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吉田國務大臣 外資の
導入については、まず
日本の
受入れ態勢がどうであるかということがいつも
外國人から聞かれることであります。たとえば
日本の税制はあまりにひどいじやないか、
利潤追求で
利益はことごとく税にしてしまう。それならば
外國から税を納めに
投資するようなやつはないから、結局できないということになりはしないか。第二は
投資の
安全性がない。いわゆる
日本の今日資源と見るべきものは
労働力なんだ、その
労働が不安である以上は、
労働問題が解決されない限りは、
投資の安全ということ、あるいは
利益の安全ということは保障されないというような、いろいろな点を指摘されますが、同時にそれは
投資したいから指摘するのであ
つて、
投資したいという意向は相当あるのみならず、私も
投資したいという人の三、四に会
つております。これは
一つには為替レートの問題もあるだろうと思います。それからまた
日本のインフレーシヨンがどこで停止せられるか。
日本の財政が均衡を得るか得ないかというような諸
條件を
考えて、そうして
投資するためにはどうしたらいいかということを
投資家の方でも研究しております。また最近、元
日本に大使をしてお
つたある人、共和党の一員であ
つて、何の何がしという人が
日本の
外資援助について、ワシントンにおいて相当の
條件のもとに努力したいと思うがと
言つて、私のところに手紙をよこした人もあるのです。でありますから
投資をしたい。
投資をするのは何も
利益ばかりではないので、極東におけるインフレーシヨンを防止するためには、これは
日本ばかりではなく、支那、シヤムその他の國にインフレーシヨンが相当極度に激化している。このインフレーシヨンがとまらない限りは極東の共産化ということも免れないから、
世界の平和のために、あるいはまた繁栄のために、
日本をして極東に必要なる製品綿糸布その他の製造品を供給させるということによ
つて、極東のインフレーシヨンがとまるということにならないかというようなことを、相当具体的に
考えておりますから、
投資ということについては相当熱意が
相手方にもある。あとは
日本としては受入れ方を研究するということが必要であろうと思います。