○
土屋説明員 ただいまの御
質疑にお答え申し上げます。ただいまの御
質問の内容に二つの点があると思います。それは二十六円をどういうふうに
養蚕組合に配分するかという問題と、もう
一つは全体平均してみても二十六円では安過ぎるのではなかろうかという二つの問題があります。繭の取扱数量の非常に多い組合でありますれば、收入が多いから
指導員の給料も十分だが、繭の取扱が少い組合につきましては、收入は少いために非常に
経費がやりくりができぬという実状だろうと思います。この点につきましては、これをどういうふうに縣ごとに配分するか、縣までの配分の仕方は
農林省の
蚕糸局の方で御配慮がございまして、これを役所が勝手にきめることはよろしくなかろうという観点から、特に
蚕糸業の
関係の業界の方に
委員を出していただきまして、その
委員会の決定によ
つてその配分をきめられたと思
つております。その配分の
方法は、
指導員の人数に應じて配分するのを五〇%、他の五〇%は繭の出荷数量に應じて配分する、こういうふうにたしか
なつたと思います。その結果は繭の取扱いの少い組合に対しても、
技術員の
指導員の
設置されております人数によ
つて配分されるものが五〇%ございますから、非常に救われるわけでございます。この点については
設置してある
指導員の人数による配分のウエートをもつと高めた方がいいという御
意見も出ておつたようでありますが、
先ほど申し上げましたように、選出されました業界自身の代表の
会議によ
つて五割ということに
なつたと思います。その点によりまして、少しの繭の取扱いしかない組合でも、よけいのものがもらえるということにな
つておるわけであります。
第二の点は、平均しての二十六円では安過ぎはしないか、一般に賃金ベースもだんだん上
つてきておるから、
指導員の給與もそれだけ拂わなければならぬが、これは二十六円では平均額に足りないのだという御
意見であると思いました。それは
物價廳といたしましては、今の二十六円を
製糸家の買います繭原價の中に織り込んだということが、非常に何と申しますか
努力した結果が見えておるのでありまして、一方これに対する反対としては、
養蚕の指導のための費用は
養蚕家自身が負担すべきものではないか、
養蚕家がよい繭をつくるのは、
養蚕家が自分で
努力すべきものである。それを糸の中にその給與を織り込んで、その金で
指導員を置くことはおかしいではないかというような
意見もあつたわけですが、
アメリカ式の近代的な農業
生産であれば、当然そういう議論が起ると思いますが、わが國はそうではない、
日本の
養蚕、製糸業の
從來の
状況からすれば、これは
生糸の中に織り込まなければならぬのだと
説明いたしまして、それならば今回に限
つて二十六円は入れるということできまりまして、從いましてその後物價が上
つておるので、二十六円をさらに上げて糸の
値段を上げるということは、
從來の経過から見ても困難なことだと思います。