○田中(稔)
委員 そこで冗員を
整理するということについては、私
ども社会党としてももちろん異議はないのでありますが、
ほんとうに冗員であるかどうかということが問題になる。これは先ほど
黒田君の
質問の中にもありましたように、
特別会計に属する郵政省、
電氣通信省というような所、あるいは今度公共企業体になりました
日本國有
鉄道、專賣公社というような所においては、特に現業に当る人々が非常にふえておる、戰前よりずつとふえておるという現象があ
つて、一見これは非常に不合理に見えても、実はそれは機械設備が非常に惡く
なつたためであるとか、あるいは消費します石炭その他の資材の品質が非常に落ちておるためであるとか、それからまた食糧が十分でないために労働能率が落ちておるためであるとか、あるいはまた通勤をする際の交通
機関が非常に惡くな
つておるために能率が落ちておるとか、さらにまたこれは違
つた意味でありますけれ
ども、労働基準法が実施されたということの結果として、どうしても一見非常に多過ぎるように見える
定員も実際は必要なことで、今日の技術的な、それからまた社会経済的な事情の
もとにおいて、これは必要なんだということが、その
方面の労働組合の代表者の私
どもに話すところである。私
どもはそういう諸君の話を聞いて、むしろそれはもつともであると
考えておる。それで私は
岩本國務大臣が非常に勇敢な
整理をやろうとお
考えになりましても、それからまた
北委員はさらにそれに拍車をかけるような御提言がありましたが、私はなかなかできないと思う。しかしながら冗員がかりにあるとするならば、それは私はむしろだんだんと階級が上に進むに
從つてその冗員はあると思う。高級
官吏というようなものは、これは十分
整理していただきたい。
相当私は冗員はあると思う。だからもし
整理をなさるならば、むしろこういうところに大いに注目してもらいたい。このことは政治的にも重要だと思う。
北委員からも御発言がありましたように、
日本の民主革命は表面的にはなめらかに進行しておるようでありますが、一皮はぎますと、社会の実体においては民主革命の進行は決してそうなめらかに進んではない。政治の上においても社会党が政権をとる、あるいは民主党がとる、民主
自由党がとる。こういうふうに政党が一應政治の責任をと
つておりますが、実際に
日本の政治を動かしておるものは、むしろ戰爭によ
つて大して変動を受けないところの
官吏層、そうしてその
官吏層においても、特に高級
官吏というところがやはり
一つの特権的な地位を擁して、陰に陽に
日本の民主化の進行を妨害しておるという事情も私はあると思う。こういう高級
官吏の諸君は、朝に源氏を迎え、夕に平氏を迎えるというようなかつこうで、そのときどきの
政府のごきげんをとり結ぶことにおいては非常に巧みでありまして、そういう官界遊泳術には長けておりますが、これがなかなかしぶとい存在でありまして、これが
一つの政治的な力を持
つておる。歴代の
政府はこういう高級
官吏層に対しましては徹底的な態度をとることはできない、いつのまにかそういう
官吏層の手玉にとられるというようなかつこうにな
つておる。民主
自由党はいろいろな点において私
どもは不満であります。しかしながら民主
自由党があくまで民間の総意を政策の上に盛ろうという多年の御主張に対しては一應敬意を表する。私はそういう民主
自由党の出身者である
岩本國務大臣に対しましては、雇員、傭員という公務員の下層を占める人々に対して、首切りのなたを振うのではなく、むしろ高級
官吏層に向
つて、そこに冗員があるならば、徹底的に
整理してもらいたい。ただしかしながら、私はこういうことを
岩本國務大臣に希望するのでありますけれ
ども、民主
自由党はこの間から古手の高級
官吏をたくさんかかえ込んで、次期の総選挙に立てようというようなお
考えもあるようでありますから、このことは私は民主
自由党の
大臣に望んでもできることだかどうかわかりませんが、一言希望を申し述べておきます。
私の
質問は大体この
程度にしてこれでやめることにいたします。