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1948-12-10 第4回国会 参議院 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年十二月十日(金曜日)   —————————————   本日の会議に付した事件発言中削除に関する件 ○議員派遣に関する件 ○引揚者厚生対策に関する件   —————————————    午後四時二十二分開会
  2. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 只今より開会いたします。星野委員から発言を求められております。発言を許します。
  3. 星野芳樹

    星野芳樹君 私の一昨日の発言の中に、「暴漢」という言葉がありましたが、これは委員長の再三のお話もあり、委員会を穏かに進めて行くという意味において、速記から除いた戴きたいと思います。
  4. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 只今星野委員から、一昨日の委員会において「暴漢」という言葉は不穏当である故に速記から取去り、その発言を取消すということでありまするが、これは速記から、この言葉は不穏当と存じますので、取消したいと存じます。御異議はございませんでしようか。
  5. 淺岡信夫

    淺岡信夫君 私はその発言を、不穏当なる言葉を取除かれるということに対しましては、勿論同感、何の異議もありませんが、そうした言辞を弄されたことによつて、昨日から今日まで未だ嘗て見ない特別委員会の不愉快な雰囲氣を醸成した、こうした点に対して、ただ取消すということでなくして、省くということでなくして、遺憾の意を表して頂ければ、先程千田委員の言われたようなふうに、今後誠になごやかに立派にこの委員会が遂行できるのじやないかということでありまするから、どうかそれに対して重ねて、これは強いるわけではございませんが、御本人の意思のままで結構ですが、遺憾の意を表して頂きたいということを、私は要望する者でございます。
  6. 矢野酉雄

    矢野酉雄君 委員長へ少し僕は御忠告を申上げます。今星野委員言葉の中には、絶対に不穏当という言葉がなかつたです。委員長が再三申されておる関係もあるので、これを速記録から取消して貰いたいということを要望された。何らの遺憾の意がありません。絶対でありません。絶対感情論でない。如何に星野委員が良心的に過般のその問題について済まなかつたという、その氣持が、曾て某委員が第一回の國会特別委員会の際に、実に相済みませんでした、潔く取消しますということを仰つしやいました。それと全然質が違うのであります。それは星野自身のインデイビユデユアリテイ、その人の人格的個性かも知れませんが、それは紳士として、男としても私は恥ずべきことだと思います。何ら過般の「暴漢」と言われたことが、この心の中において寸毫と雖も、いわゆる自省の御精神を私は感ずることができない。委員長自身はこれが不穏当であるからという、ない言葉を附加えて公の席上で御発表になることは私は遺憾である。そういうようなことによつて、單なる妥協的なことではいけません。惡かつたならば惡かつたということを率直に、男性的に取消して頂けるならばともかく、それがない限りにおいては私は了承できません。
  7. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 只今矢野委員のことについてちよつと御釈明申上げます。私が不穏当な言葉である。故に星野委員が取消されるということは、星野委員からこれに対して取消したいという発言を求められて、そうして私の感じは、又その言葉の中に含んでおりましたのは、陳謝を含めた意味の心持を感じたので、且つ不穏当であるという言葉であつたので、今さような言葉を用いたのです。それに違いないと思つて申上げたわけであります。ちよつと速記を止めて……。    〔速記中止
  8. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 速記を始めて……。
  9. 星野芳樹

    星野芳樹君 一昨日の私の発言中に「暴漢」という言葉がありましたのは不穏当ですから取消します。同時に引揚げの問題については、國際事情もあるのですから、各自愼重に御考慮あらんことを切に希望するものであります。
  10. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 先刻も速記録から「暴漢」という言葉を削除することを申上げましたが、さように進みたいと存じます。御了承願います。    〔「異議なし」「賛成」と呼ぶ者あり〕
  11. 細川嘉六

    細川嘉六君 なにか毎日新聞の投書欄に、私の述べたことが主流になつてここに出ておるのでありますが、それについて岡元君が昨日言われたのですが、何だかこういうことは、細川君がここの議院内では言わないだろうが、世間においてはこういうことを言つておると言われたけれども、これはここに皆さん御覽だろうが、そこで言つたことも、この議院内で言うことも私には少しも裏腹がないのですから、岡元君の誤解だと思うのであます。その他岡元君が速記録にもあります通り、幾つかの点を述べられましたが、これを一々ここにその見当違いであることを述べませんが、それについては全く同意し兼ねることを述べられたということをここに又反駁して置きます、それから今日矢野委員、先日の証人のことについて、私は、或いは樺太におる人達意見を代表するものであるから、あれは個人的意見ではない、思想がどうとかこうとか言つてこれを葬むることはできない、或いは又おつかさんが特別のおつかさんだと言つて、これは陰險であると、特別なものであるとして片付けるわけに行かん、この実情を傳えたものとして受取るべきものである、こういうことを述べたわけであります。又そういうことを主張したのであつて引揚をそれだから促進運動は止めるということは毛頭言つてつたわけではありません。若し矢野委員が他の議会の会合において、又その他において、共産党細川樺太から來た男を証人とした場合のあの陳述に対して、それを楯にとつて引揚げはもう止めた方がいいと主張するというようなことを述べられたとすると、非常に私に取つては全く見当違いのことであつて、(「そんなことないよ」と呼ぶ者あり)反対であります。私は一昨日の証言のことを、素直な、あの人の事実に即した見解を述べたものとして、我々は考慮すべきである。そういう意見であります。その点申述べて置きたい。
  12. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 次に第二の問題としまして、議員派遣の件でありますが、これは、お手許にそれぞれの班の時間表等を差上げて置きました。こちらの方から各関係府縣の方には、調査書類を整備して貰うように通知を出して置きますから、各班におきまして、出発の御日程が決まりましたら一應御連絡願つて、御出発の前に電報等で当該府縣に連絡をいたしたいと存じます。この点御了承を願います。
  13. 矢野酉雄

    矢野酉雄君 関係人の諸君を大体どれだけ呼びましたか、これは僕等が前、九州をやりましたので、相当その点において経驗者ですから、もし御通牒が洩れておれば、折角の出張が、價値がそれだけ少くなると思いますので、念のため聞きたいと思います。こちらから申上げてもよろしうございます。
  14. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) どうぞ。
  15. 矢野酉雄

    矢野酉雄君 知事、民生部長、それから厚生課長……、それから商工課長、それから農林課長……、或いは耕地課長という名もありますが、どつちでもよいのです。それから縣会の……、冀くは議長、それから民生常任委員長……、或いは或るところでは厚生常任委員長とも言います、その関係者。それから農林省の資材調整出張所長、それと共にそれの水産課長、それから追加して、縣の水産課長、それから庶民金庫のその土地における出張所長、それから復金責任者、それからその縣における引揚者團体責任者、その主要なる役員、それから無理には申しませんが、冀くはその地方の新聞社、それだけの御連絡を大体願いたいと思います。
  16. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 了承いたしまして、その外に当該市の市関係、これを入れて置きました。いずれこの調査の内容その他につきましても、資料をお手許に差上げており、又差上げる予定でありまするが、実際の調査につきましては、今晩懇談の際に、一つ今までの御体驗の方々からいろいろお話等を承わりたいと存じます。
  17. 細川嘉六

    細川嘉六君 この前から、私がこの委員会で、或いは本会議でも申したから、すでにお分りだろうと思いますが、十一月の初め、ナホドカから舞鶴に至る船の中、或いは舞鶴復員局の中でリンチ事件が起きた。このことについては、質問主意書において私は返答を要求したのでありますが、その返答が十一月二十四日付で参りました。皆さん御覽のことと思いますが、これは非常に杜撰なものであります。例えばどの船でどんな男が來た、それが住所不詳であつたり、年齢が不詳であつたり、兵隊における階級が不詳であつたりしておるのが相当あります。こういうことはあり得ないことなんです。現実に乘船から上陸の間において調べがあるのですから、これは不詳というこはとない。それが不詳となつておる、どうしてこういうことができたか、一つの例はそんなんです。又この調査はなつておらんことも一々指摘されるのでありますが、これは簡單にするためにこれだけしか申上げません。こういう政府回答で、この事件を片附けて置くわけに行かん問題だろうと思います。すでに私は述べましたが、帰還者の間から出ておることとして、ナホドカから舞鶴に至る船で、航行中帰還者が投げ込まれた。それから舞鶴において人が足りなかつた。それから航海中に三人も死んだ。或いは上陸地で二三人死んだ、こういうことが傳わつておりますが、これについては何もここにその片鱗も窺うことができないのであります。併しながら帰還者の間にこういう話が傳わつておるということ。それから殊に今年の五、六月から、リンチ事件というものは起きておるのであります。そうして現に幾人かの人が海に叩き込まれるという瞬間に立ち至つて船長を説いてこれを止めさせたという事件もあります。それからその船の中において復員官が煽動した。こういう事件が起きるのを煽動しておるということが一つ、二つの証拠として述べられておるばかりじやない、詳しいことは述べませんが、ここに一二の例を述べまして、復員官なり、援護局の係の者が、こういう帰つて來る者の間に、リンチ事件まで起きるような素地を作つて置くということが、過去においてずつとあるのであります。これは私が舞鶴に行つたときに問題にした。特別委員会でもすでに調べに行つたときに問題にしたのであります。ところがそのときも十分な調査ができなかつた。現にその船の某が復員官に会いたいと言つても会うことができません。その他調べようとしても調べ得ないのであります。政府特別委員会での報告におきましても、六月の事件のごときは、十分警戒しており、公平に取扱つておりますから、そういう点はなくなつておるということであります。ところが事実はその反対で、段々と起きておる。今度は一番ひどいのが起きておるという次第であります。それでありますから、そういう船から上陸地における係が、どういう措置をなしたかということについての答弁は非常に曖昧であります。それでありますから、この委員会は事実に即して、その事実に基いてなすべきことをなすというのならば、單に感情で動いて事を片付けて行くことを欲しないならば、ここにこの問題についての事実を調べをなすべきであると思うのであります。それで委員会としてはなすべき方策を立て、それに処すべきだと思うのであります。それで第一に被害者がおるのです。そうしてその住所も分つておる。だからその被害者調べ証人としてこちらに出て貰つて、又そのときの乘船者の実見者、その中から公平に事実を述べられる人達を呼んで事情を聞き、それから更にその当時の復員船に乘つていた復員官、或いは援護局おい復員者扱つてつた責任者、それらの人についても聞く、そういうふうにしてこの眞相は一体どうであつたかということをこの委員会調査して、はつきりした爭うことのできない事実を得たいものである、それでどうか調査委員会を、一つ小委員会と言いますか、どつちなりと全体で調べる、何これについての仕組みをやつて欲しいということを提案したいのであります。
  18. 星野芳樹

    星野芳樹君 只今細川委員提案について私賛成するものであります。この問新聞紙上にああいう投書が出たということだけでも、召喚して実情調べた方がいいんですが、それよりもやはり帰りの船の中でたとえ事情がどうであろうと、そういう非常に不詳事件が起きておるということは、これは当委員会としては、徹底的にこれを糾明して、かかることのないように図らなければならない最も重大な問題だと思うので、これは証人を喚問して、調査するのが適当じやないかと思います。
  19. 矢野酉雄

    矢野酉雄君 もう定足数も足らんし、それは決議するわけにもいかんし、細川さんのおつしやることは、何ら今のお話しでは、そういう何の話であるというようなことであるから、又政府がそういう返答をしたならば、細川参議院議員質問書で提出されたことに対する返答であつて特別委員会としてそれを質問したわけじやないと思いますから、もう少し細川さんの方でいろいろな御調査が進んでから改めて諮つて頂くようにしなければならん。ここで決議するわけにも行きませんね。
  20. 細川嘉六

    細川嘉六君 今矢野委員はそういうことをおつしやるけれども、この事件は考えて見ると、相当國内においても、國際間の関係についても重大であります。こういうことを一委員調べで、それでよかろうというようにして、この委員会はそれでいいんですか。とにかく幾人もおらんのですが、まだあなた委員会沢山人もおるんですが、ここでそれを決めてよろしいんですか。
  21. 矢野酉雄

    矢野酉雄君 だから決めない方がよかろうというんです。
  22. 千田正

    千田正君 今日は定足数も揃つておらないようでありますし、只今細川委員提案も、又各人揃つた上で改めて御討議願うようにお願いいたします。
  23. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 只今細川委員御意路に対して、星野委員の御賛成もありましたが、千田委員の御意見のように、本日は一應この問題は承つて次会によく御相談した上で進めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 細川嘉六

    細川嘉六君 それなら止むを得ませんが、私は急いでやりたいと思いますが、これはもう議会は解散になれば又……。(矢野酉雄君「共産党反対しているよ。期日は協定していないと言つているじやないか、はつきり」と述ぶ)もう一つ提案があります。陳情書も來ておりますが、この間横浜の引揚促進のポスター展覽会で、事実に合わない、こういうポスターを飾つてやられたんでは困る、これを見られることは困るというようなわけで、止めて欲しいという希望があります。これはこういうポスターは……。
  25. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) ちよつてお尋ねしますが、それは何処の主催の、どういうポスターだということをおつしやつて頂きたいと思います。
  26. 細川嘉六

    細川嘉六君 それは同胞救援議員連盟の方でやつておるポスター展覽会で、全國でやつております。共産党として前から反対しておる。反対の文書も党から事務局へ宛てて出しております。それで実際はどんどんやつておる。これは止めて欲しい、反ソ宣傳をやつてつて引揚運動もあるまいじやないか、却つて妨害になる、たから止めて欲しいという提案であります。
  27. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) その点については細川委員から、よくその適当でないという部面を承つて、本日はそのポスターもないようでございますから、現実ポスターなどを見まして、そうして議員連盟の方で現に不都合の点がありましたら、皆さんに御相談をして進めて行くことにしたからどうですか。    〔「賛成」、「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) それではそういたします。
  29. 星野芳樹

    星野芳樹君 その外にもう一つ私は今日は決められんですけれども要望して置きたいことは、新聞紙上三池炭鉱で未復員者解雇をしたという事件がありますので、これは当委員会として取上げるべき問題じやないかと思います。
  30. 矢野酉雄

    矢野酉雄君 その問題は実は星野委員意見に僕も賛成です。これは一三池炭鉱の問題ではなくて、一つこういうことができて來ると、全國にこういう問題が起る、相当重大な問題でありますので、その提案に対しては相当考慮すべきだと思います。併しこれも亦議員数定足数を欠いておりますので、重大な問題として、この次の機会に一つ議題として取上げて頂きたいと思います。
  31. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 只今星野委員三池炭鉱において未復員者解雇をした、但し復員した場合には復活するということでありますが、これは矢野委員お話のように相当全國に響く重大な問題であると存じまするから、この問題につきましても、次会においてよく皆さんの御意見を配承して、委員会としての適当な方法を進めて行きたいと思います。御了承を願います。
  32. 細川嘉六

    細川嘉六君 さつきのポスターのことでありますが、あれは誰か見てからといふ……。そのあたりははつきりしないのですが、この委員会全体で見て、それから討議の上で決める。そういう意味ですか。
  33. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) そうです。
  34. 淺岡信夫

    淺岡信夫君 只今決定した問題はそれでよろしいのですが、これは同胞救援議員連盟の主催した問題でありまして、当時……。日附は忘れましたが、九月に共産党徳田書記長の名前を以て抗議が出ておりました。その問題に対しまして、更に同胞救援議員連盟ではそれを議しまして、今度は逆に、議員連盟の名を以て、共産党徳田書記長宛に、更に議員連盟から、それに回答すると同時に、改めて答弁を求めたのであります。ところが回答はその後來ておらない。こうした問題につきましては、一應先程委員長からもお諮りになりまして採択されましたように、議員連盟のそうしてポスターなり、そういうものを皆さんが、全部見た上で処置をする。同時にその当時参りました徳田書記長の書類なり、或いはこちらの議員連盟から当時出されました書類なり、そういうものを一切見た上で処置されることを希望いたします。
  35. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 淺岡委員の御意見のように取運んで参りたいと存じます。本日はこれを以て散会いたします。    午後四時五十九分散会  出席者は左の通り。    委員長     草葉 隆圓君    理事            三木 治朗君            岡元 義人君            星野 芳樹君    委員            淺岡 信夫君           池田宇右衞門君            紅露 みつ君            矢野 酉雄君            細川 嘉六君            千田  正君