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法制局長(
奧野健一君) それでは正式にここで御
決定になることになりますので、一
應御説明を申上げます。
只今司令部との
関係につきましては、
高田委員から御
説明の
通りで、
ウイリアムスの方でも、四十
七條でも行けるではないかというのを、四十
七條は普通の
閉会で、
解散の場合の
閉会は含むかどうか、含まないのではないかというふうに普通に考えられているから、特に要るのだということで、
向うの方でもそれではということで、
OKを與えたということにな
つております。そこでこの
條文が入りますと、どういうことになるかということについて
ちよつと御注意といいますか、御
説明を申上げたいと思いますることは、問題が大体三点に分けるわけでありまして、
最初に
現行國会法の七十四條の中には、いわゆる
解散による
閉会の場合も
一緒に含んでおるという大体建前で、四十
七條で行く。併し四十
七條では予め
院議を以て
継続審査に付託しなければならないことにな
つているので、
解散のごとき突発的に來る、或いは又果して
解散があるか、いつ來るかということが分らんような場合に、予め
院議で付託するということはできない。それで
解散にな
つてしまつた後から
院議でということはできないから、どうしても四十
七條で突発的に來る
解散の場合は待たれないのではないか。そうすると、何か立法的な措置が要るのではないかという御
意見から、
最初に
法制局で作りました案は、その場合に処する意味で、四十
七條の第三項として、一應この前お
手許に差上げました案ができたわけでありまして、從いましてその案では、
閉会は
解散の場合も四十
七條で一應適用があるのだという頭で作りましたので、
閉会中における
事柄もやはりすべて
審査……。すべての
案件について、まあ
法律案或いは
予算案はこれは勿論
両院の
議決を必要とするから、実際は起らないでありましようけれども、廣く
審査ということにして、一應御案を提出したわけでありました。ところが、その後、昨日の
畫頃法制局とそれから
事務局とが協議いたしまして、できましたのがお
手許に差上げてある案でありまして、これはこの
閉会は、普通のいわゆる
両院揃
つておるときの
閉会とは少し
解散の場合の
閉会は違うのではないか、そうするとやはり
條文を新らしくして、四十
七條の中に入れないで、四十
七條の二ということにして、それから
継続審査といいますか、対象を廣く
審査とやらないで、
調査ということにして、
調査ということであれば、
両方の
議決を必要とするものは含まないので、
参議院だけでやれる
調査のみを意味しておるという
趣旨で、七十
七條の二として新らしく作りました案がこれであります。これがまあ第二点であります。第三点は、昨日申上げましたように、この
憲法で、
衆議院が
解散になる場合、
参議院は
閉会となるということは、すべての
機能が停止されて、例えば
緊急集会以外のものはこの
調査事項もできないというふうに解釈する。この三つの
考え方があるわけでありますが、ここに
OKを得ました案はその中間の、この場合の
閉会中は普通の
両院揃
つておる場合の
閉会中とは、趣きを異にして、普通の場合の
閉会のようにすべての
案件についての
継続審査というのではなくて、その
議院だけでできる
調査事項に限るということと、同時に
憲法で
衆議院が
解散にな
つても
衆議院の
機能は全部停止されるものではなくて、
参議院だけでこういう
調査事項だけは少くともできるのだということをここに明らかにいたしました
関係で、これは
考え方によりますと、
衆議院解散で
参議院が
閉会中、
参議院の
性格はどういうものであるかという大きな問題に
関係して來るので、
衆議院が
解散された場合に
参議院の持つ
機能及び
性格というものへも相当
関係して参りますので、この
條文ができました後は、この四十
七條というものは
解散による
閉会の場合は適用がなくて、普通の場合の
閉会にのみ適用されるものだということがはつきり反対解釈されて來ることと思うので、その点は相当大きな問題かと考えますが、まあ私の考えるところによりますと、
衆議院が
解散されても
参議院というものはまだ勿論ずつと
残つて人格があるので、ただ
参議院としては三年毎に新陳代謝があるだけで、ずつと永久に
人格として存続するのであるから、
衆議院がなくな
つて閉会にな
つたからと
言つて全然
機能がないというのは、むしろ
憲法の予想しないところでなかろうか。むしろ
両方の
國会に、全部の
國会に代る
緊急集会さえできるのであるから、少くとも
片院だけでできるような
調査事項はやはりできるのではないかということと、それから四十
七條の普通の場合、
両院あるときの
閉会というのと、
衆議院がなくな
つた場合の
参議院の
閉会というのは、やはりやや違うのではないか。そこでその場合には
参議院としては、
両院の
議決を必要とするようなことまでその後続けてや
つて行く徳いうことはやはり行過ぎてはないかというので、結局この案にありますような
状態になるのが
憲法の
趣旨に最も副うのではないかというふうに一應考えております。以上御
説明申上げます。