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大池事務総長 これは先日來
各党で第
五條第二項の
削除には、一應御反対の
ようでございましたから、別に
事務局としてこの点を削ることがいいか
惡いかという
ような点を、
法制局等とお
打合せをしたこともございません。
從つて事務局全部がそういう
意見であるかどうかということは私存じませんが、たまたま
委員長からのお尋ねもありますので、私の感じだけを申し上げまして、皆樣の御参考に供したいと思います。
これは第
五條を見ますと、
人事官の
任命は
両院の
同意が必要であるということに相な
つておりまして、
両院の
同意が必要であるために、
両院の
同意の
議決が異なる場合がございますので第二項が設けられておるのではないかと考える。
從つて第二項を削りつぱなしにしておくことは、
両院の
議決が異
なつた場合に処する途を欠いてしまうことになりますので、
政治論としては何回が繰返しておれば、必ず
一致の
議決があり得ないことはないことになりますが、
法律論として、
両院の
議決を必要とするという
規定を設けておきながら、その
不一致の場合に対処する途を設けないということが、
立法の慣例としていいか
惡いかという点に、よほどの議論があり得ると考えております。たとえば
法律の問題でも、
総理指名の問題でも、條約でも、
予算でも、あるいは
会期延長という
ような場合でも、特に
会期その他の
延長についても、
両院一致の
議決を必要とするとい
つた場合に、
一致しない場合がありますので、そのない場合にどうするかということについては、やはり
一つの途を設けておかなければならぬ。
從つてそういう
ような途が必要ではないかと考えます。ただ
人事官という
ようなものは
法律とか、條約とか、
会期とか、
予算という
ようなものの
ように、必ずしも即刻にきめなければならぬことはないだろうという
政治論、あるいは
立法論が生れて來るのであろうと思いますが、そういう
ような
両院の
一致を必要とする場合の、何らかの途を設けてないものに、
國会法第三十九條の場合があります。これは
原則として、
議員はこういうものにはなれない。但し
両院の
議決があればなれる。こういうことにな
つておりまして、なれないというのが
原則であります。ただ嘱託あるいはこういうものになるという場合だけでありますから、それはよろしいのじやないかと思うわけでありますが、この点に関しても
両院で
意見を異にしましたために、実現不能で、
衆議院の
意思が認められなか
つた事例もあ
つたわけであります。
公務員法の方では
人事官はどうしても不可欠の
重要機関であると思いますので、これに対して
決定がまちまちにな
つて、どうしても
任命ができないという
ような場合に、何らかの処すべき途が必要ではないかと考えるのであります。
不一致の場合は、たとえば
両院協議会を開いて統合するとか、あるいは再選をした後でもなお
不一致の場合はどうするとか、あるいは
衆議院が三分の二以上で承認した
ような場合には、これに從わなければならぬとか、何とか最後の
決定し得る途をつけないで、削りつぱなしはどうであろうかという疑問を、私
個人は持
つておりますが、そういう点は
各党で十分御
研究の上、御
決定に
なつた方がよくはないかと考えるわけであります。