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1948-12-13 第4回国会 衆議院 水産委員会 第5号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十三年十二月十三日(月曜日) 午前十一時五十五分
開議
出席委員
委員長
西村
久之君
理事
冨永格五郎
君
理事
馬越
晃君
理事
外崎千代吉
君
石原
圓吉
君
川村善八郎
君 仲内 憲治君
深津玉一郎
君 佐竹 新市君 庄司 彦男君 野上 健次君
椎熊
三郎君 岡田 勢一君
委員外
の
出席者
農 林 技 官 林
眞治
君 專 門 員 小安 正三君 專 門 員 齋藤
一郎
君 十二月十二日
委員關内正
一君及び
夏堀源三郎
君辞任につき、 その補欠として
小平久雄
君及び
菊池義郎
君が議 長の指名で
委員
に選任された。
—————————————
十二月十二日
白糠漁港拡張工事施行
の
請願
(
伊藤郷
一君紹 介)(第一二三号)
燒尻漁港
築
設促進
の
請願
(
坂東幸太郎
君外三名
紹介
)(第一二六号) 同月十三日
本浦漁港
築設の
請願
(
馬越晃
君
紹介
)(第一四 五号)
いわし旋網漁業
の
救済策
に関する
請願外
六件(
鈴木善幸
君
紹介
)(第一四六号) の
審査
を本
委員会
に
付託
された。
—————————————
本日の
会議
に付した
請願
一
白糠漁港拡張工事施行
の
請願
(
伊藤郷
一君
紹介
)(第一二三号) 二
燒尻漁港
築
設促進
の
請願
(
坂東幸太郎
君外 三名
紹介
)(第一二六号)
日程追加
一
本浦漁港
築設の
請願
(
馬越晃
君
紹介
)(第 一四五号) 二
いわし旋網漁業
の
救済策
に関する
請願外
六 件(
鈴木善幸
君
紹介
)(第一四六号)
—————————————
西村久之
1
○
西村委員長
これより
会議
を開きます。 本日は去る十二
日本委員会
に
付託
になりました
請願
を
審査
いたします。 まず
日程
第一
白糠漁港拡張工事施行
の
請願
、
文書表
第一二三号を
議題
といたしますが、
紹介議員
の
伊藤郷
一君の
出席
がないのであります。
審議
を進めてさしつかえありませんか。
西村久之
2
○
西村委員長
御
異議
ないようですから
審議
を進めることにいたします。
本件
に対して
政府
の
所見
をただします。
林眞治
3
○
林説明員
白糠
港はこの
附近
におきまする
漁業
の発展上修築緊急を要するものがあると考えますが、具体的な
計画
につきましては、今後十分に調査研究いたしましてなるべく早い期間にその
実現
を見ますように
努力
したいと考えます。
西村久之
4
○
西村委員長
本
請願
に対する御
質問
はございませんか。
西村久之
5
○
西村委員長
御
異議
ないものと認めます。
—————————————
西村久之
6
○
西村委員長
次に
日程
第二、
燒尻漁港
築
設促進
の
請願
、
文書表
第一二六号を
議題
といたすのでありますが、
本件
も同じく
紹介議員
の
出席
がないのであります。はなはだ遺憾に存じますが、
本件
も
議題
として取扱
つて
さしつかえありませんか。
西村久之
7
○
西村委員長
御
異議
ないようですから、その通りとりはからいます。
本件
に対して
林説明員
より
政府
の意見を求めます。
林眞治
8
○
林説明員
燒尻港は燒尻島におきまする第一の
中心連絡港
でありまして、同時に
漁業
の港でありまするが、これに
連絡港
として、あるいは
北海道本土
との
連絡
という意味におきまして、
一般港湾
といたしましてとりあえず
改良
を施して行くという方針に相
なつ
ております。從いまして
運輸省所管
として考慮されるはずに相
なつ
ております。なお
漁業施設
につきましては、將來その必要に應じまして改善をはか
つて
参りたいと考えております。
西村久之
9
○
西村委員長
御
質疑
はありませんか。
西村久之
10
○
西村委員長
御
質問
なしと認めます。
—————————————
西村久之
11
○
西村委員長
この際お諮りをいたします。本日
付託
になりました
請願
、すなわち
馬越晃
君
紹介
の分と
鈴木善幸
君
紹介
の分を
追加日程
として
審議
をいたしたいと思いますが、御
異議
ございませんか。
西村久之
12
○
西村委員長
御
異議
ないようですから、その通りとりはからいます。
追加日程
第一、
本浦漁港
築設の
請願
、
紹介議員馬越晃
君、
文書表
第一四五号を
議題
といたします。
紹介議員
の
説明
を求めます。
馬越晃
君。
馬越晃
13
○
馬越委員
本浦漁港
築設の
請願
に対する
内容
を御
説明
いたしたいと存じます。
本村
は
愛媛縣
の
西南部宇和島
市を隔たる
西方海上
十一海里のところにあり、
日本歴史
に名高い
天慶
の
乱藤原純友
がよ
つて
そむいた日振島とともに豊後水道中絶海の孤島であります。北に嘉島、南に
本浦
の
二島峽
をも
つて
村を形成し、六部落にわかれ、戸数四百三十戸、人口二千八百人を擁し、小量の農産物のほか、
水産物年産
約百五十万貫、この金額約一億円に達し、
愛媛縣
の
西南部
における有数の
漁村
であります。
漁船
の数においては、現在
動力船
約六十隻、無
動力船
約三百五十そうを有しております。これらの
漁船
はことごとく
本島
の
沿岸
あるいは
附近
の
海上
に出漁するのであります。ことに
愛媛縣
の
南予地方沿岸漁民
の
いわし網
その他の
網漁業
は、大体
本島
を
中心
とする十海里を漁場としているのであります。また
海上交通
としては九州と
高知縣
を結ぶ線の中間にあるのがすなわち
本村
であります。この
航路
の貨客船はもちろん、
漁船等
の寄港すべき
施設
がもし
本村
にあつたと仮定いたしましたら、過去においてすでにこの
航路
の要衝として
本村
の
存在的意義
が大きなものであつたことと想察せられますが、いまだに
本村
には港の
設備
がありませんので、現に
附近航行
の
貨物船
、
漁船等
の
遭難
が年々歳々繰返され、去る
昭和
二十二年の暴風雨の際は
本村
における
漁船
の大半は流失または破損し、風浪のため人家も多数流失しております。もし
本島
に十分なる
港湾
の
設備
がありましたなれば、非常の際におけるこれら幾多の惨事を未然に防ぐことができたでありましようし、
從つて附近航行者
はもちろん
地方沿岸漁民
や
本村
民も安んじて業につくことができるわけであります。 なお
日本水難救済会救難所
を
本村
に設け、
救難船
を定繋する予定に
なつ
ておりますので、近く決定するはずであります。この際以上の
要求
に
應ずる港湾
の
設備
ができましたら、
本村
はむろん
付近沿岸
の
漁獲高
においても、数倍あるいは十数倍を増産することができ、單に
地方住民
の福利を増進するのみならず、ひいては
國家
に貢献するところも大なるものあることを確信する次第であります。 以上のような
理由
によりまして本
請願
を提出いたしたのでありますが、何とぞ満場の
委員
の御
賛成
を得まして、本
漁港
の築設が一日も早く完成いたしますよう、
一段
の御
援助
のほどをお願いいたしたいと存じます。
西村久之
14
○
西村委員長
本
請願
に対して
政府
の
所見
をただします。
林眞治
15
○
林説明員
本浦
は
南予
におきまする相当枢要な
漁港
であると考えます。從いまして
漁業能率
を増進いたします点、また
漁船
の
遭難防止
というような点からいたしまして、
漁港設備
の促進はきわめて緊要な問題と考えます。從いまして
具体的計画
につきまして十分檢討いたしまして、なるべく早くその
実現
を見ますように
努力
して参りたいと考えます。
西村久之
16
○
西村委員長
他に御
質疑
はございませんか。
——
御
質疑
はないものと認めます。
—————————————
西村久之
17
○
西村委員長
次に
追加日程
第二、
いわし旋網漁業
の
救済策
に関する
請願外
六件を
議題
といたすのでありますが、これまた
紹介議員
たる
鈴木善幸
君がお見えにならないのでありますが、
議題
として
審議
を進めてさしつかえございませんか。
西村久之
18
○
西村委員長
さしつかえないようでありますから、そのようにとりはからいます。
紹介議員
の
説明
を求めます。
馬越晃
19
○
馬越委員
実はこの
請願
につきましては、昨日
委員長
にもお諮りいたしまして、
鈴木善幸
君をわずらわして
提案理由
の
説明
をお願いすることにいたしたのでありますが、そういう
関係
もありますので、私がかわりまして
簡單
に御
説明
申し上げたいと思うのであります。これらの
請願
は七件とも、実は
関東北いわしあぐり網漁業
の最近における不漁に対する同
漁業
の
救済
に関する
請願
でございまして、これらの
請願
に対しましては、機会あるごとに、それぞれその
地方
の
関係漁民
その他
團体
から
水産廳当局
に対しても、しばしば陳情をいたしておるのでありまして、この
内容
につきましては
当局
におかれましてもとくと御了承のことと存じますので、この
内容
を詳細申し上げることを省略いたしたいと思うのであります。とにもかくにもいわし
あぐり網漁業
は実にさんたんたるものがございますので、何とぞこれが
救済
につきましては
一段
の御配慮をわずらわしたいと存じます。何とぞ全
委員
の御
賛成
をお願いいたしたいと思うのであります。
西村久之
20
○
西村委員長
他に御
質疑
はございませんか。
——
御
質疑
ないものと認めます。 以上をもちまして各
請願
の
審査
は終了いたしましたので、これより採決いたします。
日程
第一及び第二並びに
追加
の
日程
第一及び第二の各
請願
はいずれも採択として内閣に送付すべきものと決するに御
異議
はございませんか。
西村久之
21
○
西村委員長
御
異議
ないと認めまして、さよう決定いたします。 なお
衆議院規則
第八十六條により、議長に提出すべき
報告書
の作成は
委員長
に御一任願いたいと思いますが、御
異議
ございませんか。
西村久之
22
○
西村委員長
御
異議
がないようですから、さよう決定いたします。
—————————————
西村久之
23
○
西村委員長
この際
石原圓吉
君より発言を求められております。これを許します。ごく
簡單
にお願いいたします。
石原圓吉
24
○
石原
(圓)
委員
漁港
、船だ
まり
等に対する國の
補助
でありますが、その
補助率
が
運輸省
の港に対する
補助率
と違
つて
おりまして、
運輸省
の方は七割ないし多いのは九割も助成をする。それにかかわらず
水産廳関係
の
漁港
、船だ
まり
は非常に比率が低いのでありますが、これはどういうところから起
つて
おる問題か、同じ
政府
の
補助
であ
つて
、その
性格
も
商港
であろうが、
漁港
であろうが、同じ
性格
を持
つて
おるのにかかわらず、
水産廳
の
補助率
は低く、
運輸省
の
補助率
は高いということは、はなはだ
漁港関係
が下積みに
なつ
ておるような感がするのでありますが、それはどういう
理由
でありましようか、それを
運輸省
の
補助率
と
同率
に
引上げ
るということについて、
水産廳
は御
努力
をなさつたことはあるのでありましようか、今後それをどうしたら
同率
にまで
引上げ
ることができるか。それらのことについて、大体の御
説明
を願
つて
おきたいのであります。
林眞治
25
○
林説明員
ただいまの
補助率
の問題につきまして、大体の今までの経過を申し上げます。
運輸省関係
、
水産廳関係
が
補助率
が違
つて
おりまするのは、
災害
の
復旧
の問題におきまして特に著しいのでございまして、私
ども
の方でや
つて
おります
一般
の
漁港修築
、あるいは船だ
まり
の
改良
その他につきましては、
運輸省所管
でや
つて
おりまする
中小港
は
補助
というものと大体
同率
の四割に相
なつ
ております。これは二十二年度から一割減額になりまして、それ以前は五割であつたわけであります。当時河川、道路その他の
土木関係
におきましては、
補助率
の低下を見なかつたのでありますが、
港湾
に関するものは
受益
の率は、
地元
における
受益
の率が多い、ということと、
農漁村
におきまする金があるという問題から、いろいろ
折衝
を重ねたのですが、結局一割低下したわけです。これは現在
一般港湾
と私
ども
の方の
漁港
、船だ
まり
と差はございません。 それから
災害
の
復旧
につきましては、御承知かと思いますが、
災害補助規定
によりまして、昔の内務省ただいまの建設省におきましては、
災害補助規定
によりまして取扱
つて
おるわけであります。その
最低
の
補助率
は大体六割五分ということに
なつ
ております。それから
災害
の
程度
に應じまして、その都度政令によりまして
高率
の
補助
を決定して参
つて
おるわけであります。私の方でや
つて
おりまする
漁港
、船だ
まり
の
復旧
につきましては、大体
最低
五割ということに
なつ
て、そこに一割五分
程度
の差ができて來ております。それから
高率
の場合におきましては、今までのところは
緊急勅令
によりまして率が決定いたしますれば、その率が認められまして
同率
でや
つて
來ておるようなわけであります。このことについては、私
ども
といたしましては、その都度常に
財政当局
あるいは最近におきまする
安本当局
と
折衝
はいたしておるのでありますが、先ほど申しました
漁港
における
受益
が比較的はつきりしておるということ、並びに利用の点が局部的であるという点、あるいは
地元
におきまする金の
問題等
のために、われわれが
折衝
して参りました結果から見まして、
同率
に
引上げ
るということはなかなか
実現
しなかつたわけであります。これは今後もわれわれとしても十分
努力
して参りたいと存じまするが、なおこの点につきましては、
委員会
としての御
援助
をお願いしたいと考えております。
來年度
の
予算
におきましても、
一般改良費
につきましては、基本的な
施設
につきましては
相当率
を
引上げ
ましてや
つて
参りたいということで、ただいま
折衝
いたしております。なお
災害
につきましても、
一般
の
災害
と少くとも
同率
にしてもらうべく、
來年度
の
予算
につきましてただいま
折衝
しておりまするが、今後とも十分この点につきまして
努力
してまいりたいと考えております。
石原圓吉
26
○
石原
(圓)
委員
漁港
と
商港
とを総合的に考えなければ、
商港
があり、隣りに
漁港
があり、船だ
まり
があつたりするために、
運輸省
の
補助率
が高いことはすぐ隣りの
漁村
には知れ渡るのでありまして、非常にその点は
漁村
がしいたげられておるように感じるのでありますから、どうか一日も早く
同率
に
引上げ
るように御
努力
を願いたいのであります。なお
委員
の側におきましても、いろいろ
参考資料
を得て、それに対して善処したいと思いますから、どうか近い機会に
参考資料
をお出しくださるようにお願いします。なお
漁港
、船だ
まり
が非常に希望の土地が殖えて、
請願
もおびただしく出ておるわけでありますが、これは
戰爭並びに震災等
によ
つて
非常な荒廃をしておるから、当然の
要求
であると思うのであります。これが
予算
を増額することにつきましても、十分御
努力
を仰ぎたいのでありますが、なお
運輸省
は
漁港
、船だ
まり
よりは相当多くの
予算
が得られるように見えるのでありますが、
漁港
、船だ
まり
もそれに遜色なく
予算
の必要を感ずるのでありまして、どうか
委員側
へもそれらに対する
資料
も御提出を希望する次第であります。
西村久之
27
○
西村委員長
石原委員
のお述べになりました御趣意はごもつともと存じます。
委員会
を代表して
委員長
よりも特に格段の御
努力
を
拂つて
、
同率
になるように御加勢を願いたいことを御相談申し上げます。 本日はこれをも
つて
散会いたします。 午後零時十八分散会