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1948-12-10 第4回国会 衆議院 文部委員会 第3号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十三年十二月十日(金曜日) 午前十一時十六分
開議
出席委員
委員長
圓谷
光衞
君
理事
松本
七郎君
理事
伊藤 恭一君
理事
久保
猛夫君
古賀喜太郎
君 平澤 長吉君 水谷 昇君 山名
義芳
君 受田 新吉君
高津
正道君 田淵 実夫君
松本
淳造
君
西山冨佐太
君
野本
品吉
君
松原
一彦君 黒岩 重治君
出席國務大臣
文 部 大 臣
下條
康麿
君
出席政府委員
文部事務官
辻田
力君
委員外
の
出席者
文部事務官
相良 唯一君 專 門 員 宇野
圓空
君 專 門 員 武藤 智雄君 專 門 員
横田重左衞門
君 ————————————— 本日の
会議
に付した事件
教育公務員特例法案
(
内閣提出
第一二号) —————————————
圓谷光衞
1
○
圓谷委員長
これより
会議
を開きます。 昨日に続いて
総括質問
を継続いたします。なおお
手元
に配付いたしました
教育公務員特例法案
のうちにミス・プリントがありますので、
政府
の方より
訂正
を願います。
辻田力
2
○
辻田政府委員
お
手元
にお配りした本印刷の方の分について
訂正
がございますので申し上げたいと思います。いずれ正式には
正誤表
が参るはずでありまするが、御審議の際に必要かと思いまするので申し上げておきます。 まず
目次
の第一章
総則
の下に(第
一條—
第十
八條
)とあるのを(第
一條—
第三條)におかえ願います。
附則
のところに(第二十三
條—
第三十
五條
)とありますが、その三十
五條
は第三十四條であります。本文の二十三條第二項に「この
法律
中の
規定
が」の下に点をお入れください。それから二十九條は全部削除、
從つて條文
は三十條が二十九條に、以下
一條
ずつ繰上ります。以上であります。
野本品吉
3
○
野本委員
この
法案
の
名称
でありますが、第
一條
に「
教育公務員
の
職務
とその
責任
の
特殊性
に基き、」ということが言われておるのでありますが、その特殊な
職務
と
責任
に基いて施行されるのでありますから、これは当然
特例
というような
文字
を使わなくてもよいのではないかと私は思うのです。この点についてどういうようなお
考え
でありますか。
辻田力
4
○
辻田政府委員
この
法案
は、
國家公務員法
の
特例
をなす
法律案
でございまするので、
名称
も
特例
ということを明示した方が、
内容
と看板と一致するという
意味
で、
特例
という
文字
がある方が
國民一般
にはつきりわか
つて
、いいのではないかと思
つて
入れたのでございます。
野本品吉
5
○
野本委員
私の
考え
は、
さつきもち
よつと申しましたが、これは
教育公務員
に対する立法なんでありますから、
特例
という
文字
を使う必要はないのです。当然のことなのでありますから……。この
名称
についてどうも疑問を持
つて
おるのです。 それから次の問題でありますが、いわゆる
教育関係
の
事務職員
についてはどういうふうにお
考え
ですか。
辻田力
6
○
辻田政府委員
教育関係
の
事務職員
、たとえば
文部省
の役人とか、
教育委員会
の
事務局
の
職員
についての
お尋ね
だと思いますが、
教育委員会
につきましては、
免許状
を必要としまする
教育長
と
專門的教育職員
につきましては、この
法案
の
対象
にな
つて
おります。しかしその他の者並びに
文部省
の
人間
、あるいは
学校
の
事務職員
につきましては、
一般
の法規が
適用
にな
つて
おるわけでございますので、
特例
を認めないということであります。
從つて
ここにありまするのは、
本体
としては実際に教壇に立つ
教育者
を
考え
ておるのでございます。その他の者は、
一般
の
國立
の
國家機関
であれば、
國家公務員法
で、
地方
の
機関
であれば
地方
の
公務員法
ができますと、それが直接
適用
されることになるわけでございます。
高津正道
7
○
高津委員
昨日
文部大臣
から
提案理由
の
説明
をお聞きしたのでありますが、その御説の中に、「六・三の
義務教育制
を根幹とする新
学校制度
は、今や着々
実施
を見つつあるのでありますが、直接新
教育実施
の任に当る
学校
の
校長
、
教員等
の選任を公正かつ適切ならしめるとともに、
教員
の
地位
を確立し、も
つて
教員
をしてその
職務
に專念させることは、
教育刷新
、
教育振興
の
基礎條件
であり、現下における喫緊の要務と存ずる次第であります。」こういう
言葉
があつたのでありますが、この
特例法
は
教職員
の
職務
と
責任
の
特殊性
にかんがみて、
一般
の
國家公務員法
で律せられるよりは有利な点が、大分含まれていることは私も認めているのであります。それならば
教職員
の
地位
を確立し、も
つて
教職員
をしてその
職務
に專念させるような
便宜
をはかるという
意味
を、この第
一條
の中へ織り込んで、この
法律
の
目的
を明らかにすべきではあるまいかと思います。この間第三
國会
で通過した
國家公務員法
の第
一條
は「この
法律
は、
國家公務員
たる
職員
について
適用
すべき各般の
根本基準
を確立し、」とありますが、
國会
ではそれが
修正
されてその中へさらに「
職員
の福祉及び利益を
保護
するための適切な措置を含む。」という文句が挿入されたのであります。だからこの場合も
教育公務員
というものはその
特殊性
にかんがみて大いに
保護
をするのだ、能う限り
便宜
を與えるのだ、そういう
意味
を第
一條
に織り込んでおくべきではなかつたかと思うのであります。これに対する
政府
の所見をお伺いする次第であります。
辻田力
8
○
辻田政府委員
ただいま
高津委員
から御指摘の点は
趣旨
としてはその
通り
でありまして、
仰せ
の
通り
の
考え
でこの
法案
ができているのであります。ただここに特にそういうことを明記しなかつたのは、この「
教育公務員
の
職務
とその
責任
の
特殊性
に基き、」というところに
意味
を含ませまして、
教育者
としては特別の使命があるのである。
從つて
特別の
保護
と申しますか、
身分
の保障を
考え
らるべきであるという
趣旨
から、ここに含ませて
仰せ
のようなことを
規定
しているつもりでございます。
高津正道
9
○
高津委員
次に第
一條
の
特殊性
という
意味内容
は、常識的にはわか
つて
いるようでありますけれども、いやしくもこれは
法律
であり、この
特殊性
について
政府
としての
定義
、
解釈
をこの際明確にお伺いしておいたらと思うのですが、
特殊性
とは何ぞやということについてお伺いいたします。
辻田力
10
○
辻田政府委員
國家公務員法
の
附則
の十三條に、
一般國家公務員
であ
つて
も、その
職務
と
責任
の
特殊性
に基きという
言葉
が書いてありますが、その
言葉
を援用いたしましてそのまま用いたわけでありまして、それ以外の
意味
はないのでございます。
高津正道
11
○
高津委員
公務員法
との
関係
で向うにあるからその
言葉
を持
つて
來たのであ
つて
、特別の
意味
はないと言われるのであるが、
文部省
があつせんして特につく
つて
ここへ出された以上は、
特殊性
というのは
教育
には他の
國家公務員
、あるいは
地方公務員
とはこの点、この点、この点で違うのだという
特殊性
を、具体的に数えてもらいたいという
意味
の
質問
なのです。そのことが明らかにな
つて
おれば、
教育公務員
というものは、それゆえにこそ
待遇
その他の点で特別のはからいをしなければならないという
條項
が生まれて來るのでありますから、この点が非常に重大だと思います。
辻田力
12
○
辻田政府委員
今のお話の点よくわかりました。
教育者
の
特殊性
の
内容
でございますが、
國立
及び
公立
の
学校
の
教員
と申しますか、
教育
に当
つて
いる方々は、その
職務
と
責任
において他の
一般
の
公務員
とは特殊なものを持
つて
いるのであります。すなわちその
職務
の
内容
あるいは
責任
の
内容
というものを
考え
てみますときに、
教員
の從事する
教育
というものの
職務
は直接
人間
を
対象
といたし、しかも未成熟な被
教育者
の
人格
の完成を目ざしていることにおいて、主として
一般
人の便益をはかることを
目的
とする
一般
の対人的な業務と、その
性格
を異にしていると思うのであります。
教育関係
は
人格
と
人格
との
関係
でございますので、
教員
の
人格
というものは意識的に、無意識的に被
教育者
の
人格
に影響するところが非常に大きいのでありまして、この点におきまして
教員
には
教育者たる
の
資格
と、それに伴う特殊な
職務
上の
義務
ないし
責任
が要求されると思うのであります。さらに
教育
は
文化
を
傳達
し、新しい
文化
を創造する
人間
をつくり上げなければならないものでありますので、そのために
教員
は
教育者たる
にふさわしい
人格
とともに、その教授する事柄につきまして、十分な
学識
を備え、その
教育技術
を心得ていることが必要であると思うのであります。今
教員
の
資格
については特定のものが必要でありまして、また在職中の
教員
については常に
研究
と
修養
に努めなければならないことであると思うのでございます。なお
教育
は常に
人間
をつくる高いしかも不変な目標に向
つて
行われるものでありますので、そのときどきの勢力によ
つて
左右されたり、不当な
支配
を受けたりすることがあ
つて
はならないのであります。
從つて法令
の
範囲
内で
創意とくふう
をも
つて
自主的に
教育
を行うことが絶対に必要であります。
教員
がその
職務
の遂行にあたりましては、
教員
の等級によ
つて責任
の軽重があるという問題ではなく、各人が同一の
責任
をも
つて
行わなければならないのであります。こういうようなことからして、
教員
の
身分取扱い
につきましては、
教員
各自がその
地位
に安んじて
職務
を遂行し、以上申し上げました重大な
責任
を全うすることができるように、措置しなければならないと思うのでございます。そこで右申しましたような
考え
のもとに、
教育公務員
について
一般公務員
に対する
國家公務員法
の
規定
をそのまま
適用
するのではなく、ここに一定の
特例
を必要とするというふうに
考え
ている次第でございます。
高津正道
13
○
高津委員
大分特殊性
の
内容
が明らかに
なつ
たと思うのでありますが、
教育
という
職務
は直接
人間
を
相手
にして、それを育て上げて行くという点があるし、
文化
の
傳達
をやる役目であるから、また
人格
、
学識
いろいろ必要だとか、
創意とくふう
をも
つて
だとか、不当の
支配
を受けてはならぬとか、いろいろ御
説明
を聞いたのであります。私はそれも
特殊性
と認めますが、しかしながらその程度のことでは、ほかの
公務員
の場合でも
人間
を
相手
にするものももちろんたくさんありますし、
人格学識
、さらに
研修
をやらなければならぬという、それもみな
特殊性
を主張して來るので、
相違点
はほんの少しということにならないでしようか。裁判をや
つて
いる者、みな
特殊性
があ
つて
、今の御
説明
では抽象的にそうでないものは残らないように思うのですが、もう少し聞きたいと思います。
辻田力
14
○
辻田政府委員
あるいは
言葉
が足りませんでそういう御
質疑
に
なつ
たと思いますが、もちろん
一般公務員
の中にも、その從いまする
仕事
の
内容
によりましてそれぞれ
特殊性
はございます。ここにただいま申し上げましたのは
教育者
としての
特殊性
を申し上げたつもりでございますが、もちろん
裁判官
には
裁判官
の
特殊性
もございましようし、また
農林事務
に当
つて
いる者は
農林事務
の
特殊性
がございます。また
一般
的な共通の
性格
ももちろんあると思います。そこで
一般
的なものについては
一般
的な
法律
の
規定
の
適用
を受けるのでございますが、
教育者
としては先ほど申しましたような
教育事務
に從事することが
目的
でありますので、その
教育
という面から特別に
人格
の問題あるいは
学識
の問題、あるいはその
地位
に安んじて
仕事
に当ることができるようにしなければならぬということについて、
特例
を認める必要があると
思つたの
でございます。たとえば
採用等
にいたしましても、單に
一般
の
公務員
と同じような
方法
をとるのでは十分な
採用
はできませんので、ここに書いてあるような特殊な
方法
で
採用
することになりますし、またその扱います学問の
特殊性
からかんがみまして、普通の
一般公務員
の
採用
とは
違つて
、
大学
の先生につきましては
大学
の
特殊性
に基いて、
特例
を設ける必要があると思うのでございます。
松原一彦
15
○
松原
(一)
委員
文部大臣
に
お尋ね
いたします。本
法案
の第三條によりますと、
國立学校
の
学長
、
校長
、
教員
及び
部局長
は
國家公務員法
の
支配
を受ける。
公立学校
の
学長
、
校長
、
教員
及び
部局長等
は
地方公務員
の
身分
を有するということが明記せられてあります。これではつきりわかるのでありますが、そうなると第二十三條の「この
法律
中の
規定
が、
國家公務員法
の
規定
に
矛盾
し、又はてい触すると認められるに
至つた
場合は、
國家公務員法
の
規定
が優先する。」という
條項
は、これは
國立学校
の
教職員
に当てはまるものであ
つて
、
公立学校
の
教職員
には当てはまらないと思うのでありますが、さように
解釈
してよろしうございますか。
下條康麿
16
○
下條國務大臣
実はこの二十三條第二項の
規定
は、こういうような
趣旨
に書いたつもりであります。すなわち現在のこの
規定
が、
國家公務員法附則
第十三條の
例外規定
として
特別法
が設けられたのでありますが、
將來
もし
本体
の
國家公務員法
の
関係
におきまして何か新しい
改正
があ
つて
、そうしてその
改正規定
と
特例法
との間に食い違いが生じた場合には、
公務員法
の
改正
の方が
適用
せられるということでありまして、現在は別にここに
矛盾
はないと
解釈
しておりますが、その
範囲
は
國家公務員法
が
適用
せられる
範囲
に限られております。
松原一彦
17
○
松原
(一)
委員
よくわかりました。それで私どもはかように
解釈
いたします。
公立学校
の
教職員
は、近くできる
地方公務員法
の拘束を受けるのであ
つて
、ただいまのところにおいてはそれができるまでは、
公立学校
の
教職員
は
國家公務員法
の
規定
には拘束せられない、かように
解釈
するといたします。 次にそれによりますと、
矛盾
がここにあるのであります。第三十四條とな
つて
おりますが、
修正
がありましたから第三十三條となりますが、その末項に「
政令
で、
國立学校
の
学長
、
校長
、
教員
又は
部局長
の例に準じ、特別の定をすることができる。」とあります。これは今の
解釈
によりますと、いささか
矛盾
すると思います。
國立学校
の
学長
、
校長等
の例に準ずる必要はないので、これは
地方公務員法
ができるまでは
政令
でも
つて
標準をとるとするならば、
内務省令
の
都道
府
縣職員服務規定
に準ずべきものであ
つて
、
國立学校
の
職員
の例に準ずべきものではないと思う。この点についての文相のお
考え
はいかがでしようか。
下條康麿
18
○
下條國務大臣
実は
國立
の
教員
につきましては、
國家公務員法
が
適用
せられる。それから
公立
の場合につきましては
地方公務員法
がありまして、
母法
があ
つて
、そしてこの
特例法
が
例外
になるという組織になるはずなのであります。ところが御
承知
の
通り地方公務員法
ができませんから、暫定的に
地方公務員法
にかわる
規定
を第三十四條に設けたのであります。ここにも書いてありますように、
地方公共團体
の
職員
に関して
規定
する
法律
ができるまでは、暫定的に
政令
で
地方公務員
に関する
規定
と同じような
母法
をつく
つて
おく。こういう建前であります。その
地方公務員法
の
内容
は実はまだはつきりしておりませんが、大体
公立学校
の
職員
に対して
適用
されるようなものは、ここにもあげなければならぬだろうと思います。
松原一彦
19
○
松原
(一)
委員
議事進行
に関しましてお諮りをお願いいたしたいのであります。重大なる
法案
でありますから、時間の許す限り懇切に御答弁を
願つて研究
を進めたいのでありますが、御
承知
のような逼迫したる情勢のもとにありますので、この
法案
はわれわれもぜひ通したい、一時間も早く完了いたしたいという
希望
を持ちます。その
関係
上ごく少数の
修正
を
委員会
全体の
意見
として一應まとめて、これを
関係筋
への
交渉
を
委員長
を介してお願いして、なお続けていろいろな
質疑應答
をするといつたように、少し順序が逆でありますけれども、一應のごく少しの
修正
をまとめたいという
希望
から、私
修正案
を提出したいと思うのであります。お諮りを願いたいと思います。
圓谷光衞
20
○
圓谷委員長
ただいまの
松原委員
の動議に御異議ございませんか。
松原一彦
21
○
松原
(一)
委員
御同意を得たようでありますから、私皆さんにお諮かりを申し上げたいのであります。 昨日來の御
意見等
を聞いておりましても、およそ集中するところは、わずか数点にあるように思われるのであります。根本的な問題としての
選考権
の問題は、これはなかなか重大な議論があるのでありますが、その点をまず拔きにいたしまして、私は
三つ
の
修正点
をここに申し上げたいと思う。 第十四條中の
休職規定
、これは「二年」とありますのは、
肺結核
の病状の從來の統計その他から、
久保委員
からも奥さんが
肺結核
にかか
つて
、二年でなお
つて
出て失敗せられた悲惨な実例を述べられましたように、二年ではいけないのであります。それで「二年」を「三年」と改めます。それから「俸給」とありますが、かような氣の毒な病人に本俸だけや
つて
おくのでは、生活ができて行けません。どうか「
給與
」とこれを改めていただきたい。そうして末尾に「全額を支給することができる。」とありますが、これはいかにも弱うございますから、「支給する。」として「ことができる。」という
文字
を削除したいのであります。こういうふうに十四條を改めたいのであります。 それから第十九條の
研修
のところでありますが、その第二項の中の最後のところの「その他
研修
に関する計画を樹立し、」の次を「かつ
研修
に要する
費用
を計上し、その
実施
に努めなければならない。」かようにいたさなければならないのであります。これは
研修
に関するいろいろな
報酬等
がありますが、事実今年の四月からまだ一ぺんも
旅費等
をもらわないというものがたくさんあるのであります。これは私自分の家の家族にも
教員
を持
つて
おりますが、間違いない事実であります。なかなかこの
費用
は出ません。それでここにせつかく親切な
教育公務員法
をつくるのでありますから、「
研修
に要する
費用
を計上し」、の
文字
をそこに入れたいと思うのであります。 第三点は、第三十四條、これは改められた三十三條でありますが、三十三條の終りに、ただいま
質問
いたしました「
政令
で」という下に「
國立学校
の
学長
、
校長
、
教員
又は
部局長
の例に準じ」とありますのは削除いたしたいのであります。二十一字だけ削除いたします。そうなりますとこれは「
政令
で特別の定をすることができる。」となりますので、その結果は
当局
で特別の
定め
をおやりになればいいのであります。但し
委員会
としての
希望
は、その
定め
は
都道
府
縣職員服務規程
というのが現にあ
つて
、これが
地方公務員
を拘束いたしておる
内務省令
で生きておるのであります。この
規程
を準用になればいいのであります。いずれ近いうちに
地方公務員法
もできることでありましようから、それまでの
つなぎはさよう
にいたしておきたいと思うのであります。 この
三つ
の点を私は
委員会
の満場一致の御
賛成
をも
つて
修正案
とし、その筋への
交渉
をお願いいたしたい。 なおもう一つつけ加えますことは、
教育公務員法
の
法案
の
名称
でありますが、これは
特例法案
とせずに、やはり
教育公務員法案
といたしたい。
特例
という二字はとつた方がいい。
内容
においては
特例
的なものがありますけれども、自然これはあらためて
独立法案
とすべきものであ
つて
、
將來内容
も改めねばなりませんが、一應この際は
教育公務員法案
といたしたいのであります。これにつきましてどうか
委員長
からお諮りいただきまして、できます限り
全員一致
の御
賛成
を得て、その筋への
交渉方
を手早くお願い申し上げたいのであります。御
賛成
を願います。
圓谷光衞
22
○
圓谷委員長
お諮りいたします。ただいま
松原委員
より
修正
に関して
意見
が出たのでありますが、ここで暫時
休憩
いたしまして、御懇談願いたいと思うのですが、いかがですか。
久保猛夫
23
○
久保委員
懇談もいいでしようけれども、大体
松原委員
の
修正箇所
並びにその
考え
方に私は大体
賛成
でありますけれども、
字句
その他のことについて
各党
から一名ずつ出ていただいて、それをまとめるというふうにしたらどうかと思います。今の
松原委員
の
修正
でけつこうとも思われますけれども、たとえば
研修
の
費用
、これで
考え
なければならぬことは、十九條にそういう
松原委員
が言われたような
字句
を入れたがよいか、二十
一條
として、二十條の次に
一條
設けてそれを
規定
したらいいか、そういう
意見
もあると思うのであります。
久保猛夫
24
○
久保委員
二十條の第四項とすれば、これは
研修
の
機会
ということにな
つて
お
つて
、
研修
の
機会
のための
費用
だけを含むというおそれがあるはずです。ところが十九條の方では、
研修
の
機会
だけの
費用
でなくて、
教育公務員
としての
研修
の
責任
を負わされておるのであ
つて
、
責任
を負わされて
費用
は出さないというのが今日の実情なんです。それをこの
法律
で改めて、
教育公務員
に絶えず
研修
、
修養
に努めなければならないという
責任
を負わせておきながら、その
費用
を
規定
せぬというのはおかしい。本來ならば二十
一條
として一箇條設くべきだと私は思う。そういう点について
各党
で打合せてはどうかと私は思うのですが、いかがですか。
圓谷光衞
25
○
圓谷委員長
ただいま
久保委員
の御
意見
がありますので、
各党
より一名ずつの
委員
を出して相談いたしたいというのですが、いかがでしようか。
圓谷光衞
26
○
圓谷委員長
それでは暫時
休憩
いたしましてさようとりはからいます。 午前十一時五十五分
休憩
━━━━◇━━━━━ 午後四時四十五分
開議
圓谷光衞
27
○
圓谷委員長
休憩
前に引続き
会議
を開きます。まず
法案
の
逐條審議
に入りたいと思います。
教育公務員特例法
目次
第一章
総則
(第
一條—
第十三條) 第二章
任免
、
分限
、
懲戒
及び
服務
(第四
條—
第十
八條
) 第一節
大学
の
学長
、
教員
及び
部局長
(第四
條—
第十
二條
) 第二節
大学
以外の
学校
の
校長
及び
教員
(第十三
條—
第十
五條
) 第三節
教育長
及び
專門的教育職員
(第十六
條—
第十
八條
) 第三章
研修
(第十九條・第二十條) 第四章 雜則(第二十
一條
・第二十
二條
)
附則
(第二十三
條—
第三十四條) 第一章 総 則 (この
法律
の
趣旨
) 第
一條
この
法律
は、
教育
を通じて
國民
全体に奉仕する
教育公務員
の
職務
とその
責任
の
特殊性
に基き、
教育公務員
の
任免
、
分限
、
懲戒
、
服務
及び
研修
について
規定
する。 (
定義
) 第
二條
この
法律
で「
教育公務員
」とは、
学校教育法
(
昭和
二十二年
法律
第二十六号)第
一條
に
定め
る
学校
で、同法第
二條
に
定め
る
國立学校
及び
公立学校
の
学長
、
校長
(園長を含む。以下同じ。)、
教員
及び
部局長並び
に
教育委員会
の
教育長
及び
專門的教育職員
をいう。 2 この
法律
で「
教員
」とは、前項の
学校
の教授、助教授、
教諭
、助
教諭
、
養護教諭
及び講師(常時勤務の者に限る。以下同じ。)をいう。 3 この
法律
で「
部局長
」とは、
大学
の
学部長
その他
政令
で指定する
部局
の長をいう。 4 この
法律
で「
專門的教育職員
」とは、
教育委員会
の
職員
のうち、
免許状
を有することを必要とする者(
教育長
を除く。以下同じ。)をいう。 (
身分
) 第三條
國立学校
の
学長
、
校長
、
教員
及び
部局長
は
國家公務員
、
公立学校
の
学長
、
校長
、
教員
及び
部局長並び
に
教育長
及び
專門的教育職員
は
地方公務員
としての
身分
を有する。 以上について御
質疑
がありますれば伺います。
久保猛夫
28
○
久保委員
教育公務員
の
特殊性
に基いた
特例法
であるから、大体
教育公務員
というのを、ここに
規定
された
通り
に一應限定された
意味
はわかるのでありますけれども、
学校
におります
教育事務官
であるとか、あるいは
学校看護婦
であるとか、あるいは
教育委員会
の
事務局
におるその他の
事務員
、そういうのと全然
身分
の区別がある。
待遇
の上に差別があ
つて
、同じ職場に同じ
氣持
で勤務しておるということは、何らかそこに
將來みぞ
ができて行くようなおそれも
考え
られるのでありますが、でき得るならばそういうやはり
学校
に勤務する者、並びにその
事務
に当る者は、
教員——
ここで言う
教育公務員
と同じ
氣持
にな
つて
行かなければ、
教育
というものはできない。極端なる例をも
つて
するならば、
学校
の小使に至るまで一つの
教育
的な、生徒、兒童に対して親切さというものを持
つて
行かなければ、
教育
というものはできるものではない。そういうことを
考え
てみると、この
教育公務員法
のうちに、今言つたようなそういう
人たち
を全部包含するということが、むしろ私としては望ましいことではないかと思うのでありますが、こういうことについて
政府当局
の御見解を聞いてみたいと思います。
下條康麿
29
○
下條國務大臣
まことにごもつともな
お尋ね
だと思います。私もついこの間まで
学校
の
校長
をしておりましたが、
学校
の経営の立場から申しますと、
教員
と
事務職員
との間に相当心のつながりがなければ、実際の運営はできない。でありますが、この
事務職員
の方は、
教員
の方に近いというよりもむしろ
一般
の
公務員
の方に、すべての
事務
の
内容
から申しましても近いのでありまして、一体とな
つて
やる点においては、申し上げたように、
学校
は
校長
と
教員
と
事務職員
と学生とから成り立つ一つの社会でありますから、それがなければできないのでありますが、その
事務
の大要から申しますと、
事務職員
は
学校
の
教員
よりもほかの
一般
の
事務職員
の方に近いのでありまして、その方の
一般公務員
として取扱うことが適当であるというふうに
考え
たのであります。もつともこれにつきましては多少まだ
研究
をしたいという余地は実は持
つて
おるのでありますが、大体今のところはさように
考え
ております。
久保猛夫
30
○
久保委員
教員
ではないが、
学校
におります看護婦、助手、そういうものはこの中に入らぬのですか。
辻田力
31
○
辻田政府委員
免許証によりまして
養護教諭
とかあるいは養護
教員
に当る者は第
二條
に当るのでありますが、そうでない者、二十
二條
の「
教員
の
職務
に準ずる
職務
を行う者」の中に該当する者につきましては、
政令
の
定め
るところによりまして、この
法律
を準用することになります。
久保猛夫
32
○
久保委員
それはどういう者ですか。
辻田力
33
○
辻田政府委員
たとえば非常勤の講師とか、助手とか、
大学
や高等
学校
の助手、そういうふうな者でございます。看護婦もこれは入れるかどうかについて、
政令
によ
つて
定め
るべきでございますが、その点よく
研究
したいと思います。
松本七郎
34
○
松本
(七)
委員
今のには
大学
の副手、それからインターンの学生などはどうなのでありますか。
辻田力
35
○
辻田政府委員
インターンの学生は、はつきり学生でございますから、この中に入れる
考え
はございません。副手もただいまのところは、助手までにいたしまして、入れないつもりでございます。
松本七郎
36
○
松本
(七)
委員
こういう時勢に副手の
保護
については前
國会
でも特に問題に
なつ
たのですが、インターンについて何か
保護
する方針はございますか。
相良唯一
37
○相良
説明
員 お答えいたします。インターンの学生につきましてはやはり学生であるという
身分
でありますので、一應
考え
ておりません。
西山冨佐太
38
○西山
委員
今のインターンの方は学生の
身分
の方がよいと思う点はごもつともと思います。育英会の方の金を出すのに、育英会の
対象
として学生の
身分
として金を出すのですからその方がよいのだと思います。
圓谷光衞
39
○
圓谷委員長
第二章に移ります。 第二章
任免
、
分限
、
懲戒
及び
服務
第一節
大学
の
学長
、
教員
及び
部局長
(
採用
及び昇任の
方法
) 第四條
学長
及び
部局長
の
採用
並びに
教員
の
採用
及び昇任は、選考によるものとし、その選考は、
大学
管理
機関
が行う。 2 前項の選考は、
学長
については、
人格
が高潔で、
学識
がすぐれ、且つ、
教育
行政に関し識見を有する者について、
大学
管理
機関
の
定め
る基準により、
学部長
については、当該学部の教授会の議に基き、
教員
及び
学部長
以外の
部局長
については、
大学
管理
機関
の
定め
る基準により、行わなければならない。 (轉任) 第
五條
学長
、
教員
及び
部局長
は、
大学
管理
機関
の審査の結果によるのでなければ、その意に反して轉任されることはない。 2
大学
管理
機関
は、前項の審査を行うに当
つて
は、その者に対し、審査の事由を記載した
説明
書を交付しなければならない。 3 審査を受ける者から、前項の
説明
書を受領した後三十日以内に請求があつたときは、
大学
管理
機関
は口頭審理を行わなければならない。口頭審理は、その者から請求があつたときは公開して行わなければならない。 4 審査を受ける者は、すべての口頭審理に出席し、自己の代理人として弁護人を選任し、陳述を行い、証人を出席せしめ並びに書類、記録その他のあらゆる適切な事実及び資料を提出することができる。 5 前項に掲げる者以外の者は、当該事案に関し、
大学
管理
機関
に対し、あらゆる事実及び資料を提出することができる。 (降任及び免職) 第六條
学長
、
教員
及び
部局長
は、
大学
管理
機関
の審査の結果によるのでなければ、その意に反して免職されることはない。
教員
の降任についても、また同樣とする。 2 第
五條
第二項から第五項までの
規定
は、前項の審査の場合に準用する。 (休職の期間) 第七條
学長
、
教員
及び
部局長
の休職の期間は、心身の故障のため長期の休養を要する場合の休職においては、個々の場合について、
大学
管理
機関
が
定め
る。 (任期及び停年) 第
八條
学長
及び
部局長
の任期については、
大学
管理
機関
が
定め
る。 2
教員
の停年については、
大学
管理
機関
が
定め
る。 (
懲戒
) 第九條
國立
大学
の
学長
、
教員
及び
部局長
は、
大学
管理
機関
の審査の結果によるのでなければ、
懲戒
処分を受けることはない。 2 第
五條
第二項から第五項までの
規定
は、前項の審査の場合に準用する。 (任命権者) 第十條
大学
の
学長
、
教員
及び
部局長
の任用、免職、休職、復職、退職及び
懲戒
処分は、
大学
管理
機関
の申出に基いて、任命権者が行う。 (
服務
) 第十
一條
國立
大学
の
学長
、
教員
及び
部局長
の
服務
について、
國家公務員法
(
昭和
二十二年
法律
第百二十号)第九十六條第一項の
根本基準
の
実施
に関し必要な事項は、同法第九十七條から第百
五條
までに
定め
るものを除いては、
大学
管理
機関
が
定め
る。 (勤務成績の評定) 第十
二條
学長
、
教員
及び
部局長
の勤務成績の評定及び評定の結果に應じた措置は、
大学
管理
機関
が行う。 2 前項の勤務成績の評定は、
大学
管理
機関
が
定め
る基準により、行わなければならない。 第二節
大学
以外の
学校
の
校長
及び
教員
(
採用
及び昇任の
方法
) 第十三條
校長
及び
教員
の
採用
は、選考によるものとし、その選考は、
採用
志願者名簿に記載された者のうちから、
大学
附置の
学校
にあ
つて
はその
大学
の
学長
、
大学
附置の
学校
以外の
國立学校
にあ
つて
は
文部大臣
、
大学
附置の
学校
以外の
公立学校
にあ
つて
はその
校長
又は
教員
の属する
学校
を所管する
教育委員会
の
教育長
(
選考権
者という。この條中以下同じ。)が行う。 2 前項の
採用
志願者名簿は、
校長
又は
教員
の
免許状
を有する者で、
採用
を願い出た者について、
免許状
の種類に應じ、
國立学校
にあ
つて
は人事院、
公立学校
にあ
つて
は
都道
府縣の
教育委員会
が作成する。 3 前二項に
定め
るものを除くほか、
採用
志願者名簿に関し必要な事項は、
國立学校
にあ
つて
は人事院規則、
公立学校
にあ
つて
は
都道
府縣の
教育委員会
規則で
定め
る。 4
教員
の昇任は、從前の勤務実績に基く選考によるものとし、その選考は、
選考権
者が行う。 5
選考権
者は、
教員
について第一項及び前項の選考を行うに当
つて
は、その
学校
の
校長
の
意見
を聞いて行わなければならない。 (休職の期間及び効果) 第十四條
校長
及び
教員
の休職の期間は、結核性疾患のため長期の休養を要する場合の休職においては、満二年とする。 2 前項の
規定
による休職者には、その休職の期間中、俸給の全額を支給することができる。 (任命権者) 第十
五條
公立学校
の
校長
及び
教員
の任命権は、その
校長
又は
教員
の属する
学校
を所管する
教育委員会
に属する。 2 前項の
校長
及び
教員
の任用、免職、休職、復職、退職及び
懲戒
処分については、任命権が行う。 3 任命権者が、
校長
又は
教員
に対し、その意に反して降任し、免職し、その他これに対しいちじるしく不利益な処分を行い、又は
懲戒
処分を行う場合については、
國家公務員法
第八十九條から第九十
二條
第二項までの
規定
を準用する。但し、この場合において、「人事院」とあるのは「任命権者」と読み最えるものとする。 第三節
教育長
及び
專門的教育職員
(
採用
及び昇任の
方法
) 第十六條
教育長
及び
專門的教育職員
の
採用
は、選考によるものとし、その選考は、
採用
志願者名簿に記載された者のうちから、
教育長
については、当該
教育委員会
、
專門的教育職員
については、当該
教育委員会
の
教育長
が行う。 2 前項の
採用
志願者名簿は、
教育長
又は
專門的教育職員
の
免許状
を有する者で、
採用
を願い出た者について、
免許状
の種類に應じ、
都道
府縣の
教育委員会
が作成する。 3 前二項に
定め
るものを除くほか、
採用
志願者名簿に関し必要な事項は、
都道
府縣の
教育委員会
規則で
定め
る。 4
專門的教育職員
の昇任は、從前の勤務実績に基く選考によるものとし、その選考は、当該
教育委員会
の
教育長
が行う。 (
教育長
の退職) 第十七條
教育長
は、
教育委員会
の承認を得て、任期中退職することができる。 (任命権者) 第十
八條
教育長
及び
專門的教育職員
の任命権は、当該
教育委員会
に属する。 2 第十
五條
第二項及び第三項の
規定
は、
教育長
及び
專門的教育職員
に準用する。 以上について
質疑
を行います。
松本七郎
40
○
松本
(七)
委員
再三繰返す点ですが、本來ならば、この
大学
管理
機関
の
内容
を示した
大学
法が提出されてから、並行審議すべきものだと思いますが、現下の特殊の状況のもとにおいてそれは不可能でありますし、またせつかく
教員
の
任免
等に
特例
を設けようというのですから、なるべくすみやかに審議を進めて行きたいと思うのですが、それにしてもこの
大学
管理
機関
の
内容
を
定め
るところの
大学
法というものは、日本の今後の
文化
水準に関する影響の非常に大きい
法案
であることを予想されますので、今後の取扱いについて
文部省
としてよほど愼重にや
つて
いただきたい。これをこの際要望いたしておきます。すでに先ほども申しましたように、この
大学
法が試案ができて、
教育刷新
委員会
の方で問題に
なつ
たときに、
大学
の教授、あるいは一部の学生の間では相当眞劍にこれが取上げられておるのですが、まだ
一般
世間にはどういうものなのか、
内容
その他概略の方向もまだわか
つて
おらないような状態であります。この文部
委員会
でもやつと先般資料をいただきまして、非公式な懇談会で
学校
局長とそれから劔木次長から、刷新
委員会
の審議の経過は概略伺つたのでありますが、どうしてもこれは今後は
一般
の世論に訴えて十分に檢討して、各方面の
意見
をわれわれも聞く必要がありますので、この点は拔かりのないように、特に御留意を願
つて
おきたいということを條件に審議を進めたいと思います。この点ひとつどうぞよろしくお願いいたします。
久保猛夫
41
○
久保委員
小さいことでたくさんあるのですが、第四條の
学長
及び
部局長
の
採用
並びに
教員
の
採用
の選考でありますが、これは自分が
学長
になりたい、
部局長
になりたい
教員
はもちろんありますが、
教員
の中から
学長
、
部局長
を選ぶという場合に、これは
希望
者の中から選考するのでありますか。もし
希望
者の中から選考するのであるとすれば、
希望
者がない場合にはどういうふうにしようとするのであるか。私は
学長
になりたいという申出がない場合があり得ぬとは限りません。これはその例がいくらもあります。つまり
学校
が非常に問題を起して混乱して、教授会等が非常にむずかしく
なつ
た場合には、
学長
になりたいという人はそこに現われて來ないのであります。そういう場合にやはりその人の意に反してでも、
大学
管理
機関
でこれを選考するのであるか。まずそういう点をお伺いしたい。
下條康麿
42
○
下條國務大臣
今お話のような場合があつたことを私も記憶いたしております。それでなりたい人もありますけれども、
大学
の教授を自分の任務と
考え
るような方でありますと、むしろ
学部長
のような
事務
官的な者になりたくないという
希望
が非常に多いのであります。私もある私立
大学
に
関係
しておりますが、教授会では避ける人の方が多いので、なりたいという人はむしろ推薦したくないような人が多いのであります。しかしながらとにかく
学部長
を置かなければならぬということになるから、結局そこで何とか話合いをつけて、だれか適当な人を推すということにな
つて
、結局はできておることになるのであります。やはり教授会の決議に基かないで、上から高圧的に、あるいは今までならば
大学
の管理
機関
あたりが、本部とか何とかというところで任命するところで任命するようなことは避けないのであります。やはり教授会の議決に基いて任命せられるという形をとりませんと、その後のいろいろな進行がうまく行かないので、あくまでも教授会の議を経て行きたい。教授会は今申しましたようにいろいろな場合がありますが、結局はその人が得られるように
考え
ます。
久保猛夫
43
○
久保委員
部局長
にしても
学長
にしてもその場合そうなさるのか。もし選考
機関
では不適当と思うが、自分で名乘り出た者が一人ここにあるというような場合には、やはりその一人を一應選考するのですか。ほかの人はみんな
希望
しないのだというような場合にはどういうふうになりますか。
下條康麿
44
○
下條國務大臣
大体は
希望
者を募るというよりも、そこで選挙いたしまして、そうして選挙の結果
学部長
に、または
学長
——総長とか
学長
とかは別にいろいろ組織がありますが、
学部長
の場合でありますと、たとえば当該教授会で
学部長
を選挙するということになります。何とか
学部長
が選定せられる段階になると思います。
久保猛夫
45
○
久保委員
第十條に「
大学
の
学長
、
教員
及び
部局長
の任用」云々、それは「
大学
管理
機関
の申出に基いて、任命権者が行う。」
大学
管理
機関
が選考し、そうしてそれが任命権者に申し出る、こういうことにな
つて
おります。ここに教授会というのは別に出ておらぬわけです。この管理
機関
というものは、私は教授会というものとは違うと思う。大臣のお話を聞いていると、大体教授会においてそれを選考して推薦して、そうして任命権者の方に申し出るようなかつこうになりそうでありますが、ここに書いてある
大学
管理
機関
というものは、これは教授会とは全然趣が違うものでないかと私は思う。そこで
お尋ね
しているのでございますが……。
下條康麿
46
○
下條國務大臣
私の申し上げたのは、
学部長
について
お尋ね
に
なつ
たように思いましたので……。
久保猛夫
47
○
久保委員
学部長
と
学長
なんです。
下條康麿
48
○
下條國務大臣
学部長
は
大学
管理
機関
で、たとえば教授を何年以上した者とか、あるいは何か適当な基準を設けるだろうと思います。そういう基準に合致した者のうちから教授会で決議して、それに基いて管理
機関
が任命するということにな
つて
おります。
久保猛夫
49
○
久保委員
学長
はどうですか。
下條康麿
50
○
下條國務大臣
学長
については、これは
大学
管理
機関
の
定め
る基準によ
つて
、
学部長
の場合と
違つて
、教授会の決議が書いてない。
学長
の点につきましては
政府
委員
からお答えをいたさせます。
辻田力
51
○
辻田政府委員
大学
管理
機関
の
將來
のあり方につきましては、先ほど
松本
委員
からもお話がありましたように、
大学
法で、はつきりといたすのでありますが、経過的には、それまでの間におきましては
附則
の二十
五條
によりまして、それぞれ從來の慣例を尊重いたしまして、それに基いて経過的な
規定
がございますが、それによりますと、この
学長
につきましては「協議会の議に基き
学長
」ということがあります。その協議会と申しますのは、やはり二十
五條
によりまして評議員及び
部局長
で構成する
会議
でございます。一個の学部を置く
大学
によりましては教授会の構成員、
部局長
で構成する
会議
が協議会ということになりますので、教授会に
部局長
が加わつたものを協議会といたしまして、その協議会で十分議を練りまして、そこで決定したものを
学長
に出すということにな
つて
おる。そこできめました基準によりまして、今度は選考につきましては、
学長
については協議会自身がこれを行うことに二十
五條
によ
つて
な
つて
おるのであります。
從つて
今の協議会と申しますのは、一個の学部だけの場合には教授会と
部局長
をも
つて
構成されておりますので、教授はやはり全員入ることにな
つて
おります。
久保猛夫
52
○
久保委員
そうしますと今
辻田
局長の言われた教授会と
部局長
ですか、それがここでいう
大学
管理
機関
ですか、それと違うのではないですか。
辻田力
53
○
辻田政府委員
大学
管理
機関
は條文のそれぞれによりまして、
大学
管理
機関
というものは全部読みわけておりまして、この場合に
学長
につきましては協議会ということに読むわけであります。それから
部局長
を選考する場合には「
学長
」というふうに、
大学
管理
機関
というものを読みわけるわけであります。それから教授につきましては協議会の議に基きまして
学長
というふうに、
大学
管理
機関
というものを読みまして——これは二十
五條
に書いてあるのでありますが、読みわけて、二十
五條
に「(
大学
管理
機関
等の読替)」というところに、一つ一つ詳しく書いてあるわけであります。
久保猛夫
54
○
久保委員
わかりました。 次に轉任というところと
懲戒
というところに「審査」という
言葉
がある。この審査は大体各
学校
の
大学
の管理
機関
に全然まかせて行われるのであるか。
大学
が五十できた場合に、その五十の
大学
はおのおの何らの連絡なしに、一定の基準もなしに、まつたく独自に審査というのが行われるのであるか。何か一つのよりどころというものが
考え
られるのであるか。それから審査する場合に、甲という
大学
と乙という
大学
に審査の結果に非常に甲、乙があり、
矛盾
があ
つて
もかまわないのであるかという問題、次は第七條でありますが、第七條は個々の場合についてやはり
大学
管理
機関
において長期の休養を決定すると、こうな
つて
おります。私が前に言いました轉任とか、
懲戒
の場合には、もし甲という
大学
と乙という
大学
とが別々の審査をしたからとい
つて
、それは何ら予算的な問題には
関係
がありません。ところがこの第七條にいた
つて
はそうは行かない。もし甲乙丙丁の
学校
に、この個々の場合長期の休職の期間を各々の
大学
にまかせたというような場合には、ただちにこれはその
大学
の予算に差ができて來るのであります。同じ問題について差ができて來る。甲という
大学
ではこの休養を三年とした、乙という
学校
では同じ状態のものを三年としたとする。そういう場合にそこにただちに経費の問題がからんで來るのでありまして、
從つて
この第七條の場合には、ただ單に個々の
大学
にまかせるということには私は行かないと思う。そこでこの第七條のような場合には何らかそこにどこかで統一がとられるか、あるいは標準が
規定
されねばならないのではないかと
考え
られるのであります。その点をどういうふうに
考え
られておるか、これが第二点。第三点は勤務成績の評定の問題で、第十
二條
でありますが、この評定をするのにこれももう
大学
管理
機関
にまかすべきだと私は思うのですが、ここに一定の例をとりますならば、考課表みたような一つのものを
考え
て、それから評定する場合の一つの基準というものを統一される
考え
があるのかないのか。ただそういうことも一切
大学
にまかせるのであるか。そしてこの第二項に勤務成績の評定は
大学
管理
委員会
が
定め
る基準による。この基準の一つのわくというのを、私が聞いておるのは統一されるかどうかということである。この点について伺いたい。
下條康麿
55
○
下條國務大臣
今
お尋ね
になりました諸点については、
大学
法のきめ方で違うのじやないかと思います。実はもし
大学
法のきめ方が、たとえば管理
機関
に関しまして中央に一つの管理
機関
が設けられる。その管理
機関
のもとに総括的な操作が行われる。それからもう一つの
考え
として各
大学
に管理
機関
的なものが設けられる、そこで自身の働きをするということになるかによ
つて
違うのじやないかと思います。もし
大学
の自治を尊重する
意味
において、各
大学
でおのおの自分の管理
機関
を完全に掌握するというようになりますと、今お話のようないろいろな審査とか成績の評定とかについて、統一を欠く場合が起るかと思います。それは現在でも各綜合
大学
、
國立
大学
の間にいろいろ問題がありまして、これらについては逐次
会議
を開きましていろいろな問題を打合せて來ました。休職の期間等についてはどういうふうにするか、その他評定はどんな
規定
によ
つて
評定するかということも打合せた上で、統一して行くことになるのじやないかと思います。
久保猛夫
56
○
久保委員
大体
文部省
の
考え
方を聞いておるのであります。こまかな点はもちろん
大学
法ができなわければわからないことは、私も了解しておるのでありますけれども、
文部省
としては今私が言いましたような点について、たとえば
三つ
にわけて言つたのでありますが、第七條の場合にはこれは各
大学
に全然まかせることには行かないことがあるということ、その他の点はまかせようと思えばまかせられることだ。しかしそれを何らか統一しようという、統一性を求めて行こうという
考え
であるかどうか。第七條はどうでもこうでもこれはある程度統一されねばならない性質のものであると思う。そういう点について
文部省
の
考え
方を聞きたい。
下條康麿
57
○
下條國務大臣
この第
五條
並びに十
二條
等についてもなるべく態度を同じくしたいと思います。これらはいずれも皆重要な点でありまして、甲の取扱いと乙の取扱いとが齟齬しても適当でないと
考え
ます。なるべくこれを統一して行くようにしたいと思いますが、大体
趣旨
は
大学
の意思を尊重して行くという態度でおります。しかし相互の間に連絡をはか
つて
、その間にあまり差のないようにして行きたい。この点は今お話の第七條についても同樣であると思います。
黒岩重治
58
○黒岩
委員
今、
久保委員
が指摘せられました第七條でありますが、
大学
以外の
学校
に対しては休職のままに俸給を支給するところの年限を明記しておりますのに、
大学
の方はこれを何らきめてない。その理由を御
説明
願いたいと思います。
下條康麿
59
○
下條國務大臣
これは昨日一應申し上げたと思いますが、大体いろいろの判定について画一的でなく、各
大学
の自治にまかせて適当にや
つて
参りたい。こういう
考え
方でそこに何ら
規定
をおいてないのであります。しかし今
久保
さんから言われるように統一を欠くおそれがありますので、できるだけ自発的に相互の間に協定を逐げて、適当な運用を逐げたいと
考え
て、別にここには書かない趣意でおります。
黒岩重治
60
○黒岩
委員
それでは大体二年になるか三年になるかわかりませんが、
大学
以外の
学校
に
適用
された年限より短縮されることはないと了解してよろしゆうございますか。
下條康麿
61
○
下條國務大臣
その点は別に今ここにはつきり申し上げかねますけれども、おそらくそういうことになるだろうと思います。ほかの場合よりも短くてよいということには
考え
ないと思います。
黒岩重治
62
○黒岩
委員
もう一点お伺いしたいと思いますが、この
教育公務員
の
任免
その他の
身分
に関することは、
大学
管理
機関
がやるということにな
つて
おりますが、
事務職員
の人事に関してはどこが扱うのでありましようか。これは別の
法律
ができたときに当然決定さるべきものであると思いますが、その辺のお
考え
はどういうふうであるかお伺いしたいと思います。
辻田力
63
○
辻田政府委員
仰せ
のごとく
大学
の
事務職員
については
大学
法によ
つて
はつきり明定されると思いますが、現在においては
國家公務員法
の
規定
が、そのまま
適用
されることになると思います。
松原一彦
64
○
松原
(一)
委員
ちよつと伺いますが、從來
公立学校
の一、二級官は
文部大臣
が任命しておつたのですが、今度は一律一体に級を問わず第十
五條
によ
つて
、
教育委員会
がこれを任命するものと心得てさしつかえございませんか。
辻田力
65
○
辻田政府委員
さようでございます。
松原一彦
66
○
松原
(一)
委員
次に伺いますが、
國立
大学
の方については轉任のところにたいへん念が入れてありますが、
公立学校
の
職員
には任用、免職、休職、復職、退職及び
懲戒
処分があ
つて
、轉任がここに書いてないようですが、これでは意に反した轉任があり得ると思うのでございますが、この点について伺います。
辻田力
67
○
辻田政府委員
轉任の問題でございますが、ここに轉任という
文字
を使
つて
ありませんので、今お申し述べに
なつ
たような御疑問があつたと思いますが、これは任用という中に一本にな
つて
入
つて
おります。出る方からいうと退職の方に相当する場合が多いのでありまして、その場合にその人の意に反してなされる場合には、ただいまの十
五條
の三項の
規定
によりまして救済の
方法
がとられておるわけであります。
松原一彦
68
○
松原
(一)
委員
もう一度伺います。そうしますと、今後各町村にまで
教育委員会
が普及したときには、甲の村の
教員
が乙の村に移る場合には、轉任ではなくて一度退職して、それから乙の村であらためて任用するという形式をとるものと心得てよろしうございますか。
辻田力
69
○
辻田政府委員
さようでございます。
松原一彦
70
○
松原
(一)
委員
もう一つ伺います。その場合に恩給
関係
の年数計算はどうなりますか。從來は切れた場合においての計算はめんどうであつたのですが……。
辻田力
71
○
辻田政府委員
恩給年限を計算いたします場合には通算して恩給を積算されるわけです。
久保猛夫
72
○
久保委員
小さいことですが、十
五條
の任命権者が
教育委員会
であつた場合に、たとえば長崎縣
教育委員会
という名で指令等を出すのですか。それともその
委員長
の名前で出すのですか。
辻田力
73
○
辻田政府委員
長崎縣
教育委員会
として出せます。
久保猛夫
74
○
久保委員
もう一つこれはむずかしい問題ですが、勤務成績の問題であります。勤務成績をどうして評定するかという問題は実にむずかしい問題だと思う。ここでは「從前の勤務実績に基く選考によるものとし」と第四項にうた
つて
ありますが、この勤務成績の評定ということは実にむずかしいことで、結局は神でないものはほんとうのことはできないということになるかもしれませんが、しかし從來私の知
つて
いる
範囲
で申し上げますと、自治体によ
つて
勤務成績評定の標準が非常に違うのであります。あるところでは出席、欠席、早退、遅刻を第一に
考え
てやるところがある。もちろんそれは非常に大事な要点でありますが、あるところではその人の
教育
効果がどんなに高かつたかということを
校長
が判定して、それによ
つて
やるという
考え
がある。しかしまた
校長
の
考え
は主観に流れ功利的に流れるおそれが非常に多いのであります。これはただ單に勤務成績という場合だけでなく、人物を選考する場合も同樣でありまして、私はある先輩の非常に尊敬している人に、甲乙丙丁みな人物の見方が違う場合に、どういうふうにするがよかろうかということを聞いたことがありますが、そういう場合に一番間違わない
考え
方は、同僚に聞くことだということを教えられたのであります。同僚や学友が見た人物並びに勤務成績は、ほとんど動かぬものだということでありまして、私はなるほどそうだろうと思
つて
、その後迷つたときにはいつもそういう
方法
をとつた経驗を持つのでありますが、ただここで勤務成績を選考といえば簡單にできそうであるが、これくらいむずかしい問題はない。そこで第五項には「
学校
の
校長
の
意見
を聞いて」とな
つて
おります。これは一應こうならざるを得ない。私も一應
校長
の
意見
を聞くということが、
校長
を信用してそこにすえた以上、こういうことになると思うのでありますけれども、実はここに非常に問題がありまして、今後
教育
界が漸次民主的にな
つて
行き、
学校
の運営というものがそういうふうにな
つて
行く場合に、必ずこれは問題が起ると私は思うのであります。そこで「
校長
の
意見
を聞いて」というのに、
校長
ばかりでなくて
職員
、
大学
においては教授会というのがあるのだから、そういう一つの
教員
の声、そういうものを聞く必要があるのではないかということが一つ、もう一つは勤務成績を評定するのに、少しこれはむりな
質問
かもしれませんが、あなた方文部
当局
、あるいは大臣は、どういう標準でこれを選考するのが一番よいと
考え
ておられるか。そういう点について伺
つて
みたいと思います。
下條康麿
75
○
下條國務大臣
お
考え
の
通り
まことにむずかしい問題でありまして、実はやはり結局は
選考権
威者の判断できまるほかはないと思います。その場合にとにかく一應
校長
の
意見
を聞いてみるという程度以上、実は名案がないのであります。何かありましたら実は承りたいと思うのであります。それで同僚の
意見
を聞くということも、一つの
考え
方でありまするが、ずいぶんまた逆のこともあるのであります。從來同僚が排擠するようなこともありましたので、まずこの程度で一應進んでみるよりほかない。從來大体こういうようなことをや
つて
おつたのでありますが、大体この程度よりほか、さしあたり書き上げるだけの名案がないように思います。
久保猛夫
76
○
久保委員
從來ひどい人事選考の例は、大都市ほどひどいのであります。大都市であると、社会の者が廣く一人の人物を知るということは困難でありますから、その区域の人が一人の
教員
なら
教員
、あるいは
校長
なら
校長
というものを批判する材料が非常に少い。それで大都市ほど弊害が大きいのです。日本の六大都市の市の課長をしていた者で、私が懇意にしておつた者がありますが、ずいぶん前の話でありますけれども、そこの例などは、一人の
校長
を選ぶ場合にだれを選んでよいかわからないというのであります。そこで一番押しかけて來てしようがない者を選ぶ。それがいいとは思わぬけれども、結局これが一番よかつたというりくつをつけるのであります。そういうふうなことが実際行われて來た。何とかしてわれわれはこういう点を防ぐ
方法
を
考え
ておかなければならぬと思うのです。
人間
には必ず長所もあり短所もある。いくら短所が多い人でも、長所の一つや二つ持
つて
おらぬ者はないのでありますから、りくつは必ずつくのであります。今の大臣の答弁では名案はないと
仰せ
られるのでありますが、この表現をするまでの過程において、どういうことを
考え
てみられたか。それを
辻田
局長に聞いてみたい。
辻田力
77
○
辻田政府委員
勤務成績を的確に評定することは、
仰せ
のようにたいへんむずかしいことだと思います。これをあらゆる角度から見て評定しなければ、正確な評定とは言えないのであります。われわれといたしましては勤惰とか、教授力あるいは
教育技術
の面を含めた教授力、それから
大学
等においては特に
研究
の業績とか、あるいは
教育
活動力、あるいは同僚間の協力状況というふうなもの、またその他にもいろいろあると思いますが、そういうようなものを平素常に
校長
はよく公平に正当に観察しておりまして、その結果を表わすようになると思うのであります。なおそのときに、法文には書いてありませんが、だんだん民主的な
考え
方が成長いたしますと、
校長
としても制度としてではなしに、現実において
教員
の総意をやはり適当にしんしやくしてと言いますか、
教員
全体の意向をよく察知して、評定をするものだと信じておる次第でございます。
久保猛夫
78
○
久保委員
教員
というのはお話の
通り
教授力というものが大事である。教壇に立
つて
は教授力が大事ですけれども、
大学
において部科長であるとか
学長
というような場合には違う。中学、新制高校以下でありますと同様のことが言えるのであります。小
学校
においても中
学校
におきましても、高等
学校
におきましても、教壇に立
つて
の教授力というのと、教頭としての腕、人物と、それから
校長
としては別であります。ところが從來人物選考の場合にはそれをすべて混同しまして、ただ單に教授力があれば
校長
によいと
考え
られる。あなたもそうお
考え
じやないかと思うが、そういうことじやないと私は思います。非常にこれはむずかしい。それでは
辻田
局長の御答弁はこう解していいかどうか、もう一應聞いてみたい。この
校長
の
意見
——
教員
の意向を含めた
校長
の
意見
、こういうお
考え
でありますか。
辻田力
79
○
辻田政府委員
お答えいたします。これは
法律
的に一つの
義務
として行かなければ、その
校長
の
意見
ではないというふうな
意味
ではなくして、現実の問題として
校長
は
教員
の方の全体の意向がどこにあるかということをよく知
つて
、それを自分の勤務成績を評定する場合の重要な材料にするのであろう、ということを信じて疑わないのであります。
久保猛夫
80
○
久保委員
それならそういう表現を
考え
てごらんになりましたか。あなたがそういうことをほんとうに
希望
されるのであれば、あなたのその
希望
がはつきりこの
法案
の中に出て來るような表現というものを、一應と
つて
みられたかどうか、考慮されたかどうか。
辻田力
81
○
辻田政府委員
民主的な思想がだんだんに発展する過程においてそれぞれ違うと思いますが、われわれとしてはそういうことを十三條の第五項によ
つて
、
校長
の
意見
を聞いてという中に十分包含し得ると思
つて
おるのでございまして、
校長
がただ單独に全然無
関係
に、自分の狹い
範囲
だけの問題を追
つて
、勤務成績をきめることはないと思
つて
おるのでございまして、その場合の表現としては、この「
校長
の
意見
を聞いて」ということでわかると思います。
黒岩重治
82
○黒岩
委員
この第十三條、第十
五條
にありますが、
大学
以外の
公立学校
であ
つて
、
教員
の
身分
が
教育委員会
に所属しない
学校
というものがあるでしようか。あればそれを
説明
願いたいと思います。と申しますのは、第十
五條
によりますと「
公立学校
の
校長
及び
教員
の任命権は、その
校長
又は
教員
の属する
学校
」云々と「
校長
又は」の
文字
が特に入
つて
おります。私が一應
考え
て見ますのに、
教育委員会
法が
実施
になりました今日、
公立学校
で
教育委員会
に属しない
学校
が、ほかにあるであろうかという疑問を持つのであります。
辻田力
83
○
辻田政府委員
公立
の高等
学校
以下の
学校
におきましては、
教育委員会
に属さない
学校
はないと思います。
黒岩重治
84
○黒岩
委員
そういたしますと、この法文にあります「その
校長
又は」という
文字
はどういう
意味
でお入れに
なつ
たのでありますか。
辻田力
85
○
辻田政府委員
あるいは
お尋ね
のこととちよつと違うかもしれませんが、その
校長
や
教員
が属する
学校
は縣立の場合もございますし、市町村の場合もございますので、そこはその
公立学校
とい
つて
も設置主体が違いますからそそれによ
つて
それぞれの
学校
に属する
教育委員会
——この
教育委員会
の中には
都道
府縣の
教育委員会
、市町村の
教育委員会
、あるいは組合の
教育委員会
というようなものがありますので、かようにしたのであります。
黒岩重治
86
○黒岩
委員
そうすると今の御
説明
によりましてもまだわかりませんが、「その
校長
又は」の
文字
を入れた
意味
を承りたい。現在
都道
府縣に
委員会
ができましたが、市町村の
委員会
ができるまでは、
都道
府縣の
委員会
がすべての市町村の
委員会
の
教員
の問題を扱うと理解しております。してみると
委員会
に所属しないところの
学校
の
教員
というものはない。そう
考え
ると「その
校長
又は」という
文字
をどう理解していいかということがわからぬ。
辻田力
87
○
辻田政府委員
御
質疑
の
意味
を理解できないのであります。「その
校長
又は」というのは、十
五條
の「
公立学校
の
校長
及び
教員
の任命権」とありますのに対して、「
校長
及び
教員
の属する」ということにすべきだということでございましようか。ちよつと……。
黒岩重治
88
○黒岩
委員
「その
校長
及び」とすれば
意味
がわかると思いますけれども、「
校長
又は
教員
の属する
学校
を所管する
教育委員会
」という表現では、
校長
も任命権を持
つて
おるし、
委員会
も任命権を持
つて
おるような感がいたします。
松本七郎
89
○
松本
(七)
委員
辻田
局長にお伺いするのですがね。この
意味
はこういう
意味
なんじやないですか。
校長
の場合はその
校長
の属する
学校
を所轄する
教育委員会
だし、
教員
の場合はその
教員
の属する
学校
の所轄する
教育委員会
、どつちにしても
教育委員会
がやるのであ
つて
、ただ
校長
及び
教員
と両方入れなくちやならないので、それぞれの属する
学校
を所轄するという文句をここに入れたのじやなかつたですか。
辻田力
90
○
辻田政府委員
さようでございます。その点は
教育委員会
法の四十
八條
で明らかでございますが、黒岩
委員
の御
質問
の、
校長
が任命権を持
つて
おるということがわからないのであります。
黒岩重治
91
○黒岩
委員
私の読むところによると「又は」という
文字
は、
校長
と
委員会
とを並列するような理解しかできないのであります。「
校長
及び」という表現ならば、あなたの御
説明
の御
趣旨
の
通り
理解ができます。
辻田力
92
○
辻田政府委員
これは黒岩
委員
のように誤解といいますか、お読みになる方があるかもしれませんが、それはわれわれとしてはいろいろな
機会
に、そういうことのないように
説明
いたしたいと思います。普通の場合には、
校長
の下にポツがあつた場合には、法制的には
意味
が
違つて
來るのであります。
黒岩重治
93
○黒岩
委員
わかりました。轉任のことにつきまして
松原委員
から
お尋ね
がありましたか、轉任はないという御答弁であつた。ところが実際問題として從來の扱いは、
都道
府縣をまたいで
教員
が異動するときでも、甲の縣からは出向命令を出し、乙の縣で
採用
にな
つて
任命せられるまでの期間が多少ずれがありましても、その間の問題というものは出向命令を出しました地元の
都道
府縣に属しておつたのであります。してみるとその間に実際に期限はなかつた。ところか轉任がないということになると、甲の
委員会
で免職せられて、乙の
委員会
で任用せられる期間の間に、もし空白の時日があつた場合には、
教員
の恩給というものに対して迷惑を及ぼすという結果になりはしないか。こういうように
考え
ますときに、何がゆえに
大学
以外の
学校
の
教育公務員
の轉任を認めないか。この点を御
説明
願いたいと思います。
辻田力
94
○
辻田政府委員
從來の
規定
によりますと、國において任命権を持
つて
おつたのでございます。
從つて
その相互の轉任ということはあり得るわけでありますが、今回
教育委員会
法ができて、またこの細則が施行されますと、任命権者の所在がかわ
つて
來る。それぞれの
教育委員会
の
委員
が任命権者になるわけであります。任命権者の違う間において轉任ということはあり得ない。一方においては退職し一方においては任用されるという形式になるわけであります。ただ御心配にありましたような時間的に空白がありまして、恩給が通算されないということになりますことは、これは極力避けなければならぬことでございますので、そういうことのないように、万全な処置をとらなければならぬと思います。われわれとしましてはそういうことについては、この
法案
が幸いに通過いたしまして
実施
される場合には、
趣旨
の徹底ということについて遺漏のないようにいたしたいと思います。
黒岩重治
95
○黒岩
委員
從來の任命権者は國であつたという御
説明
でありましたが、なるほど二級以上は内閣から辞令が出ております。三級官の
教員
には
都道
府縣からその辞令が出ておつたように記憶しておりますが、そうしてその三級官の
教員
が府縣をまたいで轉任するときでも、その轉任地の知事が出校命令を出しておりました。そうしてみますと、
委員会
は、
免許状
の点から申しますと、市町村
委員会
は
免許状
を與えることはできません。府縣の
委員会
の方から
免許状
を與えるようにな
つて
いると
承知
しておりますが、してみるとその間の取扱いは、從來の三級官の
教員
の取扱いを
都道
府縣知事がや
つて
おつたのと似た性質のものではないかと思いますが、その点十分納得するように御
説明
願いたいと思います。
辻田力
96
○
辻田政府委員
今の点は
研究
しまして、はつきりしたことをあとでお答えいたします。
松原一彦
97
○
松原
(一)
委員
ついでに
辻田政府委員
に
お尋ね
しますが、
都道
府縣の
公立学校
の
教員
が、その同一府縣内において轉任するということはあり得るものと思いますが、そう心得て間違いありませんか。
辻田力
98
○
辻田政府委員
同一府縣内におきまして、縣立の
学校
間においては轉任ということはあり得る。しかし市町村立の
学校
につきましては、相互轉任することはないのであります。
松原一彦
99
○
松原
(一)
委員
もう一つお伺いいたします。その場合に意に反したる轉任が行われますか、どうですか。
辻田力
100
○
辻田政府委員
縣立
学校
の場合は本人の意思に反するということもあり得ると思います。
松原一彦
101
○
松原
(一)
委員
もう一つ伺います。その場合に、意に反して轉任を命じた場合に対する取扱いに関しては何も書いてないようですが、轉任ということをどうしてそこで拔いてあるのか。「その意に反して降任し、免職し云々」とあ
つて
、その意に反したる轉任がない。この点についてはどうお
考え
に
なつ
たのでありましようか。
辻田力
102
○
辻田政府委員
ただいまの事故が起りました場合は第十
五條
の三項に、「その他これに対しいちじるしく不利益な処分を行い」ということが書いてありまするが、今の意に反して轉任をさせられるような場合には、「いちじるしく不利益な処分」という中に事実それが入りますと、それに対しては救済の道が講じてあるのであります。
松原一彦
103
○
松原
(一)
委員
その場合には「
國家公務員法
第八十九條から第九十
二條
第二項までの
規定
を準用する」とありますが、そうなりますとそれは人事院の
関係
でありますけれども、ここでは任命権者と読みかえるならば、同じ任命権者の行つたる不法もしくは不利益なる行為をその任命権者に訴えて、それで最後の解決となるのでありますか。
辻田力
104
○
辻田政府委員
任命権者が一つの処分を行いまして、それが非常に不利益な処分であつたという場合には、本人からいろいろ適当に書類等を備え、あるいはまた弁護人等を出して任命権者に向
つて
要求をするわけであります。その場合に任命権者はそういう資料を十分参酌して、それでもなお自分の行つた行為が適当であると思つた場合には、もとの
通り
の判決、判定をするかもしれませんが、しかしその場合に時間的な考慮の余地を與える。また資料等によ
つて
反省の
機会
を與えるということになるわけです。これはちよつと変にお
考え
になると思うのですが、訴願のような場合にも、やはり処分廳に対して訴願をするということになりまして、そういうふうな先例もあるのでございます。
圓谷光衞
105
○
圓谷委員長
明日は午前十一時から開会いたします。本日はこれにて散会いたします。 午後六時七分散会