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丹羽五郎君
只今上程になりました
請願、
陳情全部合せまして二十三件程ありますので、非常に又御迷惑かとは存じますが、少し
運輸委員会の性質上スピードをかけてやりますから、どうか御了解を願
つて置きたいと思います。(
拍手)
只今上程になりました
請願第一号、二俣—
佐久間間鉄道急設に関する
請願外十八件及び
陳情第二号、
都城—
東京間直通急行列車運行に関する
陳情外三件の
運輸委員会におきまする
審議の
経過並びに結果を御
報告いたします。各
請願につきましては紹介
議員の熱心な説明と、
政府の詳細な答弁があり、
委員会も愼重な
審議をいたしましたが、詳しいことは省略することといたし、取纏めその概要を申上げます。
先ず、鉄道の建設及び復旧に関する
請願、
陳情を申上げますと、
請願第一号、二俣—佐久間間の鉄道急設に関する
請願に対し、
政府の説明は、現在國有鉄道の全体を通じて收支は赤字であるため、客観的
情勢から新線の建設はなかなか困難であるということでありました。併し本件は建設予定線で、順位も比較的高く、沿線の資源も豊富であるから、成るべく速やかに願意に副うよう取計らうことが妥当であるとして、これを内閣に送付を要するものと全員一致議決いたしました。
次に、
請願第百十一号、平津戸—宮古両
駅間災害鉄道復旧に関する
請願に対し、
政府の説明は、この区間は先般のアイオン台風のため、前例のない程ひどい被害を受け、平津戸—茂市間の三十四キロ程は早急に回復は望めないということでありましたが、沿線の資源の輸送及び沿線住民の交通のため、成るべく速かに復旧するように努力することが妥当であるとして、これを内閣に送付を要するものと全員市議決いたしました。
次に、
國営自動車路線開設に関する
請願でありまして、
請願第二号、掛川—
御前崎間國営荷客自動車運行に関する
請願、
請願第百号及び第百十四号、高梁—
落合両町間並びに
中津井—中井両村間に
國営自動車の
運輸開始に関する
請願、
請願第百五十三号、三納代—妻両駅間に
國営自動車の
運輸開始に関する
請願、
陳情第三十一号萩—小郡両駅間に
國営貨物自動車の
運輸開始に関する
請願は、いずれも沿線の重要物資輸送及び旅客交通の必要上、
國営自動車路線の開設を要望する
趣旨でありまして、これらに対する
政府の説明は
國営自動車路線の新規開設は客観的
情勢から見て目下のところ原則的に困難であるということでありました。併し、これらの
地方はいずれも物資が豊富であり、人口も多いに拘わらず、自動車輸送力が極めて貧弱であるから、
政府は先ず既存民間業者を督励して、早急に輸送力を増強せしめることを第一とし、それが不可能であつた場合は
國営自動車の開始につき努力することが妥当であるという
意見を附し、いずれも内閣に送付するを要するものと全員一致議決いたしました。
次に國有鉄道の電化に関する
請願でありますが、
請願第五号、松戸—平両
駅間電化促進に関する
請願、同じく第百八十一号、郡山—石両
駅間鉄道電化促進に関する
請願、
陳情第十五号、浜松—米原両
駅間電化促進に関する
陳情に関しましては、
政府の説明は、鉄道の電化は輸送力の増強、石炭の節約に多大の貢献をなすものであるから、順を遂うて速かにこれを進めて行きたいと考えている、
請願の松戸—平間は松戸—取手間を來年の五月までに完成し、その先は各般の事情を考慮して計画を進めて行きたい。又郡山—白石間は東北線の輸送
状況から見て電化を考慮すべき区間であ
つて、予算、資材の事情とも睨み合せて、成るべく早い機会に工事に着手したいと考える、又浜松—米原間については、沼津—浜松間が來年四月工事完成の予定で、その開通を待
つて浜松—米原間の電化計画を進めて行きたいと考えているという説明があり、
審議の結果は、願意は妥当であるから、
政府は成るべく速かに願意に副うよう努力すべきであるとして、いずれも内閣に送付を要するものと全員一致議決いたしました。
次に、國有鉄道の駅、乘降口の
設置等に関する件でありまして、
請願第十八号、吉都線
都城—谷頭両駅間に簡易乘降場
設置に関する
請願、第十九号、仙台駅東乘降口
設置に関する
請願、第百六十五号、
早月信号場を駅に
昇格の
請願、第百七十九号、
永井川信号場を駅に
昇格の
請願、
陳情第七号、高松—鬼無両駅間に旅客駅
設置の
陳情でありまして、
審議の結果は、これらの
地区はすべて、交通量が相当に多く、これに対する駅、乘降口等の不備のため、不便を來しているのであ
つて、願意は概ね妥当なものであるから、
政府は成るべく速かに願意に副うことが必要であるとして、いずれも内閣に送付を要するものと全員一致議決いたしました。
次に、
請願第百五十八号、
國家公務による
身体障害者等に対する
鉄道無賃パス交付の
請願は、
國家公務遂行のため身体に障害を受けた者は、極度の生活難により運賃の
負担能力がなく、必要な旅行すらできないから、鉄道無賃パスの交付を希望する
趣旨の
請願でありまして、
政府の説明は、事情誠に氣の毒ではあるが、一般公務のための障害者の救済を鉄道が
負担することは困難で結果は、この問題は
政府全体として取上げ、これら障害者の必要な旅行に対し、何らかの方法で運賃の
負担を軽減する措置を講ずることが望ましいとして、全員一致これを内閣に送付を要するものと議決いたしました。
次に、
陳情第二号、
都城—東京間直通列車
運行に関する
陳情は、
審議の結果、宮崎、大分両縣民の不便を除くため、運轉
関係諸事情とも睨み合せ、成るべく速かに列車又は客車の直通を考慮することが妥当であるとして、全員一致これを内閣に送付を要するものと議決いたしました。
次に國営航路新設に關する
請願でありまして、
請願第七号、
鹿兒島—鹿屋商港間に
國営貨客航路開設に関する
請願、同じく第八十一号、
鹿兒島—古江両港間に
國営航路開設に関する
請願は、いずれも
鹿兒島縣大隅半島の資源の開発及び文化の向上のため、半島と
鹿兒島とを結ぶ國営航路の新設を希望する
請願でありまして、
政府のこれに対する説明は、國営航路の
設置は鉄道幹線の相互の連絡を本則とすること、予算が窮屈であることなどにより、この航路の新設は困難であるが、この航路には民間海運業者があり、最近配船の増加、入替、他航路よりの延航等の手を打
つて強化を図つたが、尚一層強化して交通の確保に遺憾なきを期したいという
趣旨でありました。
審議の結果は、大隅半島は廣大な土地に豊富な農水産資源を有し、人口も七十万に及ぶのに反し、交通機関は古江、志布志両線があるのみで惠まれておらない。現在就航している民間業者の船舶は極めて貧弱で、殊に五十トン以下の小型船もあり、危險も伴うから、
政府は業者に命じ急速に航路の強化改善を図らしめ、速かに民意に副うことが肝要であるという
意見に一致し、この旨を付して、これを内閣に送付を要するものと全員一致議決いたしました。
次に海運
関係の
請願を一括して申上げます。先ず
請願第十四号、汽船龍頭山丸移動に関する
請願でありますが、その要旨は、同船は沈沒引揚船でありますが、佐賀縣呼子港内の中心地点に繋留してあるので、港湾修築工事及び海上交通に大障害とな
つているから移動されたいと言うのであります。これは
政府の説明によりまして、同船が朝鮮在籍船であり、移動については非常な困難が伴うことが明らかにされましたが、
審議の結果は、港湾利用上大障害とな
つているので、
政府において善処する要ありと認め、これを内閣に送付を要するものと全員一致議決いたしました。
次に
請願第百十六号、宇野—藤野両港間に定期連絡船運航に関する
請願でありますが、願意は岡山縣宇野—
味野間の運輸交通改善のため、両港間に定期連絡船を設けられたいというのでありまして、同港方面は貨客の数量が瀬戸内海沿岸屈指であり、
政府においても願意の通り進んでいる旨答弁がありましたので、これを内閣に送付することに全一致議決いたしました。
次に
請願第百五十七号、
関東海運局東京支局の
昇格に関する
請願であります。その
趣旨は、現在の支局の機構では行政手続が遅延し、出入船舶の増加した現状に適しないから、海運局に
昇格せられたいというのでありまして、
政府より支局の権限を漸次拡張し、願意に副いたい旨の答弁があり、願意妥当と認めて内閣に送付を要するものと全員一致議決いたしました。
次に
請願第十二号、
酒田港緊急整備に関する
請願でありますが、その要旨は、
山形縣酒田港の浚渫及び港湾修築工事を
促進し、開港場としての機能を発揮できるようにして貰いたいというのであります。これに対し
政府より、港内の浚渫は予定以上に進行しているとの説明がありましたが、
審議の結果、酒田港の全面的整備は急速に実現の要ありと認め、内閣に送付することが至当であると全員一致議決いたしました。これを以ちまして甚だ長い御
報告でありましたが
委員会の
報告を終ります。