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1948-12-14 第4回国会 衆議院 地方行政委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年十二月十四日(火曜日)     午後一時二十九分開議  出席委員    委員長 山口 好一君    理事 小暮藤三郎君 理事 門司  亮君    理事 矢尾喜三郎君 理事 坂口 主税君    理事 高岡 忠弘君 理事 小枝 一雄君    理事 大石ヨシエ君       千賀 康治君    武藤 嘉一君       竹谷源太郎君    坂東幸太郎君       木村  榮君  出席國務大臣         國 務 大 臣 殖田 俊吉君  出席政府委員         全國選挙管理委         員会事務局長  郡  祐一君         総理廳事務官  荻田  保君         法務廳事務官  高橋 一郎君  委員外出席者         專  門  員 有松  昇君         專  門  員 長橋 茂男君     ――――――――――――― 十二月十二日  自治体警察署長親睦團体行動規正に関する請  願(坂東幸太郎紹介)(第一〇九号) の審査を本委員会に付託された。 同月十一日  地方起債に関する陳情書  (第一一号)  地方議会事務局法制定に関する陳情書  (第一四号)  自治体警察警備費國庫補助陳情書  (第一七号)  地方自治法による監査委員増員に関する陳情書  (第一八号)  衆議院議員選挙法の一部改正に関する陳情書外  一件(第二  三号)  第二種事業税免税点引上に関する陳情書  (第二七号)  地方自治法の一部改正に関する陳情書  (三一号)  地方配付税等交付に関する陳情書  (第三九号)  地方財政法の一部改正に関する陳情書  (第五〇号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  選挙運動取締に関する件  地方財政に関する件   請 願  自治体警察署長親睦團体行動規正に関する請  願(坂東幸太郎紹介)(第一〇九号)   陳情書  一 地方起債に関する陳情書    (第一一号)  二 地方議会事務局法制定に関する陳情書    (第一四号)  三 自治体警察警備費國庫補助陳情書    (第一七号)  四 地方自治法による監査委員増員に関する陳    情書(第一八    号)  五 衆議院議員選挙法の一部改正に関する陳情    書外一件    (第二三号)  六 第二種事業税免税点引上に関する陳情書    (第二七号)  七 地方自治法の一部改正に関する陳情書    (第三一号)  八 地方配付税等交付に関する陳情書    (第三九号)  九 地方財政法の一部改正に関する陳情書    (第五〇号)     ―――――――――――――
  2. 山口好一

    山口委員長 これより会議を開きます。坂東君。
  3. 坂東幸太郎

    坂東委員 消防法改正に関する小委員会は開きましたが、その時分に成案は出ておつたわけであります。しかるに門司君からこの消防吏員に対しまして地方警察権を與えるという新たな動議が出ましたので、それに加えてさらに——成案は実は得ておるのであります。しかしながら今すでに不信任案が提案され、從つて議会解散も近いのでありますから、これを要約してどうこうという時間もないので、中間報告をしたいと思います。この成案速記録に載せてもらいまして、あらためた時期に、そのうち大事なところだけ申し上げましてやるということにしたいと思います。全文は委員長において速記録に入れてもらいます。また門司君の消防吏員地方警察権を與えるというところの成案の文句を次のよう改正するわけであります。   消防法昭和二十三年法律第百八十六号)の一部を次のよう改正する。   第三條、第四條第一項、第五條、第七條、第十條第一項、第十一條、第十三條第一項、第十四條第二項、第十五條第二項、第二十一條、第三十條、第三十二條、第三十三條及び第三十四條中「又は消防署長」を削る。   第十九條中「消防の用に供する」を「命令で定める消防の用に供する」に改め、次の二項を加える。   國家消防廳は、依頼があるときは、消防の用に供する機械器具及び設備に関して檢定を行うことができる。   前項檢定を行う場合及び考案品の承認に関し、國家消防廳は、政令の定めるところにより手数料を徴收することができる。   第二十六條第二項中「時速は六十キロメートルを超えてはならない。」を削る。   第二十九條第一項中「消防吏員又は消防團員は、」を「所轄消防廳は、」に改め「收用し、」及び「火災が発生した消防対象物に隣接する消防対象物延燒の虞があると認めるものについてもまた同樣とする。」を削り、第二項中「又は消防署長」及び「收用し」を削り、「前項」を「前二項」に改め、第二項として、次の一項を加える。   消防は、延燒の防止のため止むを得ないと認めるときは、延燒の虞ある消火対象物及びこれらのものの在る土地を使用し、処分し又はその使用を制限することができる。   同條第五項中「消防吏員又は消防團員」を「消防吏員」に改める。   第三十一條を削除し、第三十二乃至第三十五條を順次一條づつ繰上げ、第三十五條として次の一條を加える。   政令で定める消防長は、前條の規定にかかはらず放火失火及びこの法律違反の罪については、その管理区域内において刑事訴訟法規定による司法警察員として職務を行う。  第三十五條を次のように改める。 第三十五條放火又は失火の疑いのあるときは、その原因の調査及び研究の主たる責任並びに権限は消防長にあるものとする。   消防長放火又は失火犯罪があると認めるときは、直ちにこれを所轄警察署長に通報するとともに、必要な証拠を集めてその保全につとめねばならない。   消防長國家消防廳において、放火又は失火犯罪捜査協力の勧告  を行うときは、これに從はなければならない。   前三項の規定は、警察官又は警察吏員犯罪放火犯及び失火犯を含む)を捜査し、犯人放火犯人及び失火犯人を含む)を逮捕する責任を免れしめない。   放火及び失火絶滅共同目的のために、消防吏員及び警察官又は警察吏員は、互に協力しなければならない。   第四十條の第二項を各号の次に移し第一項第三号中「第二十九條第四項」を「第二十九條第五項」に、第三項中「前項」を「第一項」に改める。   第四十一條及び第四十二條の各第二項を各号の次に移す。   第四十四條第一項第二号中「第三十四條」を「第三十三條」に、第十号中「第三十三條」を「第三十二條」に改める。   第四十六條中「禁治産者であるときは」の次に「罰金刑のみを」を加える。  大体以上をもつて中間報告といたします。
  4. 山口好一

    山口委員長 坂東君の中間報告を承認するに御異議ありませんか。
  5. 山口好一

    山口委員長 御異議がなければさようにとりはからいます。     —————————————
  6. 山口好一

    山口委員長 次に請願の件を議題に供します。自治体警察署長親睦團体行動規正に関する請願文書表第一〇九号、紹介者坂東幸太郎君。
  7. 坂東幸太郎

    坂東委員 この請願自治体警察署長が各府縣團体をつくつております。その團体自治体警察の人事問題にまで干渉する例がありますので、その行動規正していただきたいという請願であります。これは実は北海道のある町のことですが、そこの警察署長を、公安委員会がこれを不都合として退職せしめた。これに対して自治体警察署長協会というのがあるのですが、その協会の会長並びにその会の者が行つて警察署長を復職させなければ、われわれには考えがあるということで脅迫を加えたわけであります。ここにおいてその公安委員会恐怖心を起しましたが、しかしその公安委員会は、別にそれによつて所信を曲げなかつたのであります。しかしながらこういうぐあいに、地方自治体警察署長團体がほとんど惡質労働組合のやるようなことをやりますと、公安維持はできません。すなわち公安委員会はそういう脅迫を受けました。そしてある場合には惡質な者の首切りをしない、あるいは不適当な者を復職させることができる、これでは断じて公安維持はできない。そういう意味において地方自治体警察署長親睦團体行動については、ある種の規正を加えなければならぬ、こういう請願であります。何とぞ御審議の上御採択をお願いしたいのであります。
  8. 山口好一

    山口委員長 本請願採択するに御異議ありませんか。
  9. 山口好一

    山口委員長 御異議なしと認めます。採択の上は内閣にこれを送付するに御異議ありませんか。
  10. 山口好一

    山口委員長 御異議がなければさようとりはからいます。     —————————————
  11. 山口好一

    山口委員長 それでは次に檢務局長高橋一郎君が御出席されましたから、選挙運動取締りに関する件を議題に供します。
  12. 小暮藤三郎

    小暮委員 本日は法務総裁出席を求めまして、法務総裁の御意見を承るつもりでお待ちしておつたのでありますが、ただいま委員長お話によりますと、さしつかえがあるということでございますから、だんだん時間も過ぎて参りますので、この機会法務総裁に対する質疑の要点を申し上げますから、よく法務総裁にお取次を願いまして、そうして法務総裁意見もこれにひとしいという意味の御判断のもとに御答弁あらんことを願います。今さら申し上げるまでもなく、衆議院解散は、各種の情勢から判断しまして必至のものとせられ、ただ時間の問題であるのであります。これに伴う総選挙もまた不可避のものとして、日々に國民関心を高めつつあるのであります。このときにあたりまして、最近各種事前運動がだんだんと盛んに行われるようにもなりましたことは、選挙を公正に行うという観点から見ましても、まことに遺憾のことと存ずるのであります。この点につきまして、立候補者はもちろん、各方面選挙運動に携わる者ないしは國民一般のものが相協力、相自粛して、違反を出さぬよう心がけなければならぬのであります。なかんずく選挙取締りの緩嚴良否は非常に重大なる役割を持つものと存じます。そこでこの際法務総裁に対しまして、次に述べます諸点に関する御所見、または取締り方針をよく承つておきたいのであります。どうぞ先ほど申し上げますように、代理官はその意味で御答弁願いたいと思うのであります。このことによりまして選挙明朗化を期し、民主化の実効をあげることとなりますし、また事前運動取締ることとなりますので、法務総裁におかれましては、何とぞ率直に、しかも懇切詳細に御答弁願いたいのであります。  質疑の第一点は、衆議院選挙法第百十二條、すなわち利益誘導行為は同法第九十五條すなわち事前運動となる場合にはいかなる処罰をもつて臨むかということであります。  質疑の第二点は、都道府縣知事、副知事、各部長等で、次の衆議院選挙立候補ようとするものが、その地位を利用して、許可とか認可とかするときに不当の手心を加えたり、あるいは補助金等の割当を行うにあたつて選挙運動を行う下心で、必要以上の厚意を表明したり、はなはだしきに至つては、陳情者を自動車で送つたりするがごときことが現にあるということを聞いておりますが、これは明らかに事前運動と認められるものでありまして、かくのごときは選挙の公正を害し、選挙民を腐敗せしめ、正当な候補者運動に惡影響を及ぼさしめるというべく、はなはだけしからぬことと存ずるのであります。これらの行為に対して、法務総裁はこれを放任しておかれるか。あるいはめんどうなりとして黙認せられるか。はたまた民主政治確立のために断固粛正の劍を振われるか。もし取締るとすれば、いかなる法制に基いてこれをなされるか。しかしてその処罰はどの程度のものであるか、明確に承つておきたいと思います。  質疑の第三点は、右に述べましたもののみでなく、廣く一般方針として、直接利害関係誘導罪——こういう字句の使い方はあるいは当らないかもしれませんが、かりに直接利害関係誘導罪として、その他選挙違反取締りにあたりましては嚴重にこれを行い、徹底的に選挙粛正をはかつてもらいたいのでありますが、当局にははたしてその意思と用意があるかどうか、明確に承つておきたいのであります。  以上申し上げまたことは、こまかに申し上げてみますればいろいろの事例があるのでありますけれども、それらの点は取締り関係上お調べになつておることと思いますので、それらの事例もさしつかえのない範囲において一々お示し願つて、それらについてはどういう取締りをしておるかということを、この際特に承つておきたいのであります。
  13. 高橋一郎

    高橋政府委員 お答えいたします。私のこれからお答え申し上げますことは、法務総裁も御同様にお考えになるだろうと思います。そういうはつきりした点についてまずお答えを申し上げたいと思うのであります。  まず第一に、御質問の第三点につきまして申し上げたいと思うのでございます。從來の選挙においてもさようでありましたが、今回行われる予定の総選挙におきましても、法務廳といたしましては、まつたく嚴正公平に法律執行するつもりでございます。党派、あるいは問題になつた人地位というようなものにはかかわりませず、すべて公平に、かつ嚴格にこれを執行するつもりでございまして、またできるだけそのよう方針を実行できるよう、たとえば檢察廳の長官を会同いたしまして、十分その方針を指示するというようなことでありますとか、あるいは物的な面においてあらかじめ用意をするということについて、万全の用意を整えております次第であります。  それから御質問の第一点でございますが、衆議院議員選挙法第九十五條事前運動が、同時に同法第百十二條利害関係誘導罪というものに当ります場合には、第九十五條罰則は、第百二十九條によりまして、一年以下の禁錮または一万五千円以下の罰金であり、利害関係誘導罪は、百十二條によりまして、三年以下の懲役もしくは禁錮または五万円以下の罰金でありますから、当然重い方の第百十二條罰則適用して処断することに相なります。  次に御質問の第二点でありますが、知事その他の公務員が、選挙になることを見越しまして事前運動として不当な行為をやる。その場合にどういう法令をもつて臨むか臨まぬかという御質問趣旨と拜承したのでありますが、もしその公務員選挙において当選を得る目的をもつて、不当に自分職務執行いたしました場合には、第百十二條第一項第二号の、いわゆる直接利害関係を利用して誘導をなすという條項か、あるいは第一号の財産上の利益もしくは公私の職務供與といつたようなものに当てはまる場合もあると思うのでありますが、いずれにいたしましても、このよう罰則に当てはまることが多いと考えるのであります。そのような場合には、もちろん最初に申し上げましたように、かりに知事でありましても、その他の公務員でありましても、他の人々に対すると同じような態度をもつてこれに臨むことは申すまでもございません。ただ公務員自分職務を、不当ではなく、正当に執行する、たいへん勉強をして行う。それによつて当然選挙において有利な態勢になるという場合もあるかと思いますが、そのような場合におきましては、百十二條あるいはその他の罰則適用は困難であろう、適用はないと申さねばならないと思います。一應お答えいたします。
  14. 小暮藤三郎

    小暮委員 私の最も明確に御所見を承りたいと思いますのは、現在まで地方において知事とか副知事、あるいは市長等の立場におりまして、次の選挙では候補者として当然当選目的としてやられる行為について、正当なものは取締りの限りではない。正当なものは取締らぬという、そこなんです。私どもの伺いたいと思いますのは、正当なように見せかけて、きわめて露骨にやつている事実が、本委員会選挙小委員会においても皆さんからそれぞれ実例をあげてお話がありました。それらの取締りはきわめて不徹底である。それはその候補者当選して、そうして目的を達することによつて、その選挙取締りが不徹底であつたということに流れるおそれがきわめて多分にあると思う。そういうように本委員会選挙小委員会においても大いに論議されたのであります。その点を何とか粛正の道はないか、取締り方法はないか。それはひとり本委員会の各位が熱烈に希望されるばかりでなく、衆議院全体を通じての要望であると信ずるのであります。そこでただいまのお話によりますと、いわゆる正当であるという美名のもとに隠れて、取締りが十分に行われないおそれがあるのではないか。ことに知事その他市長にしても、それぞれ公選されておりますけれども、いわゆる官僚にきわめて関係の深かつた者が多くその地位にあるということも明らかな事実であります。官僚を保護するということがあつてはならない。それこそ國民全体に選挙を通じて與えるところの影響はきわめて大である。ぜひ來るべき選挙からそれを徹底的に取締つて、そういうことのないように、國民にそういう疑惑を起させないように、責任をもつて法務総裁においては善処してもらいたいという点を特に希望したいし、かつ本席において明確なる御答弁を願いたいと存じて御質問申し上げた次第でありますから、その点をよくひとつ御判断くださいまして、そうしてどういうように取扱うという点について、ただ一片の儀礼的でなく、こういう場合にはこうするのだというよう実例をあげてお示しを願いたいと思うのであります。
  15. 高橋一郎

    高橋政府委員 お答えをいたします。たとえば知事などの公務員でありましても、職務執行に便乘して、いわゆる選挙のための事前運動をやつているというふうに認められます場合には、やはり事前運動罰則によりまして処罰さるべきであると思います。問題は結局事実の認定になると思うのであります。一方において知事としての各種職務を当然行わなければならない。またそれはいくら勉強しても勉強し過ぎるということは、法律上言えないわけでありまして、その間の区別をする場合に愼重に考えなければならぬ問題だと思います。ただいまさしあたつて、いかなる場合が事前運動処罰すべきものであり、いかなる場合がこれに似ているが当らないというような点までは、ちよつとお答えはいたしかねるのであります。
  16. 小暮藤三郎

    小暮委員 私は特にこの機会に強調しておきたいのでありますが、昨今の議会の内外の模様、それから先ほど申し上げました公務員、しかも特殊の高位にある公務員が、その職務を利用していかにやつておるかというなことは、具体的にここに現われては來ていない点も大いにありましよう。わからないけれども、大いにそれが現われている点は國民が知つておる。私の心配するのはそれなんです。この來るべき選挙を通じて、新憲法下の初めての選挙であるこの選挙を通じて、ほんとう民主主義本領を発揮させるには、選挙の公正なる取締りにある。またわれわれ現議員におきましても、その大部分の人は立候補されるでありましよう。また新たに、立候補する人もありましよう。そういう人たちは、この選挙を通じて國民とともに民主主義本領を発揮するのだ。新憲法眞髄選挙を通じて大いに確認をさせる。將來の日本にとつて今度の選挙が一番私は大事な選挙だと思います。この選挙にあたりまして、從來行われた緩慢なる取締りをしようというようなことであつてはならぬと私は思うのであります。そういう点において、実は法務総裁に御出席を求めて、法務総裁決意を私は伺いたい。私はなまはんかに考えているのではない。新憲法下第一回の選挙です。この選挙こそは官民相一致して、眞に民主主義の総選挙を行わなければならぬ。先ほど御答弁の中にいかなる党派でも公正に行う。その通りです。いかなる候補者でも公正に行う。國民に対して、ほんとうに眞に民主主義の実をあげる選挙かくのごとくなければならぬ。その点の徹底が現在においてよく行われているかどうか、はなはだ疑わざるを得ないと思うのであります。そこにおいて衆議院運営委員会においても、同憂の士からその点が問題にされ、本委員会に対しましても、委員長を通じてその要望があつたというのも実にそこにある。從來あるよう脱法的行為を大目に見て、いわゆる官僚群衆議院議員としての進出が一人でも多い方がよいというようなことを考える者がもし一人でもあつたならばどうなる。その弊害の及ぶところは実に重大であります。私はそれが寒心にたえないのであります。この取締りの任に当る全責任を負つているところの法務総裁が、はたしてその決意を持つているかいなか、その点を私は法務総裁に向つて強くただしたい。ただなまはんかに事務的に私はお尋ねするのではない。法務総裁は大なる決意を持つてこの取締りに当られんことを強く希望して私の質問を終りますから、どうぞこの点はただちに法務総裁にお傳えを願いたい。機会があつたならばその御発表を願いたい。かように申し上げておきます。
  17. 高橋一郎

    高橋政府委員 御趣旨の点はただちに法務総裁に十分にお傳えいたします。ただ一言申し上げておきたいのでありますが、ただいまの選挙取締り手心を加えて、官僚群進出をひそかに期待するというようなことのないようにという仰せでありますが、そのような御心配をいただくこと自体、非常に私どもは意外の感じをいたすくらいでありまして、檢察官の微力のために至らない場合はあるかもしれませんけれども、意識的にそのようなことをしようとは毛頭考えておりません。また今回の選挙が非常に重大な意義を持つているものであり、選挙というものは、各人が平等の條件のもとに行われるのでなければ公正なものではあり得ないということは、もう御趣旨通りでありまして、また選挙法令はわれわれとしても十分これを励行しなければならないのであります。御承知のよう衆議院議員選挙法の第百四十條の三で、檢察官警察官等がこの法令執行を励行しなければならないということが特に加えられておりますのも、十分承知しておりますので、御趣旨の点は十分法務総裁にも傳え、今回の選挙につきまして、一般関心がそういう点に非常にかかつているということを十分承知して、今回の選挙に臨みたいと思つております。
  18. 小暮藤三郎

    小暮委員 質問を打切るつもりでありましたが、ただいまの御答弁趣旨はまことにごもつともであります。けれどもここに重ねて私が申し上げたいと思いまするのは、衆議院運営委員会において、また本委員会における選挙法の小委員会においても、今私が強く申し上げたことは、いたずらに心配して言うのではない。実際そういう点が隠れている。それは一般大衆がよく知つておるが、ただ現われて來ない。現われて來ないから取締りは行わない、それはその通りです。あるいは私の言うたことが言い過ぎなつたかもしれない。けれども議院運営委員会お話合いを見ても、また本委員会において、またその小委員会においていろいろ論議された。これはほんとうに來るべき総選挙——世界注視の的になつているところの新憲法下の総選挙はぜひ理想的に行いたい。それによつてわが國の信用を回復し、さらにわが國の信用を伸張し、一日も早く民主政治本領を発揮するようにしたい、その熱意の現われである。私の申し上げたことがあるいは言い過ぎなつたかもしれない。けれどもそれは熱意の現われである。これはわれわれ議員の一同が考えている点である。さように私は御了承を願つて間違いはないのだ、かように信じて強く申し上げている次第でございますから、その点も御了承願います。
  19. 坂東幸太郎

    坂東委員 私はただいまの件について簡單に質問し、ただあとで立候補の点につきまして解釈を伺います。今の小暮君のことでありますが、それはこの委員会では、公務員立候補制限法律をつくることにきまりましたが、残念ながら関係方面意見が違いましてできなかつた。そこであの案が新聞に出ましたが、それはできませんから、日が遅れまして、すでに全國で数十名の官吏、公吏立候補希望者が町で事前運動をますます熾烈にやつているといううわさがある。從つてただいま政府当局の御答弁のごとくに、解釈上当然官公吏事前運動に関する法律をつくらなければならぬということを、何か一般に周知徹底せしめるところの方法考えたらどうですか。またその方法考えておりますかということをお伺いいたします。
  20. 山口好一

    山口委員長 委員長より大体の質問の要旨を申し上げまして、法務総裁の御意見を伺いたいと思います。御承知のごとく衆議院議院運営委員会におきまして、近時知事あるいは副知事、その他の各省の部長級というようなものが、当選可能性の強化されておる地位にあるのを利用しまして、あらかじめ今回の衆議院議員選挙立候補をいたさんともくろんで、事前にいろいろ不当なる利益を與える、あるいは正当らしく見せかけて事前的行動をいろいろやつておる、こういうものに対して何らか取締りをする方法はないか、こういうことで選挙法を扱います当委員会に、これを立法化することを運営委員会から申出があつたのであります。われわれ本委員会としましては、これを愼重審議いたしまして、ある種の成案を得たのでありましたが、いろいろまた研究を重ねた結果、これはいま一應研究を要するだろう。但しこの方面取締りをいたすところの法務総裁に対して、できるだけこうした面における研究を、各地方の檢察廳にもいたしてもらつて選挙をできるだけ公正に行いたい。こういう考えのもとに本日法務総裁の御出席を願つたわけであります。今までの質問の要旨は、大体そうした公務員が、あらかじめ立候補をもくろんで、そうして正当化された行為のごとく見せかけて、事前に種々なる、この選挙の公正を破るよう行為がなされておる、これを嚴重に取締つてもらいたい。ついてはこれについてどういう方法をいたし、また何らかのこれに対する具体的な方法考えられておるかどうかというようなことが質問の要旨であります。法務総裁の御意見を伺います。
  21. 殖田俊吉

    ○殖田國務大臣 お答えを申し上げます。公務員事前運動の問題はかなりデリケートな問題でありまして、事前運動そのものはいけないにきまつておりますが、職務執行事前運動の区分がなかなか困難だそうであります。しかしながら事前運動と認められる限り、断固処分すべきものであります。決して知事であるから、あるいは副知事であるから、その他の人であるからというよう手心を加うべきことでは断じてございません。これを立法の方面におきまして何とか制限を加える方法はないかと、議院でもお考えになつておるそうでありますが、われわれとしてもこれは考えておるところでありまして、今後も考えて行きたいと思うのであります。さしあたり近く選挙がありそうでありますので、数日中に各全國の檢事長並びに檢事正を会同しまして、協議をいたすつもりにいたしております。その際この点につきまして訓示を與えまして、十分嚴重なる覚悟をあらかじめ持たしておきたい、こう考えております。その節またいろいろな問題が具体的に出て参りましようと思いますから、それにつきましても十分に協議を盡させまして、万遺漏なきを期したいと考えております。
  22. 坂東幸太郎

    坂東委員 その点は万遺漏のないようにやつてもらいたい。それは一般の人は、その他の普通の者にならば事前運動関心を持つけれども、しかし官公吏には持たない。從つてそれを利用して盛んに事前運動をやる、また一般の人もそれを利用して特に利益を受けることがありますから、それをはつきり知らせるようにすることが必要でありますから、十分遺憾のないようにお願いいたします。  なお一つお伺いしますが、レコードの使用問題、自分の身が自由でない人が立候補する場合に、レコードを使用する場合は三つある、それは立会演説の場合と、個人演説の場合と、街頭演説の場合であります。私の考えでは、このレコードは本人の立会演説の場合には五分の一の場合に使つていいのでありますが、しかしながら普通の場合はできるかどうか、その三つの場合をわけましてこれに対する政府解釈をお伺いしたい。
  23. 山口好一

    山口委員長 坂東君に申し上げますが、その御質問選挙管理委員会の方に対する御質問じやないかと思います。
  24. 郡祐一

    ○郡政府委員 レコードの使用は、立会演説会においては候補者は五分の一だけ代理弁士の出席を認めておりますけれども、これも代理人の出席を認めるのであります。本人が原則として出席しなければいけない。本人が出席できないので代理人を出席させるというのでありますから、レコードを使用する余地がございます。これに反しまして個人演説会は、候補者出席を要件といたしませんから、この場合において、候補者に事故にある場合に個人演説会でレコードを使用することは制限がございます。從つてレコードを使用できるのは、個人演説会において候補者出席しない場合、候補者のレコードを用いることができる、こういうように御了解を願います。
  25. 坂東幸太郎

    坂東委員 街頭演説の場合は……。
  26. 郡祐一

    ○郡政府委員 街頭演説会は候補者の現存を要件といたしております。從いまして候補者が現におりまして、しかもレコードを用いるということは考えられないことであります。
  27. 山口好一

    山口委員長 ちよつとおはかりいたします。速記その他の都合によりまして、選挙取締りの件に対する法務総裁に対する質疑はこれで打切りたいと思います。
  28. 小暮藤三郎

    小暮委員 ちよつと法務総裁に一言……。私は法務総裁がお見えにならないと思つて実は御質問申し上げたのでありますが、重複しないように申し上げます。私の申し上げたいと思いまするのは、公務員が、しかも最高の地位にある公務員が、その公務員であることを利用して選挙に事前に運動して、違反にわたつている点が全國各地に散見されている。その一般の声、社会の声が反映して運営委員会意見となり、また本委員会におきましても、あるいは小委員会の開かれました場合にもその意見が出ております。それはわれわれ議員個人が言うのでなく、これを本当に掘り下げてみるときに、これは國民の偽らざる声である、かように私は申し上げたいのでありますが、私はその通りと思う。それでこの取締りにあたり当局が非常に御苦心があるということはよくわかつております。そういう点はお察しいたします。從來の選挙戰を通じて見ますると、とにかくその選挙戰に醉わされて取締りが画一を欠くきらいがある。あるいは選挙戰から見てやむを得ない点もあるじやないかという点も十分考えるのでありますが、今度の選挙戰は、先ほども申したのですけれども、わが國が民主政治本領選挙を通じて発揮すべき絶好無二の機会でありますから、どうぞこの機会は、從來の選挙にありまするように、選挙戰にいわゆるある程度まではというよう手心を要する点もありましようが、しかし今國民の間に叫ばれておる、ことに議会を通じて、衆議院を通じて叫ばれておる、公務員がその公務員たる地位を利用して事前の選挙運動をして法を犯したような場合には、特に御注意を願う必要があるのではないか。以上私が申し上げた点を速記録によつて、またお聞きとり願いまして、善処されんことを希望いたします。
  29. 殖田俊吉

    ○殖田國務大臣 ただいま小暮さんの御意見、まことにごもつともでありまして、そういうことがもしありましたならば、これはいわゆるしんしやくなど加えず、断固取締るべきものと私は考えます。これは人によつて、身分によつて区別をするということの決してないように、またずいぶん実際にあたりましては微妙な点がありまして、困難なこともありましようと思いますが、檢察当局を督励いたしまして、その困難にうちかつて十分な取締りをいたしたいと思います。その他御希望なり御要望の点につきましては、せいぜい努力をいたしたいつもりでおります。
  30. 山口好一

    山口委員長 それでは時間の都合で打切りたいと思いますが、その最後に本委員会の熱烈なる要望といたしまして、次の希望意見をここで決議いたしたいと思います。來るべき総選挙に際し、法務当局は國家及び地方警察を通じ、一貫した嚴重、公正な立場で取締りを徹底すべきものであつて、特に各種事前運動と解せられるものに対して仮借なく搜査の手を発動し、多数國民の好む人物を最も多く当選せしむるよう、民主選挙の実をあげられたい。御異議ありませんか。
  31. 門司亮

    門司委員 ちよつと一言、意味がわからぬことがあるのですが「多数國民の好む」という解釈はどういうものでございますか。その点をひとつ……。何か奧歯に物のはさまつたような氣がするのです。
  32. 千賀康治

    ○千賀委員 私が起草者の一人ですから御説明いたします。公務員その他が職権を濫用して選挙を有利に導こうということは、國民の好まざる人がその方法によつて選挙をされて行くということを、大多数の國民とともに非常にわれわれはおそれるわけで、何の障害もなしに國民の好む人を率直に当選せしむる、こういう意味でございます。
  33. 山口好一

    山口委員長 さよう意味で、この希望意見を本委員会の熱烈なる要望として決議いたします。法務総裁におかれましても、よろしく御善処あらんことを希望いたします。
  34. 殖田俊吉

    ○殖田國務大臣 御決議の御趣旨はよく了承いたしました。法務廳といたしましては最善の努力をいたしたいと思います。
  35. 山口好一

    山口委員長 それでは法務総裁に対する質疑はこれをもつて打切ります。     —————————————
  36. 山口好一

    山口委員長 次に地方財政委員会の委員に対する質疑をいたします。地方財政委員会の事務局長荻田保君が出席いたしております。
  37. 木村榮

    ○木村(榮)委員 地方財政委員会の事務局長にお尋ねいたしたいのですが、最初に、地方財政委員会の事務局長は職権としていかなる権限を持つておるかということを簡單に御説明願いたい。
  38. 荻田保

    ○荻田政府委員 地方財政委員会の事務局は、地方財政委員会法に書いてございます通り地方財政委員会の輔佐をするところでございます。
  39. 木村榮

    ○木村(榮)委員 そういたしますと、地方財政委員会の事務局は、地方財政委員会法の第八條によつて地方財政委員会の中に事務局を置くということになつておりますが、事務局には政令の定めるところによつて必要な職員を置く。ただそこに規定されておるだけだと解釈してさしつかえございませんか。
  40. 荻田保

    ○荻田政府委員 そのよう規定してございます。
  41. 木村榮

    ○木村(榮)委員 そういたしますと、今年の十一月二十九日附の通牒で、各都道府縣知事あてに地方財政員会事務局長という名前で、命令、示達といつたようなものが出ておりまして、その中にはたとえばその第四項目としては、年末に際して、賞與、手当、生活補給金等、名目のいかんを問わず、特別の給與等をなすことは絶対に許してはならない、こういうことが書いてございますが、地方事務局長はどういう権限に基いてこういう命令を出されたか、その法的根拠を承りたいと思います。
  42. 荻田保

    ○荻田政府委員 先ほど申しましたように、地方財政委員会地方財政に関しまする事柄を主管しておるわけでございます。地方財政上、地方公務員につきましては國家の公務員と同じに給與方法を取扱うということになつておりまするから、その関係上、地方財政上の注意を地方に流したまでであります。
  43. 木村榮

    ○木村(榮)委員 地方財政員会事務局長は命令をするような権限はないというのに、こういうふうな命令が出ているわけなんで、今のあなたの御答弁では注意をするということになつております。しかしながらこの案文を読むと、注意事項ではなくて、命令の形式になつておりますが、それはどういうふうに解釈したらいいか。
  44. 荻田保

    ○荻田政府委員 今本文を持ち合せておりませんが、命令のようにはなつておりません。注意をしただけであります。
  45. 木村榮

    ○木村(榮)委員 案文は私はここに持つておりますが、解釈のしようによつて注意かもわからぬ。しかしながら文章を読めば、これを絶対にしてはならないと書けば、これは命令の口調になる。そこで権限のない者は、事務局長の名前ではこういう命令は出せないと思うのですが、その点はどういうふうに解釈になつているか。
  46. 荻田保

    ○荻田政府委員 ただいま申しましたように、命令の権限はございませんから、注意をする。地方地方財政に関する注意を促すことはできますから、その権限に基いてやつたのであります。
  47. 木村榮

    ○木村(榮)委員 そういたしますと、この注意事項は、地方各都道府縣知事が守るのも守らぬのもかつてだと解釈してさしつかえないわけですか。
  48. 荻田保

    ○荻田政府委員 地方、ことに都道府縣の職員につきましては、その給與は官吏の例によるということは、地方自治法で明文をもつて示されております。從いましてそれに違反すれば、当然法律違反という問題が起ります。
  49. 木村榮

    ○木村(榮)委員 そこで注意事項としての問題ならば、名目のいかんを問わずという言葉は、私は注意事項としても非常に大きな問題であると思う。たとえばこれを市町村の注意事項だと解釈いたしますと、市町村にも流す、こういうことになつているわけですが、たとえば私が知つているたくさんの市町村においては、農地委員会の人なんかは、財政上市町村の職員がこれを兼務したり補助したり、お互いに手傳いをして相当やつてつて、そういつた点で相当金を、年末の賞與とかいつた場合のことに使う目的で、この一箇年間にとる機会があつても、それをちやんと役場なり当局の方に積立金として、年末に取るような措置を暗默のうちにやつている、それはずいぶんたくさんある。これは都道府縣なんかにもあると思う。それは農地委員会の場合ばかりではない。その他万般のものがある。ところがそういうものをせつかく積立てておいても、こういつたふうな極端な注意書が出ますと、名目のいかんを問わず、一切とつてはいかんということになり、自分たちが一箇年間非常に節約をして、そうして当局の方へ積み立てておいた金さえもとれないというような、きわめて不合理なことが起るのではないか。こういつた責任というものは一体事務局長にあるのか、政府にあるのか、どこにあるのか、その点をはつきりしていただきたい。事務局長が個人的な主観的な考えからこしらえられたものか、あるいは政府の方からの命令といいましようか、指図によつてこしらえられたものか、こういつた点をはつきりさしておいてもらいたいと思います。
  50. 荻田保

    ○荻田政府委員 ただいまおつしやいましたのは農地委員の手当でございますか。これは一般の職員とは違いますから別に問題でございまして、いわゆる國家の普通の官吏に関する給與が準用されるわけのものではございません。
  51. 木村榮

    ○木村(榮)委員 きわめてふまじめな答弁と思います。私はそういうことを聞いておるのではない。村役場の職員なんかがやつておるので、当然何がしかの報酬がもらえるわけですが、こまかいものは、今度は一円とか、三円とかいつてとれない。從つてようど一箇年間たまつたのを年末にもらおうというふうなことをやつておるところがたくさんある。そういうことを言つておる。だから農地委員の問題ではないのです。もう一つはこれは事務局長の名前があるが、一体事務局長が独断でこしらえたものか、あるいは政府の命令でこしらえたものか、こう問うておる。あなたの答弁は私の質問に対する答弁になつていない。この点を明確にしてもらいたい。
  52. 荻田保

    ○荻田政府委員 委員の御質問かと思いましたが、職員の問題のようでありますが、誤解いたしました。職員につきましては、農林省の方から、農地委員会の問題に関しまする補助金等によりまして、その場合の処置が指示されておると思います。それに從つて出す分にはさしつかえございません。私こまかいことを存じませんから、どのような手当を受取つておるか知りませんけれども、そういうことまで言つておるのではございません。それから役所から出します通牒はそれぞれの段階におきまして、大臣が出すこともありましようし、局長が出す場合もありましようし、課長が出す場合もありましよう。それぞれの事柄によりましてそれぞれの段階において出します。その通牒は局長の名前で出したのでありますから、直接に政府の命令とか何とかいうことではございませんで、政府の大体のやり方を私の名前で出したにすぎないのでございます。
  53. 木村榮

    ○木村(榮)委員 そういたしますと、あなたの個人的責任においてこれを出したのだと認めてさしつかえありませんか。
  54. 荻田保

    ○荻田政府委員 個人と申しますか、事務局長の責任において出したのです。
  55. 木村榮

    ○木村(榮)委員 そういたしますと、名目のいかんを問わぬというのは、きわめてこれは不合理な話だと思うのですが、もう一つお尋ねしたいのは、あなたは全官公廳の組合の代表者に対しては、これは別に他意あつて出したのではない。金融措置のためのいろいろな問題から簡單に考え出したので、賞與を出してはならぬという意味ではないというふうに御答弁なさつておるのでございますが、その点は間違いございませんか。
  56. 荻田保

    ○荻田政府委員 私はこの問題につきまして、自治労連の代表者にお目にかかつたことはございません。
  57. 木村榮

    ○木村(榮)委員 すでに農林省なんかにおいては二千円ぐらいの年末賞與を出し、商工省も一千円を出すという話なのでありますが、そういう状況にあるにもかかわらず、ただ都道府縣や、市町村は名目のいかんを問わず一銭も出しちやいかぬという、あなたのお考えにしてもどなたのお考えにしても、本省の方では市町村都道府縣に対しては一銭も出しちやいかぬという。こういう不合理なことは、多分命令でないとしても、簡單に出した責任は一体どういうことになるのですか、お聞きしたいと思います。
  58. 荻田保

    ○荻田政府委員 本省におきましては、國家公務員でございますから、もちろん國家公務員に関しまする給與法に基いて出しておるのでありまして、それ以上のことはやつておらないのでございます。ただいま例をあげられましたが、各省につきましては私は一々知りませんが、そういうことはやつておらぬはずであります。地方においても、國家公務員法によつてやるということになりますから、國家公務員に出しませんものを地方において出すということは考えておりません。
  59. 木村榮

    ○木村(榮)委員 そういたしますと、このあなたのお名前でお出しになつたものは、参考資料として各都道府縣で現下の情勢を——一、二、三、四項目がございますが、こういうことを参考資料として出したという程度に解釈してさしつかえないわけでございますね。
  60. 荻田保

    ○荻田政府委員 初めから申し上げておりますように、地方財政上の注意として出しただけでございます。
  61. 木村榮

    ○木村(榮)委員 それはわかりました。
  62. 小枝一雄

    ○小枝委員 今の問題に関連してでありますが、大体において木村君の御質疑によつて盡されたようでありますが、私はただ一点最後にお尋ねしたいことは、この問題のために、地方のわずかな給料をもらつておる者は、非常に困つておるのであります。これを將來緩和せられる見込みがあるのであるかどうか。できるならこれを緩和せられてはどうかと私は考えるのですが、これに対する御所見を承つておきたい。
  63. 荻田保

    ○荻田政府委員 ただいま國会におきまして、國家公務員に関しまする給與の改善方策が論議されておると思いますが、これがきまり次第、これと同じような待遇改善を地方の職員においても行いたいと考えております。
  64. 門司亮

    門司委員 ほとんど木村君と同じようなことで要は盡きておると思いますが、ただ地方においては賞與であるとかいうようなことでなくして、実際の生活を補うことのために、多くの場合、たとえば平たく申しますと、越冬資金というようなものの要求がおのおのの團体からされておると思います。從つてこれが禁止されるということになると、それらの行為が全部禁止されるような形になつて來ると思いますが、その辺のお考えはどういうふうになつておりますか。
  65. 荻田保

    ○荻田政府委員 この点は國家公務員につきましても、越冬資金等の問題が起つておるのでございますから、政府は先ほど申し上げましたように、目下國会に出ておりますが、給與の待遇改善を行つて、それ以外のことはしないということになつておりますから、國家公務員についてこのほかに何らかの方法が講ぜられれば、地方にも講じなければならぬと思いますが、國家公務員につきまして何もないのに、地方を別に考えるということはありません。
  66. 門司亮

    門司委員 もう一つつつ込んで聞いておきたいと思いますが、地方の事情で、あるいは何らかの形でどうしても支拂わなければならないようなものがないとも限らぬと私は思います。そういうことをやりましたときに、よく政府の方でやる手でありますが、配付税を少くするとか、あるいは補助金を減らすというようなことが、ときどき私は行われると思うのであります。そういうことをやはりお考えになつておりますか。
  67. 荻田保

    ○荻田政府委員 それは事柄の内容によると思いますが、非常にあるところがたくさんの給與を出す。その結果國家公務員にも響いて來るし、あるいはほかの地方團体に対しても財政上の迷惑をかけるというような場合には、一應財政法の趣旨によりまして適当でございませんから、配付税が減るというような問題も起ると思います。
  68. 木村榮

    ○木村(榮)委員 これは全然別個の問題ですが、今日まで事務局長がいろいろな点で各都道府縣その他市町村に対して御関心があるならば、徳島市役所に起つた問題は御研究なさつておると思いますが、徳島の市役所が市吏員任用分限規程というものを出した。そうして百五十名ぐらい退職金もろくに出さないで簡單に首にしたということが起つておるのですが、こういつた問題は地方自治法を調べてみましても、百七十二條にこういつたことをやることは認めてないようにわれわれは解釈しております。しかしながら現にこういうことが行われておるのであります。地方財政委員会の事務局長としては、こういつた合法的でないことが平然として行われておることがもし発見された場合には、相当いろいろな点で解決策があると思いますが、御研究なさつておるかどうか承つておきたい。
  69. 荻田保

    ○荻田政府委員 先ほどから申し上げております通り地方財政委員会は、地方財政の問題だけでございますので、ちよつとお話趣旨がわかりませんが、どういう條例が出たのかわかりませんけれども地方の職員の根本的の身分に関するようなことでございますると、私の所管ではございません。
  70. 木村榮

    ○木村(榮)委員 そこで問題がいよいよはつきりして來たと思うのです。地方財政のことだと言われましたが、その地方財政を扱う人間が、今度の十一月二十九日付で出た通牒では——財政とよほど関係がありましようが、やはりこれは賞與をやつてはいかん。名目のいかんを問わず、何もやつてはいかぬ。これは地方財政とは、私どもの観察ではむろん関係があるのですが、身分上のことを、ちやんと命令を出されておる。今あなたの言われておるところと相当矛盾があると思う。こういう点を明らかにされて、この十一月二十九日付の通牒は決して命令ではないが、各都道府縣では命令だと解しておる。命令だから絶対に積立金もやらないということで、私の知つた縣では一銭ももらえない。この年末に自分の積み立てたものでももらえない。こういうことは、あなたの御説明のように、急速にこうこうこういうわけだということを明確にされんことを希望します。ぜひやらなければならぬ。あなたの責任は重大だ。この点に関しては、私はどこまでも糾明いたしたいと思います。よく御解釈を願います。
  71. 山口好一

    山口委員長 これは委員長として発言いたしますが、事務局長としても考慮せられて、すみやかに善処せられんことを希望いたします。  それでは、これをもつて本日は散会いたします。     午後二時四十二分散会