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1948-11-15 第3回国会 参議院 水産委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年十一月十五日(月曜日)   —————————————   本日の会議に付した事件 ○水産業協同組合法案内閣送付) ○水産業協同組合法制定に伴う水産  業團体整理等に関する法律案(内  閣送付) ○漁業権等臨時措置法案内閣送付)   —————————————    午前十時二十二分開会
  2. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 只今から水産委員会を開会いたします。  予備審査のために提案になりました水産業協同組合法案並びに水産業協同組合法制定に伴う水産業團体整理等に関する法律案、それから漁業権等臨時措置法案、この三案を上程いたします。政府委員から提案理由説明を行ないます。北村次官
  3. 北村一男

    政府委員北村一男君) 水産業協同組合法案及び水産業協同組合法制定に伴う水産業團体整理等に関する法律案提案理由につきまして御説明申上げます。  戰後の日本経済及び政治上の大轉換に対処いたしまして、水産業におきましては、漁村及び漁業民主化並びに水産業生産力発展を期すために、現行團体制度を廃止して、新たに漁民及び水産加工業者の自主的な協同組織の確立助長しますことは、現行漁業制度改革と共に水産業基本的政策をなすものであります。  現行水産業團体制度は、戰時中水産業團体法に基きまして、水産業の統制を行うことを主要な目的として組織されたのでありますので、新らしい水産業政策には性格的に容れられぬものを持つておるのであります。從いまして現行制度は廃止いたしますと共に、これに代る新らしい團体制度として漁民及び水産加工業者が自主的に組織する協同組合組織の発達を促進しまして、その活發な民主的な運営を通じて、漁民及び水産加工業者経済的社会的地位の向上と、水産業生産力発展を図りまして漁村民主化を推進することといたしたいと存じます。  さて次にこの両法案内容の主要な事項につきまして概略を御説明申し上げます。最初に水産業協同組合法案内容でありますが、第一に組合漁民又は水産加工業者の職能的な協同組織としたことであります。即ち組合加入し得るものの資格を漁民又は水産加工業者に限定いたしておるのであります。これは水産業殊に漁業におきましては從來地区内一般住民加入を認めたため、往々組合運営がこれら非漁民の利害によつて左右せられ、却つて多数の漁民が支配せられる結果となりましたので、これらのものの加入を排除しまして、漁民又は水産加工業者の主体性を確保せしめると共に職能的な組織として漁業又は加工業発展を図るための措置であります。尚この趣旨を徹底いたしまして漁民加工業者との組合も全然別系統といたしております。  第二に組合の設立、地区及び加入脱退等從來と異なりましてすべて自由であります。従いまして組合漁民又は水産加工業者自身立場に立つて自主的に運営されることになりまするので、その正当な発展を期すことができるわけであります。  第三に組合の中に中小漁民が主体となる漁業共同経営体として漁業生産組合組織を設けたことでございす。流通面のみならず生産面におきましても中小漁民が強力な協同により進出することを期待するものでありますが、併しながら生産組合中小漁民生産組織としてよくその機能を果すためには、現状においては種々助長施策を講ずる要があると存じます。  第四に行政廳監督權は極めて制限している点であります。即ち監督權範囲は、一定数以上の組合の請求又組合行爲法令等に違反し、又はする疑がある場合に限り監督措置を講ずることにしておるのであります。從來のように行政廳が積極的に独自の立場から、監督權を行使するということはないのでありまして、これは組合自主性を尊重することを建前としておるわけでございます。  次に水産協同組合法制定に伴う水産業團体整理等に関する法律案内容について御説明申上げます。  まず第一に、水産業團体の解散であります。本法施行から八ケ月を期限としてすべて解散することにしております。ただ特例として、漁業權及び入漁權等を持つ漁業会は、漁業權制度改正との関係上、期限後でも漁業權整理の終わるまで、これらの權利の管理に必要な範囲内で存続を認めることとしております。  第二に、水産業團体財産の処分問題でありますが、現在の團体財産は、多年の組合運動の結果として蓄積されたのでありまして、又共同施設等帰属如何は、新らしい協同組合の発足に至大の関係を有しまするので、できただけ新らしい協同組合へ移轉するような措置が講ぜられております。この方向としましては、現在漁業会の会員は大部分新らしい組合へ参加するものと思われまするので、その持分の割合に應ずる漁業会財産を分割、又は譲渡等の方法によりまして移轉することがそれでございます。  第三に関係法律の一部改正でありますが、これは税法農林中央金庫法及び事業者團体法等に関するものでございます。  以上が両法案内容の主なる事項でありますが、御存じのように現在の水産業團体は、その機能を種々制限されまして、目下漁村は一種の空白状態にありまするため、漁民は新らしい協同組合制度実施の一日も速かならんことを希望しております。漁村及び漁業民主化並びに水産業発展のために何とぞ愼重御審議の上相成るべく速かに御協賛あらんことを切望いたします。  それから漁業權等臨措置法案につきましてその提案理由を御説明申上げます。漁業生産力発展させ、漁業民主化を図ることは、日本民主経済再建の重要な一環をなすものでありまするが、その根本漁業制度改革であります。現行漁業制度根本的欠陷といたしましては、先ず第一に旧來の慣行をそのまま固定化していること、第二に個々の漁業權を中心に漁場の秩序が組立てられて、漁業生産力を挙げるために不可欠な相当廣い水面を單位とした総合的な計画性が持ち得ないこと、第三に漁業權の物權としての性格に伴う弊害の面が顯著に現われていること等が挙げられるのでありますが、これらの欠陷によつて行き詰つた漁場関係を整理いたしまして、漁業生産力発展させ、漁業民主化を図るためには、新たに漁業生産に関する基本的制度を定めまして、民主的な漁業調整機構の運用によつて水面総合的高度利用を図る必要があるのであります。政府におきましては、目下関係方面と折衝を重ねまして、漁業制度根本的改革を考究中でありまして、すでに一應の成案を得て、事務当局案を公表しておりまするが、廣く一般の御批判を俟つて檢討を加え、第四國会改革法案提案いたす所存でありまするが、現在までにすでに改革を見越して漁業權廻つて種々紛争が生じておりまするし、又新体制への移行には約二年間の準備期間が必要なので、この間改革実施に障碍を及ぼすような事実の発生を防止する必要がありますので、漁業權等現状を不当に変更することを防止する臨時措置を取ろうとするのでございます。以下本案の主要な内容について概略説明申上げます。  第一には、新規免許及び変更許可をしないことでございまして、主として補償問題との関連におきまして不当な策動の行われることを防止せんとするものでございます。  第二は、漁業權譲渡及び抵当權の設定に認可制度を採り、漁業權所有関係が不当に変更されるのを防止せんとするものでございます。  第三は農地における小作地の取上のごとく漁業權者が不当に貸付契約を解約若しくは解除し又は更新を拒み、漁業経営者地位を脅すのを防止しようとするものでございます。又入漁權についても同様の措置を採つておるものでございます。  以上が本案の主要な内容をなすものでありますが、漁業制度改革法律実施されるまでの期間が、放置されますならば、いろいろ混乱が起きる可能性が最も多いと予想せられますので、何卒愼重御審議の上でき得る限り速かに御協賛あらんことを切望する次第であります。
  4. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) ちよつと皆さんにお伺いいたしますが、衆議院の方で本提出となつておりますこの三法案について午前中に正式にいろいろ政府当局との質問應答がございますので、今からは参議院の委員会におきましては速記は止めて内容説明並びに自由なる御質問をお願いいたしたいと思いますが、よろしうございますか。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  5. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 御賛成のようでありますから、速記は止めます。    午前十時三十五分速記中止    ——————————    午前十一時四十五分速記開始
  6. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 速記を始めて…。  それでは本日は、これにて散会いたします。    午前十一時四十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     木下 辰雄君    理事           尾形六郎兵衞君            千田  正君    委員            青山 正一君            松下松治郎君            西山 龜七君            江熊 哲翁君            矢野 酉雄君   政府委員    農林政務次官  北村 一男君    水産廳長官   飯山 太平君