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1948-12-13 第4回国会 衆議院 逓信委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年十二月十三日(月曜日)     午後零時開議  出席委員    委員長 原 健三郎君    理事 奥村 竹三君 理事 片島  港君       磯崎 貞序君    江崎 真澄君       加藤隆太郎君    白井 佐吉君       本間 俊一君    海野 三朗君       大島 義晴君    田島 房邦君       橋本 金一君    竹山祐太郎君       宮村 又八君    中野 寅吉君       野坂 參三君  出席國務大臣         逓 信 大 臣 降旗 徳弥君  出席政府委員         逓信事務官   鳥居  博君         逓信事務官   小笠原八十美君         逓信事務官   中山 次郎君         逓信事務官   村上  好君  委員外出席者         議     員 庄司 一郎君         專  門  員 吉田 弘苗君         專  門  員 稲田  穰君 十二月十三日  委員林百郎君辞任につき、その補欠として野坂  參三君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 十二月十日  川前村大字下桶賣に無集配特定郵便局設置の請  願(關内正一郎紹介)(第二八号)  八幡濱市放送局設置請願井谷正吉君外八  名紹介)(第三九号) 同月十二日  福井貯金支局存続請願(林百郎君紹介)(第  七一号)  陸中門崎駅前郵便局設置請願志賀健次郎  君紹介)(第七七号)  嚴美村山谷郵便局設置請願志賀健次郎君  紹介)(第九九号)  通信教育に要する郵便料金軽減請願(圖司安  正君紹介)(第一一四号)  大高根郵便局集配局昇格請願海野三朗  君紹介)(第一一五号) 同月十三日  電話公債額等級設定請願庄司一郎君外二  名紹介)(第一四八号)  電話料金等軽減に関する請願庄司一郎君外二  名紹介)(第一四九号)  電話移轉に関する請願庄司一郎君外二名紹  介)(第一五〇号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した請願  一 川前村大字下桶賣に無集配特定郵便局設置    の請願關内正一郎紹介)(第二八号)  二 八幡濱市放送局設置請願井谷正吉君    外八名紹介)(第三九号)     ————————————— 日程追加  一 福井貯金支局存続請願(林百郎君紹介)    (第七一号)  二 陸中門崎駅前郵便局設置請願志賀健    次郎紹介)(第七七号)  三 嚴美村山谷郵便局設置請願志賀健次    郎君紹介)(第九九号)  四 通信教育に要する郵便料金軽減請願(圖    司安正紹介)(第一一四号)  五 大高根郵便局集配局昇格請願海野    三朗紹介)(第一一五号)  六 電話公債額等級設定請願庄司一郎君    外二名紹介)(第一四八号)  七 電話料金等軽減に関する請願庄司一郎君    外二名紹介)(第一四九号)  八 電話移轉に関する請願庄司一郎君外二    名紹介)(第一五〇号)     —————————————
  2. 原健三郎

    原委員長 これより会議を開きます。  去る十日本委員会に付託になりました請願二件を議題として審査いたします。  まず日程第一、川前村大字下桶賣に無集配特定郵便局設置請願關内正一君紹介文書表第二八号の紹介に入ります。紹介議員がお見えになつておりませんので、白井君よりかわつて請願趣旨を御説明願います。
  3. 白井佐吉

    白井委員 紹介議員關内正一君不在のために、私かわりまして該請願理由説明いたしたいと存じます。  本請願要旨は、福島縣石城川前村は川前、上桶賣、下桶賣、小白井の四大字からなつており、人口は約四千もあるが、現在郵便局川前部落にあつて他の三部落とかけ離れている、しかるに米穀、葉煙草薪炭等の主産地はむしろ前記三部落が占めているので、住民の貯蓄に重大な支障を來しているのみでなく、下桶賣には学校葉煙草収納所家畜市場等重要施設があり、特に家畜の取引上に多大の不便を來している、ついてはすみやかに本村中央部に位する下桶賣に無集配特定郵便局設置されたいというのであります。
  4. 原健三郎

    原委員長 政府側の意見を承ります。
  5. 小笠原八十美

    小笠原政府委員 ただいま問題になりました福島縣石城川前村大字桶賣に無集配特定郵便局設置いたします問題につきまして、調査して見たのでございますが、大体この郵便局設置いたします予定地を大字下桶賣字下桶賣といたしますときは、最近の郵便局との距離は六・一キロございまして、距離の点から言いますと相当離れておるのでございますが、山間の散在部落でございますために、この郵便局を利用する戸数が少くて、逓信省の無集配郵便局設置標準に達しておりませんので、早急実現いたしますことは困難でございます。なお將來計画上十分參考といたしたいと存じます。
  6. 原健三郎

    原委員長 何か御質問ございませんか。——なければ次に移ります。     —————————————
  7. 原健三郎

    原委員長 日程第二、八幡濱市放送局設置請願紹介議員井谷正吉君外八名紹介文書表第三九号の審査に移ります。紹介議員がお見えになつておりませんので白井君からかわつて請願趣旨を御説明願います。
  8. 白井佐吉

    白井委員 本請願要旨は、八幡濱市は九州、四國連絡最短距離にあり、現在國営連絡航路の前提である政府命令航路の起点となり、晝夜二往復の船便が実施され將來の重要性が約束されたため、ますます地方ニユース産業界の消息、氣象通報等の完全なる聽取の必要性が拡大化されて來た、ついてはすみやかに該市に放送局設置されたいというのであります。
  9. 鳥居博

    鳥居政府委員 ただいまの請願の御趣旨につきまして、政府といたしましてもごもつともと存ずるのでございますが、御承知のように、ただいま使用しております放送の波長は数が制限されておりますので、現在晝間は全然ラジオの聞えないという所が日本中にまだ相当ございます。これを早く日本國中くまなくラジオが聞える状態にいたしますことを、逓信省並びに日本放送協会では目下鋭意努力しておりますので、今回の御請願趣旨のような、放送は一部聞えるが、一つの縣の放送がよく聞えないというような地域日本にまだたくさんございまして、これをただちに救済するために、そういう箇所に放送局設置することは、現在の状態においては困難でございます。從いまして、政府といたしましては、何らか他の方法によりましてこういう事態を救済いたしたいと考究しておりますが、放送局設置ということは当面困難だと存じております。
  10. 原健三郎

    原委員長 何か質疑はありませんか。     —————————————
  11. 原健三郎

    原委員長 この際おはかりいたします。昨日本委員会に付託されました請願五件、及び本日付託されました請願三件を日程に追加いたして審査を進めたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 原健三郎

  13. 原健三郎

    原委員長 まず追加日程第一、福井貯金支局存続請願でありますが、紹介議員見えておりませんので、これをあとまわしといたします。     —————————————
  14. 原健三郎

    原委員長 次に追加日程第二、陸中門崎駅前郵便局設置請願志賀健次郎紹介、第七七号の審査に移ります。紹介議員見えられませんので、白井君よりかわつて趣旨説明を願います。
  15. 白井佐吉

    白井委員 この請願要旨陸中門崎駅前郵便局新置、新設場所大船渡線陸中門崎駅前、右は今般左記理由により設置せられんことを請願に及び候也。  本村は東磐井郡の西部に位し、面積一・二万里戸数四百七十一戸、人口二千八百四十六人を有し、大正十四年七月鉄道大船渡線開通とともに陸中門崎駅を設置せられ、戸口の増加ことに著しく、いままた復員及び引揚者援護事業をして未懇地開択專の入植に伴い、一躍二十余戸の増加を見るに至れり。交通水陸ともにあえて不便なく、舟運は北上、砂鉄の二流によるべく、陸運は鉄道及び縣道二線縦横に貫通し、ひとり村内のみならず、隣接町村に対する貨物の集散年とともに増加し、ことに村内において山岩、川崎、宮沢の三大製材所は、いずれも都内屈指の大工場にして、昨二十二年五月設置されたる天沼石灰工場は、無限の資材を擁して一大発展の途上にあり、これらの諸工場いずれともその経営すこぶる堅実にして、社運日を追うて隆盛に向いつつあり。村内また勝地として石藏山の眺望、古殺最明寺、奇勝布佐窟、古戰場川崎柵趾等菱勝観光の客年を追うて増加し、從つて駅前商店軒を並べて漸次市街化しつつあり。かくのごとき状況なるをもつて通信運輸事業も年とともに繁劇を加うるのとき、本駅に到着せる郵便物は、一旦約四キロ南方の薄衣局に送られ、翌日に至り再び本村内に配達されるの迂遠を見るは実は忍ぶあたはざる現状にあり、ゆえをもつて郵便局新設要望地方民一同熱意にして、その一日もすみやかならんことを希望するや、まことに切なるものあり、こいねがわくば、この熱意を了とせられ、その設置のすみやかならんことを、ここに本村議会決議録を添え、つつしみて請願奉り候なり。以上が要旨であります。
  16. 中山次郎

    中山(次)政府委員 陸中門崎駅前郵便局設置いたしまして、この郵便局をして郵便物集配を行わせますことは、郵便物の逆送を防止いたしまして、郵便速達上の効果は考えられるのでございますけれども、現在の受特集配郵便局との距離がわずか二・四キロしかございませんので、非常に距離が近いのでございます。また門崎村だけをもつて郵便集配区域とすることになりますと、非常に狹くて適当でございませんので、差向き実施することは困難でございます。しかしながらそういう郵便集配事務をやるのではなくて、ここに窓口機関を置くことはどうかということも、あわせて研究いたしてみたのでございますが、これはすでにありまする郵便局の間の距離から考えましても、その場合において、窓口機関を利用されます方々の戸数に徴しましても、大体私ども標準には該当いたしますので、將來他との振り合いを見まして、考究いたしたいと存じております。
  17. 原健三郎

    原委員長 何か質疑はございませんか。     —————————————
  18. 原健三郎

    原委員長 次に紹介議員の都合によつて日程を少し変更いたしまして、追加日程第六を上程いたします。追加日程第六、電話公債額等級設定請願庄司一郎君外二名紹介文書表第一四八号の審査に移ります。紹介議員より趣旨説明を願います。庄司一郎君。
  19. 庄司一郎

    庄司一郎君 特別のおはからいをいただきまして、ありがとうございます。  この請願は、電話公債法改正をお願いする結論請願でございますが、現行法によつて、全國都市町村とも画一的に、一律に電話公債三万六千円という金額負担しなければならないような状態になつております。これは大都市あるいは中小都市と比較して、元の特設電話組合などというもので発達して参りました、人口からいいましても一万以下とか、あるいは戸数からいいましても四百戸、五百戸というような小農村等、これらも画一的な同額の負担と相なつておるようでございます。換言すれば、電話利用の度数において非常に天地霄壤の差異のある小農村等にいたるまで同一金額、すなわち三万六千円を負担しなければならぬというような状態になつておりますることは、まことに小町村等にとつて重い負担である。よつて現行の画一的な三万六千円負担制を御改正を願いまして、これを九等級くらいにわけていただいて、それぞれこの利用價値の高度なものと、ただいま申し上げたような小農村というようなものとの間に、相当のハンディキャップを用いていただきまして、社会政策的に負担の公正をおはかりを願いたいというのが請願要旨であります。この請願最後に、また電話公債をただいまのように鉄筋コンクリートをつけて固めておかないで、政府の奨励されるところの証券の民主化の面から申しましても、この電話公債を、場合によつて金融機関等より金融を受け得る担保等になし得るような措置を講じていただくこともお願い申し上げたい。かような請願者からの請願趣旨でございます。
  20. 中山次郎

    中山(次)政府委員 ただいまの電話公債額に差等をつけたらどうかという御請願に対しまして、当局の考えておりますところを御回答申し上げたいと存じます。現在まで電話公債を引受けていただきまして、架設しております状況を申し上げますと、大都会におきましては、結局既存設備その他電話局より長距離に離れておりますために、工事支障がありまして、せつかくお申込みをいただきましても、御希望に沿えない件数が相当ございます。また地方にありましては、電話局の方には余裕がございますが、遺憾ながらただいまお話にありましたように、三万六千円の負担が相当過重なために、地方といたしましては、これに應募していただけないような実例もございますので、こういうような実況から考えまするならば、本年度におきましては、一應三万六千円ということにいたしまして、緊急度の高い復旧地域につきまして計画を進めたのでありますが、來年度におきましては、お話にありましたように、地方におきまして、余裕のある場所に、また御希望に沿えるように、電話公債の額につきまして相当等差を付しまして、御利用者の便宜をはかることも必要じやないかと私ども考えております。ただこの点につきましては、今後の物價、給與の値上りに関連いたしまして、その三万六千円の金額以下において、どの程度等差が付し得られますかというようなところも、具体的に檢討しなければなりませんので、現在におきましては、この等差設定是非につきまして檢討中でございまして、なるべく御期待に沿いたいと考えておる次第であります。また電話公債の性質からいたしまして、これは拜借する金額なのでございまして、できるならばなるべくその地方地方におきまして等差を付しまして、御希望に沿いますと同時に。今お話のありましたような担保力も相当加えまして、なるべく御迷惑のかからぬようにいたしたい、これも今後は大藏当局の方とも相当折衝いたしたいと存じておる次第でございます。     —————————————
  21. 原健三郎

    原委員長 次に追加日程第七、電話料金等軽減に関する請願文書表第一四九号の審査に移ります。紹介議員より趣旨の御説明があります。庄司一郎君。
  22. 庄司一郎

    庄司一郎君 ただいま議題と相なりました請願要旨は、電話維持料金はただいま全國七等級にわかれておりまするが、五等級という区域以下は、現在非常にこの負担に苦悩しておるような状態でございます。この五等級程度人口にして大体一万くらい、戸数において約二千戸くらいの町村でございますが、そういう町村の富の程度から言いまして、中産階級以下のものが、大い地方では、非常に苦んでおるような状態でございます。かような結果、五等級以下の町村等においては、電話を本省の方に返還するというような加入者が続々出て参つております。宮城縣だけでも約二百近いところの返上者申込みが出ており、全國においてはおそらく数千という数になろうと推定されるような状態であります。よつて請願結論は、現在の七等級をさらに九等級程度に細分化していただきまして、現在の五級程度町村から下の方——下の方というのは人口戸数において少い小町村でございますが、一級程度ずつ低下していただきたい。かようなことをおやりくださいましても、全体の総合的な國庫の歳入には別段影響があるまいと思われるのでございます。またことに現在の五級以下の町村電話所有者は、全体の数から見てきわめて僅少であると考えておりますので、政府收入の点から見ますと、御迷惑をかけないで相済むであろうというような信念の上から、現行の七等級区分を九等級程度にしていただいて、大所高所から、社会政策的な見地から御改正を願いたいというのがこの請願趣旨でございます。
  23. 中山次郎

    中山(次)政府委員 ただいま御請願電話料金等の制限に関しましては、先般來いろいろの物價値上げに伴いまして、通信料金の一部といたしまして、諸種の電話料金が相当大幅に引上げられました結果、電話を御利用いただきます皆様方に非常に御迷惑をかけております点は、まことに恐縮に存ずる次第でございまして、特に地方の小都市におきます電話の御利用者については、相当多額の料金負担していただいておることになりまして、恐縮に存ずるのでありますが、しかし現在の電話事業電氣通信事業財政状態から見まして、これを全般的に低減いたすということは相当難色がございます。しかしできるだけ電話事業を合理化経営いたしまして、経費の節約をはかり、なるべく早い時期におきまして、少しでも利用者負担軽減いたしたいというふうに努力いたすつもりでございます。特に今お話のありましたような七等級を九等級にするというようなことによりまして、もし軽減できますならば、財政の許す範囲においてやることも一つ方法と考えられますので、この等級増加につきましては、さらにその是非について檢討いたしたいと存じておる次第であります。
  24. 原健三郎

    原委員長 何か御質問はありませんか。     —————————————
  25. 原健三郎

    原委員長 次に追加日程第八、電話移轉に関する請願庄司一郎紹介文書表第一五〇号に移ります。紹介議員庄司一郎君。
  26. 庄司一郎

    庄司一郎君 最後移轉に関する請願は、本年六月までまつたく自由であつた電話移轉が、讓渡の場合三万六千円の公債を買わされますことはもちろんだが、名義書きかえをせざる賃貸借その他一時的利用のため他の場所移轉する等の場合、それらの一切が絶対禁止に相なつておるようでございますが、これははなはだ不合理ではあるまいか。たとえば選挙等の場合において、一時甲の場所から乙の場所電話を移動する、あるいは会社において、自分の支店の所在する同町内において移轉するとか、その他必要があつて甲の場所から乙の場所へ暫定的に移轉する等の場合においても、絶対禁止になつているが、これはどうしたものか。自分の持つている電話讓渡した場合は別問題で、三万六千円も妥当でございましようが、讓渡もまつたくしないで、暫定的の必要があつて移轉したいという場合も禁止さるるというようなことはどういうものか。請願の本文には、最初は憲法違反だと書いてありましたけれども、そんなことは請願文書からはとらせましたのですが、何とかそういう正しい意味における移動の場合にも禁止さるるというようなことがなく、実態に即應してはいかがなものでございましようかという請願趣旨でございます。
  27. 中山次郎

    中山(次)政府委員 ただいま請願の、讓渡免許に伴いまして、三万六千円の公債負担していただく点は別といたしまして、同じ電話の持主の方が、いろいろな事情によりまして、その電話機を現在の場所からほかの場所移轉されるようという問題につきましては、今お話のございましたように禁止しておるというような事実は、規則上もまた実際においてもないと思うのでありまして、それは何か電話局その他の方の説明の不備で、そういうふうに誤解せられまして、まことに恐縮に思つておるのであります。実はこの移轉につきましては、ただ工事上非常に困難がございまして、そのためにせつかく御申請になりましても、時期が非常に遅れたり、または当分実現できない点をお断りしている事実はあるかと思うのであります。全國的に見まして、ただ資材なり予算の面に余裕がないために、その移轉に應じかねる場所は相当多いのでありますが、個々の問題につきまして可能な所、また電話局として余裕のあります所は、これに應じまして御希望に沿うておる次第でございます。從いましてこの御請願の御趣旨に基きまして、私どもといたしましては予算資材の許す限り、なるべく現在工事上困難な地域につきましても御希望に沿えるように努力いたしたいと考える次第であります。     —————————————
  28. 原健三郎

    原委員長 それでは残余の日程を上程します。追加日程第三、嚴美村山谷郵便局設置請願志賀健次郎紹介文書表第九九号の審査に移ります。紹介議員見えておりませんので、白井君からかわつて趣旨を御説明願います。
  29. 白井佐吉

    白井委員 嚴美村山谷郵便局設置に関する請願要旨を申し上げたいと思います。  本村文化経済の興隆、再建と民生の安定を期して、村民の福利増進をはかり、平和日本経済文化再建に寄與するため、本村山谷郵便局を急速に設置せられたく、別紙関係書類を添えてここに請願するものであります。  一、概説 本村岩手縣西磐井郡の西部に位し、東は本郡山目萩荘の両村に、西は秋田縣雄勝郡に、南は宮城縣栗原郡及び本郡萩荘村に、北は膽沢郡衣川、若柳両村及び本部平泉村に接し、地形は東西に長く南北に短く、村の中央から西部はほとんど山林原野で、東部は耕地が拓け、五串、諸岡山谷本寺、小猪岡瑞山の六部落をつくる。磐井川は源を須川岳に、小猪岡川は源を沼の森に発し、いずれも西から東にやや村の中央を貫流し、耕地灌漑発電用その他用水に使用されている。面積は十二方里余あり、この内に耕地七一五町歩(水田五三九町畑一七六町)山林一八、二一七町(國有林八、〇一六町民有林一〇、二〇一町)ありて、戸数九二五戸、人口五、六四四人を有する農山村である。この中に   既設の郵便局二局があつて、嚴美、本寺と呼称され、從來は五串、猪岡山谷部落嚴美局に、本寺、小諸岡瑞山部落本寺郵便局に属してあつたが、村の中央に位する山谷部落は、ちようど嚴美局本寺局の中間にあるため不便きわめて多く、ためにいたずらに時と労力を浪費するの状況にあり、山谷郵便局設置こそは部民の切なる要望であつた。  二、置局について(一)地勢 山谷部落本村中央にあつて、東は五串と界し、西は本寺、南は深立目を経て磐井川を距て、猪岡北膽沢郡衣川村及び本郡平泉村と接す。面積は約一、七万里戸数一二四戸、人口八五〇人あり、村道山谷菅生沢線と通じて、膽沢郡衣川村のうち餅轉楢原大原南股の各部落に至る。この地方民はいずれもこの山谷に物資の集散交通を求めておのずから一枢要地区となしたり。(二)関係戸数人口山谷 一二四戸 八五〇人、深立目二一戸一四九人、衣川餅轉五戸 三八人、楢原一一一戸 六七人、大原 四〇戸 二八一人、南股 二〇戸 一三八人、計二二一戸 一、五二三人、(三)人文 イ、警察署役場郵便局への距離嚴美村巡査駐在所及び嚴美村巡査駐在所及び嚴美村役場まで約六キロ、嚴美郵便局まで約六キロ、本寺郵便局まで約七キロ ロ、病院学校への距離山谷國民学校及び嚴美青年学校まで約一キロ、日本医療團嚴美診療所まで約六キロ、(四)交通 東北本線一関駅より十四キロで一日四往復岩手縣自動車株式会社定期自動車の便がある。なお道路は縣道一関須川温泉線である。(五)産業、この部落耕地も拓け、また山林も相当あつて、木炭は衣川村分も加えて年産三万五千俵を算へ、米は政府買上米のみで七五〇石あり。これ等の賣上金從來嚴美局及び嚴美村農業会を利用するため、その手数は大きなものがある。(六)局舎及び敷地局舎と   敷地は村及び地元でこれを斡旋することになつていて、すでに予定地をあげている。(七)通信関係嚴美局本寺局との間に十二月中に電話が架設され、電信電話が開始されるので、あらためて架設することなく、ただちに開始可能とみられる。
  30. 小笠原八十美

    小笠原政府委員 ただいま嚴美村山谷郵便局設置する請願につきまして、まことに詳しい御説明があつたのでございますが、実は私どもの方で現地の逓信局について調査いたさせました結果、嚴美村大字嚴美宇山王、通称山谷に未集配郵便局設置いたしますことは、ただいま御説明のように附近局であります本寺郵便局とは五・三キロ隔つている。また嚴美郵便局との関係におきましては五・八キロ隔てておりますので、距離の点から考えますとまことに御不便なことと存ずる次第でございます。ところが何分にも私どもの方の計画によると、利用戸数が非常に少いため、さような面からは無集配郵便局設置標準にいまだ達しておりませんので、早急実現することは困難であると存じます。なお將來の計画上十分参考といたしたいと存じます。     —————————————
  31. 原健三郎

    原委員長 次に追加日程第四、通信教育に要する郵便料金軽減請願、図司安正紹介文書表第一一四号の審査に移ります。紹介議員がお見えになつておりませんので、海野三朗君よりかわつて趣旨の御説明を願います。
  32. 海野三朗

    海野委員 学校に入り得ない地方の向学心に燃えている人たちがこの通信教育にあずかつておるのでございまして、今日住宅に非常に困つておるので下宿さえもでき得ない。そういう惠まれざる境遇に置かれておる青年の人たちの通信教育でありまするが、郵税が非常にかさみますので、まことに困難を感じておるわけであります。だが地方の田舎におりまして学校に入り得ない青年の教育、これは日本再建には最も大切なことであると私は考えるのでありまするが、この料金を何とか特別な詮議にあずかつて安くしていただきたい、そういう意味の請願でございます。
  33. 降旗徳弥

    ○降旗國務大臣 ただいまの御趣旨は十分了承のつくところでありまして、通信教育の振興上ごもつともなことと思うのであります。しかしながら御存じの通りそういうとりはからいをいたす場合は郵便收入はある程度の影響を免れないのでありまして、この点につきましては、本省といたしましてさらに考究する余地がまだ残つておるのであります。從つて趣旨は了承いたしまして、できるだけ研究して、他日何らかのお答えをいたしたい、かように思います。
  34. 原健三郎

    原委員長 何か質疑はありませんか——なければ次に移ります。     —————————————
  35. 原健三郎

    原委員長 次に、追加日程第五、大高根郵便局集配局昇格請願海野三朗紹介文書表番号第一一五号の審査に移ります。紹介議員より趣旨説明を願います。
  36. 海野三朗

    海野委員 大高根、あの地方部落は、奥羽線の楯岡から白鳥の局を経まして、そうして大高根に配達されておるのであります。縣廳あたりからの公文書が遅れまして、間に合わないことが再三ございますので、この大高根村を中心といたしました部落民は非常に困つておるのでございます。奥羽線の大石田駅から参りますと、白鳥駅に寄らないで、直接この大高根の方に通じておりますので、その交通は、白鳥駅よりも大石田の方が非常に頻繁なのでございます。そうしてまた、ことに冬季約半年の間は雪にとざされておる地方でありますから、郵便物、新聞、そういうものが、常にはなはだしきは三日ぐらい遅れたあとに到着しておる状態であります。この奥羽線に沿うております大石田駅からでありますと、大高根地方は非常に交通が便利でありますからして、どうかこの大高根郵便局集配局昇格せしめていただきたい。これは戸数にいたしまして約七百戸を越えております。ことに最近開拓團の戸数が相当増加をしておりますのと、その他村民の嘆願書を添えまして、この請願書につづつてありますことは、すでに御承知であると思います。ここは私の選挙区でもございません。他の選挙区ではございまするけれども、私はこの大高根には今まで再三参つておるのでありまして、地方の実情を私がよく知つておりまするがゆえに、特にこの大高根郵便局集配局昇格していただきたいということを切にお願いをする次第でございます。なお、この集配局昇格していただきますことにつきましては、大高根村民一同非常な熱意に燃えておりますので、協力したいということを申し出ておるのでございます。どうぞこの請願の趣意をおくみとりくださいまして、御採択あらんことをお願いいたす次第でございます。
  37. 小笠原八十美

    小笠原政府委員 大高根郵便局集配事務を開始いたしますことは、ただいま海野委員お話しくださいましたように、郵便物の速達の上から考えましても、また道路の関係から言いましても、郵便物集配に從事いたします者の仕事を円滑にやります上から言いましても、相当効果があるものと考える次第でございます。ただこれを実行いたしますためには、現地の逓通信局の調査によりますと、大体二人程度の人間を動員しなければならないようになつております。さような意味におきまして、実はこの種の施設の改善をいたしたい所が、ほかにも多数あるわけでございますが、今日の通信財政の現状から見まして、今早急にこれを実現いたすということは、なかなか困難であると存じます。それで將來十分予算関係、あるいは他との振合い等を見ました上で、御希望に沿うように努力いたしたいと存じます。
  38. 原健三郎

    原委員長 暫時休憩しまして、正一時半に開きます。     午後零時四十七分休憩     —————————————     午後二時十六分開議
  39. 原健三郎

    原委員長 それでは休憩前に引続き会議を開きます。  追加日程第一、福井貯金支局存続請願、林百郎君紹介文書表番号第七一号の審査に入ります。紹介議員説明を願います。紹介議員が欠席いたしておりますので、白井君にかわつて説明願います。
  40. 白井佐吉

    白井委員 福井貯金支局存続請願要旨を申し上げます。今般逓信省においては本年十一月十五日付で福井貯金支局を廃局し、同局所管の為替、貯金事業は金沢貯金支局へ移管することに決定いたしました。当支局は昭和二十年四月地元の要望と絶大なる後援によつて開局され、縣下の郵便貯金、振替貯金、証券保管等の業務を管掌し、縣民の郵便貯金の受拂い整理、決算、利子記入、通帳の再度発行等を取扱うのほか、今次震災の際は非常拂いの取扱いにあたつて罹災者の緊急の需要に應じ、あるいは縣下の各郵便局を通じ貯蓄の奨励を行い、また振替貯金は機業界及び各種商業界の取引決済機関としてその円滑化を促進するなど、縣民及び経済界と密接に関係のある業務を行つております。從つて福井貯金支局が廃止され、その管掌している業務が金沢貯金支局に移管されることになれば、縣民の郵便貯金や振替貯金に関する各種の事務は、いたずらに日数を要し、縣民にきわめて不便不利を與えることは、その取引決済上多くの日数を要するとともに、各種の調査照会等は金沢まで出向かねばならなくなります。かように取引上多くの支障を生じ、利用者各位に迷惑をかけるはもちろん、ひいては縣下の産業復興及び経済安定に少からぬ悪影響を與えるものであります。また福井貯金支局從業員二百四十類はほとんど縣民であり、震災の羅災者であります。これが廃局になれば、家族約七百名とともに生活の道を失い、職を縣下に求めなければなりませんが、各種産業は罹災し、受入態勢は皆無の状態であります。現地民は右の観点を切実に感じ、縣会、市会、商工会議所は、市民、農民とともに請願を決議しております。かかる見地からわれわれは貯金事業発展のため、かつまた縣民の利益を守り、縣下の産業復興と経済安定をはかるとともに、われわれの生活権を擁護するために、福井貯金支局の存続は絶対必要であると確信するものであります。右御諒察の上、福井貯金支局を存続かることに御配意くださるよう陳情いたす次第であります。
  41. 原健三郎

    原委員長 政府の意見をお願いします。
  42. 降旗徳弥

    ○降旗國務大臣 ただいまの福井貯金支局の問題でありますが、これはすでに局長よりるる申し上げてあることであります。所管大臣といたしましては、福井支局が廃局になつた場合に、そこに勤めておつた從業員の今後の処置をいかにするか、郵便局が廃局になつた場合に、そこに勤めておつた從業員の今後の処置をいかにするか、郵便局が廃局になつた場合に、地元の貯金事務についてどういう考慮を拂うか、この二点が問題になると思います。この二つの点につきましては、逓信省は誠心誠意これに善処するということを、幾たびか陳情の方々にも述べているのでありまして、この点を御了承願いたい。さらに先ほど陳情書の中にありましたごとくに、この支局廃局の問題は、すでに十一月十五日限りということで官報に公示してあります。從つてこれを取消す事態になつておりませんから、この際はこの点も御了承願つておきたいと思います。なお経費の問題について前会林委員から御質問があつたそうでありますから、この点は当該局長をして答弁いたさせるようにいたします。
  43. 村上好

    ○村上(好)政府委員 前回の委員会におきまして、林委員から、廃局によつてどの程度の節減になるか、数字を書類にして出してもらいたいという御要求がざいました。本日お手元にその書類を差し上げておいたのでございますが、経費の節減は、総括といたしまして臨時費において二千五百三十七万円、経営費において年額七百九十六万八千円、これが節減。それから金沢に合併するために経費の増加がございます。これが臨時費として二百十九万五千円、將來の経営費として年額六十五万五千円、これを差引きますと、結局の節減額は、臨時費において二千三百十七万五千円、経営費において七百三十一万三千円と相なるのでございます。その内訳はお手元の書類に詳しく書いてございますので、結論だけを申し上げたいと存じます。
  44. 原健三郎

    原委員長 何か御質疑はございませんか。
  45. 片島港

    ○片島委員 この問題は第三國会でも請願が出ておつて、参議院では採択せられ、衆議院では保留となつておる問題であります。第三國会からずつと引続き私もこの請願の内容についていろいろ承つたのでありますが、單に貯金支局の從業員のみでなく、地元の各官廳、あるいは経済團体等も一致してこの存続方について請願をしておるのであります。この問題についてここで採択するということについて何だか躊躇しておるような、また政府側もこれについて非常に弁解しておるように私どもも感ずるのであります。これは法律案ではないのでありまして、地元の要望があるならば、できることはなるだけやつてやる。予算その他の関係上どうしてもできないことであるならば、これは政府として考えてよいのであつて、法律のようにただちにその実行を拘束するものではないので、本委員会としては地元の各界からの要望があるのでありますから、これを採択せられてその処置についてはなお政府が諸般の状況から檢討を加えられて行くことが、最も妥当な取扱方だと存じますので、本委員会においてこれが採択せられんことを要望いたします。
  46. 磯崎貞序

    ○磯崎委員 ただいま福井の貯金局の問題についての御意見をつまびらかに拜聽したのでありますが、元來この案件につきましては、数度にわたつて請願者の主張を拜承し、同時にまた政府当局の意見等も詳細に私ども伺つたのであります。よく両者の意見を勘案しますると、この支局を廃止することによつて起るマイナスか、プラスかというような点につきましても、すでにわれわれはもう聞き盡して、これは戰前二十一で賄つたものが、たまたま戰爭中に疎開その他の関係でふやされた。これをいわゆる戰前の数に復帰するというような観点で、むしろ行政の経費節限、さらにまた一番重大な、林君の申された失業問題は、今大臣の申されたごとく、その点については当局の万全の措置が講じられておるという誠意を私どもは認めざるを得ない。さらにまた当局説明によつて——この委員会でかりに私どもが地元の要請、林君の御紹介に賛意を表するとしましても、実際いろいろ諸般の情勢でどうしてもこれは不可能なことであるという秘密会における当局の詳細なる説明等をあまりによく私どもは拜廳しておりまするので、すべての点からしまして、採択すべきものにあらずという結論に到達するのであります。参議院方面におきましてたまたま採択をされたということも伺つておりまするが、これはおそらく政府当局のこまかな説明がその委員会において足らざるところがあつた。從いましてその多数の人が無意識にこの問題を御採択なつたものと私どもは考えております。先般來数度にわたる委員会において、政府委員の詳細なる、微に入り細にわたる説明を聞くならば、すでに論議は盡されたものと思いまして、この案件は遺憾ながら採択せられざるものであるというふうに私は考えております。
  47. 奥村竹三

    ○奥村委員 磯崎委員の意見によつてもう明らかでありまするし、なおまたこの案件につきましては、委員諸君はもうたびたび聞いたところであり、また論議を盡したところであります。なおまたこの支局につきましては、すでに廃局してしまつたのでありまして、事すでに済んでしまつておるのであります。ただここで從業員諸君の失業問題でありますが、この点については、これまた大臣初の政府委員から、数度にわたつて誠意を込めた取扱い方について説明がありましたので、われわれはこれを了承いたしておるのであります。さような点から考えまして、もはやこれは論議は盡きておると思いますから、すぐに採決をしていただきたいと思います。
  48. 原健三郎

    原委員長 どなたか御異議はありませんか。
  49. 野坂參三

    野坂委員 先ほどの提案の理由書及び片島君のこれに対する賛意の表明は、われわれ全面的に賛成して、この案が採択されることを私たちとしては希望します。
  50. 原健三郎

    原委員長 それでは御意見もないようでありますから審査はこれで終了いたしました。     —————————————
  51. 原健三郎

    原委員長 これより採決いたします。本日の請願追加日程第五、第六及び第七は、いずれも採択の上内格に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 原健三郎

    原委員長 御異議なしと認めまして、以上三件は採択の上内閣に送付すべきものと決しました。  次に追加日程第一福井貯金支局存続請願につきましては、政府説明理由によりまして、これを議院の会議に附して不採択とすべきものと決するに御賛成の方は御起立を願います。     〔賛成者起立〕
  53. 原健三郎

    原委員長 起立多数、よつて請願は不採択に決定いたしました。  なお各請願の報告書などに関しましては、委員長に一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 原健三郎

    原委員長 御異議なしと認めまして、さよう決定いたします。  なお残余の日程はいずれも延期いたします。  本日はこれをもつて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。     午後三時三十四分散会