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1948-11-25 第3回国会 参議院 水産委員会 第8号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十三年十一月二十五日(木曜 日)
—————————————
本日の
会議
に付した事件 ○
派遣議員
の
報告
○
水産業協同組合法案
(
内閣送付
) ○
水産業協同組合法
の制定に伴う
水産
業團体
の
整理等
に関する
法律案
(内 閣送付) ○
漁業権等臨時措置法案
(
内閣送付
) ○
水産金融
に関する小
委員会設置
の件
—————————————
午後二時三十二分
開会
木下辰雄
1
○
委員長
(
木下辰雄
君) これより
水産委員会
を
開会
いたします。前会に引続いて
水産業協同組合法案外
二案を議題に供します。
質問
がある前にこの
法案
につきまして
神奈川縣
、
千葉縣
、
静岡縣
に
現地
において
漁民
を集めて一種の
公聴会
をお開きになりましたので、
派遣委員
の御
報告
を頂きたいと思います。
神奈川縣
からお願いいたします。成るべく詳細に、併し十分以内にお願いいたします。
青山正一
2
○
青山正一
君
漁業協同組合法
外二件に関しまして、
國会
より
神奈川縣
の
眞鶴
へ
派遣
を命ぜられ、
現地
の実情を聽取して参りました。以下
報告
を極く
簡單
に
委員長外皆さん
に御
報告
申上げます。
会場
は
眞鶴町役場
で、
参加者
は
思つた
より少なく、
水産廳
、
縣水産課
、
地方事務所
、
縣水産業会
、その他
眞鶴漁業会
以下十一
組合代表者
、それから
経営者
、
加工業者
、
眞鶴町長
以下
町役場吏員
、或いは
漁業組合等
約八十名ばかりの人がその
公聴会
に出席なす
つて
おりました。
開会
時間は午後一時で閉会時間が六時に至るまで、約五時間に亘る間熱心に論議されたわけで、
千田委員
が
座長
をしまして、
不肖
私が司会となり
討議
をしたわけであります。問題の焦点はやはり当
委員会
において、各
委員
が熱心に論議されておるところが最も重要視されていたわけで、以下極めて簡単に御
報告
申上げます。
組合員
の
資格
についていろいろ、と
質問
がありましたが、
結論
として
漁業
により生計を富む者とした方がよいという
意見
が非常に多数を占めていたわけであります。それから
法人
の
組合加入
につきましては、例えば
従業者代表
も入れた方がよいとの
意見
も非常に多数占めてお
つた
わけであります。準
組合員制度
につきましては正
組合員
とか、或いは準
組合員
というような
差別
は絶対に不用だとの
意見
が圧倒的な多数を占めていたわけであります。それから
組合
の
設備利用
に関しましては、これは自由に
利用
させた方がいい、半分々々というようなふうなわけじやなしに、自由にさした方がいいという
意見
が多数でありました。又配当につきましても、これはいろいろな今後の
協同組合
の
運営
に当
つて
も、いつそのこと
制限
しない方がいいとの
意見
が多数あ
つた
わけであります。それから
業種別組合
の場合、
漁業従業者
を
加入
させるという問題につきましては、
業種別組合
を作ること
自体
がよくない。況して利害の反する
組合員
を入れてはならんという
意見
があ
つたの
でありますが、これは
農林省
の
木村事務官
の
説明
によりまして、とにかく
原案
に
賛成
することにな
つた
わけであります。それから
議決権
及び
選挙権
の
代理
行爲につきましては、
代理
人は
組合員
以外で認めるということが、不可解である、
組合員
、又はその
家族
に限定すべきであるとの
意見
が多数を占めてお
つた
わけでありますが、これは
木村事務官
と私の
意見
は多少異にしておるわけであります。それから
漁民
以外の
理事
及び
参事
につきましては、
組合
の最上の
運営
のためには、四分の一
程度
ならばいいとの
意見
が多数あ
つた
わけであります。
総代会制度
につきましては、
原案
の二百人を百人に減少し、五十人を十人とする
程度
が至当ではないかという
意見
が非常に多か
つた
わけであります。 十二、十三項を一括するこの
生産組合
の
制度
につきましては、
生産組合
は、これは今後の
協同組合
の連絡のためにも絶対的に正
組合員
にせよという
意見
が多数占めておりまして、その他
意見
といたしまして、
平均出資口数
の二倍を超えてはならんというのは不合理で、かかる
制度
を
撤廃
して欲しいとの
意見
があり、特に全員熱烈に
要望
していたことは、
資金裏附
のことで、これがなければ、折角の法も机上の空論に終る慮れが多分にあるとの
意見
が多か
つた
わけであります。 八、九、十項、この三項の問題につきましては、
連合会制度
については、第一として分離することは
反対
である、
縣連合会
にもさせよう。第二には、増殖、
保護等
の
仕事
は全國的にやらなければならん。第三に、今や科学的にも文化的にも、又思想的にも発展向上せねばならん。全
國連合体
を作る必要を痛感するというような
意見
が全員で謳われてお
つた
わけであります。 第十一の
加工業協同組合制度
、これも
眞鶴
という
地区
的な
関係
からして、この
眞鶴
の附近に小田原という、いわゆる
かまぼこ業者
が非常に多い所がありますが、ところがその
加工業者
の方から
意見
があ
つた
わけで、つまり
配給
の面まで一括して
水産廳
で施行して貰いたいという
加工業者
の
意見
があ
つた
わけで、その外に
加工協同組合
と
協同組合
との
繋ぎ合せ
につきましては、外に話はありませんでした。 第十三の
独占禁止
による
組合制限
につきましては、
撤廃論
が非常に多くて、
経営機構
に対しても、
制限
緩和して欲しいとの
意見
が多数を占めてお
つた
わけであります。 第十四の旧
國体役員
の問題につきましては、比較的
発言者
も少く、
漁村
の
現状
からして
漁民
の
自由意志
によ
つて可
とする者が非常に多か
つた
わけであります。 その他第十六項、第十七項につきましては大した
意見
はありませんでした。
漁業権等臨時措置法案
については、別に
意見
もなく、私なり或いは
木村事務官等
の
説明
によ
つて
了解したようでありました。 以上において
討議
を終了いたしまして、私なり或いは
千田座長
より本法についての詳細なる
説明
がありまして、
水産委員会
としての態度を表明した
あと一般質問
に入
つた
わけでありますが、結局第一の問題としまして、
漁業法改正
の
早急実現
、第二の問題として課税の
公正化
、第三の問題として
國会
、
官公廳等
は
漁民
の心を心とした活躍をして頂くようというような
要望
をされたわけであります。以上
簡單
に御
報告
を終ります。
木下辰雄
3
○
委員長
(
木下辰雄
君) 次は
千葉縣
の
代表
から……。
江熊哲翁
4
○
江熊哲翁
君 それでは
江熊委員
から
千葉縣
の模様の概略を御
報告
いたします。
千葉縣
は私の外に
尾形委員
、それから
専門員
の
岡尊信
君、この三名、
農林省
から
沿岸漁業課長
が
参つたの
でありますが、
会場
は館山市
北條小学校講堂
であります。
会場
に集ま
つた人たち
は、
縣廳
の
水産課長
以下
縣廳
の係員が数名、それから縣の
水産業会
の係長、それから
漁業会
の
役員
が五名、職員が五名、それから
漁業経営者
が六名、
加工業関係
が四名、
漁民
が三名、こうい
つたよう
な者、その外に
傍聴者
も数十名お
つたよう
であります。終始一貫非常に熱心に
討議
されたのでありますが、
会議
の始ま
つたの
は午後一時半から午後五時半頃までであ
つた
か思います。私共の持
つて
行つた協議事項
の初めから逐條的に
岡専門員
から
説明
して、私
座長
の席に著いて
会議
を進めたのであります。今
青山委員
から詳細御
報告
されましたのですが、
千葉縣
の場合におきましても殆んど大同小異であります。尚詳しいことは
報告書
に書いてございますから、その
報告書
によ
つて委員長外
当
委員
の方も御了承願いたいと思うのであります。この
会議
でちよつと私思い付いたことを二、三申しますというと、
会場
に出席しておる人の年齢によ
つて考え方
が
大変違
つて
いる。若い二十代の人、三十前後の人も大分お
つたの
でありますが、こういう人の
考え方
は、大体
一般
に言われるところの
進歩的分子
だといわれる
人たち
でありますが、こういう
人たち
は現在の
法案
に対しては可なり不満な意を表しておることが多か
つた
と思います。この持
つて
行つた協議事項
の中にも書いてある、例えば旧
役員
を追放すべきかどうかという、そういうものを選出しないようにしたらどうかというような問題についても、少し年と
つた人
はもう間違いなく、そういうことをしなくてもよいということを言います。それから若い
人たち
はそういう
規則
を附えた方がよい。実際古い幹部は一應除外した方がよいということを
はつ
きり言
つた
。併しそうしなくても民主的に
協同組合
ができるのだから、
漁民
の
意思
に、よりて選出することができるなら、それによ
つて
淘汰すればよいのだというような中間的な
考え方
の人もありましたが、おしなべて若い人が比較的進歩的な
意見
が強く、
年取つた人たち
がいわゆる保守的だと、こういうことが言い得ると思います。そういうようなことは各
條項
について言われるわけです。
從つて
当日私共の持
つて
いた各
條項
については必ず
反対
があり、必ず
賛成
があるということなんです。これはどれ
一つ
として、満場一致こういうふうにするのがよいというような意向はなくて、必ず
反対
があり必ず
賛成
があるということでありました。ですから赤裸々に申しますというと、
漁民
々々と一口に
言つて
も、その
人たち
の氣持は、同じ方向に向
つて
はいなくて、やはり
現地
においては相当
考え方
に分裂があるのだということがよく現われておりました。それからこれは或る一人から出たことで、私は本当にこれは
水産廳
というか、
政府
は今後非常に注意しなくちやならんと思いましたのは、今
ラジオ
で早
起鳥
という
言葉
を
使つて
、朝早くから、五時か五時半頃から
ラジオ
で全國に呼び掛けておるのですが、その
言葉
が
農村
に向
つて
呼掛けておる。
農村
の
皆さん
お早うございます。こういう呼び方です。全國の
皆さん
というようなことよりか、
農村
の人に呼掛ける方が多いのです。これを非常に
漁業
君
たち
は不満に思
つて
おる。一度も
漁村
の
皆さん
お早うございます、今日は、と言
つた
ことを聞いたことはない。然るに農民よりも
漁民
の方がよく早く起きて本当に働いておるのじやないか。それを一口でもそういうようなことを
言つて
貰わんことは非常に淋しい。こう言うのですね。これは直ぐやろうと思えばできることでもありますが、殊に
協同組合法
が今生まれて來て、
漁村
の
民主化
というような問題が叫ばれて、而も食糧増産問題というようなことが盛んに言われるのでありますから、まあ一週間に二回くらいは
農村
の中に
漁村
のことも混ぜて言う。そこで早
起鳥
のところで、今度できる
漁村協同組合
については、
漁村
の
皆さん
、本当に民主的な
協同組合
を作らなければいけませんよ。そうしましようという呼掛けをすることが私は非常によいのじやないか、そういうようなふうに考えました。勿論
漁業協同組合法
は今度できるわけでありますが、
農業協同組合法
の方が一年ばかり先にできて、この運動に
政府
が専ら力を盡したということがそういう結果にな
つたの
であることは私もよく分
つて
おりますが、今後は
一つ漁村
にもそういう呼掛けるような
機会
を作るよう
政府
の方で考慮して頂きたい。こういうことであります。大体私のこの際
皆さん
の前でお耳に入れて置きたいと思うことはその
程度
でありまして、私共がこの
委員会
において、各
委員
からいろいろ御
意見
が出ましたことは、申合したように全部
現地
の
公聽会
と申しますか、
現地
の
状況調査
に当
つて
は、必ず聞かれたということであります。つまり、ですから
水産
に深い
関係
が
従來
あ
つた
とかなか
つた
とかいうことはもう問題ではなくて、ここで
皆さん
が本当に
法案
を見たり、考え思い付いたことは、
漁民
もそういうふうに強く考えておるということであります。
委員会
でここで各
議員
から言
つた
ことは、やはり
漁民
の少くとも相当部分の人は強く主張しておるのである。私共が
平素仕事
をしておることは決して無駄な
仕事
をしておるのではないものと私は自惚れた次第であります。それからもう
一つ最後
に申上げたいことは、
漁民
がこの
法案
が一刻も早く実施されることを非常に希望いたしております。同時に
漁業法
の問題についても、一向まだよく勉強していないよりも、分
つて
いないわけでありますが、こういうようなことについても今少し早く内容を
はつ
きり知らして
説明
を聞きたい。我々は傳えられるところのようなことが事実とするならば、とても満足しかねるのだが、どういうふうになるだろうということにつきまして、深い関心を持
つて
お
つたよう
でありましたから、
政府
においては
機会
ある毎に
一つ漁業法
の
説明
をして貰うこと、或いはいろいろと
事情
を聽取するというようなことについては特段な
一つ
御配慮を願いたいと、こういうようなことを思うわけであります、以上であります。
木下辰雄
5
○
委員長
(
木下辰雄
君)
静岡縣
の状態を
一つ
……。
淺岡信夫
6
○
淺岡信夫君
静岡縣
の件につきましては、
矢野委員
、
林専門員
、
庄司事務官
、
白仁田調査部員
、
不肖
私でございましたが、更に
錦上花
を添えましたのは、
農林委員
の
池田宇右衞門
君が途中から参画して頂きまして、
農林
、
農業法
の
協同組合法
の問題と対比していろいろ話されたということは、非常に意義深か
つた
と思うのであります。私は事務的に
簡單
に御
報告
をいたしまして、
静岡縣
の
報告
の完璧を期したいと思いますために、私の足らない点は
矢野委員
から補足して頂きたいと思うのであります。私が
座長
につきまして、この
水産業協同組合法
を
現地
に
公聽会
をするということにつきまして、この
組合法規
と
協同組合
を設けるという
趣旨
の
徹底
に対しましては、
矢野委員
から遺憾なく御
説明
があ
つたの
であります。
林専門員
から、大体進行をして頂きまして、
庄司事務官
から詳細に亘りまして、一項々々に対しましての御
説明
があり、それに対して
討議
を得たのであります。
静岡縣地元
からは縣の
水産課長
を初めといたしまして、
静岡縣
の
水産業会長
を初め、その他
鰹鯖組合
とか、或いは焼津、伊豆山、用宗、伊東、
川奈浦
その他
巾着網組合
の
組合長
とかいうふうで、殆んど
水産縣
の
静岡
といたしましては、約七十名余の人が参画されまして、そうして
網代
の
小学校
で一時にあすこに集まりまして一時半から
開会
されましたのであります。
網代
町といたしまして殆んど初めてのことだというようなことで、その
傍聽者
も殆んど三百七、八十名を超えるというような盛況さでございました。その一項々々に対しまして、いろいろ熾烈なる
意見
の開陳があ
つたの
であります。で、総体的に申しますと、やはり
経営者側
の
立場
から、或いは
漁民
の
立場
から、或いはその年輩の
差違
によりまして、或いは
一つ
の経験の
差違
にもよりましていろいろ
意見
は分れたのでありますけれども、結局帰着するところの問題は、一刻も早く
水産業協同組合
、こうしたものを実施するようなふうに持
つて
行
つて
頂きたい、同時に完全なる
漁業法
の
改正
というようなものも合せて行な
つて
頂きたいということに
結論
付けられたのであります。で、大体十八條の
組合員
の
資格
はどうかというような問題につきましては、なかなか活発な
意見
がありました。
一つ
の例を挙げて申しまするならば、三十日くらいの
漁業
を以て
漁民
とみなすかどうかというようなことなんかにつきましては、可なり活発な
意見
か一々具体的に指摘されて出たのであります。それから
漁業法
の海区
調整委員選挙権
及び被
選挙権
は、
漁民
の
資格
として九十日以上とあり、これも同じにすべきであるというような
意見
もともども出たのであります。大体この問題につきましては、
結論
するところは、先ずこの
漁業法
のこの
組合法規
によ
つて
行くということに対しまして、大体の賛同を得たのであります。
組合地区
内の住所に関する件というこの問題につきましては、殊に地元の
網代
というような所は
漁村地区
が非常に狭隘のため、長男というような人はこの地に留まるけれども、次男、三男は、例えば隣り
地区
の
熱海地区
というような所に行かなければならない。ところがその
漁業
の本拠とする所はここであるというような点で、
地区
の問題には相当もつと拡げたらいいとか、或いはいろいろ、これに対しまして細かい
説明
を
庄司事務官
からなされまして、大体
將來
に対しては、そうした面について行くというようなことで了承されたように思います。 それから施設の
組合員外
の
利用
の問題につきましても、一方は可とする者もあり、一方は否とする。例えば否とする者は現在の
統制下
においては
差支
ないけれども、これが
撤廃
の曉においては、
共同販賣
の場合は無
制限
の
員外利用
は、大漁時不当に
魚價
の引下を画策される虞れがあるから、
制限
を付したいというような
意見
も出たのであります。ところが清水港といたしましては、清水の漁港のごときは
組合員
の
生産
よりも脇から入
つて來
る
生産
が多いから、そういうような
制限
を設けて
貰つて
は困るというような
意見
も出ておりました。 それから三番目に
業種別組合
の場合、
従業者
の
加入
の
可否
は、これは
原案通り
で
差支
ないという
意見
もありましたし、この
従業者
を省くか省かぬかという問題は、これは省いて興れという
意見
もありましたし、省かん方がいいという
意見
もありましたが、大体におきましてはこの
改正
案通り行く、それで
將來
において大いに考慮して頂きたいというようなふうでありました。 四の
議決権
及び
選挙権
の
代理行使
の
可否
につきましては、
選挙
に
代理
行爲をなすことは不合理と考える故に、
選挙
でなく、選任して置く方がいいという
意見
と、逆に
代理
行爲を多数にすると弊害が伴うから
原案
のごとく二人以内にしたいというような
意見
も出ておりました。 五、
漁民
以外の
理事
及び
参事
を設けることの
可否
。これはなかなか活発な
意見
がございましたが、要はその
組合員
の自主的な在り方において決定すればいいじやないかというような
結論
にほぼ達したのでありました。 六、
総代会制度
はどうか。この
総代会制度
につきましては、今後
組合員
の数が増加するは必至であるから、
総代制
は必要である。而して
総会
に代る
議決権
を
総代
に持たせたい。
総代
の数の五十人は多過ぎるから二、三十人くらいにしたいというような
意見
が出ておりました。 七、
生産組合制度
はどうか。これにつきましては、約百三十トンくらいの「
かつを
」船でも千五、六百万円、「さば」船でも三、四百万円は掛かるので、
原案
では
従業員
の大
規模
の
出資
は困難ではないかというような
意見
が出ましたし、又
一つ
は
従來
の
法規
では
漁業
の自営に
制限
があ
つたの
で、
匿名組合
を組織して
定置網漁場
を
経営
して來たが、
原案
でこれが
法人格
に認められたのは喜ばしいが、これに
漁業権
の裏附けをして貰いたいというような
意見
も出ておりました。 八、
連合会制度
中、信用に関する
連合会
の分離はどうか。
連合会
に
金融面
を分離するのは
反対
である、
農業組合
のごとき
規模
にては分離してもよいが
漁業協同組合
は
資金面
が小
規模
で、
金融面
で独立は困難であるから、他の
経済面
と共に一体として行きたいというふうな
意見
が強く出ておりました。 十、
経済的行爲
を行わない
連合会
は全
國地区
でも設立できるようにする必要があるかという問題でありまするが、「
かつを
」「まぐろ」
漁業組合
のごとく
中央機関
があるのに、
漁業組合
の
中央連合会
のないのは遺憾であるからその
連合会
を設けた。又全國の
連合会
は組織する必要があるというような
意見
も強く出ておりました。 十一、
加工業協同組合制度
を認める必要があるか。現在
加工業者
は
委託加工
の
経営
をしておるので、今後もこれで行けるから、
加工組合
の
制度
は必要がないという
意見
と、それから
加工業者組合制度
を必要と認める、それから
加工業者組合
の
制度
の必要は認めないという
意見
が相半ばしております。 十四、
協同組合
の
役員
に旧
漁業組合
の
役員
を排除するのは
憲法違反
ではないかという強い
意見等
が出ましたが、結局これは
組合員
の
自由意思
で
選挙
するのであるから、ここで詮議する必要はないのではないかというような
意見
もありました。 それから
團体整理
に関する
整理案
、
漁業会
の解散後の
財産処分
は
支障
なく
漁業協同組合
に移譲する途を講じられたい。
資産評價
は
帳簿價格
か、
時價
で行うか、又はこれに対する
所得税
はどうなるか。尚
退職金
についてはどうなるか不明だが、成るべく
支障
のないよう処理できる途を講じて貰いたい、
水産業協同組合施行
により、二ケ月以内に
総会
を招集しなければならないが、
経理関係等
で書類の
整理
が困難と思うから、これを四ケ月くらいに延長されたいというような大体
意見
を聞くことができたのであります。その他の問題といたしまして、
業種別組合
で、懸單位のものができたので、
地区
の
廣汎等
の
特別事由
により三百人以内の
組合員
でも
総代制
を認めて貰いたいという
意見
が出ましたと同時に、次に
水産業協同組合
と不離一体である
改正漁業法
の速かな
実現
を促進されたい、
漁業法案
については
慎重檢討
を要するので、
法案
の
趣旨
の
徹底
と
漁民
の
意思
を反映させる必要があるので、全國的に
公聽会的
な
機会
を與えられたい、それから
生鮮水産物配給規則
における
陸揚地
の甲乙の
差別待遇
を廃し、
資材
並びに
報奨物資
を均等にされたい、
遠洋漁業
においては、
船員法
に基き
特定加配米
の
制度
が確立されておるが、
沿岸漁業
は相当重
労働
をなすにも拘わらず、
漁獲物
の供出による
リンク制度
であるために、漁の豊凶により
配給
に不同があ
つて
、
支障
が多いから、
船員法
のごとき
制度
を確立されたい、
資材
の
配給
の
円滑化
を図るため、
地方事情
に精通せる
地方廳
にこれが
取扱事務
を移管されたい、こういうような
希望意見
が出たのであります。 大体一時半から六時半くらいまでいろいろと活発なるところの
意見
を聞くことができたのであります。更に翌朝二十四日の朝五時半に
委員
一行は
定置網
の
現場
を視るべく参りまして、その
現状
或いは働く人達の実際の作業を見まして、
定置網
二つ揚げるのを見て十一時半頃に帰り、更にそれから又各種の
座談会
を開いたのであります。大体私の
報告
いたしますることはこの
程度
でありまして、私の申上げました点に足りない点は
矢野委員
から補足して頂きたいと思います。
木下辰雄
7
○
委員長
(
木下辰雄
君) 大体
報告
が終りましたが、何か補足することがあ
つた
らこの際……。
矢野酉雄
8
○
矢野酉雄
君
出先官憲
の
整理
について、やはり強烈な
要望
がありました。それから
現場
を見て、今
報告
がありましたけれども、十月一日から
炭鉱労務者諸君
は七合、その
家族
さえも五合の
加配米
を
貰つて
いる。
家族
が五合貰うことが公正なる平等の原則に我々として適うかどうか問題でありますが、併し
炭鉱労務者
その
関係者
の
加配米
を強いて減らすという主張は微塵もやりたくはないのです。併し生命の
危険性
においても、或いはその
労働
の
過重性
においても、断じて一歩もそれに劣
つて
いないところのいわゆる
海洋労務者
、
水産労務者諸君
が勿論それぞれ一ケ年間は、漁撈の
日数等
の問題もありましようけれどもこれは妥当に計算をして常識上承認を求めるような方法をとればできますから、
炭鉱労務者等
の並みに当然
加配米
を頂けるような施策を
政府
としてはとるべきであります。又これに対しては正しい輿論をバツクとして、
國会自身
が参議院の
水産常任委員会自体
が
政府
を鞭撻しなきやならん重大な問題だと思うのです。あの早暁に
眞裸
で動いている、雨の日も、雪の日も、風の日も、裸体のままで而も実に苛烈なる
労働
でありますが、あの雄々しい働き振を見たならば、決してその
加配米
の問題を考えることが一時的の感傷的な
要望
でないと私は痛感しておるのでありますから、
是非業界
の達人の出身であられる
長官
は、この点十分御勘案下さ
つて
農林大臣
並びに
食糧局長官
或いは
安本等
と直ぐさまに御折衝にな
つて
、そうして本
臨時國会
でできなくても第四回
通常國会
においては何らかの
具体的措置
をと
つて
頂くように心から
要望
して止みません、以上。
木下辰雄
9
○
委員長
(
木下辰雄
君)
只今出張班
の御
報告
によ
つて
各
現場
においての最も熱心に、而も適切なる
意見
を聴取されまして、この
漁業協同組合
その他の
関係
についても資するところが非常に多か
つた
ろうと思います。
皆さん
、
現地
に行かれましたことにつきまして
水産長官
なり
政府当局
に何か御
質問
がありましたらこの際……。
青山正一
10
○
青山正一
君 この一昨日ですか一昨々日
農林大臣
がこちらへお出でにな
つて
いろいろ私も
質問
したのですが、
皆さん
はその明快なる答弁だとか何とか
言つて
大分おだててお
つた
らしいのですが、私の
質問
に対しては余り明快でもなか
つたの
です。それで
一つ水産長官
にお聞きしたいと思
つて
いるのですが、実はこの
生産組合
の問題です。この
生産組合
の場合は
協同生産体つまり協同精神
というものが基礎となると思うのですが、これがうまく行くかどうかということはやはり先般から
淺岡委員
辺りから盛んに言われておりますところのこの
資金等
の調達とかいうものは
当局
においては相当にこれは責任を背負わなければならん、
長官
はまして先程
矢野先生
もおつしや
つて
お
つた定置
の全
國團体
の
会長
であ
つて
、この米の問題とか或いは金融の問題等について非常に今まで御苦労なす
つて
おられるわけなんですが、これなんか、この間
農林大臣
の話では余り
はつ
きりしたことを言わないのですが、例えば
沿岸漁業
の定置
漁業
等についての金融の
関係
が相当、なんか、今後は
生産組合
の形が変
つて
行くわけですが、相当裏附になるようなことで
仕事
が進んでおるのですか、どうですか。それからもう
一つ
考えられることは、例えば揚繰一統ならば一統、それから「かつお」「まぐろ」、これは
沿岸漁業
としてや
つて
おるところもありますからして、これもやはり一隻又なら一隻で、そうい
つた
生産組合
、そういうふうな一統が
生産組合
を作
つて
、それで協同精神というよりも雇われておる人間だという考えで、その点が
生産組合
がですね、親分子分というようなことで、ちよつと或る意味におきましても使われておる人と雇
つて
おる人間との間にいろいろな問題が惹起しておる。そうい
つた
点が弱点となりはしないかと私は心配しておるんです。 それから日水とか林兼等資本
漁業
の連中が、この
漁業
生産組合
というものに対してどういうふうな感情でおるか、これも恐らく
長官
はよく御存じの筈だろうと居いますが、相当大分
反対
しておるような向きもあろうと思いますし、又何かこれについて條件でも附けたらどうかというようなことを
水産廳
辺りに
言つて
おるということを私は聞いておるのですが、その点
一つ
ざつくばらんにお話願いたいと思います。
飯山太平
11
○
政府
委員
(飯山太平君) 後で千田さんと江熊さんのお話がありましたが、これに附加えたいと思いますが、先きに青山君にお答えいたします。仰せの通り
生産
協同組合
の実行に当たりましては、金融
資材
が非常に重要だ、これが裏附られなければいわゆる佛作
つて
魂入れないということになるということは衆議院における
公聽会
の空氣を見ましても
はつ
きりいたしておるのであります。できますればこの
法案
と同時に、何らかこれに対する具体的な金融施策を講ずべきであ
つた
と思うのであります。併し資金の方に関しては予算の財源
関係
もありますので、これと並行的に対策を立て得なか
つた
ということは誠に遺憾に存じておるのであります。併し
水産廳
としては現在金融が最も重且つ緊急の問題だということを考えて、いろいろ対策は研究しておるのであります。最近も
農林省
において
農林
水産
復興金庫、これを根本的に立て直そうというような
意見
が進んでおります。その
農林
水産
復興金庫というものには、できるならば
水産
の金融は全部それでやれるように、いわゆる特殊の
水産
関係
のものがそこに全部纏めて貰うことができれば非常に結構だ。現在御承知の通り復金は貸出はできることにな
つて
おりますけれども、大きな資本家
関係
を除いてはなかなか中小の
漁業
者には資金を貸出して呉れない、形は整
つて
おりますけども実質は伴わない、かような状態では
水産
の方としては非常な
支障
を來しますので、何とか中小
漁業
者の資金の融通を円滑にできるようにするためには、
農林
水産
復興金庫というような独立したものが必要である、こういうことを私は省内におきまして
会議
の折に主張しておるのであります。これは目下総務局において進行しております。併し議論が分れておるのです。
水産長官
としては私はどうしても
水産
金庫一本にして欲しいとこういう主張をしておりますが、省内にいろいろな空氣もありますので、その辺はまだ決ま
つて
おりません。併しできるならばそういう専門のものを作らなければ、本当の目的は達せられないのではないか、こういうふうに考えております。併しながら今後できるもののみを当てにしておることは
事情
が許しませんので、御承知の通りに第三、四半期は定置に限らず揚繰と以東底曳というような沿岸のものを含めて一億六千万円というような予想をしたのでありますが、これも果してその通り枠だけは決まりましたけれども、融資が実際に行われていないということを私共は非常に各方面から
要望
を受けているのであります。むしろ非難を受けておるのであります。これは御尤もな非難であ
つて
、何とか枠だけは決めても実際に金が出なければ、殊に最近漁期が迫
つて
お
つて
も、枠だけ
貰つて
資金が得られない、こういうような事実を承知しておるのでありますので、これについては係の者と一緒になりまして、
実現
に努力をしておるわけであります。今の大体金融はそういうことであります。
淺岡信夫
12
○
淺岡信夫君
ちよつとその金融につきまして一言……。今の一億は定置、一億六千万円というものが揚繰とな
つて
おりますが……。
飯山太平
13
○
政府
委員
(飯山太平君) 全部であります。
淺岡信夫
14
○
淺岡信夫君
そうすると、この二億六千万円でありますが、この枠は何でございましようか、復金なり、或いは金融機関は了承しておるのでしようか。
農林省
だけで……。
飯山太平
15
○
政府
委員
(飯山太平君) それは大体
農林省
としての枠でありまして、これは向うの手持ちの都合とかいうようなことがありまするので、この枠を何とかして直結して、それだけのものはいつでも出せるようにするのが私共の責任だと思
つて
おります。併し今までのところ金融
関係
との連絡も十分ついておりませんので、実は來週の月曜日に
水産廳
としましては、中金、復金、日銀、その他の
関係
首脳者に來て貰つで懇談会を開催する。そうしてその枠の
実現
を
要望
する、こういうことにいたしておるわけであります。
淺岡信夫
16
○
淺岡信夫君
それにつきまして、この
委員会
としてはどういうふうに
委員長
はお考えでしようか。これは後でよろしいですが、ちよつと一應申上げて置きます。
飯山太平
17
○
政府
委員
(飯山太平君) それからこの
生産組合
の、今の共同
経営
ですが、親分子分というようなお話があ
つたの
でありますが、これはこの
法案
の精神から見ましても、そういう点が多分にあると思うのであります。これはこの
法案
の実施に当りまして、我々が十分にそういうふうな点を打破して行くということに努めて行きたい、こういうふうに考えております。それからもう
一つ
、大資本家方面の
協同組合
に対する動き如何、こういう御
質問
でありましたが、これは私具体的には聞いておりません。
青山正一
18
○
青山正一
君
生産組合
に対するですね。
飯山太平
19
○
政府
委員
(飯山太平君)
生産組合
に対する大資本家方面の、特にそういう者に対して
反対
するとかというような空氣は私はあるように存じませんが、若し今後そういうことがありますれば、これは私といたしましては、この法の精神を十分に理解して貰うように努力いたしたいと、こういうふうに考えております。それから先程
皆さん
から「早起き鳥」のお話のときに、
漁村
の
皆さん
という
言葉
が欲しい……。これは誠に御尤もなことで、少くも我々
水産
に従事する者は、常に
漁民
諸君に感謝の念を持
つて
おるということは非常に大事なことだと思うのであります。若し本当に感謝の念を持
つて
おれば、当然これは出なければならん
言葉
でありますが、今までその実行ができなか
つた
ことは、これは誠に相済みませんが、今後の
機会
においてできるだけこれを、本当に感謝するというような氣持でこの
言葉
を使うようにいたしたい、こういうふうに考えます。只今放送のことでちよつと御参考に申し上げて置きますが、「早起き鳥」で一ケ月に六、七回
協同組合法
案と
漁業権
制度
の
改正
法案
、これを放送いたしておるわけであります。更に「明日の食糧」という午後七時半の放送時間がございますが、これで月平均四、五回や
つて
おります。今後は若しこの
法案
が幸いにして両院を通過して実施ということになりますれば、更に回数を殖やして、これが普及
徹底
化するように宣傳に放送を
利用
したい、こういうふうに考えております。 それから矢野さんからの先程のは
加配米
の問題と
出先官憲
の問題と二つのように伺いましたが、出先の調整事務所
関係
につきましては、これは
水産
方面でも、ひとり
静岡縣
でなく、外の地方でもそういう問題は起
つて
おるのであります。私共としましてはできるだけ
現地
に即したことをやらなければなりませんので、その点もいろいろ相談しておりますが、
農林
調整事務所というのが
農林省
の全体の
資材
の
仕事
をする所にな
つて
おりますので、
水産
だけを特に分割してどうするということはしにくい状態にあるのでありますが、併し遺憾のなきを期するようには努力しなければならんと考えております。 それから
加配米
の問題でありますが、これはお設の通りでありまして、実際重
労働
ということであれば、私共は炭鉱の坑夫諸君に比して劣らない非常な過激な
労働
だ、重
労働
だ、こういうふうに承知しておりますので、実は食糧管理局、安本、その方面にも私が出かけまして、目下具体策について相当進んだ交渉をいたしております。併し
漁業
の方には御承知の通り不漁の場合があるので、リンク制では実際貰えない。併し不漁の場合は更に余計費用は掛かる。この不漁対策についても何とかリンクによらないで供給されるようにと思
つて
おりますが、ところが
加配米
の枠の拡張は毎年正月に決まるのだそうであります。それで根本的の基準
配給
によるということは遺憾ながら只今のところ実行できないので、何とか暫定的な処置でや
つて
よろしい。來年の五月には
漁業
米
制度
というものを
一つ
作りたいというので、案もすでに作
つて
おります。恐らく現在は五月に枠を決められたために、超過供出によらなければ暫定処置もできないが、これはできるだけ今年は相当超過供出を考えておるようでありますので、或る点まで増加はできるだろう。これは定置、揚繰、以東底曳、こういう
沿岸漁業
の方にも及ぼそうと思
つて
おります。
矢野酉雄
20
○
矢野酉雄
君 この
法律案
は勿論まだ討論の時期でもないのですが、私は次に制定せらるべき
漁業法
の立法問題とも関連しますので、ここで私の希望を申述べて置きたいと思います。 大体この立法、司法、行政において、我が立法府であるところの
國会
は、
國会
みずからが立法するということは民主國家の常識でなければなりません。然るに今まで第一回、第二回、第三回と、こう
國会
の実際の成績を見てみますると、殆んど十分の一か二十分の一を立法府が立法し、その十倍、二十倍は
政府
みずからが立法する。これは非常な民主國家としては幼稚園の実績しか示しておらないのでありまして、今度制定せられんとするこの
協同組合法
も、早急の間に
臨時國会
においてこれを可決いたしたといたしましても、相当私は各実際の場の声を聽いて次の
通常國会
においては修正すべき所が沢山あると思うのです。そういうことが予想されるくらいでありまして、その予想に前提を置いて、私は次に制定せらるべき
漁業法
のごときは、是非とも国民の公正なる声を聽き、又
漁業
の場の営む人、従事する人の声を公正にこれを聽取して、
政府
自体
が立案する上についても、
政府
自体
がその声を聽くように積極的であらねばならんと思う。而してこれを鞭撻して最もよりよき立法をするために、我が参議院の
水産
常任
委員会
は、拱手傍観する態度でなくて、一歩二歩進めて、今回三班に分けて
現場
におけるその声を聽いたように、第四
國会
の
開会
前に各班に分れて、各
現場
の声を、
協同組合法
並びに
漁業法
等の立法についての公正なる所見を蒐集するというような場合から、そうした計画をわが常任
委員会
は事前になすべきだと思います。よしんば解散という現実にぶつつかりましても、議長の職権において、
水産
常任
委員
という権限でなくて、参議院
議員
としては、議長
自体
が衆議院が解散され参議院が閉会とな
つた
場合においてもその権限を行使することが許されておる唯一の途でありますから、大いに一方には総
選挙
等の騒々しい場面があろうとも、我が参議院は眞に
水産
の
將來
を考えて、そうして十二分に正当な声を聽くというような措置を取る必要がありますから、
委員長
は然るべく予めこの問題について腹を持
つて
頂きたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
木下辰雄
21
○
委員長
(
木下辰雄
君) 只今矢野君の御発言は至極尤もであるからして、
委員長
としては
漁業法
の
改正
法律案
に対しては十二分の考慮を以て万全を期し、
法案
の成立に努力いたしたいと思います。それで先ず先つきの青山君御
質問
でございましたが、金融問題はこの間
農林大臣
も、衆議院で
委員会
を作
つて
おるから参議院も作
つて
はどうかというお話でございましたが、参議院においては第一回
國会
以來金融問題の小
委員会
を作
つて
今日まで來ておりましたが、本
國会
は会期は誠に短かいので、小
委員会
を作
つて
も、
開会
する暇が極めて少かろうと思
つて
今までやりませんでしたが、今矢野君が言われるように、閉会中も議長の権限において
委員会
を開け、又活動ができるということになりますれば、小
委員会
を作
つた
らいいと思いますが、如何でしようか。
矢野酉雄
22
○
矢野酉雄
君 若しも解散でない場合、第四
國会
に十二月から直ちに入りますから、その場合は
委員長
の提案通りで結構です。若しもこれが解散せられた場合は衆議院が解散となり、我が参議院は閉会となりますので、そこでいわゆる
委員会
としての権限をそのまま行使することはできないから、それで結局議長の職権でできるわけです。だから出張等も議長の職権で……、それで若しも緊急集会を
政府
が要請しました場合には、その緊急集会中の本
会議
並びに
委員会
はあらゆる権能をそのまま発揮することができるのであります。
木下辰雄
23
○
委員長
(
木下辰雄
君) 閉会中でありますれば、小
委員会
を作
つて
継続審議の方法もありますからして、
皆さん
の御
意思
があるならば、ここで小
委員
を作
つた
らと思いますが、如何ですか。
青山正一
24
○
青山正一
君 どうですが、
水産
物増産対策に関する調査というものは、そういうふうな問題も全般的に含まれておるわけではないのですか。
木下辰雄
25
○
委員長
(
木下辰雄
君) そうです。
委員会
としてはやれるのです。
青山正一
26
○
青山正一
君 これを先程言うた矢野さんの問題に結び付けちや
つて
、閉会中も引き続いてこの問題をや
つて
行くということにできるのですね。
木下辰雄
27
○
委員長
(
木下辰雄
君) それはできますよ。私の言うのは、金融問題だけで小
委員会
を作るがいいかどうかということでお話しておるのです。
矢野酉雄
28
○
矢野酉雄
君 十名に大体
委員
がなりましたし、成るべくならば余り小さく、二十五名時代と違
つて
全
委員
が全問題について責任を持つというふうに、
運営
の根本原則を大体決めておいて、是非この問題だけは小
委員会
を作る。特別練達の士、それに特に興味ある人をそこにスタッフを集めて行くということも必要と思いますけれども、
現地
を調査視察するにいたしましても、私は小
委員会
という
立場
ではなくて、全十名の者が、それぞれ班に分れて行く、一人も残る者がないというふうに、私は
運営
をして頂きたいと希望しております。 〔「
賛成
」と呼ぶ者あり〕
淺岡信夫
29
○
淺岡信夫君
私は今の
矢野先生
の
意見
にも強く賛同する者でありますけれども、実際一昨日、昨日の
現地
の
公聴会
を
結論
付けて見ますと、やはり金融の面が強く叫ばれているのです。それから実際船に乗
つて
、働く
人たち
の中で声を聞いて見ますと、その
人たち
は
加配米
の問題なんですね。それで
漁業
全般という点から考えれば、どうしても金融という面を強く採上げて頂かなければいかんと思うのです。それで先般の
水産委員会
におきましても、まあ
農林大臣
も衆議院に金融小
委員会
があるから参議院にもということがあるのですが、で、たかだか全
委員
を以てしても十名でありまするから、十名の中でその小
委員会
をということはどうかと思いますけれども、私は対外的な、政治的な含みも大いに持たせなければいかんと思うのです。そこでどうしても参議院に、今の青山さんが言われましたような
水産
物増産対策に関する調査、これでいいと言われますけれども、これは対外的にも又政治力を持たせる面から
言つて
も弱いと思うのです。どうしても参議院は、たとえ十人全部がやるということはなかなかできないといたしましても、精神は十人で一体とな
つて
やるということですが、一應形の上では金融小
委員会
を作
つて
頂きたいということを私は
要望
するものであります。
矢野酉雄
30
○
矢野酉雄
君 金融小
委員会
を作
つて
、又今度は
資材
委員会
を作る。そうするとその一人の人は片一方にしか
関係
できない。ところが十名くらいだ
つた
ら十名の小
委員会
を作
つて
小
委員
としてもいい……。
木下辰雄
31
○
委員長
(
木下辰雄
君) 如何ですか、この
水産
物増産対策に関する調査の件、この方針に
從つて
第一着手として
水産金融
を先ずやるということにしてですね、閉会中でも、來
國会
においても、全力を注いでこの
法案
が通過した場合のこの対策を熱心にやるということにして、そうしてその間に法的の小
委員会
でなくて、臨時にその中から何人かどこへ行
つて
貰いたい、ここへ行
つて
貰いたいということにしたら如何でしようか。
淺岡信夫
32
○
淺岡信夫君
どうですか、一遍
座談会
みたいにちよつと一、二分や
つて
は……。
木下辰雄
33
○
委員長
(
木下辰雄
君) ちよつと速記を中止して……。 〔速記中止〕
木下辰雄
34
○
委員長
(
木下辰雄
君) 速記を始めて、それでは御提案によりまして、金融問題小
委員会
を作ることに決定いたします。その
委員
数は、
委員長
を残してあと九名ということにいたしたいと思います。小
委員長
は、小
委員会
において互選して頂きまして、直ちに手続をとりますから、さよう御承知願います。 本日はこれにて
委員会
を散会いたします。 午後三時四十三分散会 出席者は左の通り。
委員長
木下 辰雄君
理事
尾形六郎兵衞君 千田 正君
委員
青山 正一君 淺岡 信夫君 田中 信儀君 江熊 哲翁君 矢野 酉雄君
政府
委員
水産廳
長官
飯山 太平君