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説明員(
安福信雄君) 御
説明申上げます。一億九千万円を果して
生業資金に直ぐ運轉できるかどうかということだろうと思いますが、この一億九千万円の金の使い途を明らかにいたしますならば、その点は御
了解願えるのじやないかと思います。一億九千万円の金は全部
庶民金庫で持
つております。持
つておるということは、それは
庶民金庫が他の適当な使途に使
つておるというわけではないのでありまして、御承知の
通り生業資金の第一次の計画を実施いたしましたときに貸附
目標額は十億円であつたのであります。その中の三億は
政府で金を出して、七億は
庶民金庫から出すということをやつたのであります。実質的には七対三の割合が約五対五の割合に今な
つておりますが、約五億という金が
庶民金庫から調達されたのであります。その五億の内訳を申しますと、日銀その他で借りました金が約三億三千八百万円、それから
庶民金庫の代理店即ち無盡会社とか、市街地信用組合の金を一時借りました使つた金が約一億六千二百万円であつたのであります。この一億六千二百万円の金はこれは一時立替金でございましたので、こういうような、現在のような金融の梗塞したる時代におきましては、一時立替金の金をそのまま長期に
庶民金庫の立替金として、市街地信用組合なり、無盡会社が續けて行くということが不可能に
なつたものでございますから、この一億六千二百万円というものは速急に
庶民金庫からそういうような市街地信用組合等へ支拂わねばならんという
事態が昨年の今頃、即ち今から一年程前に起つたのであります。それでそういう
事態を考えまして、償還された
金額は一時的にその金に充当するということが決まりまして、逐次その金を拂
つて來たのであります。それで一億九千万円の中で一億六千二百万円というものがその金に充当されております。それから残りの約三千何がしという金が残るのでございますが、この金の使途を御承知の
通り生業資金を
庶民金庫で扱
つて参りますのには
庶民金庫では
相当手数料が掛かるのであります。この手数料の
財源といたしましては
生業資金として貸附けました
金額から六分の利子というものを頂くことにな
つておりますので、その六分の利子の中からこの手数料を支拂
つて行くという
方針であつたのでございます。併し御承知の
通り生業資金の償還
状況は当初予期した程よくないのであります。最近各方面の御協力を得まして逐次この償還の成績は向上しつつありますのでありますが、併しまだ当初
予定しておつた率よりはうんと低いのであります。それでありますからこの手数料に当てるだけの利子收入がないというのが現状でございます。それでそういつた
庶民金庫でも手数料がないから事務をや
つて行けないというわけにも参りませんので、この利子收入と手数料の差額の方はそういう三千何百万円の金が廻
つて來るというのが現状でございます。それでなかなか一億九千万円が
生業資金の再貸付
資金に廻るということは非常に困難な
事態にあることを御
了解願いたいと思います。