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1948-12-10 第4回国会 衆議院 大蔵委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年十二月十日(金曜日)     午後二時五十七分開議  出席委員    委員長 島村 一郎君    理事 大上  司君 理事 島田 晋作君       石原  登君    苫米地英俊君       松田 正一君    宮幡  靖君       川合 彰武君    重井 鹿治君       松尾 トシ君  早稻田柳右エ門君       本藤 恒松君    鈴木五郎君  出席政府委員         大藏政務次官  塚田十一郎君         大藏事務官   愛知 揆一君         專賣局長官   原田 富一君  委員外出席者         復興金融金庫理         事長      北代 誠彌君         復興金融金庫総         務部長     鹿喰 清一君         專  門  員 黒田 久太君     ————————————— 本日の会議に付した事件  大藏省預金部特別会計外特別会計昭和二十  三年度における歳入不足補てんのための一般会  計からする繰入金に関する法律の一部を改正す  る法律案内閣提出第一号)  砂糖消費税法等の一部を改正する法律案内閣  提出第二号)  製造たばこの定價の決定又は改定に関する法律  の一部を改正する法律案内閣提出第三号)  復興金融金庫法の一部を改正する法律案内閣  提出第四号)     —————————————
  2. 島村一郎

    島村委員長 これより会議を開きます。  前会に引続きまして本日の日程に上つております四案を一括議題として質疑を継続いたします。本日は北代復金理事長及び総務部長が出席しておられますので、まず復金に関する御質疑を先にお願いいたしたいと存じます。これに対しまして発言要求があります。鈴木五郎君。
  3. 鈴木彌五郎

    鈴木(彌)委員 簡單復金融資に関しましてお尋ねいたしたいと思うのでありますが、その前に東北地方、特に私どもの方の秋田縣のごときは、ほとんど稻作一本でありまして、当然近き將來農村恐慌がやつて來るということになると、どこよりも一番恐慌に見舞われる率が多いのであります。私らは恐慌が來てから農村を救う計画を立てることはすでに手遅れだから、今から何とかして農村恐慌に備えておかなければならない。こういうことに留意をしているのであります。秋田縣のごときはどうしても農村工業を盛んにしなければならない。こういう考えで、各協同組合の長を集めて、個々の問題でなく、大きくかりに一郡の農家一つ組織体になつて、そうして酪農、あるいは農産物加工、あるいはさといもやきくいもを植えつけて、それからしようちゆうをとりあるいは藥をとる。あるいは飼料があるから当然ぶた等の飼育ができるわけであります。一戸の農家に少くとも十頭以上くらいのぶたを飼う。これをさらにハムにする、ソーセージにするというふうな意味におきまして、相当大がかりな計画を立てたい考えで、今盛んにその組織体をつくりつつあるわけなんであります。こういうものに対しては、当然復金融資を受けられるものと思つて、その前提のもとに始めておるわけなんでありますが、こういう農家全体が一つなつ生産増強組織体に対して、私の考えておることが正しいか、正しくないかまず伺いたい。
  4. 塚田十一郎

    塚田政府委員 ただいま鈴木委員から御指摘の点は、私も新潟縣の実情をよく承知しておりますので、まつたく立場が同じであります関係上、身をもつて痛感をいたしておるのであります。御指摘通り、まさに農村恐慌が來てから手を打つたのでは遅いのでありまして、私どももしよつちゆう郷土に参りました時分に、農村恐慌が來ることは必至だから早く準備をされたい。そこで結局行き方としては御指摘のように、いろいろ農業経営を多角化して行く必要があろうし、それ以外に道はないのではないか。そこでそういう面で資金という点が農村の最近の状況からすれば、どこからか金を借りて來るということがなければ、それが実現困難であるから、そういう方面においては政府も最大限の努力をはかるからということを申しておりますくらいでありまして、考え方におきましてはまつた同感であります。そういう方面におきまして、今まで政府がある程度措置はとつておりますが、その詳細につきましては、それぞれ担当の銀行局長及び復金理事長からお答えいたします。
  5. 北代誠彌

    北代説明員 ただいまの問題は農村工業をどう取扱うかということにも関連しておると存じますが、安本の資金計画におきまして、第二・四半期に、私の記憶に間違いがなければ、一億五千万くらいの資金を用意しておきました。そして仕事を進めたのでございますが、実際個々のお申込みを取扱つておりますと、なかなか金融に乘らないようなものもできまして、その一億五千万全部使い果すというところまでまだ至つておりませんで、大体の方針といたしまして、こまかいことはすでに発表しておりますけれども中小金融三百万円以下の問題として、私どもの方では取扱つておる次第でございます。大体この農村に置く工業はどういう工業であるかと申しますと、農村に根拠を持つて農村の資本、労務をもつて行う事業であつて農村工業振興目的たる農家経済の安定に寄與するもの、あれを主としてねらつておりまして、特にただいま御指摘單作地帶農村というようなものは、優先的に取上げるということをいたしておる次第でございます。
  6. 鈴木彌五郎

    鈴木(彌)委員 趣旨にはきわめて同感であると言われますが、一億五千万とは日本全体の農村金融ですか。
  7. 北代誠彌

    北代説明員 さようでございます。
  8. 鈴木彌五郎

    鈴木(彌)委員 私の計画しているのは一郡に一億くらいの金を融資してもらいたいという大規模なものです。もちろん今問題になつております昭和電工肥料も非常に大事ですけれども、もつと大事なものは直接生産を増強すること、これは東北、北海道の農民がその氣になり、指導よろしきを得ればおそらく相当多量の食糧その他の生産があがると私は思つております。一法人に対して三十億近い金を貸しますけれども農家全体が一つなつたものに対して、日本全体の農村振興農村工業化に一億五千万円くらいの金では足らないと思うのであります。私が先ほど申し上げましたように、一郡の農家は最低三十箇町村くらいありますが、これが一丸となつた場合には、一郡で一億くらいの金を貸し付ける余裕がなければ日本生産増強にならない。技術上の面からどんなにインフレーシヨンを克服するというようなことを考えましても、もうどなたも言うている通り、あらゆるものが多くならなければどうにもならない。そういう意味から、一億五千万円は今まできまつたものであるでしようか。このたびの割当といいますか、もうすでにきまつているのですか。これからやるのですか。それを伺いたい。
  9. 北代誠彌

    北代説明員 ただいま申し上げました分はきまつているのであります。これは私から申し上げるとさしでがましいかも存じませんが、経済安定本部で立てます資金計画の中で、大体そういう計画を立てているわけであります。私の方では経済安定本部から参ります資金計画に基きまして、それを執行して行くという建前になつております。
  10. 鈴木彌五郎

    鈴木(彌)委員 これは復金人方よりは、愛知銀行局長にお願いしなければならぬと思いますが、先ほども申し上げましたように、日本全体の農村振興策に一億五千万円というような金は、あるもないと同じだと私は思う。これを要求に應じてふやせるかどうか、ふやせないか、それをちよつと伺いたい。
  11. 愛知揆一

    愛知政府委員 ごもつともでございまして、ただいま北代理事長が御説明になりましたことは、復金融資先であつて、かつ比較的規模の小さいものについての一・四半期計画お話になりましたので、今の農村工業化その他につきましての数字の問題については、現在までのところ実はそれだけ復金一本だけの計画ではないので、この際いささか御質問範囲を越えるかと思いますが、簡單に今までの経緯をごひろうしておきたいと思います。  御承知通り委員会におきましても、第二回國会以來非常に熱心に討議されたのでありますが、農山漁村関係復興金融については、実は今の復興金融金庫が創設されましたときには、あまり考えられておらなかつたことは否定できないと思います。ただ農村における工業ということで取上げ得るもの、それから食糧関係などでも、加工というようなことについては農村工業化ということで、やはり復興金融金庫融資対象として取上げ得ることになつておりますが、全体から見て、力の入れ方が総対的に見ればやや足らないという点は、否定できなかつたわけであります。從つてそれらの点を補いますがために、どうしても相当長期にわたり、かつ大規模金融が必要であることが指摘され來つたわけであります。ところが、この問題につきましては、ただいま鈴木委員から御指摘のように、一郡でも数億というような非常に厖大な計画にもなりますし、またこれは非常に長期にわたる計画でもありますので、一体これはいわゆる金融として取上げ得るものであるか。それとも財政的に考慮しなければならぬかという、まず出発点に大きな問題があるわけであります。古くはたとえば預金部資金のようなものがございまして、これは当時においてはちようど財政金融の間を行つてつたと私は考えるのでありますが、戰後においてそういう制度がなくなつた。それから一面金融機関といたしまして、農林中金は活発に動いておりますけれども、どうしてもその資金は短期にしか運用できない。勧業銀行その他の債券発行も、戰後におきましては思うにまかせない。普通銀行に轉化しつつあるというようなところで、財政金融のちよう中間を行くようなものとして、農林関係等におきまして特別会計を創設して、政府資金をもつてそういう事業に充てようという案が、非常に有力に立案されたわけであります。それからそれと並行いたしまして、特別会計ぐあいが惡いということであれば、特殊の金融機関を恒久的に設置すべきであるという議論も生まれたわけでありまするが、いろいろ関係方面意向どもございまして、現在のところでは御承知通り農林中金が一・四半期に二十億の債券を発行して、それを復金が引受けまして、その一・四半期二十億をいろいろの目的について配分して融資をするということに、暫定的になつたわけであります。この制度はついででございますから、簡單に申しますと、十月の六日から現実に貸出しが実行されております。それから貸出しの方法といたしましては、農林中金理事長に、この融資については一元的に責任をお持ち願いまして、農林中金理事長としてではなく、この復興金融融資決定者として、別個の責任に立つて担当していただいておるわけでございます。十月から十二月まで二十億円の計画で耕地の改良、造成、復旧、造林、林道の開発復旧、それから水産関係では魚床船溜りの修築、また農林漁業関係者共同利用施設の金というように、いろいろの項をわかちまして、二十億円の計画実行したのであります。ところがこれはやはり末稍までいろいろの連絡その他に手間取りますのと、それから役所側にも中金側にも準備不足等がございましたために、十二月の七日現在においては、純粹にこれらの融資実行として行われましたものは、四億円余りにとどまつておるのでございます。しかしながらそのほかにアイオン台風関係復旧その他に、便宜この金を充当しておるものもございまするし、またしばらく前のことでございまするが、北陸震災関係で、やはり農業共同利用施設等の應急の復興復旧等に充てたものもございますので、大体十二月末までには、融資実行としては七億ぐらいの程度までは行くだろうと考えておるのでありますが、引続きそのずれをも見込みまして、第四・四半期においては、本來のわくを二十億予定いたしまして、計画を円滑に推進するようにいたしておるわけであります。ただいま申しましたのは、まだ発足いたしたばかりでございまするが、同時に私どもはこれだけでは非常に制度として不十分だと思いまするし、別個に金融機構の大改正の問題も八月以來懸案となつておりますので、それと合せまして、農林行政復興金融、それからお話農村工業復興あるいは振興ということについても、別途に恒久機関の問題として現在鋭意研究中であるわけでございます。これは十月以來いろいろの観点から各方面の御意向を伺いまして、立案に努めておるのでございまするが、先ほど申しましたように、財政金融の間になるような問題でもありますので、非常に立案に手間取つておるようなわけでございまして、その点は申訳ないと思つておるのでありますが、例の金融業法関係方面の示唆の中にも、農地開発その他については、特殊の金融の道を開くことも示唆されておりますような関係もありますので、関係方面の援助を得まして、なるべくすみやかな機会に成案を得まして、実行に移したいと考えておる次第でございます。
  12. 鈴木彌五郎

    鈴木(彌)委員 たいへん詳細にわかりました。ただ私らも財源関係からこういう問題を取上げて行くことになれば、画一的な問題になるのですが、どうしてもその地方には地方独特の事情がありますから、むしろ金融一本で行つた方が間違いないじやないか。財政方面政府指導政府命令等範囲では、今までの例だとなかなか動かない。御承知のようにあれだけ開拓局の予算がありましても、ほとんど不必要な土地を買い上げて実際に実行に移ろうと思えば、すでにその金がないというようなことでなく、もう少し直接農家が喜んでただちに働けるというふうな組織で行かなければだめだと思う。私が現在考えている一例をあげると、かりに十箇町村なら十箇町村一つ組合にしたところへ、農産物加工所を建ててやる。これは恒久施設の費用になるのですが、そうすると、個々農家がとつたものをその加工所まで運ぶということにおいて、農家に入る收入が非常に多くなる。そうなると、これは黙まつていても農家は働くようになる。問題は、百姓に働かせようとすれば、まず百姓を愛し、百姓に與えるということが眞理でなければならない。今のように與えるものも與えないで、とることばかり考えるから百姓はつぶれてしまう。そうでなく、私の考えだと、とにかく個々農家が非常に望んでいる必要なものを建ててやる。その地区々々において、また地区においても同じ秋田縣のようなところでも、私の生れた平鹿郡なんかはまつたく米だけで、何にもない。またお隣りの雄勝郡に入ると、平野よりも山間部が多いというようなことで、地区地区において非常に違うのですから、どうしても私らの希望としては、これは財政的な問題として取上げるのではなく、今局長さんのおつしやられたように特殊な金融機関をつくり、これに貸付けるというふうな方法がいいのじやないか。ぜひそうしていただかなければならぬと思うのであります。  それから具体的に伺うと、二十億の金がまだ七億ぐらいしか出ていない。そうすればまだ十三億という金が残つておる。それから復金の金も一億五千万がまだ全部使われないということでありますが、中金の金と復金の金というものは全然別なのでありますか。目的は同一の目的と解してもよいのですか。
  13. 愛知揆一

    愛知政府委員 多少違うところがあると思います。
  14. 鈴木彌五郎

    鈴木(彌)委員 そうすると、今組合ができつつあるのですが、現在の協同組合に全農家が加入するという行き方なのであります。そうすると、非常に合理的にうまく行くので、ただちにそういう計画に対して金を借りたい。その借りる計画を立てたいと思うのですが、その計画が正しければ、貨していただけるのですね。そう承知してよろしゆうございますか。
  15. 愛知揆一

    愛知政府委員 はあ。
  16. 鈴木彌五郎

    鈴木(彌)委員 それでは私の質問はこれだけです。ありがとうございました。
  17. 島村一郎

    島村委員長 次の本藤君。
  18. 本藤恒松

    ○本藤委員 昨日もちよつと質問をいたし始めたのでありますが、いろいろな点からいろいろな方面のことをひとつだんだんにお聞きしたいと思います。どうも復金の金というものを借りる一般の側の連中の頭が、借りればほとんどもつたようなものだというような考えで、これが日本の大きな國策というか、産業というか、増産の問題に影響するのであつて、その点も明確にひとつ方法を立ててもらいたいということを昨日も申し上げましたが、これも今後復金の重大な問題だと私は思うのでありますから、重ねてひとつそういうことを言いたいのであります。とにかく地方においても復金の金を借りるために、約二割から三割の金を運動費として使つているという人が相当見受けられるのです。それで借りられないで、いろいろな手違いの問題がよく起きていることもわれわれは聞いているのであります。なおこれが大きくは昭電問題などにしても、昭電の借りたあの二十六億か七億の中からも、約五分くらいは当然政治資金として出ている。あの大きな額の中からでも五人分くらい出ているというように、われわれ聞いているのであります。こういうこともはつきり復金融資に対して抹消しなければならないということを、私は強く言いたいのでありますが、これに対する意見も昨日に引続いて開きたいのであります。  それからなお今のような機構で行くと、私は数字のことははつきりわかりませんが、一箇月に約九十億くらいはだんだんに増額というか、増資をして行かなければならぬような形にちよつと考えるのでありますが、こういうようなことでもし二年なり三年なり行くと、一年におそらく一千億以上ずつ増資して行かなければならぬ。これがやがて國民の負担となつて、いろいろな問題が起きて來るのでありますが、資金をそれだけ増額して行つて、現在の生産高が一体その金の出ているだけの率に増産ができているか、おらぬか。これも一應聞きたいのであります。一應それを聞いた上に次の質問に移ります。
  19. 塚田十一郎

    塚田政府委員 復金の金を借りたら、もらつたというような考え方一般に瀰漫しているということは、昨日も御指摘になり、本日もまた重ねて事柄の重大性にかんがみて御発言があつたのであります。確かにそういうような考え方初期にはあつた。今日も全然ないとは申し上げないのでありますが、初期にはことにはげしくそういう考え方があつたというようなことは、私どもも肯定をいたす次第であります。しかしその後のいろいろな措置によりまして、政府といたしましては最大限度に、そういう間違つた考え方を排除するように、手段をとつて参つたつもりであります。なお今後ともそういう面において誤解があるものならば、一層そういう誤解の起きないように、なお努力いたして参りたいと存ずるのであります。そういうような誤解一掃方法といたしまして、借りたものの回收がどうも手ぬるかつたというようなこともあるのではないか。そこで期限の來たものは回收もよく念を入れてやるというような方法も、そういうような誤解を一掃する一つ方法としてやつたわけであります。  それから間に立つていろいろめんどうを見てやると稱して、手数料をとるという存在があるということ、これも初期には一層はげしくあつたのであり、今日もなおこのようなうわさを私どもも聞いております。そうしてこの復金の金を借りるということが、やはり政治とくつつき合う。非常に手続の上でめんどうだ、それに額が少いのに借りたい希望者が多いというような、いろいろなことで、どうも普通の人たちがすらつと正面から行つたのではなかなか行かない。つまり手続その他の点で、正面から行けば時間的にも非常にひまがいる。それから今は何でも困難で、なかなか最終の目的まで到達して行かない。こういうようなことが、中間にそういう人たち存在を許すと同時に、最初に申し上げたお借りになる方々の、借りたらもらつたというような誤つた考えから、どうせもらつたものだから、相当手数料拂つても損はない、というような考え方結び合つて、そういうものが出て來ると考える。從つてそういうものの存在の余地をなくするように、なるべく復金に直接御交渉をしていただく。そして直接御交渉をしていただいたものであつても、理由のあるもの、復金として融資に取上げられる性質のものは、なるべく懇切に取上げて差上げるというような、いろいろな手続面の改革その他意図いたしまして、そういう点も極力排除するように努力いたしておるわけであります。なお十分でない点があると私どもも思いますので、これは今後の努力にまかせていただきたい、こういうように考えているわけであります。  それから過去に出た復金の金がはたして日本復興増産に役立つたかどうか。これは大体の見通しといたしましては、私ども相当程度に役立つておるというように考えておるのであります。なお詳細な数字的な資料について、もし御希望であれば、銀行局長もしくは復金理事長からお答え申し上げるということにいたしたいと思うのでありますが、決して今まで出した金が、いろいろな欠陷があつたものはあつたけれども、むだにはなつておらないというように私ども考え、また今後もそういうように有効に使われるように努力して、せつかく御協賛を願う今度の百億の資金、それから過去に放出いたしました資金の十分な活用をはかつて参りたい。かように考えておる次第であります。
  20. 愛知揆一

    愛知政府委員 ただいまの政務次官のお答えに若干補足いたしまして、蛇足かもしれませんが、申し上げますと、復金融資はもらつたもの云々というお話でありますが、御承知のごとく当初から復金融資の中には、財政補給金をある時期に交付する。しかしそれが間に合わない間はつなぎの融資をするという性質のものも相当ございました。それから石炭その他、しばらくたてば二、三箇月後に必ず炭價を上げるということを政府が約束をして、その炭價の上るまで赤字になるものについて復金融資をするというものも、相当多額にあつたわけであります。ところが政府が当時約束したごとく補給金拂つてもらえなかつた。それから政府が当時約束したごとくには、石炭の價格は高くきまらなかつたということになつて、その復金からの融資に対する償還の財源が、期待したようになかつたというようなものもあるわけでありまして、その辺のところがしいて文句を申しますならば、大きな石炭その他の産業において政府が一方においてやらないために、返せなくなつたというようなものも相当あることを念のために申し上げておきます。  それから生産実績のお尋ねでございますが、御承知のように復金融資対象は、石炭、鉄鋼、電力、肥料非鉄金属化学工業といつたようなところがおもでございますが、たとえば石炭につきましては、昭和二十一度以降百%と行かないまでも、その当時に設定せられました増産目標は、大体において達成もしくは達成に近い成績を上げております。それから肥料のごときも、一例をあげますならば昭和電工川崎工場などは、政府が設定いたしました目標以上の実績を上げております。今申しましたのは比較的よい例でございますが、その他のものにつきましても、大体におきまして所期の生産目標に近いものが達成されておるということが、原則的に私は言えると思います。  それからなおこれも蛇足でございますが、一面におきまして、復金融資は、ことに過去における赤字融資は、それにこつて石炭從業員給與を協定通り支拂い得て、不必要な労働爭議ゼネスト等が起ることを防いだという効果もあるわけでありますし、その点は電氣産業その他の労働関係において、ある意味から言えば——こういうことを申し上げるのは変でありますけれども、当時における社会的激変を防ぐために、やむを得ず金融でしりぬぐいをしたとは言えるものの、そういう激変を一時緩和し、未前にそういう騒動を防ぎ得た経済的、社会的、政治的効果も、功罪の功としては確実にあげ得る一つの問題であろうかと考えております。
  21. 本藤恒松

    ○本藤委員 大体今までそういう一般復金融資を扱う人たち考え方は、今後ひとつかえてもらわないと、將來この問題から日本の経済的にいろいろ大きな問題が起きて來ますから、どうかこのことはよろしく御注意願いたいと思います。そういうような一つ政治的運動は、ことに時の内閣総理大臣なり、大藏大臣なりが、こういう一つ委員制度から來る委員長とか、幹事会の会長とかいうことでやるのは——復金のこういうものがすでに三年になりますか、四年になりますか、これができた今日としては、むしろこういう制度政治的に動かされて、自主的に行かないのじやないか。むろん國策というか、基本的産業として、石炭なり、肥料なり、鉄鋼なりが、赤字であろうが生産しなければならぬというのなら、赤字赤字としてどう処置するか。價格の面において解決するか、政府がこれを補償して解決するか、これはいずれにしても國としていたさなければならぬのであるから、これまではつきりものがわかつて來たら、私はむしろこういう委員制度、幹事制度というものをなくしてむしろ、復金自体、また代理貸付を担当する一つの銀行——私はことにこの際それと合せて一つ質問したいのでありますが、今までの復金は、とかく大きな國策、いわゆる基本産業として安本なり、また政府が方針をきめたものに行くのであるが、日本の現在は、やはり基本産業も必要であるが、一般國民の中小商工企業のいろいろな面が全部相まつて日本の経済を担当しておるのであるから、私は一般地方産業にも復金の金をある程度利用させるという点から、各縣に中央金庫の出張所もありますし、復金の出張所もありましよう。なおまた地方銀行もありますが、これらの銀行の手を経て、大方わくをきめて、政府なり復金の方で、どの縣には、人口と産業をにらみ合せてどの程度までいいだろうという一つのわくをきめて、そうしてそこは適正に処理さして、その土地の産業をある程度まで助けて行く。これが地方のいろいろな農村恐慌の問題にいたしましても、また中小商工業者のいろいろな崩壞への問題にいたしましても、また開発の問題にいたしましても、地方地方一つの見方で、有効な使途がありますから、こういう制度を今後拡張されてはどうかということと、あわせて御意見を承りたいのであります。要するに地方に対する融資制度方法と、委員会であるか幹事会であるか、そういうような制度というものは、何らか政治上動くような、屋上屋を架するような感がいたすので、簡單に私が申せば、日本金融界のくろうとというか、相当明るい人はたくさんあると思いますから、むしろもちはいわばもち屋にやらせる。しかし基本的なことはやはり政府のこれに関係ある監督大臣がむろんいたしますが、すでに今日になつてはそういう方がいいと思いますから、もし將來機構改革に対する御意見があつたら、承りたいと思います。
  22. 塚田十一郎

    塚田政府委員 復興金融金庫から出しますような性質融資は重点産業、基本産業だけに限らずに、その他のものにも均霑させるべきであるというお考えでありますが、この考え方には私も同感であります。今日のいろいろな政策が、物の面にいたしましても金の面にいたしましても、重点に非常に片寄つておる——片寄つておるというよりは、むしろとらわれ過ぎておるような感じを私ども元來持つておるのでありまして、重点主義という考え方は、短期間の場合においては一應考えられるのでありますけれども、一年たつても重点、二年たつても重点というようなことで、他のものを全然顧みないということでありますと、結局他のものの存在が無視されてしまう。そうかといつて、國が基本産業だけで成立つかというと、決してそういうものではないのでありまして、やはりすべての國の産業全体があつて國が成立つのでありますから、金融の面でも、基本産業ばかりにとらわれるという考え方はやめなくてはならぬ。從つて復興金融金庫などでも、先ほどから申し上げておりますように、農林金融、中小商工金融という方面にも、今日の資本の許す限りにおいて、一應適当な融資を出してやつておるわけであります。今後は、この考え方の線は事態の推移に應じて一層積極的に、むしろ拡充してやつて行きたいという考え方を持つております。  それから理事会、幹事会というものの、今日復金融資の実際の行われ方の上に持つておりましたいろいろな役割、働き方というものが、どうもうまく行かなかつた。これも御指摘通りでありまして、これは昨日銀行局長から申し上げました復金の改組の案の中においてもやはり取上げまして、むしろ復金理事者自体に責任を持つていただいて、國家は大わくをきめるということだけをやる。委員会は大わくをきめるということだけをやつて、実際にそのわくの範囲内でどの事業にどれぐらい援助するかということは、復金自体に責任をもつてつていただくというように、今度の改革の草案はなつておるわけであります。  それからいま一つ指摘の点の、地方銀行にも復興金融金庫資金を、縣單位ぐらいに割振つて扱わせたらどうか、この考え方は、御論旨の中に相当傾聽いたさなければならぬ点が、多々あるように思うのでありますけれども復興金融金庫というものの資金性質からいたしまして、一体地方銀行というものは、やはり預金で集めた金を貸し出すというのが本來の建前であることは、私から申し上げるまでもないのでありまして、そこへ復興金融金庫の金を出す、そうしてこれを貸し出させるということは、なお一考を要する点があるのではないかというふうに、今は考えておるわけであります。ただ地方の興銀なり勧銀なりの支店が、復興金融金庫の代理事務を扱う。つまり窓口の一つとして働いておりますような、そういう意味において地方銀行が窓口的な役割を果すというようなことは、それはあるいは取上げ得る余地があるのではないかというようにも考えられますので、御指摘の御論旨の点を十分考慮に入れて、今後の改革の実際面において十分考慮して参りたい。こういうように考えております。
  23. 本藤恒松

    ○本藤委員 ただいまのお話で、大体改革されるようなことは了承できたのでありますが、地方の問題は、地方銀行と同一資金として貸し與えるのではなくして、やはり復金復金としての、要するに方針というものがありますから、これは縣が取扱うものを、私はただもち屋はもち屋だから、地方の銀行に勧銀なり興銀のないところもあるから、何かそこに便宜を拂つてつたらどうかという考えで申し上げたのであります。これはやはり地方金融地方だけの市中銀行で今日行ければよいけれども、すでに縣により農村によつては、税金関係やらまたいろいろな産業の行き詰まりで、資金難で非常に困つてつて、これは日本の基本産業ではなくても、すでに月一割というような金も相当中小商工業者の間には使われておるので、現在の金融制度から行けば、むしろ日本の発展どころではない。むろん数箇月の後にだんだん行き詰まつて、ある時期には非常に危險性を持つて來るとわれわれは考えるのであります。そういう点から、ことに復金の金を地方のほんとうに將來性あり、また地方の発展性のあるところに、いかにしてやればよいかという考えから申し上げたのであるから、どうかこれは当局においてよろしく研究の上、縣別にある程度のわくをその地方に利用させるということで御研究願つて実行さしていただきたいと思います。  なお事務的のいろいろな問題は、ただいま正式でない懇談会でいろいろとお聞きいたしましたが、今までとは違つて、現在復金なりの実際に事務的に行かれる人たちは、むろん日本として基本産業は基本産業といたし、なおまた一般一般といたして、この回收と実際面をひとつ政治的に動かないようにやつていただけば、これは私は非常によいと思うのでありますが、まず私がなお一層お聞きしたいのは、同じ基本産業でありましても、現在の基本産業というのは、かりに石炭肥料、鉄鋼というように、ある一つの限定のほかいろいろな品目をあげられて、逐次行つておりますが、私は石炭であれまたは肥料であれ、國でもつて基本的な重大なものであるというのに対しましても、今の行き方よりもまだ一歩進んだ行き方をすれば、肥料の解決もでき、なおまた石炭問題も解決できると思う。むろん石炭問題というものは、結局電力の問題にも行き、また代用燃料として亞炭であるとか、林産物のいろいろな問題からも來るのでありますが、私はやはり主体は主体であるが、日本將來とすれば、石炭にいたしましてもいろいろな資材にいたしましても、ある量は限定したものでありますから、一年に三千万トンなり三千五百万トンなり掘ればそれだけ少くなるから、十年、十五年の後にはどうなるか。次に日本としてどういうことを考えて行けばいいか。現在の燃料にいたしましても、また輸送の一切の力にいたしましても、これをどうするかということは考えて行かなければならぬのでありますから、私はこれを別な方面でお考え願いたい。肥料などはことにそうでありますが、私はこれは現在おいでになる皆さんからお聞きするよりも、安本長官、要するに大藏大臣並びに総理大臣から承りたいので、安本長官なり総理大臣の都合のいいときに、むしろ基本的な一つの問題を一應質問してみたいと思うのであります。大体肥料の問題などは、一應硫安であり、石炭窒素であるというような化学的な肥料で行くことも、やはり日本食糧問題の解決でありますが、これだけで將來日本が行くということになれば、それは土壤関係から來、または石炭、電力等いろいろなにらみ合せで將來いかなる時期に行き詰まるか。金融問題となりますから、自然の間に行くとするならば、むしろ私は日本の高冷地においての農業というものは、すでに未開地で発展していないのであつて肥料で行くのもやはり高冷地農業の開墾でありますが、一つは家畜農業をやつて行けば高冷地農業は行ける。これは長野縣のごとく、また至るところ、東北におきましても相当氣候の寒いところで、普通の米麦だけの農業はできぬから、私は家畜農業をいたして、その肥料からあらゆるものを増産して行くならば、日本將來食糧問題の解決はできると思う。こういう点から行くと、やはりこういう方面復興金融金庫資金を融通してもらうならば、日本食糧問題なり農村の人口問題なり失業問題は、解決できると私は思うのであります。こういうことが現在のインフレのもとにおける今の地方金融状況では、地方農村民といたしましても絶対どうにも改革できないのでありますから、私はこの復金金融をもつて、新しい一つ肥料問題から來る農村の改革をしてみたいというような考えを持つておるのだが、これは安本長官なり総理大臣に一應お聞きしてみたいので、もしここにおいでの政務次官並びに銀行局長さんの方でお考えがあれば一應お聞きしておいて、後刻時間を改めて安本長官から承りたいと思います。
  24. 愛知揆一

    愛知政府委員 農村金融の問題につきましては、先ほども申しましたように、現在非常に大きな問題の懸案として鋭意檢討中でございます。  なお肥料改策との関連その他につきましては、私もその方の專門でございませんので、安定本部、農林省等に連絡いたしまして、別の機会にお答えすることにいたしたいと存じます。
  25. 本藤恒松

    ○本藤委員 ただいま私のお聞きした平野の問題はわかりましたか。
  26. 愛知揆一

    愛知政府委員 先ほど復興金融委員会の過去の委員につきまして、平野力三氏の復興金融委員会委員になられましたときの事実、及び辞任せられましたときについて、資料に基いて御質問がございましたが、ただいま調べましたところをお答えをいたしますと、平野氏は昭和二十二年九月三日の発令によりまして、復興金融委員会委員になつておられます。その後その事実はただいまちよつとはつきりいたしませんが、農林大臣をやめられましたが、それによりまして当然復興金融委員会委員を解任せられておるのです。そのやめましたときの解任の辞令は、慣例上常にそういう際には発令をいたしておりません。それから次に波多野鼎氏は、昭和二十三年一月八日に復興金融委員会委員の発令がございまして就任されておりまして、その後農林大臣退任によりまして、自然委員の資格は消滅をいたしております。
  27. 本藤恒松

    ○本藤委員 今二十二年の九月三日に発令されたように局長さんは言われましたが、それはやめた日でしよう。
  28. 愛知揆一

    愛知政府委員 なつた日でございます。
  29. 本藤恒松

    ○本藤委員 いやそうじやない。なつた日は、ここにあるのは六月一日になつております。
  30. 愛知揆一

    愛知政府委員 それは間違いのようでございます。
  31. 本藤恒松

    ○本藤委員 しかしそれでは農林大臣になつたときは委員にならないのですか。農林大臣は六月になつたのですが……。
  32. 愛知揆一

    愛知政府委員 六月になられたのであります。そしてその手続にどういう関係ですか、相当時間をとられておりまして、農林大臣平野力三として復金委員会委員発令になつておるのが、今申しました二十二年九月三日なのであります。
  33. 本藤恒松

    ○本藤委員 私のところに來た資料では、二十二年六月一日となつて、やめたのが、九月三日になつております。これは調査が違つておると思います。
  34. 塚田十一郎

    塚田政府委員 おそらく表に出ておりますのは、農林大臣になられたときと、やめられたときというところを一應合わせる、というような形の建前で、その表をつくつておるのではないかと思うのでありまして、本当に辞令の出た日付の上のはつきりした記録は、今申し上げるように発令が九月三日でありまして、やめられたときに自然消滅で、発令は日付的にはないわけでありますから、今度波多野さんがおなりになつたのも、やはり農林大臣になられたときではなくて、発令になつておりますのは二十三年一月八日に初めて発令になつておる。こういうぐあいになつております。
  35. 本藤恒松

    ○本藤委員 私のところに來ておるこの資料では、波多野さんは二十二年九月三日になつてつて、やめられたのは二十三年三月十日ということになつております。おそらくこれがほんとうなんで、今言われた方が違つている。私ははつきりこう思つている。これは私がつくつたのではない。やはりそちらの方からまわつて來た。私はこの日付の違つておらないということも、うすうす聞いているのであります。どういうためにこういうずれのあることをしなければならぬようなことが起きたか。私はこういう委員会制度は非常に屋上屋でいかぬという点で、これは何か内幕を一應調査して承りたい。
  36. 愛知揆一

    愛知政府委員 ただいまの問題は私も予想外の問題でありましたために、十分役所の中の原本について自分で確かめたいと思いますが、おそらく事情は、ただいま政務次官から申しましたように、その資料を差上げますときには、農林大臣になれば当然復興金融委員会委員になるのでありますから、実際その手続がおくれて発令になつたことを度外視いたしまして、おそらくそこにあります日は、平野さんが農林大臣になられた日だろうと思うのであります。その日をそこに掲げて、それから実際ほんとうに手続が九月三日に発令されたときのことを見誤つて、それを退任のときということに記して、資料を差上げたのだろうと思います。おそらくは差上げてあります資料が間違いだろうと思います。しかしこれは原本があるはずですから、明日にでも原本をごらんに入れたいと思います。
  37. 本藤恒松

    ○本藤委員 今銀行局長さんの言われたのは間違つているので、これは何といつても私の方がほんとうです。はつきりここに書いてある。片山内閣ができたときに平野さんが農林大臣になつて、すでに委員になつておられる。それで九月にやめて、波多野さんが九月になつて、翌年の三月十日にやめたように、ここにはつきり書いてあるのだから、これは間違いない。私はこれは実に不思議な問題だと思うから、この内容の問題を承りたい。この問題が重大であるかないかは別といたしまして、こういうことが委員会でやられるということが、すでにこの委員会制度政治的におかしなものがあり、われわれにわからぬ点がある。だからこれをはつきりさしていただきたい。さように申し上げておきます。  それから先ほど私申したように、安本長官にぜひ明日にも都合して、この委員会に出席してもらいたい。そうして私は根本的な問題を聞きたい。どうかこれをお願いしておきます。
  38. 川合彰武

    ○川合委員 今回の百億円増資に関する資料をこの前要求してありますが、それは委員長のところへ來ておりますか。
  39. 島村一郎

    島村委員長 まだ参つておりません。
  40. 川合彰武

    ○川合委員 復金の内部の監査機構については、現在の理事長北代さんが御就任以來、監査機構を拡充強化して、そうしていろいろな過ちのないようなことをやつておられることは、かねがね伺つているのでありますが、その後復金の内部においていろいろな監査部の活動の結果として、事故を発見したような例があるかどうか。いろいろな機構をつくつても、それがほんとうに活動しなければ何にもならぬわけであります。私の長い間の銀行生活におきまして、銀行の檢査部というものが総裁に直属して、そうして各営業の点においては非常にこわがつてつたというような例があるわけです。そういうことはとりもなおさず、檢査課というものが相当に活動したことを意味するわけでありますが、監査部を拡充強化した結果、内部的にいろいろの事故がはたして発見されたかどうか。そういうことに関する件数並びに金額あるいはまたその融資先の顯著なる例を、ひとつお示し願いたいと思います。
  41. 北代誠彌

    北代説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。復興金融金庫におきまして監査いたしましたものは、十月末でございますが、十一月十七日現在におきまして八十一件、融資先の金額につきましては百三十三億のものをいたしておりますが、監査いたしました中で、私の方の資金の流用と認められるものが、——詳しい資料は今手元に持つておりませんが、多少ございました。たとえば昭和電工につきまして、私の方で監査いたしましたものの中で、川崎の工場の資金として貸しましたもので、鹿瀬その他の硫安工場に流用されておりましたものが、一億円ばかりございます。これは鹿瀬その他の轉換工場に貸しましたものと、彼此整理いたしました次第でございます。それから刑事事件になりました神戸にございます東洋製粉、これは私の方が監査いたします前に檢察廳の問題になりまして、これは私の方でひもつき融資と申しますが、機械の製作者に支拂う小切手を貸付先に渡したのでございますが、その貸付先と某銀行と結託いたしまして、その小切手を不正に取立てまして、それを流用した。私が経驗いたしました復金融資の惡質の流用はこの一件でございます。その他私の方で監査いたしました中に、先ほども申し上げましたように、たとえば設備に貸しましたものが一時運轉資金に使われたというようなものが、漁業会社において、私の記憶で二、三件ございます。ただいま詳しい資料をもつておらないのでありますが、後ほどまた調べまして詳しいところはお答え申し上げます。
  42. 川合彰武

    ○川合委員 ぜひそういうような資料はわれわれにお示し願いたいと思います。と言いますのは、実は毎日新聞であつたかとも思いますが、たしか投書欄に復金相当上層職員が紊乱しておるというようなことが、從業員組合のどなたかの投書にあつたように、われわれは記憶しております。そこでその投書に関して、おそらく理事長もお読みになつたと思いますが、あの投書に対するところの御感想なりあるいはまた眞相なりを、お聞かせ願えればさいわいと思います。
  43. 北代誠彌

    北代説明員 ただいま御指摘の投書でございますが、私はその方面のことにつきましては、非常に注意しておりまして、ただいま御指摘になりました投書は朝日であつたかと思いますが、むしろ職員組合が御用組合で、だらしがないというような投書ではなかつたかと思います。今御指摘のような私の方の上層部のものが、腐敗しているということの投書じやなかつたような感じがするのですが……。
  44. 川合彰武

    ○川合委員 あの投書は私の記憶に間違いがないといたしまするならば、上層部の職員が役員の方々と同様に、非常に腐敗しておる。從つて從業員全体が弛緩しておる。綱紀が弛緩しておる。從つて組合自体が御用組合的になつておるというような、三段論法的なものであつたように記憶しております。その点いかがですか。
  45. 北代誠彌

    北代説明員 ただいま御指摘になりましたのですが、私帰りましてひとつ調べますが、私の確信しておるところによりますれば、私の方の役員あるいは上層部におきまして、部長級におきまして、そういう腐敗しておる事実があるとは信じられないのでございまして、もし事実がありますれば、また御指摘願いますれば、私の方で取調べたいと思います。
  46. 川合彰武

    ○川合委員 復金の職員に関しては、実は私の後輩が入つておるわけです。私は復金の職員の採用ということに関して、いろいろと御苦心のほどはわかるのでありますが、人間がなかなか集まらぬというような関係、あるいはまた他の有力な人の推薦というようなために、復興金融金庫の職員としては、似合わしからぬ人が入つておるようなことも私は一、二知つております。從つてこういうようなことに対して理事長は、細心の注意を拂うことが必要ではないかと思いますから、この点を御注意申し上げます。  それともう一つは、これはおそらく地方におられて、そうして復金から金を借りようというような人から、一様に聞く問題だろうと思いますが、それは代理店の勧業銀行あたりが、いわゆる裏口取引でなければならぬということを言つておりますし、全然そういうような風評を抹殺するということのできないようなことも、われわれは見聞しておるのであります。中小金融の実際を扱つておるのは、復金の末端機関としては勧銀が主としてやつておられるわけですが、そういうような方面に対して復金は勧銀の職員に対して、何らかの自粛自戒というようなことを連絡されておるかどうか。その点をお伺いいたしたいと思います。
  47. 北代誠彌

    北代説明員 ただいま御指摘になりましたように、復金の職員の採用につきましては、非常に注意しております。その関係もございまして、なかなか職員の増加というものが、私の希望通り行つておりません。あるいは数多い中に、たまたま御指摘のようなものがないとも限らないとも思いますが、以後注意いたしたいと思つております。  次にただいま御指摘になりました勧業代理店の関係のことでありますが、これもわれわれといたしまして、常に注意しておりますが、何分にも私の本來の職員ではございませんで、他行の人でございます。その関係におきまして、私の氣持が徹底しないというところがあるやにも、私自身も聞いております。今後そういう方面につきましては、この上とも注意を與えたいと思つておりますから、私に対しまして、そういう方面の御注意をいただければ非常に仕合せと存じます。
  48. 川合彰武

    ○川合委員 次に現在復金の貸出しにあたつて、まだ商工省とか農林省というような、主としてこれは課長以下の職員のようでありますが、そういうところで復金の方に資金のあつせんとか、前の言葉で言いますならば、わくがあるというようなことを一般に言われて、そのために業者が依然として商工省あるいは農林省に足を運んでおる。それがわずかな百万や二百万程度の貸出しでも足を運ぶ。從つてそれには手ぶらで行けないから、少しはおみやげを持つて行くというようなことが言われておりますが、その点はどうなんでしようか。
  49. 愛知揆一

    愛知政府委員 私からお答えいたします。復金の具体的の融資に入ります前に、たとえば現在百億円の増資案を提出いたしておるわけでありますが、さようなものをつくりますときに、根本となる四半期ごとの資金計画を、安本を中心にしてつくるわけでございます。その資金計画石炭、鉄鉱、肥料というような業種別と、それから中小事業というふうな項にわけまして、かなり詳細に業種別の資金計画を立てるわけでありますが、そのときに安本を中心といたしまして、商工省その他の現省の現局、現課がその積算の基礎になる資料を提出し、説明をするわけでございます。その結果きまりました資金計画の各業種別の数字は、予算の款項と同じように使われることを恐れまして、從來におきましてはこれは外部には出しておりません。ところがそれをいわゆるわくと称しまして、たとえば肥料を担当しておりますある省のある課においては、おれの方のわくがこれだけあるはずだ、まだそこまで行つていないからもつと出せというような話があることは、復金に対してもあるだろうかと想像するわけであります。ところがこの資金計画というものは、資金計画であつて融資実行計画ではございませんので、前々から御説明いたしておりますように、これは予算のわくとは違いまして、一應資金計画の積算の基礎になつたものではあるけれども、具体的の融資決定をする場合に、その数字には拘泥しないのだということは、從來監事会、委員会等においても決定事項として決定されておりまして、みなそれに從つて仕事をやつておるわけであります。ただくどいようでありますが、何分にもやはり資金計画というような、公の計画の積算の基礎になつた業種別の数字がございますから、えてしてそれがわくだわくだというふうに、善意にも惡意にも利用されるおそれは非常に強いものがある。こういうように御了解願つたらいいのではないかと思います。
  50. 川合彰武

    ○川合委員 しばしばそういうようなことを銀行局長から伺うのでありますが、実際においては、やはり商工省、農林省あたりの職員の考え方は、少くとも業者に対してはそういうわくというような考え方のもとに、いろいろなあつせん的なことをやつており、そのために業者が非常な不便を來している。これは私の親類が現に痛感している問題です。これはあまり私的になりますから、後に北代理事長によく申し上げますが、事実そういうようなことをやつておりますし、ことにけしからぬのは、最近において縣廳がそういう中に入つて、盛んにごちそう政策を強要するという事実は、現に私の関係者が経驗しております。今日の午後二時私の浜松に縣廳から参つて復金融資の問題であるから夜食を用意しろ、というようなべらぼうなことをやつているし、先般もある人が参つたのでありますが、その人はわずか二百万円程度の金を借りるのに、今まで三十六万円の金を使つたと言つて、詳細なものを私に見せてくれましたが、こういうような事実があることは疑いない。私はこういうようなことからして、中央の官吏諸君というものは、漸次自粛され自戒されていると思うのでありますが、地方の公吏の諸君には旧態依然たるものがあるということを非常に遺憾に思いますし、こういうようなことに関しましても、わくというようなことのために弊害が生ずるということは、大藏省なりあるいはまた復金におかれても、十分御注意が必要ではないかと思います。  次に、これは銀行局長にお尋ねしますが、この八月の十一日の閣議決定により、またその月の二十日に、われわれの前の財政金融委員会でいろいろな説明があつたのでありますが、いわゆる中小金融に対していろいろな施策がとられた。そこで代理貸しとかあるいはまた保証貸付というものがとられたわけであります。私はその後の経過の実相についてはまだよく調査はいたしませんが、問題は出先の各機関、主としてこれはおそらく勧業銀行とか、そういうものがやつていると思いますが、そこの滯り貸しを、つまりもう債権の取立てが困難というような不良貸しを、代理貸しあるいは保証貸付に振りかえて、実際の資金の融通の面においては、はなはだ不活発ではないかというように思うのでありますが、そういうような点、つまりせつかくの中小金融というものが、実際においては途中の金融機関の不良貸しの代理というような実体になつておりはせぬかということを、非常に恐れるのであります。そういうようなことについて相当調査されておるかどうかという点を承りたいと思います。
  51. 愛知揆一

    愛知政府委員 ただいまのお尋ねの問題は、実はさようなことになることをあらかじめ恐れまして、八月十一日の閣議決定に基きました復金中小金融対策の要綱中に、さような旧債の返還等のために融資することは、絶対に拒否しなければならぬということを、はつきり方針できめておるわけでございます。從いまして実際の結果におきましても、そういうものが入つておるとは思わないのでありますけれどもはつきり絶対的の自信をもつてお答えするだけの現在資料をもつておりません。それからついでに申し上げておきますが、その閣議決定に基きましての全体の実績といたしましては、代理貸しは非常に円滑に行つておりますし、またさらに希望も多いので、先般も申しましたように、この第三・四半期におきましては、当初予定の五億五千万円という計画を三億ふやしまして、八億五千万円ということにいたしまして、中小金融の年末越年のための対策といたした次第でございます。
  52. 川合彰武

    ○川合委員 次に、これは地方的に相当問題になつているようでありますが、たとえば勧業銀行に対して代理貸しあるいはまた保証貸付、こういうもののあるわくを與える。ところがその勧業銀行において地方別に、たとえば大阪にいくらとか名古屋にいくらというように自由裁量の余地があるか。あるいはまたある程度大藏省においてそういうようなことに関する指示と申しますか、そういうものがあるかどうか。この点を承りたいと思います。
  53. 愛知揆一

    愛知政府委員 お答えいたします。各銀行別の割振りは関係のものが集まり相談して決定いたしますが、一旦勧業銀行にたとえば一億という割振りがございますれば、その一億をいかように配分するかは勧業銀行にまかせてあるのでございます。
  54. 川合彰武

    ○川合委員 その点において、私は当然融資先中間の銀行の自由裁量の余地にまかせ、しかも中間の銀行というものはよく実情に適切な地方的な資金の配分をやることが、望ましいと思うのでありまするが、実際においてそれがなかなか思うように行かないというような点があるのと、もう一つは、これは事務的な問題でありまするが、たしかこの前の八月十一日の閣議決定事項では、一口あたり二百万円までは、地方の支店長の権限においてこれができるというようなことになつてつたと思います。ところがそれを一々本店に稟議してやるというようなために、せつかくの中小金融が時期的に適切を欠くというようなことが実際にあるわけですが、そういう点について銀行局の方では、どういうように感じられておるか。
  55. 愛知揆一

    愛知政府委員 ただいま御指摘の点は、さようなことが問題であると私も思うのでありますが、ただ銀行局の立場といたしましては、一旦復金が、さつき申し上げましたように、各代理店別の計画を立てられた以上は、やはり代理店貸しを円滑にするために、代理店となつた銀行の慣行を重んずることが、よりよろしいというような観点に立つておるわけであります。從つて勧銀と興銀と商工中金等の本店と支店との間の関係において、おそらく各行の支店の支配人に対する権限の委任の金額が、まちまちであつたと思いますが、その点はまちまちのままに代理店たる各銀行のよろしいように、まかせてあるわけでございます。そうすることがかえつて銀行によつては、わずかな金までも本店に稟議しなければならぬというような欠点も一面にはございましようが、同時にこの金だけについて特別な扱い方法をお願いいたしますと、かえつて事務が澁滯せぬかということを懸念いたしまして、ただいまのところではそういうやり方をとつておるわけであります。
  56. 川合彰武

    ○川合委員 次にお尋ねしたい点は、現在は中小金融の特別な措置は、主として勧銀あるいはまた農林中金、あるいはまた北拓というような特別な金融機関のみに限定されたわけです。これらの特殊金融機関は從來の経驗からして、非常に事務的に円滑に処理ができるというようなことから、やむを得ない、また好ましいこととは思いまするが、しかし一般銀行にこういうようなことを——つまり代理貸しというようなことを拡張する意思があるかどうか。この点も承りたいのであります。
  57. 愛知揆一

    愛知政府委員 お尋ねの点は実は私どもとしても研究中に属する事項でありまして、実はこれについては利害相ともにあるかと思うのであります。と申しますのは今お述べになりましたような点は、利になる点であるかと思いますが、同時に害の方にあげられるものといたしましては、何分にも各銀行はそれ自体企業としてやつておるのでありますから、復金の方であまり好ましくないけれども、まあ貸付をしてやつた方がいいというようなものが、この代理店貸しの方に便乘して参ります。しかしその辺のところ、一般金融機関は私企業でありまする以上は、やはり相当考えなければならぬ点もあるのじやなかろうかと考えます。また復金の立場としてもそこまで各銀行に全部代理貸しをまかせ、ことに審査をまかせるということになりますと、やはり復金責任当局として、十分責任がとりきれないというような考え方も、当然お持ちになると思うのでありまして、その辺いずれがよろしいか。またある程度一般の市中銀行にそういうことを頼むということになりますると、ある大銀行あるいはまたほかの基準によつて、一定の銀行だけを選ぶということも、これまた非常に銀行行政のむずかしいことにもなるので、ちよつと今のところ思い悩んでおるというところが、偽らざる実情でございます。
  58. 川合彰武

    ○川合委員 次にこれは復金の根本的な問題になるわけでありまするが、金融業法が制定せられることになろうかと思いまするが、そうして一應の案として傳えられるものによれば、現在のいわゆる普通銀行債券発行をすることができるというようなことが、傳えられておるのでありまするが、その場合において現在の勧業銀行、あるいは興業銀行というようなものは、どういうように措置されるか。腹案があればお示しを願いたいと思います。
  59. 愛知揆一

    愛知政府委員 ただいまの点は金融業法の成案化が多少遅れておりまするので、的確に結論的に事務当局の案をごひろうするまでに至つておらないのでございます。ただ私どもとしては平常の時代になつて、インフレーシヨンが終熄した時代におきましても、日本においては長期金融機関がぜひ必要であるという観点に立ちまして、でき得るならば一般の銀行についても、金融債券の発行を許してもらいたいものであるというふうに考えております。ただその際金融債券を発行したものが、預金をも無制限にとつた方がいいのかどうかということなどは、相当の研究問題であろうと考えるわけであります。それから根本的な金融業法の問題と離れまして、興業銀行の再建整備計画が延び延びになつておりましたが、最近ようやく決定いたしまして、その決定しました内容は、從前通り興業銀行は資本金の十倍を限度として、債券の発行をすることができるということにいたしましたが、同時に興業銀行はある一定期間の間に預金を整理いたしまして、興業銀行からの貸付の相手方のみに限つて、預金を受取り得るというような程度の、預金についての制限をすることに大体決定いたしまして、その線に沿いまして興業債券の発行條件その他を、目下檢討しておるわけでございます。
  60. 川合彰武

    ○川合委員 そこでわれわれは復金のできたときは、おそらくこれは三年限りというように、期限が限られておつた記憶があるのでありまするが、一体政府としては、復金というものはあと何年ぐらい存立せねばならないか、という点の見通しを持つておられるかという、この点を承りたいと思います。
  61. 愛知揆一

    愛知政府委員 復興金融金庫の存続の期間は、今お話通りでございますが、その存続をさらに続けるかどうかということにつきましては、実は今まだはつきりしたことを申し上げ得る段階にございません。ただ大体の構想といたしましては、法律に規定されました存続の期間を過ぎても、おそらくは必要が続くのではなかろうか。たださらに何年延ばすか。またやめるとすればどういう機構でこの整理をするかというようなことは、明後年の一月に存続の期間が満了いたしますが、そのときまでにきめたいというように考えております。要するに観念としては復興金融金庫をこのまま恒久的の機関として、存続させるということにはならないと思います。やはりあくまでも暫定的な過渡的な機関としての性格というものを、はつきりさせなければならぬのではなかろうかというように、考えておるわけでございます。なおまた先般來金融制度懇談会等を開催いたしておりまする間に、非常に有力に出ておつた一つの意見といたしましては、日本経済復興の五箇年計画というものがはつきりここできまれば、その五箇年計画遂行に必要な期間は、復興金融金庫を存続させるべきではなかろうかというような意見が、相当有力に出ておつたことをあわせて申し上げておきます。
  62. 川合彰武

    ○川合委員 次にきのう御説明のあつた融資対象範囲についてというような第六項目の中で、いわゆる経済三原則に基いて今後資金融通をする。ところが現在まで赤字融資的なものの申込みというものは、どの程度復金申込みがあるか。この点をひとつ伺いたいと思います。
  63. 愛知揆一

    愛知政府委員 ただいま正確な申入れがどのくらいあるかということは、ちよつとここに適当な御説明をいたします資料を持つておりませんけれども、たとえば石炭につきまして相当程度内容を檢討すれば、今まで私どもが言つておりまする赤字融資の内容になるべきようなものの要求が、現在相当額出ております。それからたとえば制電関係で、あるいは電力の不足を反映して、過去においていわゆる制電赤字融資と言われておつたような性質のものが、今後問題になり得る可能性もあるかと考えます。  それからこれは必ずしも赤字融資の問題とは言えないかもしれませんが、たとえば企業整備が行われる場合に、その退職金等についての金融が、やはり一つの問題として考えられなければならぬ性質のものだと考えております。
  64. 川合彰武

    ○川合委員 これは銀行局長並びに復金理事長にお尋ねしたいのでありますが、最近はいろいろな思想問題と関連して、あらゆるものを考えねばならないような段階に追い込まれておるというようにわれわれは考えるのでありますが、融資にあたつて、その融資先の從業員の思想的動向あるいはまたその組合の性格というようなことを考えて、実際の資金の融通の可否をきめておるかどうか。そういうようなことに関して、もし今までの経驗があるならば御経驗を、あるいはまた今後の方針を承りたいと思います。
  65. 北代誠彌

    北代説明員 ただいまのお尋ねの件でございますが、方針といたしましては、私の存じておる限り格別にその点に触れた方針というものはないと思います。ただ企業が健全に成立つて行く、また運営されるという面からいたしまして、たとえば人が過剩である、あるいはストライキをやつておるというような面におきまして融資を手控える、あるいはその合理化をしてもらうというようなことで、資金を貸出すことを多少調整するということは、過去においてやつて参りました経驗はございます。その程度でございまして、別に思想問題を取上げて、これを融資の方針としてやつて行くということはございません。
  66. 大上司

    ○大上委員長代理 もうほかに御質疑はありませんか。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時三十四分散会