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1948-11-22 第3回国会 参議院 本会議 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年十一月二十二日(月曜 日)    午前十時二十九分開議   —————————————  議事日程 第十三号   昭和二十三年十一月二十二日    午前十時開議  第一 國際電氣通信條約に加入することについて承認を求めるの件(内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第二 難民救済借入資金の償還に関する請願委員長報告)  第三 中華民國東北地区引揚者所持証券処理に関する請願委員長報答)  第四 在外胞引揚促進に関する請願委員長報告)   —————————————
  2. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。
  3. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) これより本日の会議を開きます。  お諮りいたします。藤枝昭信君より病氣のため八号間の請暇の申出がございました。許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないものと認めます。     ——————————
  5. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) この際お諮りして決定いたしたいことがございます。逓信委員長より、逓信省業務並びに施設実地調査のため、神奈川縣及び埼玉縣大島定吉君、下條恭兵君、中村正雄君へ西川甚五郎君、潔水六郎君、小林勝馬君、尾崎行輝君、新谷寅三郎君、渡邊甚吉君及び千葉信君を、本日より三十日までのうち四日間、水産委員長より漁業界の実情を実地調査し、水産業協同組合法案審議に資するため、千葉縣江熊哲翁君及び尾形六郎兵衞君を、神奈川縣青山正一君、松下松治郎君及び千田正君を、静岡縣淺岡信夫君及び矢野酉雄君を、來る二十三日、二十四日の二日間、地方行政委員長より、衆議院議員選挙法等実施状況等を調査し、参議院議員選挙法等改正問題の審議に資するため、愛知縣及び静岡縣藤井新一君、柏木宙治君及び鈴木順一君を本日より四日間の各日程を以て、それぞれ、派遣したいとの要求がございました。これら二十名の議員を派遣することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。よつて議員派遣のことは決定いたしました。     ——————————
  7. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 去る十七日、稻垣平太郎君より商工委員を、小畑哲夫君より内閣委員を、それぞれ理由を附して辞任の申出がございました。いずれも許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。つきましては、その補欠として小畑哲夫君を商工委員に、稻垣平太郎君を内閣委員指名いたします。     ——————————
  9. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 稻垣平太郎君の商工委員辞任に伴い商工委員長が欠けましたので、この際議事日程に追加してその補欠選挙を行います。
  10. 矢野酉雄

    矢野酉雄君 只今議題となりました商工常任委員長補欠選挙は、成規手続を省略いたしまして、その指名議長に一任することの動議提出いたします。
  11. 堀末治

    堀末治君 矢野酉雄君の動議賛成いたします。
  12. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 矢野君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。つきましては、議長小畑哲夫君を商工委員長指名いたします。(拍手)     ——————————
  14. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 去る十二日、両院法規委員遠山丙市君より委員辞任の申出がございました。遠山君の辞任を許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認きます。つきましては、この際直ちに補欠選挙を行いたいと存じます。
  16. 大隈信幸

    大隈信幸君 只今議題となりました両院法規委員補欠選挙は、成規手続を省略して、その指名議長に一任することの動議提出いたします。
  17. 岡元義人

    岡元義人君 只今動議賛成いたします。
  18. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 大隅君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。つきましては、その補欠として黒田英雄君を指名いたします。(拍手)     ——————————
  20. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 日程第一、國際電氣通信條約に加入することについて承認を求めるの件(内閣提出衆議院付)を議題といたします。先ず委員長報告を求めます。外務委員長佐藤尚武君。     —————————————    〔佐藤尚武登壇拍手
  21. 佐藤尚武

    佐藤尚武君 只今議題となりました電氣通信條約に加入することについて承認を求めるの件、これにつきまして、外務委員会審議の経過並びにその結果について御報告申上げます。  本件は十一月九日、内閣から予備審査のため本院に送付されたのでありまするが、電氣通信に関する技術面もありますので、十一月十二日、外務逓信委員会連合委員会を開き、先ず予備審査を行いました。本件は、第二國会において通過を見ました万國郵便條約に加入の場合と同樣、総司令部承認によつて我が國が國際條約に加入せんとするものでありまして、現下の我が國に取りましては、極めて意義深き、又望ましきことと考えられるものであります。  次に本條約の内容の概要を申上げます。    〔議長退席、副議長著席〕  國際電氣通信條約なるものは電氣通信に関する基本的な國際條約でありまして、我が國は明治十二年、セント・ピータースブルグ國際電信條約に参加して以來、一貫してこの分野における國際協力を続けて参つております。現に一九三二年分マドリツド國際電氣通信條約即ち現行條約の締約國として、伺候約の締約國を以て構成される國際電氣通信連合連合員となつておるのであります。然るに最近における電氣通信技術の進歩は目覚ましいものがあり、特にこの度の世界大戰の結果、現行條約では到底事態に適應し得ないことが痛感されるに至りました。かくして米國政府の発議によりまして、一九四七年七月二日から十月二日に亘り米國のニユージヤーシ一州アトランテイツクシテイで現行條約の改正のための全権委員会議が開催され、その結果締結されましたがアトランテイツク・シテイ國際電氣通信條約と呼ばれるこの新修約であります。我が國はこの会議代表者を派遣することができない事情にあり、從つて新條約に署名しておりませんが、総司令部を経由して連合事務局から新條約の條文送付されております。それによりますと、新條約の重要な改正点は大体次の通りであります。  第一の点は、國際電氣通信連合國際連合との間に協定が締結されまして、前者即ち國際電氣通信連合は、後者即ち国際連合電氣通信分野における專門機関として認められたことであります。第二の点は、電氣通信連合機能強化のために、連合構成員を新たに連合員及び準連合員二つに分け、前者即ち連合員資格を嚴重にしたことであります。第三の点は、連合及び関係機関の所在地をベルン及びパリからジユネーブに移したことであります。第四の点は、管理理事会及び國際周波数登録委員会なる常設機関を新たに設けたことであります。このうち管理理事会の方は、條約及び会議決定実施機関として常設され、又周波数登録委員会は、周波数國際的統制のため各國民の優秀な技術家を以て構成されるのであります。改正の第五点は、條約の加入、批准及び廃棄の手続は、從來会議主催國政府に対しましてなされていたのでありまするが、新條約では連合事務総局に対してなされることになつたのであります。  尚加入手続きに関しましては、前の條約では、ただ加入通告をするだけで加入し得たのでありまするが、新條約では、國際連合の非加盟國加入通告をしても連合員の三分の二以上の賛成がなければ加入し得ないというように嚴格になつております。併しながら日本ドイツに関しましては、権限ある当局日本の場合は即ち連合軍司令部でありまするが、この当局が適当と思料するときは、直ちに連合員資格を以て加入するという特別の規定が設けられておるのであります。大体以上のごとき内容の條約でありまして、その詳細につきましてはお手許にある條約文によつて御承知をお願いいたします。尚この新條約は本年の一月一日から関係各國の間に実施されることになつておりまして、今般連合軍司令部当局から我が國の加入を適当と認めるとの意向が表明されましたので、本條約の加入について國会承認を願うとの政府側の説明でありました。  次に質疑の主なるものを申上げますと、その第一は、新條約の最終議定書によれば、カナダ、チリーその他多数の國がいろいろの留保を附して署名しておるのであるが、日本加入に際して何らかの留保條件とするのであるかという質問でありました。これに対しては、マドリツド條約当時は加入各國に対して條約の内部規則の或るものについては選択権を認めておつたのでありまするが新條約によれば、加入國は條約に示す一切の規則に拘束されることになつておるために、マドリツド條約中に留保を附した國々は取敢えず從來通り留保を附して署名したものであります。これは過渡的措置と見るべきものでありますが、明年五月に開催の予定会議では、加盟國は新條約に示されたごとく全面的に各種規則に拘束さるべきことを決議する模樣である。日本としては、從來もそうであつたが、新條約についても特に留保することなく加入する方針であるという政府側答弁でありました。  質問の第二は、國際電氣通信連合は、連合員と準連合員とを以て構成されており、後者即ち準連合員連合会議等において投票権を有せず、又全権委員会議等において被選挙権を有しないが、日本連合員として加入するのか、將又準連合員として加入するのであるかというのでありました。これに対しては、本連合における日本從來の地位から見て、日本は大体連合員として認められておる。併し日本は現在國際連合に加盟していないのであるから、規則によれば連合員三分の二以上の賛成がなければ連合員たり得ないのである。併し前述の通り、新條約では追加議定書中に特例を認めて、「ドイツ及び日本は権限ある当局がその加入を適当と思料するときは何時でも條約に加入することができる。そしてこの場合は連合員三分の二以上の賛成を要するという條件を必要としない」という趣旨規定がある。日本は今般この條項に基いて連合軍司令部承認によつて連合員として加入するものであるという答弁でありました。  第三は、日本加入の場合、連合経費分担額は、凡そどれ程かとの質問でありました。これに対しては、現行條約における分担金は六等に分れ、日本本土については一等の二十五單位、樺太、朝鮮、臺灣、關東州、南洋群島等外地分、合計二十二單位負担していたが、新條約では分担金等級を八等に区分し、各連合員は各自の新等級を本年八月末までに連合事務総長通告することとして、その日までに通告をしない國は旧條約に基く單位数によつて経費を分担することに定めてある。而して日本はこの通告を行なつていないので、新條約においても從來の二十五單位、即ち本土に対する分を負担することになる筈である。これは新等級の第二級に当る。尚実際の負担額は一九四九年から一九五二年に至る連合の総経費毎年最高四百万スイス・フランから割出して、邦貨約八百二十二万五千余円となるが、現在日本対外通信部門における收入外國貿易進捗状況から見て、この程度の負担はさして困難ではないと思うという答弁でありました。  第四は、以上の経費通信特別会計から支出するのか。その場合は次の補正予算に計上する予定かという質問であります。これに対しましては、日本は現在対外決済手段を有しないので、事情が許すまでは支拂延期即ち滯納の形で行く外はない。この種の問題は他の條約に基く分担金についても同樣であつて、総司令部は、この種の支拂要求に対しては、「日本政府は現在外貨支拂手段を有せず、又日本が有する在外資産については未だ最後的処分決定を見ていない。從つてこの二つの問題が決定するまでは日本政府の支拂は懸案として置く外はない」との見解をとつて、その旨支拂請求國に対し総司令部から直接回答しておる現状であるという答弁でありました。  大体以上のような質疑應答が行われまして、外務逓信委員会連合委員会を終りましたが、結局本件平和條約の締結が遅延しておる今日、國際條約に参加し得るという点において、我が國にとり極めて意義深いことであり、尚且つ連合軍当局の好意ある承認によるものでもあり、本件承認して差支えなきものと認めた次第であります。  次いで十一月十七日本件は衆議院から送付がありましたので、同十九日外務委員会を開き討論を経て採決に入りましたところ、全員一致本件は可決すべきものと決定いたした次第であります。  以上を以て外務委員会審査報告を終ります。(拍手
  22. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより本件採決をいたします。本件委員長報告通り承認を與うることに賛成諸君起立を請います。    〔総員起立
  23. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 総員起立と認めます。よつて本件全会一致を以て承認を與えることに決定いたしました。      ——————————
  24. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) この際日程第二より第四までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。在外同胞引揚問題に関する特別委員会理事岡元義人君。    〔岡元義人登壇拍手
  26. 岡元義人

    岡元義人君 只今上程されました請願第二十六号は外地公館借入金の返済に関する請願でありまして、東京中央江戸橋一ノ一五平島敏夫君外一名の提出となつておりますが、これは終戰後昭和二十年九月七日外務大臣東亞各地在外公館に発した訓令第七百二十六号「在外邦人引揚経費に関する件」によりまして、難民救済資金として借入れた金をば速かに返済して貰いたいという趣旨であります。本参議院におきましては昨年第一國会において、十月二十人目、百九十七名出席の総員賛成を得まして、これと同樣の請願が議決されておるのであります。その後一年を経過いたしました今日に及び、面この問題の解決を見ていないのであります。而も当時現地にあつてこの金の醵金の衝に当つた幹部者たちはその責任を追求されまして、誠に氣の毒な立場に置かれておるのであります。大連から帰りました責任者の一人の別宮俊夫君のごときは遂に自殺を遂げたのであります。これは飽くまで政府対居留民の貸借勘定でありまして、一般の在外資産とはその性格を異にしておるのであります。で、政府は最も速かにこれが処理をすべきものであると考えられるのであります。  次に請願第二十七号は、中國東北地区引揚者所持証券処理に関する請願でありまして、請願者は前と同じく東京中央江戸橋一ノ一五平島敏夫外一名の提出となつております。これは引揚者が帰還の途次、民團或いは旧領事館等に預けたる証券内地送付されたもの、或いは内地に上陸当時税関に保管を命ぜられた証券等が、その後逐次許可になつたものもあり、又この中には本人手許に帰れば直ちに有價証券として利用できるものも相当ありますのでこれらの整理政府といたしましても整理機関が設けられて逐次整理には当つておられますが、本人の住所の変更等によつて大多数のものがまだ処理されていないという点がございますので、これを合理的に処理せられたいという趣旨であります。その中には軍事公債等にも触れておりますが、海外で買入れましたところの公債は総額四億二千万円に上つております。そのうち現在内地に持ち帰つて來ておりますところの証券は僅かに二千万円に過ぎないのであります。先程第二國会におきまして軍事公債の問題が檢討されたのでありますが、引揚者等は同じ公債を持ちながら利息さえも受けておらないのであります。これらに対する緊急なる処置をば要望したものであります。  第三の請願第五十七号は、これは引揚促進に関する請願でありますが、請願者鹿兒島縣川辺枕崎枕崎柳田榮二外一千二百二十七名の提出になつております。請願は別に説明するまでもなく十分御了承を得らるることと存じます。以上三件と共にその願意は妥当であり、政府は速かにこれに対して処置すべきものと認め、委員会におきましては全員賛成の下に議決された次第でありまして、以上報告いたしますが、何分の御賛同をお願いいたします。(拍手
  27. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願委員長報告通り採択し、内閣送付することに賛成諸君起立を請います。    〔総員起立
  28. 松本治一郎

    ○副議長松本治一郎君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願全会一致を以て採択し、内閣送付することに決定いたしました。これにて本日の議事日程は終了いたしました。次会議事日程決定次第公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。    午前十時五十七分散会      —————————— ○本日の会議に付した事件  一、議員請暇  一、実地調査のため議員派遣の件、  一、委員辞任及び補欠の件  一、常任委員長補欠  一、両院法規委員辞任及び補欠の件  一、日程第一、國際電氣通信條約に   加入することについて承認を求め   るの件  一、日程第二乃至日程第四の請願