○
九鬼紋十郎君 それでは
只今から議題となりました
請願、
陳情の小
委員会の審議の結果を御報告申上げます。付託になりましたものは
請願十五、
陳情九件、合計二十四件でありまして、採択したもの十三件、保留十件、不採択一件でありました、詳細に御報告申上げます。
請願第八十二号、
戰災復興並びに
学校建設資金の起債に関する
請願でありますが、この趣旨は、戰災都市の復興事業経費、学校建設費の起債は高利率で枠が小さく、且つ短期限の融通のため苦しんでいるから、優先的に預金部資金にて起債の消化ができるようにされたいというのであります。この趣旨は当然であると考えましたので、
委員会といたしまして採択することに決定いたしました。
請願第百三十五号、土地、家屋両
台帳法の改正に関する
請願でありますが、これは土地、家屋の賃貸
價格は、土地においては十年、家屋においては五年ごとの一般改定の際だけ
調査委員会に諮問するだけであ
つて、その間では税務署が決定することにな
つておりますから、不正確で脱税が多い、それで民生的な
委員会を設置して速かに完全な徴税ができるようにして頂きたいという趣旨であります。これは立法に関するものでありますので、内閣に送付しないものとして採択することにいたしました。
次に
請願第百九十四号、
福島縣熱海町を
郡山税務署所轄内に移管の
請願でありまして、熱海町はすべての面において、郡山市との連絡確保が必要なのでありまするが、税務署のみは二本松町にあるので、極めて不便なのであります。郡山税務署管内に移して欲しいという趣旨であります。極めて不便な実情にあることが分りますので、やはり採択すること決定いたしました。
請願第二百二十五号、一関市の
水害商工業に対する
融資の
請願であります。この趣旨は、岩手縣一関市は二度の水害で大打撃を受けたのでありまするが、生活必需
物資の供給都市として復旧するため國庫補助と復金からの特別
融資の措置を講ぜられたいというのであります。甚大な被害を受けたので以上の措置を執るのが必要であると認め採択することにいたしました。
次は
請願第二百二十七号
どぶろく密造防止に関する
請願であります。今尚盛んに行われているどぶろくの原因は飲酒抑圧
政策と、
國民道義の頽廃から來ておるのでありますが、適切な酒類、
價格決定と確実なる配給
計画、密造酒に対する罰則の強化、並びに委託醸造の還元配給等の方策を講ぜられたいという趣旨であります。これも又妥当なものと認めまして採択することにいたしました。
次に
取引高税に関して全廃するもの、
陳情八十七号、九十八号、百十四号、一部改正に関するものは
請願三百一号、三百十一号、三百三十七号でありまするが、三百一号のものは引揚者生活困窮者
援護物資に関する
取引高税免除でありまして、引揚者等の生活困窮者は、
最低生活を辛うじて営んである
状態でありますが、
援護物資に免除せられたいという趣旨であります。
請願第三百十一号は
写眞撮影技術家の
取引高税廃止に関するものでありまして、写眞技術は社会文化の発展上、大いに貢献するものでありまして、自己の技術又は労務によ
つて收入を得る自由業に該当するものでありますから、速かに撤廃されたいとの趣旨であります。尚
請願三百三十七号は医藥
医療品並びに衞生材料の
取引高税免除に関するものでありまして、
國民保健上、由由しき弊害を及ぼすものでありますからして免除せられたいという趣旨であります。全廃を
陳情しておるものは何れも眞面目な
業者を不当に圧迫し、
経済活動を妨げるからしてこれを廃止せられたいという趣旨でありまするが、本税は
政府においても
目下その方向に向
つて研究中であるという
答弁でありまして、本院の会議に付する必要があるものとして採択することに審査決定いたしました。次に留保の分に入りますが、
請願第百十九号、
爲替レート設定に関する
請願であります。單一
爲替レートの設定及び維持は自由
貿易でない
現状では困難であり支障多く、殊に軽金属工業は再建途上にあるので需要供給の將來性によ
つて、適正なる
爲替レートを設定されたいという趣旨であります。これにつきましは尚十分に
研究する余地があると考えまして、小委員といたしまして留保することといたしました。
次に
請願第九十一号、九十二号、百八十三号、二百十四号、尚
陳情の百六号、この
請願の四件と
陳情百六号は絹、人絹織物消費税の
低減並びに
價格差益金、
取引高税撤廃等の
請願であります。趣旨とするところは、絹、人絹織物の消費税は高率のため消費者の負担とな
つて物價高を招くことになるから、綿、スフ織物同樣の課税率に
低減せられると共に、
價格差益金、
取引高税の徴收は
業者の負担とな
つて損失を招く虞れがあるから、本税を撤廃せられたいとの理由であります。消費税につきましては、消費者において消費選択の自由のない今日において
低減する必要がありと認めたのでありまするが、尚
取引高税におきましても同樣撤廃の必要があると考えるのでありまするが、
價格差益金の撤廃につきましては、尚幾多の
研究の余地があると考えましたので、一應留保することといたしました。
陳情第八十八号は、
香川縣の
製塩事業維持に関する
陳情でありまして、
香川縣の重要
産業である製塩が加算賠償金制度廃止、並びに
生産塩の收納停止等の措置をとられたために、壞滅に瀕したのであります。故にこれらの措置を改められたいという
主張でありますが、原料
資材等の増配によ
つて、これらの措置が改められる状況になりますので、必要と認めまして採択することに決定いたしました。これは採択の方へ入れて頂きます。
次に
陳情の第九十六号は、
林業者に対する
資金貸出の
陳情でありますが、現在の我が國にとり林業の重要性は高ま
つておるのであるからして、保護上、農林漁
業者復興資金融通に関する暫定措置中貸出利率の引下げ、
林業者の共同利用に供する施設のための必要資金の貸出の途を講ぜられたいという趣旨でありますが、これにつきましては金利の点につきましては一應除外して考えることとしまして、他の部面については採択して、院議に諮られると、こうい
つた條件附の採択をいたした次第であります。
陳情第百二十一号は
所得税の更正に関するものでありますが、
所得税の仮更正決定は、実情を無視しておるからして、秩序ある團体交渉を認めたり、改革して貰いたいという趣旨であります。これも必要と認めまして、採択することに決定いたしました。
陳情第三十六号、
金融制度改革に関する
陳情、金融制度の改革に関しては各界の代表者を網羅して、國の財政
産業政策を調整する内閣直属の金融
委員会を設置し、他方
日本銀行は
委員会の監督下にあ
つて、民主的運営の下に、その業務を運営せられるようにせられたいとの趣旨でありますが、金融制度の改革は重大な改革であり、幾多の
研究余地があると考えましたので、一時保留することにいたしました。
陳情第四十三号、
請願第三百号、これは
復興金庫特別融資に関する
陳情及び
請願であります。趣旨は引揚者に対する庶民金庫の枠は狭いので、復興金庫の資金を特別に
融資し、引揚者の更正を図られたいという趣旨であります。これにつきましては、諸般の事情によりまして一時保留することにいたしました。
陳情第八十四号は、高崎地方專賣局高田出張所復活に関する
陳情であります。現在煙草配給所あるのみでありますが、取締上、又区域の中心となり得べき地位の上において、是非復活せられたいという趣旨であります。これにつきましても、復活をしても大した効果がないという御
意見が多数でありましたので、採決の結果、不採択とすることにいたしました。
以上大藏
委員会に付託せられました
請願、
陳情の経過、並びに結果を御報告申上げます。