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塚田政府委員 宮幡委員から御
指摘の点は、実際私
どもも野党の時代に同じ
ような
考え方をも
つておりました。なるべく
大衆の負担にかかる
ようなものは
値上げをしないという
趣旨において、この前の
委員会においては
タバコの
値上げの
法案の際に、その
態度で
審議に臨んだことはただいま御
指摘の
通りであります。そこで今度の
値上げしたときの
考え方と、どういうぐあいに連関を持つものがあるかということでありますが、問題はそのほかの点において御
指摘になりました税負担の点においても、共通にあると思うのでありますが、
國民の負担が非常に重過ぎるということは、これはおそらく議論のないところではないかと思う。その重過ぎる税負担というものがどこから出て來るかと申しますると、結局國の財政の上において、
國民の力よりも財政規模が大き過ぎるというところから出て來るのであります。問題はそこまでさかのぼ
つてこれを解決して行くのでなければ解決がつかないのではないか。そこまでさかのぼ
つて問題を解決するということは、言うことは非常に簡單でありますが、実際問題として非常にむずかしい。しかしむずかしいからとい
つて、これを放
つて行けるという
段階でないことは、私もしばしば本
委員会で申し
上げた
通りでありますが、少くとも今度の
追加予算という
ような
段階においては、そこまで財政政策の根本までさかのぼ
つたものがなかなか立ちにくい。時間的の制約もありましてなかなか立ちにくいという
ようなことで、一應現在の財政というものの規模を、そのまま最小限度にこれを実施して行くという
意味において、今度の
追加予算案が組まれたわけであります。そういう
ような前提で
追加予算が組まれます以上、やはりそれにマツチするだけの
收入を
國民の皆さん方から御負担願
つて、
上げて行かなければならぬということになりまして、そこでどの面にどれだけの御負担をおかけする方が、
一般國民の
立場から樂な
方法で、また
國民生活全般の観点からもその方が一番いい
方法だという
ような判断が、結局今度の
予算の上に出て來たという、そういう形だと一應御了解願えれば一番いいと思う。そこで
タバコ値上げが
大衆負担になるということでありまするが、御
指摘の点はその
通りであります。
先ほどから繰返して申し
上げます
通り、一應今度は数字的には
値上げになりましたが、それに應ずべき
給與の値上りというものが一應あ
つてだから、この
程度はいいのじやないか、そういう判断であります。
それから不正利得の上に捕捉されない利得があるという
考え方については、どういうぐあいに
考えるかというお尋ねでありますが、私も一應今日のこの所得税法が、実質的な所得と名目的な利得と税法のもとでは区別しておりませんので、その区別されない建前からやはり捕捉されない利得というものが、確かにあるのじやないかということはあると思う。それは先般六千億という
ように言われましたが、そういう数字であるかどうかということは私も確信はないのでありますが、とにかく
相当なものがある。そこで今度の
追加予算に組まれました
自然増收におきましても、これはどこまでも、その
自然増收はもちろん勤労所得などの賃金の
値上げによ
つて、当然に出て來るものは別でありますが、企業所得の
ような場合にはむしろそういう捕捉されないでお
つた部分に、この重圧をかけて行くという方向で行かなくちやならぬのではないか。そこで税機構の強化、査察部などの健全なる活動というものが非常に重要視されて來るのであります。とにかくそういう
ような総合的な
方法を講じまして、なるべく捕捉されない利得というものと所得というものを捕捉して、
自然増收というものを
上げて行く
ようにいたしたい。さらに根本にさかのぼ
つて名目利益というものに課税することの可否という問題でありますが、これは確かに私
どもも同感なのでありまして、名目利益というものは、これはできるならば課税しない方がいいのだ。また課税をすると結局これは元本を食いつぶすということにな
つて、だんだんと國の経済組織というものの規模をそこなうからという
考えにおいては同感なのでありますが、ただ今日の
ように國力を越えた財政、國の台所をまかな
つて行くのに、名目利益というものは全然課税をしないのだという建前では、全然
收入の
上げ道がないということで、ことに各階層の負担の要素を見ておりましても、やはり單に企業者だけでなしに、勤労所得者にいたしましても、みんながこの名目利益に一部分の負担をつけておるのと同じ結果になるという
意味合いにおいて、一應ごしんぼう願いたいという
ように
考えて、今日の税制があるとこういう
ように御了解を願いたい。