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稻村委員 今、
委員長の話を聞いておりますと、これまでいかにも
積極性がなかつたというような
意味合いの言外にとれるような
言葉がたくさんあ
つたのでありますが、私はそういうことは一つもないと思うのです。われわれも徹宵していろいろ折衝したり何かしておるというのは、実をいうと、
予算を遅らすということが目的じやない。より完全な
予算を通過することが目標である。かたわの
予算をそのまま通過させることのみが、通過させることではないと思う。
相手があることなのである。
相手があ
つて、両者が
お互いに折衝しておるところに
一致点が発見されずに
不一致だということは、実をいうと、片方だけの全部のサボとか何とかいうことでないのであ
つて、一生懸命にや
つてお
つても、そういう場合が
不可抗力に出て來る場合があるのであります。ことにその
不可抗力の中には、私
たちは
給與法案という、
予算單價としてこれを離すことのできない問題があるのでありまして、しかもその
給與法案が急に通過しないというようなこととにらみ合せて、
最後のど
たんばにな
つて來ますと、そのこと
自身予算の
審議をいかにわれわれが苦労しても、なかなか
打開し得ない点があつた
ために、ここに來たのであ
つて、だからわれわれはその問題を
解決しなければならない、こう思
つておる。だから、これは單に
予算委員会の
積極性がないとか、あるとかいう問題ではなくして、実に
客観的條件がそういうところにあるということを認識して、われわれがその
客観的條件を前提として、どうや
つてこれから
予算の
審議を早く進めるかということを
考えて行かなければならぬのである。
客観的條件を拔きにして、主観的にだけ
予算を進めるというようなことがあるものとすれば、
官公職員の生活問題と密接な
関係のあるこの
予算が、その
期待に沿うことのできないような、
へんぱなものになつてしまう。
官公職員ばかりじやない。日本の
労働者全体の生活というものに対するところの、重要な影響がある問題を考慮しない
予算になる危險がある。ここをわれわれは苦慮しているのである。その苦慮してなおなお実効が上らないということと、それからそんなことは全然
考えずに早く
予算を上げるということと、どつちがこの
予算に対して
眞劍に通そうとしているかということについて、
委員長は、はつきりとした
けじめを持
つてもらいたい。この
けじめがもしないならば、私は今後この
予算を單に通過させるということは
意味のないことである、というふうに
考えておるのでありまして、その点私
たちが
積極性がなかつたというように思わせるような
委員長の
発言は、私は絶対反対であります。