○
中平常太郎君
在外同胞引揚問題に関しまする
特別委員会の第二
國会の
継続審査といたしまして、
休会中ずつと
調査いたしておりました
事件につきまして、
請願並びに
陳情に付き、
審議の
状況並びにその結果を御
報告申上げたいと存じます。
請願第九百八十一号は、
日系の
大陸に在留しておるところの
孤兒の救済問題であります。これは
終戰後、
日系大陸在留孤兒が
沢山に
満州の
各地にうようよいたしておるのであります。すでに
親たちは不幸な死に方をしておる者もあります。又帰る
時分に
子供を尋ね得ずして、実にもう遺憾ながら親が
帰つたという者もありまして、このどさくさに子を収容し切れず、何千という
日系の幼児が取残され、さ迷
つておるのであります。これに対しまして何ら今日まで手を打
つていない。又
政府もこれを特別に取扱
つたこともない。又今日の中共の戰争の
状態からいたしまして、ますます
満州方面における
各地において、こういうかわいそうな者が到る所にさ迷
つておるのであります。親の身にな
つて見れば、実に只今悔い、歎き、悲しみ、断腸の思いであると思うのであります。これらの前途は全く
悲惨そのものでありまして、
思想上にも決してよくはならない。將來の日
華親善に資するという
意味合からいたしましても、一日も早く救済しなければいけないところの問題でございます。又第千四十号、千百七十三号、千百七十四号、この三つは、
在外同
胞引揚促進に関する
請願でございまして、これは採択すべきものと
決定をいたしたのであります。今尚四十万前後の者が、又々
ソ連地区において、零下三十度、四十度の所で
強制労働に服しておるということは、この内地では到底想像も及ばないところの
状態にな
つておるのでございます。
次に
陳情第五百二号、
台湾引揚者に対する
緊急措置に関するもの、又第五百二十六、第五百二十九、第五百四十、各号は、やはりこの引揚促進の
陳情であり、又
在外資産の還付、又は
在外公館の借
上金、即ち当時の
難民救済のために
地方民から
公館が借上げたところの
立替金、これは九億一千万円でございます。そういうふうに
政府はたびたび
責任を持つということを言明いたしておるものでございますが、こういうものを、
生活困窮の
現状に鑑みまして、
引揚者は一日も早く返還して貰いたいという
陳情でございまして、
審議の結果、
各種の
調査を行い、これを採択し、院議に付して
内閣に送付すべきものと
決定いたしたのでございます。右につきまして、
各種各
方面の
調査班を編成いたしまして、今日まで何百何千あるところの
陳情に対しまして、全國に亘りまして、
各地特別委員のメンバーの方方に御足労を
願つたのであります。
休会中に八班に分れまして、
國民感情のどういうふうな熾烈なものがあるかということを知るために、
議員のうち田村、矢野、
穗積、星野、北條、細川、池田、山田、木下、河崎、淺岡、
岡元宇都宮、千田、安達、太田、木内、城、こういう諸氏を御足労願い、相共に
各地の引揚の
実情、
輸送の船の中、或いは
援護物資の配分の
状況、又送還するところの
状況、
定着後の
援護施設、特に
金融面、
厚生面、又
北海道の
集團開拓の
方面、それから無
縁故者の
收容の
実情などを
調査いたしましたので、
廣汎な
報告が参
つておるのでありますが、これを一々申上げるのも、なかなか時間が経ちますので、その概略を御
報告申上げて、今後の施策に、大いに
政府を鞭撻して頂きたいと思うのであります。
舞鶴方面の
施設につきましては、日を違えて二班参りましたのでありますが、船内の
設備は大
郁丸を
調査しております。本船は三千百人くらい入るのでありますが、いつもその半分も積んで來ない。余裕を残しておるのであります。
病室、
傳染病室の
設備も船の中にあります。それで医者及び
便所等の
設備も十分できております。ただ
船員室が狹いというのが遺憾の点でありました。それから
食料品で船には大体主食は米であるが、常時六千人分を積込んでおるが、野菜、
罐詰等はそのときどきに
積込むようになつておるりであります。それから
船員は大体一ヶ月に二
航海ナホドカからやりたいというのでありますけれども、
ソ連からの通告がそう
参つて來ません。それで大体現在において一回にな
つておるのでございます。石炭の
割当は大変順調に参
つておりまして、毎月四千五百トン
舞鶴に参りますが、これは現在でも余
つておるくらいで、貯炭も
相当のものを持
つておるようであります。陸上の
設備といたしましては、
倉庫が四ヶ所にあり、総面積が五千五百坪で、二十万人に支給するだけの
物資を保管しております。これは順調に本年
引揚者が還
つて張る、
復員者が還
つて来るという見込で、
相当援護局の方では
物資を寄せております。で、現在におきましても二十万人くらいの者の一應の
援護物資を持
つておるのであります。
食糧倉庫、
炊事場、病院、棧橋、
消毒所、或いは物品の
交換室、
入浴場、
復員事務所等の
施設は先ず十分に整備されておりまして、
引揚収容が毎日一万人ずつありましても、何ら
差支がないのでございます。落書などは余り見られません。
この職員は
舞鶴で七百五十人使
つておりますが、全員が心からなる熱心を以て、
引揚者に対とて親切に
歓迎と慰労をや
つております。
大変都合よくや
つて参りまして、その辺は申し分ありませんが、
帰還者の
要望を聽いて見ますというと、大体米食でありますが、船の中で二回程お粥を食べさす。それは
ソ連に三年もおりまして、
食事事情が大変違
つておるのでありまして、とかく粒食をやるというと
下痢を起していかんというので一二回お粥をや
つておる。ところが
下痢を起さんような方が
大分不足を言うというようなことでありまして、これはやはり当り前な御飯にして貰いたいという
要望が段々あ
つて、最近は改善されておるような様子であります。それから又
援護局と停車場の交通は
トラツクと艀を用いておりますが、大体一日で三千人くらいを
輸送し得る能力を持
つております。
それから
舞鶴の
駅頭においては
市民によ
つて歓迎会が開かれる。又ここでは特に
婦人会、
共産党の
活躍が
相当注目すべきものがあるのであります。熱海駅から上野駅までの間の各駅においても、
共産党の
活躍が外に比べで目立
つておるようであります。
北海道方面は
舞鶴と異なりまして、大
部分は
引揚者で、殆んど
家族連れであります。
寒冷地に居住してお
つた同胞であるので、その
適應性を
考慮に入れますれば、成るべく
北海道に
定着せしめたいのでありますが、
北海道だけでは
施設が間に合わない。それでお氣の毒でありますけれども、
東北六縣へ特別な
援助を
願つておる
状態であります。本年第一次、第二次において
北海道では二万三百五十九人、青森においては千八百六十人、岩手が千六百五十人、宮城が千二百八十五人、秋田が五百人この少いのは
水害等の
関係が原因にな
つておるのであります。それから山形が千九百九十人、
福島が二千七十人、合計第一次、第二次においては二万九千六百三十四人
收容いたしまして、非常な困難の中において各縣民が
努力なさ
つておるのであります。これは全國一般
國民、即ち
國民の代表であらせられるところの
議員各位が十分に認識し、
理解し、その
地区の
人々に対しまして十分なる
感謝の意を表示すべき問題であ
つて、決してこの
地区の
人々が好んでこれを受入れてや
つておるのではありません。風俗、習慣の異
なつた、而も資力のない
困窮者のみを受入れてこれを
援護し、就職の斡旋や
生活の
保護に特別な
努力を拂
つておられるということは、私はこの議場で十分に
感謝、お礼を申述べたいと思うのでございます。
復員者の大
部分はそれぞれ自宅がありまして一々帰還して喜び迎えられて、直ちにその日から郷里の人となりまして、温かい同情に心身を休め、慰安の途も十分あるのでありますが、
引揚者は久しく海外にあ
つて相当の地位を占めて十数年を送り、何ら故國に帰りましても
縁故もなく、無一文で今日を何として暮すか、かかる
人々が、約九万人の人が千島と樺太から
帰つて來ておるのであります。
國民はただ
敗戰のどさくさで自己の保身に憂き身をやつして、
利己主義、
個人主義に陥り、人はどうでもいい、
自分さえという浮薄な
國情の中へどしどしと
帰つて來られる
同胞は、我が國にさえ
帰つたなれば親切な
同胞の手で迎えて貰えるものと、ひたすらに何も彼も打捨てて
帰つて來られるのであります。帰
つて見れば冷酷、人情は氷のごとく、親族さえも
厄介者が
帰つて來たという表情の者が多い。
思想は悪化し、
闇商人は増す。彼らは食わんがために何をなすべきか。全く金はなし、職はなし、正道は教えられず導かれず、國の
援助は蚊の涙程しかない。飢餓ひしひしと身に迫
つてくる。その結果は知るべきのみでありませう。罪に問われれば一生疵ものの
刑余者とな
つてしまう。
諸君、今にしてこの問題を取上げ、
引揚者の
生産援護の途を講じなければ、結局
日本再建の重大なる支障になるということを銘記すべきであると思うのであります。
函館は
舞鶴に比べまして
上陸收容所が分散いたしておりまして、
トラツクで連絡いたしておりますが、
当局及び
函館市民が非常に
理解がよくて、
処置がうまくできております。但し
定着の
処置は無
縁故者にのみ限られておるが、
縁故者とて殆んど無
縁故者と同様の
状態の者が多いのでありますから、一時的の
收容所はもつと増設しなければならん必要があると思うのであります。
引揚者中、
炭鉱技術者等が
相当ありますが、
受入港でこれらの
技術者、
専門技能者等一應選別して、早速
当局において適当の
方面へ就職せしめる必要があるのであります。又
北海道にそのまま農民として定著の
希望もあるのだから、一概に
東北方両に廻す前に、その
希望を十分選別すべきであります。これらのことも十分に注意を
当局に與えて置いたのであります。
集團開拓は掛け声はよいがなかなか進捗しておりません。
隘路は大体何かというと
設備がない。又
輸送上の
道路の
開拓が全然できていない。
道路のない、
輸送の困難な、而も定著すべき
施設のない所へ、如何に
集團開拓を
希望いたしておりましても行かれはしない。
行つても直ぐに逃げて
帰つて來る。こういうことにな
つておる。
政府は一層この
方面に
努力をしなければならないと思うのであります。
北海道の
集團開拓につきまして一言申上げますと、市町村に
工事を委託しておる。そうすると、やはり
土建会社がこれを引受けておる。ああいう
仕事は失職してしま
つておる
引揚者に
一つ集團的に
責任を持たして
工事を請負わせるということにすれば、彼らの
生活の助けになりますし、
仕事も彼らに與えられることになりますから今後直ちに
業者に引受けせしめなければならんような大きな問題は別でありますけれども、できる限り
引揚者などに優先的に
一つ工事を請負わしめる、
集團に請負わしめるということが今後最も必要であると痛感したのでございます。
引揚住宅も、
予算は減額されますし、
工事は遅れますし、
縁故者も無
縁故者も
北海道では大分困
つておるようであります。衣料の
配給は到底
引揚者には手が出ない。
蒲團が三千円なんというから、たとえ寒さに向いましてもよう買えん。冬が来るのに
業者の
倉庫にこれがストツクにな
つて寝ておる。
引揚者にはよう買えん。これは何とかして少くとも雨露を凌ぐ
程度のものは
考慮して、安くスフか綿布を手に入らしめる
考慮を講じなければ、わざわざ
配給しながら
業者の
倉庫に眠
つておることは実に堪えられないことと思うのであります。
漁業権も
各地に特権がございまして、どうも新らしい
引揚者に
漁業権がうまく廻
つておりません。同時に
漁網の問題も或
程度新規業者に二割
程度の枠ができておりますが、これも利用しておらん。利用しようにも
資金はなし、組織はなしで、誠にかわいそうな
状態で、わざわざ
漁網の
配給がありましても、それを取
つて漁業者になり得ない者が
相当あるのであります。
復金の放出の問題も一應
決定いたしておりますけれどもが、この間も問題がありまして、結局今日までの
貸付金の
回收状況を調べよう、どういうふうにな
つておるかということを調べてから出すということにな
つて、
復金は後を出さないというようなことにな
つておる。これも無論非常に皆困
つておるのであります。
各班に分れましたので、とても八班のものを
諸君に一々御
報告申上げることは、
諸君に誠にお氣の毒でありますから、二三にいたしますが、
出先機関などが
援護局と連絡が不十分なところがございます。
福岡、
鹿児島等でいろいろ問題が起きておりますが、大体
駅頭の
援護は
相当よろしいが、
駅頭に出迎えておるときに、そこを通る
お客さんは誰も無
理解である、
日本國民はお前らとは違うというような恰好で、出迎えしておる人は熱心だが
沢山の
お客さんは知らぬ顔の半
兵衞であります。これは少くとも
帰還者が何十人か隊を組んで
帰つて來るので、わざわざ
地方廳からも旗を立てて出迎えておるのだから、そこを通る
お客さんは少くとも一揖して通るくらいの態度がなければいかん。
國民はそれくらいの
理解がなければならんことである。これでは
援護問題もいつも上調子にな
つて行くのであります。
福岡、佐賀、
長崎あたりの
庶民金庫の
金融の問題もありますが、これなども嚴重にやるばかりで、
貸付の
希望は七百五十万円も出ておりますが、まだ六百万円が
貸付未了にな
つております。その外、
漁業用の綿糸にいたしましても、企業の認可が取れないからいけないとか何とか
言つて隘路ばかりで、
引揚者において実際に血となり肉とな
つて行くようなその
物資の
配給ができていないのであります。農地問題は非常に御承知の通り困難な問題でありまして、現在他國におりました
時分から持
つてお
つた土地が、帰
つて見れば取られてしま
つておる。牛を持
つてお
つた者は牛まで取られておる。さまざまな問題がありまして、帰りさえしたら
百姓ができると思
つたら、案に相違して
百姓もできない。いろいろな問題で、多少の安全弁がありますけれどもが、そこを強く主張して漸く今日では約一割くらい
都合よく解決した問題もあるようであります。大
部分は
解決未了であります。住宅問題は戰災都市は尚更のことでありますが、到る所で住宅問題が非常な深刻な悩みにな
つておるのでありまして、この問題も議会におきましても、今期におきましては、十分に
臨時の簡易な
住宅建設も、或いは私は
諸君の御
援助を
願つて、十分なる
予算を取るべきであると思うのでございます。
引揚者は大体
勤労意欲は盛んでありまして、健全な身体の者は先ず先ず遊んでおりませんが、そうでない者はどうしても
臨時の
収容施設の所に附属して
授産所を
作つて生計を助けしめる必要があるものがあるが、どうしても千人や五百人入
つておるような
施設へ参りましても、
風呂が
なかつたり
授産所が
なかつたりして、ぶらぶら
子供を連れて遊びおるというような
状態でありまして、誠に
生活は窮乏する一方ということにな
つております。こういう点は、全國的にそういう簡單な
施設の所え対しては附属する
授産所を作らなければならんということを
諸君も十分に御念頭に置いて貰いたいと思うのであります。概して
函館あたりの
檢疫状態はよろしうございますが、まだ
日本人の悪い点がありまして、檢疫場を無事に通過せしめようと考えて、
自分の
病氣を何の彼のとい
つて言わない。そのくせ
汽車に
乘つて悪いことを人に言いおる。それは早く帰りたいということが念願でありますから無理もないことでありますが、延いては
傳染病その他の
下痢性の者が
汽車の中でさまざまの醜態を演ずるというようなこともあるのでありますから、こういうことも
國民は考えなければならんと思うのであります。それで今後金品の
給與だけでなくして
自立更生の精神を大体吹込んで行かなければならん。
引揚者であるが故に、
在外日本國民はどこまでも
援助をせねばならんが、
援助して貰わなければそれがいかんというような考えは持
つてはいけない。
引揚者自体が
日本の窮乏せる
現状を認識しておらん。
自立更生を図るために
引揚者目体ももつと力を本当に入れて、みずから働いて耕して食う。又人にのみ継るというような弱いことではいけないと思うのであります。(「同感」と呼ぶ者あり)
福島縣におきましては、
引揚者の
収容施設につきまして
分散主義をや
つておりますが、これは甚だよいと思います。成るべく
定着しておらして
郷土の人と融和せしめるという
意味でありまして、大きな
集團を拵えずとも、小さく割
つて方々えや
つて、成るべく
郷土と融和せしめるという方針で
福島縣はや
つております。これは誠にいい方法であると思うのでございます。
いろいろ申上げたいことがありますが、
國庫の融資にかかる
生業資金、
復金、
生活保護金、ああいうものは無
縁故者を引受けておる各縣に対しましては、特に早く優先的に、而も枠を拡げこれは
援助して上げるべきであると思うのであります。
授産所の
設備は到る所の切なる
希望でございます。段段寒くなるのでありますから、
應急施設の所には
ガラスがありません。雨戸がない。又
風呂がない。六百人、八百人も入
つておる所にた
つた五
右衞門風呂が
一つある所がある。それはどうしてもそんなことではいけない。だからこのようになりました以上、早く
窓ガラスなども補充してや
つて、特別に
配給を早くしてやる必要があるのであります。
蒲團が
沢山あればいいが、
蒲團もないのに
ガラスが入
つていないというようなことではこの冬は越せません。お互いにこれは考えるべきことだと思うのであります。かかる
受入縣に対しましては、
地方の
配付税の
特別割当を増加する
希望がどこにもありまして、又
國有建物の別途
処置などを種々
要望して参
つております。又各縣におきまして、この
対策審議会のごときものは
地方ごとに
対策審議会を
作つて、地に着いた救援の途を取りたい。又働かす途を取りたいというような
希望が段々ありまして、厚生省にできておりますところの、我々が第二
國会において提案いたしまして、
全会一致で以て通過いたしました
在外同胞対策審議会、それのようなものを各縣に皆拵えて、そうして地に着いた
仕事をさせたいというような
希望が段々ございます。
まだ申上げれば
沢山ござひますが、余り長くなりますからもう止めますが、(「遠慮なくや
つて下さい、」「どんどんや
つて呉れ」と呼ぶ者あり)どうか
一つこの問題は
國民的感情にな
つておることを十分御認識下さいまして、党派を超越して編入もやらなければならん。
而も私はここに
一つ諸君に最後にお願い申上げて置きたいことがある。それは
敗戰國は
正義を主張できないかという問題であります。今
國際関係は米ソ問題が中心でございますが、どちらもやはり
正義を言うております。どちらが
正義か不
正義か私は存じません。併しながらドイツのベルリンの問題でも両方とも相執
つて讓らない。ところがこれは悉く
正義を主張しておる。(「脱線々々」と呼ぶ者あり)だから
引揚問題に対しましては、たとえ
敗者と雖も、数年も経
つてまだ軍服を着て
強制労働に服しておられるということは
正義でない。(「その通り」と呼ぶ者あり)だから、これが
正義でないというなれば、
敗者なりと雖も
世界の輿論に訴えて、これは声を大きくしてよろしいと思うのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)これは縁の下の「みみず」が鳴くようなことを
言つても駄目だ。私はこの点につきまして
諸君と共に強くこの問題を取上げて、
國民的感情が
世界の道義を動かすというところまでやるべきであると思うのであります。(
拍手)