺いいたします。
  83. 田邊繁雄

    政府委員(田邊繁雄君) すでに引揚げて來た方の生活状態の実態につきまして調査したものがあるか、特に就職状況或いは就農就況というものについての細かい具体的な数字があるかというお尋ねでありますが、率直に申しますとございませんです。この点につきましては、引揚同胞対策審議会において引揚者の各般の対策を審議決定する場合に是非必要でございますので、審議会の方といたしましてさような調査経費を計上して置きまして、速急にあらゆる方面の御協力を得て完了したい、かように思つておりますが、まだ経費の点につきまして財務当局から頂いておりませんので、今後対策審議会の方の御意見に從つて対策審議会として処置をして行きたい、かように思つております。尚就業問題、就職問題、就農問題は御承知通り労働省、農林省の所管なのであります。これは多少先程セクショナリズムというお話しがございましたがこれは役所はそれぞれの権限職責によつて仕事をしておりますので、私の方で就農問題とか、就職問題全部をやるというわけには行きませんで、その点につきましてはむしろ引揚対策審議会として決定した事項を各省がそれぞれのその分に應じて迅速に実施に移して行くとこういう建前で行かなければならんと思います。從いまして、先程岡元議員から御発言がありました引揚対策審議町要綱これは恐らく引揚援護更生強化方策要綱のことであろうと思います。その要綱においては、就職問題につきましても、就農問題につきましても基本方針が決定しておるわけであります。すでに内閣総理大臣にその点が報告せられ、閣議にもその点が報告せられ、官房長官から各省にその線に副うて施策を進めるようにというような通牒も出ておるわけであります。各省とも恐らくこの線に副うて著々努力して呉れておると思います。いずれ各省からその点について詳細な話があるかと思います。
  84. 千田正

    ○千田正君 今引揚対策審議会をして、そういう調査をさせ、先般來商工大臣、労働大臣の説明によるというと潜在失業者と顯在失業者の数において非常に食い違いがある、潜在失業者の大部分は、殆んど復員軍人と引揚者のこういう人達は大部分が潜在失業者になつております。その対処すべきところの施策の中心になるところの数字的根拠がはつきりしておらない、而もこれを取扱うところの労働者そのものが、でたらめな数字を國会において報告しておるという状況であります。そういう面においてあなた方の方から引揚対策審議会がやるとするならば、その引揚対策審議会が速急にこの問題を解決して、今後の失業対策に善処して頂きたい。
  85. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 先程岡元委員の御質疑の中にもありましたが、この特別未帰還者給與法の実施について或いは、あの話の外に特に現在病院等に入つておる人達は直ちに調査ができる、又同時にできるならば一月から実施するような方法が割に簡易にできるのではないか、この点については、特に田邊局長の方で御配慮願うと結構だと思います。
  86. 田邊繁雄

    政府委員(田邊繁雄君) この点につきましては先程申上げましたように私共も或る程度の肚は決めておりますが、政府の方で所管はどこにするかということが決まりますれば早速処置したいと思います。これは別に、決して調査を怠つておるわけではございません。すでに引揚げた人の分でございますれば各援護局、特に舞鶴援護局に台帳がございまして、当人がどこにおつたかということは直ぐ分るわけでございますから、比較的簡單ですが、問題はまだ引揚げて來ない未帰還者であつて、その留守家族の方々からそれを確認する、これは非常に困難でありまして、未復員者の場合のようにすでに軍に動員それた方でちやんと政府の方に台帳がある方については、その留守家族を探せばいいのであります。ところがこれはもう誰がどこにいるか全然分らない者については全く空白の中から届出によつて外地にいるということで探そうというのですから相当時日を要するのではないかと思います。
  87. 岡元義人

    岡元義人君 やはり町村が協力しなければ到底資料は出て來ないと思いますから、町村役場等まではどうしても年内にこの法案要綱をばよく分り易くしたものを出して頂くようにお骨折願いたい。
  88. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) この特別未帰還者給與法立法並びに通過についてはこの委員会が、殊に私午前中感謝を申上げましたように、岡元議員が寢食を忘れて御活動願つた結果この問題が解決いたしたのであります。要するところは実施の十分なる円滑なる又徹底したる方法が講ぜられないと折角の立法が十分なる効果を挙げ得ないということになると存じます。この立法並びにこの今度改正になりました未復員者給與法改正立法と相関連して画期的なものでありますから、できるならば適当な方法を以てラジオその他で國民に十分徹底するように、これは所管が決りますまででも一つ早くこういうことを徹底して頂くと結構だと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)このことは私から官房長官に申出たいと思います。特に援護局長においてもこのことを御考慮願いたいと思います。それでは援護局関係はこれを以て打切りまして、次の細川委員の問題の舞鶴リンチ事件についての継續をいたします。
  89. 岡元義人

    岡元義人君 その問題はとにかく細川委員が了解して頂くならば、先程提案いたしました被害者の一部とそれから加害者の一部と或いは証人或いは船の人、援護廳の人、こういうような関係メンバーをば委員長において決めて頂いて、その証人をできるだけ速かに、今度の國会は間に合わないですから、次の國会の冒頭にこれをば証人として喚問するということで如何でございましようか。
  90. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 そうするとこのリンチ事件についての調査はこの特別委員会で認めたということであるのですね、それから今岡元委員が言われたようにどうして調査をやるか、私はやり方については大体賛成です、ですからできる機会においてこれを直ぐ始められることを切望するわけであります。
  91. 岡元義人

    岡元義人君 私は特にこの際採択になりましてそういうような調査が終りましたら、調査が終つた結果、今まで考えておられたようなことがなかつたという場合においては、その点は細川委員の方においても、援護局長の手許に一部パンフレットがあるのです、そういうものをば聞いたというので配られております。
  92. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 そのパンフレットはどこから出たのですか。
  93. 岡元義人

    岡元義人君 横浜帰還促進協議会です。
  94. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 私はそれを承知してない。
  95. 岡元義人

    岡元義人君 それは事実私は直ぐ持つて行つて調べて貰つたのであります。そういうこともありますから、この点は明かに調査が終つたならば事実なかつたものに対してはなかつたということを何らかの形で共産党の諸君にも一つはつきりして頂くようにお願いしたいと思います。
  96. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 私は先程申しましたように、この事件を採上げて何か政治上の目的を達しようというような不心得なこと思つておりまをせん。事実が何であるか、先程申しましたような事柄が一般に傳えられておりますので、これをはつきりさせるということだけに重きを置いての話でありますから、別に共産党が何か企らみを以てやつておるというようなわけでない、だからその場合は共産党ばかりでなく、全日本の國民がこの事件は何であるかということをはつきりするということになりますからそれで結構だと思います。
  97. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) この機会に上げて置きます。この問題についてはすでに三回継続して委員会を開いておりまして、本日も理論的に申しますと段々と席を離れられて少くなつたのでありますが、大体各党の委員方々は次から次に御了承になつておると思います。一應この問題は本委員会において調査をするということで御了承つて異議はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  98. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 一應さよう決定いたしまして、その調査方法等は岡元委員、細川委員、大体御同樣な御意見だと存じまするので、その点を具体的には理事会等を開きまして、それによつて具体方策を講じながら進めて行きたいと存じます。若しも継續調査を承認されましてこの休会中にてもこの引揚対策の審議に当つて來ることになりますると、時期等につきましては、そういう時期も選び得ると存じまするが、これも理事会に御一任を願いたい、かように存じます。
  99. 岡元義人

    岡元義人君 今継續審査というものはまだ國会法の改正が曖昧になつておりますから、一應できるだけ速かに次の特別委員会でこれをやるということで、細川委員も御了解願いたいと存じます。
  100. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 この前にも申しましたように、ポスター宣傳……この間横浜でやつてつたことについて廃めて呉れというので來ておるあの事件ですね、あれはそのままになつておりますが、委員長はどうお考えになるか。
  101. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) これは実は私からもお願いして、ポスターの現物を見て、或いは見に行くなりして、そうして特に在外同胞引揚問題に関します特別委員会として、妥当を欠くという点があると、各委員の御意見によつてさよう決定いたしましたら、さよう取計りいたいと存じておりましたが、その際淺岡委員から御発議がありまして、あの問題については徳田衆議院議員から書面が來、それに対して連盟から現在書類を出し、その回答がないというように始末であるということに、この前に委員会においてお話がありまして、從つてそのままに相成つております。何か機会のありまする際に、現物のポスターを見て、成るべく多くの委員が御覧願つて、そうして委員会として妥当を欠くという点がありましたら、お話のような取扱をすることも吝かではないと存じまするが……。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  102. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 徳田衆議院議員が返事を出さないとかなんとかということをこの間問題にしておられた、問題はそんなことではない、現物のポスターをここに持つて來て我々が、これが惡いか妥当かどうか、これを決めるということでありまするから、簡單であります。そうしてそのポスターは議員連盟の事務所にあるわけだから、ここへ持つて來ることはやさしいことである。それですからこれは早速やつて頂きたい。
  103. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 散会後でも一つ見に行くなり取寄せるなりいたしまして、一つ皆さんにお諮り申上げたいと思います。
  104. 千田正

    ○千田正君 大体今日の会議はこれで一應打切つた方がよろしいと思います。尚先程申しましたリンチ事情、それから全國の患者同盟の皆さんが九州に起きた問題について一應委員方々の御指導を得たいというのが來ておりますので、会議はこれで打切りたいという動議を提出いたします。
  105. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 本日はこれを以て散会いたします……。散会の前に岡元委員から発議がありますので、散会をちよつと延ばして、岡元委員の発言を許します。
  106. 岡元義人

    岡元義人君 今の千田委員の散会に賛成なんですが、散会する前に一言。今日の特別委員会は第四國会の一番最後委員会として締め括りをつけなければならないと思いますが、只今まで一番大事な復金の特別融資問題の継續に関して、まだ厚生大臣と昨夜会うことになつており、大藏大臣が辞めてしまいましたので、大藏政務次官、厚生大臣のいわゆる約束の回答を、この委員会は得ていないのです。何とかしてこの問題は今日中に埓を付けたいという考えを持つておりますので、一應これで散会いたしましても、後程この委員会に二人をば呼んで頂きまして、これは解決を頂き、それで第四國会特別委員会の幕を閉じたい、こう考えるのであります。
  107. 千田正

    ○千田正君 打切りと申しましたが、私は只今岡元委員からの重要案件の結末を付けたいというお話もありますので、一應これでこの分は打切つて、次に休憩として頂き、はつきりした報告がありましたならば再開して頂くということで、休憩を宣せられんことを希望します。
  108. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 一應これで散会いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  109. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) それでは本日はこれを以て散会いたします。    午後四時十七分散会  出席者は左の通り。    委員長     草葉 隆圓君    理事            三木 治朗君            岡元 義人君            星野 芳樹君    委員            淺岡 信夫君            水久保甚作君            伊東 隆治君            紅露 みつ君            穗積眞六郎君            細川 嘉六君            千田  正君   政府委員    大藏事務官    (主計局次長) 阪田 泰二君    厚生事務官    (引揚援護廳援    護局長)    田邊 繁雄君   説明員    外務事務官    (管理局引揚渡    航課長)    高野 藤吉君