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参事(寺光忠君) 簡單に問題の所在だけを申上げます。日本学術
会議法によりますと、日本学術
会議は内閣
総理大臣の所管に属しまして、「独立して左の職務を行う。」ということにな
つております。「一科学に関する重要
事項を
審議し、その実現を図ること、二科学に関する研究の連絡を図り、その能率を向上させること。」その他政府はこの学術
会議に諮問をし、又学術
会議は政府に対して勧告をするというような権限を持
つております。その他政府に対して
資料の提出を
要求するというような権能も持
つているのであります。それからもう
一つの点は、この会員は額についてはどうか存じませんけれども、法律上
手当を受けるということにな
つております。それから第三の点は、この学術
会議には
事務局が設置せられまして、その
事務局には
一級官、二級官というような
相当高級の役人をずらりと並べるというような形にな
つております。それらの
関係上、人事院の法制部の水では、この学術
会議の会員は選挙で出て來るものではあるけれども、とにかく
公務員であるということを
決定いたしまして、それを全國選挙管理
委員会に通牒し、全國選挙管理
委員会はこの前の、先頃の
衆議院議員選挙におきまして、この会員で立候補いたしました風早八十二さんその他二名の方に対して、会員を辞職することを
要求したのであります。それで三人の方は辞退せられまして立候補されたのであります。そういう事実がありましたから、本院においてこの会員にな
つておられます方は田中耕太郎さん、堀眞琴さん、羽仁五郎さんのお三人でありますが、このお三人が、風早八十二さん外二名の方の復職ということを
要求するということにならなければならんのか、若し
公務員であるということであれば、
参議院の方をむしろ辞めるということにならなければならんのか、それらの点についていろいろ研究せられておるようでありますが、例えば羽仁さんのお話によりますと、田中一郎教授はこれは
公務員でないという見解を明かにした。又浅井人事院総裁は、やはり
公務員でないというような見解を述べられた。いずれにしろ次の第五國会においては、法律的に何らかの措置をしなければならんということを
考えておるということをおつしや
つておりました。浅井さんの
意見につきましては、人事院としては人事官
会議を開かない限りは、人事院のこの今日の
公務員であるという
決定を覆すことはできない。それは浅井さんがどんな
意見を持たれておるかということは、それは單に個人的な
意見に過ぎない。法律解釈の問題になりますと、人事院は今のように
公務員であるという
決定をいたしておりますけれども、
参議院の方で法律解釈上それをどういうように取扱われるかということを御
決定願いたい。こういうことであります。