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1948-11-17 第3回国会 参議院 人事・労働連合委員会 第5号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十三年十一月十七日(水曜日)
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
國家公務員法
の一部を改正する
法律
案(
内閣送付
)
—————————————
午前十時四十三分開会
山田節男
1
○
委員長代理
(
山田節男
君)
只今
から
人事
、
労働連合委員会
を開会いたします。本日は
中井委員長
が
ちよ
つとお
差支
がございまして、
労働委員長
である私が代行いたします。
國家公務員法
の
改正案
に対しましては、過日
政府委員
から
説明
がございましたが、
労働委員会
の方では、
公共企業体労働関係法案
がすでに付託にな
つて
おるようなわけであります。実は今日はこの
改正案
の中で、
労働関係
の分を
政府委員
から御
説明
を
願つて
、そうしてその後におきましては、
労働委員会
はもつ
ぱら公共企業体労働関係法
の
審議
に当る。又必要に應じて
人事委員会
と連合してやる。その間
人事委員会
においては、この
改正案
に対する
審議
を進めて行かれる。そういうふうにして頂きたいという
希望
もございますので、
議案審議
の進行上、そういうことにいたしたいと存じまして、
只今
から
岡部政府委員
から、この
改正案
中の
労働関係
の点を重ねて詳細に御
説明
願うことにいたします。
岡部史郎
2
○
政府委員
(
岡部史郎
君) それでは、これよりこの
改正法律案
の中で、
労働関係
の
條項
に関しまして、若干御
説明
申上げたいと存じます。主として
労働関係
の
條文
は、この
改正法律案
の
附則
第十六條、それから
法律案
の第九十
八條
、それから第一次
改正法律附則
或いは第二
附則
と申して、この
改正法律案
の
附則
でありますが、それの第四條、これらが主たる
関係條文
でございます。 先ずこの
改正法律案附則
第十六條におきまして、「
労働組合法
、
労働関係調整法
、
労働基準法
及び
船員法並び
にこれらの
法律
に基いて発せられる
命令
は、
一般職
に属する
職員
には、これを
適用
しない」と
規定
したわけでございます。その
趣旨
といたしまするところは、
マッカーサー元帥
の書簡にもはつきりと謳われています
通り
、その
勤務
、その
勤労
を公の仕事に捧げるところの
公務員
と、
私企業
の從事員とには、その性質上違ひがあるものである。
從つて一般
の
私企業
の
勤労者
に対して
適用
せられる
労働関係法規
は、これを
國家公務員
には直ちに
適用
しないで、
國家公務員
に対しては、その
國家公務員
という
本質
、
身分
に基く新たなる別個の
法体系
でこれを
規定
すべきものである、こういうような
考え
がその根本的な
構想
とな
つて
いるわけであります。この十六條に基きまして、その
團結権
の面に関しましては、
労働組合法
を外します。
爭議行爲
に関しましては、
労働関係調整法
を外し、
勤務條件
に関しましては、
労働基準法
を外したわけであります。而してこれらは陸の
関係
の
労働関係法
でありますが、海の
関係
の
労働法
といたしましては、これらに相應する
船員法
、これを外すわけであります。而してこの
團結権
及び
爭議権
に関する
労働組合法
及び
労働関係調整法
を外しまして、その後をどうするかというのが、第九十
八條
の
規定
なのでございます。九十
八條
を御覧頂きたいと存じます。 九十
八條
の第一項、これは
從來
からある
規定
でございまして、單に
法令
及び上司の
命令
に從う義務を
規定
したものでありまするから、これは別問題といたしまして、その第二項以下が
國家公務員
に関する
團結権
、
爭議権
の点を
規定
している、こう御
承知
頂きたいと思うのであります。第二項におきまして、先ず
國家公務員
の
團結権
につきまして、
原則
を
規定
しているわけであります。で、この
労働組合法
を外しまして、
労働組合
を
結成
することはできなくなりましたが、或る種の
職員組織
を認めまして、その
職員組織
の
結成
の
原則
といたしましては
オープン・シヨツプ制
を採用しているわけであります。即ち
職員
といたしましてはそう「
團体
を
結成
し、若しくは
結成
せず、又はこれに加入し、若しくは加入しないことができる。」こう
規定
しているわけであります。 次にこの
職員組織
の
活動能力
といたしまして、これらの
團体
が適法に
代表者
を選んで、その
代表者
を通じまして、主として
職員
の
勤務條件
に関しまして、又
勤務條件
と並んで社交的、
厚生的活動
というような適法な
目的
のために、
人事院
の定める
手続
に
從つて当局
と交渉することができる、こういうように
規定
してございます。ここで問題になりますのは、この交渉することができるというのが第一点でありますが、
團体
として交渉することができると申しますから、いわゆる
團体交渉権
を
意味
するのかどうかという点が直ちに問題にな
つて
参るわけであります。申上げるまでもなく、
團体交渉権
というのは、長い間の
労働運動
又は
労働法
上に次第々々に認められて來た歴史的な
一定
の
意味
にあるものと
承知
しておるのでありますが、その
交渉権
の
内容
といたしましては、
團体協約
を締結し、その
締結者同志
が対等の立場に立つものであり、その
協約
が両者に
拘束力
を持つものであるということを
本質
とすると存ずるのでありますが、そのような
意味合
におきまして、
本條
の
交渉権
は、
政府
と
團体協約
を締結する
権利
は含まないものであるということを
規定
いたしまして、ここにいわゆる交渉することができるというのは、いわゆる
團体交渉権
ではないということを、できるだけはつきり
規定
しているわけであります、即ち
團体
は、
勤務條件
に関しまして
当局
と交渉することができるが、それはいわゆる
團体交渉権
を含まないものである、こういう
意味
でございます。次には
当局
でございますが、
当局
というのは、それぞれその
関係事項
について
権限
のある
当局
という
意味
でございます。いろいろな
勤務條件
に
從い
まして、これは
中央政府
が決めるべきもの、或いはそれぞれの
所轄当局
において決定し得るものもございましようと存じます。それぞれその
所管
に應じまして、
当局
と交渉する、その
所管
に應じまして、それぞれその
当局
が分れて行く、こういうつもりでございます、結局この
勤務條件
に関しましては、
人事院
が
公務員
を保護する
機関
であるという
精神
に則りまして、最終的には
人事院
がこれの
交渉相手
となることが多かろうと存ずる次第であります。尚この
交渉手続
につきましては、「
人事院
の定める
手続
に
從い
」と
謳つて
ございまして、この
手続
は、
人事院規則
で定められることになる
予定
でございます。その
手続
の
内容
につきましては、
人事院規則
がまだ制定されてございませんが、この
法律
が
施行
されるまでには、その
人事院規則
は公布されるように取り運びたいと存じておる次第でございます。それから
團体
が
代表者
を選んで、
勤務條件
に関しまして、
当局
と交渉することができるわけでありますが、その
代表者
は、必ずしも
團体
の
構成員
でなくとも構わん、みずから適当な人とその
團体
において
考え
る者を選んで、これを指名して、
代表
として
当局
と交渉させることができると、こういうわけであります。 次にその
後段
に書いてあります「すべて
職員
は、
職員
の
團体
に属していないという理由で、不満を表明し又は
意見
を申し出る自由を否定されてはならない。」と、こういうことがここに書いてございますが、これはこういう
建前
にな
つて
いるわけであります、即ち
國家公務員
は、
團体
としてもそのように
勤務條件
に関して交渉することができるが、飽くまでも
公務員個人
としての資格においても全く同じように、
團体
的に行動するのと同じような力を持つものであるという
意味
でございまして、どこまでも
個人
としても
個人
の
希望
なり
意見
なりはこれを否定されてはならない。
團体
的にも行動できるけれども、
個人
的にも行動する自由を認めなければならない、こういう
趣旨
でございます。併し
個人
的に行動する自由を認めますと同時に、
團体
的に行動したからとい
つて
、そのために不利を受けてはならない、今の
労働組合法
第十一條に
規定
してありますのと同じ
精神
が、この
團体
を通じての
活動
にも尊重されなければならない、こういう
考え
に基きまして、
本條
の第三項ができておるわけであります。即ち「
職員
は、前項の
組合
その他の
團体
について、その
構成員
であること、これを
結成
しようとしたこと、若しくはこれに加入しようとしたこと、又はその
團体
における正当な
行爲
をしたことのために不利益な取扱を受けない。」こういうことを
規定
してございます。 次に一應これらが
從來
の
労働組合法
に基くいわゆる
團結権
としては或る
程度
まで
制限
を受けておりますが、その
制限
の根本的な
理念
といたしましては、
國家公務員
が全体の
奉仕者
である、
公共
の
福祉
のためにこれだけの
制限
は受けるのだということがあるわけであります。そういう
制限
を受けるという
理念
を一層強く
規定
いたしましたのは、その次の第四項でございまして、御
承知
の
通り
、
警察職員
、
消防職員
、監獄において
勤務
する
職員
は、現在の
労働組合法
の下におきましても、
労働組合
を
結成
することが禁止されておるわけであります。その
趣旨
といたしますところも、全くこれらの
職員
が
國家
非常の場合において
國家
の治安の責に任ずるものであ
つて
、
國家
が
公共
の
福祉
のためにこれらの
人たち
の
團結権
を
制限
する、こういう点にあることと存ずるのでありますが、これらの
職員
の
労働組合
の
結成権
を
制限
したのと同じ
理念
、同じ
精神
に基きまして、これらの
職員
がやはり
勤務條件
に関しまして、一種の
團結権
を
行使
いたしまして、
当局
と交渉する
権利
又は自由を有するということが、
公共
の
福祉
の面から
制限
を受けなければならない。こういう
考え
に基きまして、これらの
職員
は第二項のいわゆる
職員組織
を
結成
し、又はこれに加入することができない、こう
規定
したわけでありますが、併しながら、これらの
職員
が
勤務條件
に関して交渉するための
團体
を
結成
することは、これによ
つて
禁ぜられておりますが、主として文化的な、社交的な、或はクラブ的な
團体
、或は
親睦團体
、そういうような
團体
を
結成
することまでを禁止する
趣旨
ではないのでございまして、そういうような
團体
を
結成
することは本項の
範囲
である、こう存ずるわけであります。簡單でありますが、
團体結権
に関する御
説明
はその
程度
にいたしまして。 その次の項は
罷業
その他の
爭議権
に対する
制限
を
規定
しておるわけであります。第五項に参りまして、「
職員
は、
政府
が
代表
する
使用者
としての公衆に対して
同盟罷業
、
怠業
その他の
爭議行爲
をなし、又は
政府
の
活動能率
を低下させる
怠業的行爲
をしてはならない。」こう
規定
しておるわけでございます。又ひとりこれらの
職員
がこのような
行爲
の
制限
を受けますのみならず、「
何人
も」、
何人
もと申しますのは、この
職員
以外の者も含むわけでありますが、「
何人
も、このような違法な
行爲
を企て、又はその
遂行
を共謀し、そそのかし、若しくはあお
つて
はならない。」即ち
職員
の内部或いは外部を問わず、これらの
爭議行爲
に対して、これらの
行爲
を企てると申しますのは、刑法上で行きまするならば、実行に着手するという
観念
に当ろうかと思うのでありますが、そういうようなこと、「又はその
遂行
を共謀し、」これは二人以上でこのような
行爲
を企てる、そそのかし、若しくはあおるというのは、それぞれ
教唆
又は
煽動
の独立のものになろうかと思うのでありますが、これらの
行爲
を禁止しております。これらの
行爲
、即ち
後段
の「
何人
も、このような違法な
行爲
」を云々してはいけないということに関しましては、百十條の第一項の十七号で、これらの者に対して
罰則
を
規定
しておるわけでありまして、
職員
がこれらの
煽動
、
教唆
によ
つて怠業的行爲
に出たという場合においては、これはその
罰則
の
適用
を外しております。 次に
罰則
の
適用
は今申上げました
通り
、
一般
の
職員
につきましては、單に
爭議行爲
に訴えたというだけでは
罰則
の
適用
から外れるわけではありますが、その次の項におきまして、然らばこれらの
同盟罷業
その他の
爭議行爲
をした
職員
はどうなるかということを第六項に
謳つて
おるわけでありまして、これらの
行爲
をした者は、「その
行爲
の開始と共に、國に対し、
法令
に基いて保有する
任命
又は雇用上の
権利
を以て、対抗することができない。」こういうように
規定
してございます。即ちこれらの
爭議行爲
をした者が、これらの
行爲
に基いて、それらの
任命権者
又はその他の
権限
を有する者から、それぞれ
行政
上の
処分
を受けた場合においては、
自分
はかくかくの
法令
に基いて
身分
の保障を持
つて
おるのだということを以て、だからそれらの
行爲
は無効だということは主張することができない、こういう
意味
でございます。勿論それらが事実の誤算、或いは
自分
が
病氣
で入院してお
つたの
に、他の
怠業
、
罷業
その他の
行爲
をした者と一括して
行政処分
を受けたという、そういう場合におきましては、それは他の限定、即ち八十六條、或いは八十九條、九十條というような
行政措置
の是正の要求ができるものと
考え
ております。 次は技術的な
規定
になるわけでありますが、それらの今申上げました
職員
の
團体
の
法人格
の問題であります。これらの
本條
で認められました
團体
は、これを
希望
するならば
法人
とすることができる、こう
規定
をしておるわけでまあります。即ちこの
法人
がどういう
法人
の性格であるか、必ずしも
民法
上のいわゆる
公益法人
、
社團法人
、又は
財團法人
としての
公益法人
かどうかということは疑問でありまして、むしろこの
法律
に基いて特別な
法人格
を與えられた
特殊法人
と解釈することが正しいかと思うのであります。これに
法人格
を與える
手続
といたしましては、
民法
三十四條に
規定
する
公益法人
に準ずるものといたしまして、
民法
と、非
訟事件手続法
の
公益法人
に関する
規定
は、この
法人
としての
職員團体
にこれを準用することにいたします。但し
公益法人
は、
主務官廳
の
許可
を得なければならないということにな
つて
おりますが、この
主務官廳
が何であるかということにつきましては、いろいろ疑義が生ずる虞れがありますから、それはすべて
主務官廳
は
人事院
である。
人事医
の
許可
を得なければならんということにな
つて
おるわけであります。それでその詳細の
手続
に関しましては、
改正法律
の
附則
、即ち第一次
改正法律
の
附則
第四條において、その詳細を
規定
することにな
つて
おります。
改正法律
の
附則
第四條の
規定
によりますると、
職員
を主たる
構成員
とする
労働組合
又は
團体
で、この
國家公務員法附則
第十六條の
規定
が
適用
される日において、即ち
労働組合法
の
適用
が排除される日におきまして、現に存するものは、尚引続いて存続しようと思えば存続することができる、こういうことを
規定
いたします。但しこれらの
團体
は、すべてその
役員
の
選挙
でありますとか、
業務
の
執行
について民主的な
手続
を定めなければならない、民主的な
手続
と申しますのは、言うまでもなく
役員
の
選挙
について
祕密無記名投票
の
方法
を採るとか、そういうことを謳うわけであります。そういうことについて民主的な
手続
を定める、「その他
組織
、
目的
及び
手続
において、この
法律
の
規定
に從わなければならない。」こう
謳つて
おります。これらの存続しようと思う
團体
は、
人事院
の定める
手続
によ
つて
、
人事院
に登録しなければならない。
從來
の
労働組合
、その他の
職員
の
團体
が引続いて存続しようと思えば、それは
人事院
の定める
手続
によ
つて人事院
に登録しなけばならないと
謳つて
おるわけでありまして、この
人事院
の定める
手続
もやはり
人事院規則
によ
つて
規定
するわけでありまして、その
人事院
の
規則
もこの
法律施行
と同時に出す
予定
でございます。その他これらの
團体
に関しまして、必要な
事項
は、
法律
又は
人事院規則
で定める。これらの
團体
の登録、それから登記、これらの
業務執行
について民主的な
手続
を定める
方法
、それらにつきましては、
人事院規則
で定める
予定
でございます。以上申上げましたのが、
労働組合法
、
労働関係調整法
が外れた後の
措置
でございます。 次に
労働基準法
が外れるわけでありますが、
労働基準法
が外れた後の
措置
はどうするかと申しますと、これもやはり
國家公務員
にふさわしい
勤務條件
その他を、
勤務條件
に関する詳細が
法律
又は
人事院規則
で
規定
されなければならんわけでありますが、勿論その
精神
といたしましては、
労働基準法
というものは、新らしい
日本
におきまして、
日本再建
の基盤となる
労働條件
につきましての、
最低
の國際的な
労働條件
の
原則
を定めたものでありまするから、
國家公務員
の
労働條件
がそれ以下であ
つて
はならないことは言うまでもないことであります。そういう
意味
におきまして、今後正確な
労働條件
について、
法律
又は
人事院規則
でそれぞれ
規定
されることになろうかと思いまするが、何しろ厖大なる
規定
を必要とするものでありますから、取敢ずは第一次
改正法律附則
の第三條におきまして、一應この
一般職
に属する
職員
の
労働條件
につきましては、
國家公務員法
の
精神
に牴触しない、又は
國家公務員法
の
規定
に基いて、
法律
又は
人事院規則
で定められた
事項
に矛盾しない
範囲
においては
労働基準法
、それから海の
労働基準法
としての
船員法
の
労働基準法
に関する
部分
でありますが、それらの
規定
を準用して行くという
構想
であります。但し
労働基準監督機関
の
権限
に関する
規定
、これは國の事業に
適用
するのには不適当でありますから、
監督部分
だけは準用しない、こういう
構想
でございます。勿論
労働基準法
を準用するといたしましても、いつまでも準用して行くことは不適当でありまして、できるだけ早い
機会
におきまして、それぞれ
國家公務員
に最もふさわしい
労働條件
、
勤務條件
を
法律
又は
人事院規則
で、その根本は
法律
で、それの細則が
人事院規則
で、こう決めるべきであると思
つて
おります。その
勤務條件
と申しましても、いろいろございますが、この
労働基準法
に
規定
しておりまするのは
賃金
でありますが、
賃金
につきましては、これは
給與法
、或いは
給與準則
で
規定
することになるわけでありますが、これは当然
労働基準法
を外して、新らしい
給與法
、
給與準則
ができるわけであります。それから
労働
時間、休憩、休日及び
年次有給休暇
、これらに関しましては、御
承知
の
通り
、古くは
太政官布告
、或いは閣令、
勅令
、その他によ
つて
ばらばらな、即ち体系をなさないで
規定
しておるわけでありまして、それらが今の
建前
におきましては、優先的に
適用
にな
つて
、
部分
的に
労働基準法
が現在において
適用
にな
つて
おる、こういうように私共は解釈しておりますが、これらを今までばらばらに
規定
してあります
休暇
、休日、
労働
時間、或いはこの
勤務
時間というものについての
規定
を体系的に早く
法律
に纏めまして、制定して頂くことが私共の勤めと、こう思
つて
おります。これは成るべく早い
機会
におきまして、御議決を頂くように、私共の方で準備いたしておる次第でございます。尚安全及び
衞生
に関する
事項
でありまするとか、
技能者
の
養成
に関するような事柄につきましては、
技能者
の
養成
、その他
寄宿舍
でありまするとか、そういう極く技術的な面に関しましては、この
労働基準法
、それに基く詳細なる
安全規則
その他が、当分準用される余地があろうかと存ずるわけであります。尚
災害補償
に関しましては、
國家公務員災害補償法
というようなもので
規定
されることになろうかと存ずるわけであります。そういうようにいたしまして、次第々々に
國家公務員
の
労働基準
と申しますか、
勤務條件
の
基準
と申しますか、そういうものが新たな
法律
に基きまして、体系的に
規定
されて行く、それに應じまして、
労働基準法
の準用が次第になくな
つて
行く、こういうような
構想
でおるわけでございます。以上を以ちまして取敢事ず主として
労働関係
に関するものにつきましての御
説明
を終りまして、御質疑によりまして、お答え申上げたいと存じます。
山田節男
3
○
委員長代理
(
山田節男
君)
委員長
から
ちよ
つとお願いしたいのでありますが、大体直接
労働関係
の御
説明
を
願つたの
ですが、尚これと関連を持
つて
おる百
二條
の
職員
の
政党
又は
政治的行爲
、この問題も一つ併せて御
説明
願いたいと思います。
岡部史郎
4
○
政府委員
(
岡部史郎
君) それでは併せて百
二條
の
政治的行爲
の
制限
に関する
條項
につきまして御
説明
いたします。 この
條項
の
基礎
をなす
観念
といたしましては、
國家公務員
の
政治的中立性
ということがその根本的な
観念
であると存じておるわけであります。即ち
國家公務員
というものは飽くまで政治的に
中立
でなければならない、殊に公の
選挙
におきまして一
党一派
のためにその公の全体の
奉仕者
として、公に捧げるべき
勤務活動
を一
党一派
のために割くことは許されないことであると、こういうのがその根本的な
観念
でありまするが、
從い
まして、
職員
の、
國家公務員
の
政治活動
は主として
選挙
における投票によ
つて
これを
行使
すべきものである、こういう
考え
が
本條
の
基礎
をなす
考え
と存じております。
從い
まして、この百
二條
の第二項におきましては、
現行法
におきましては、「
人事委員会規則
で別段の定をした場合は、
公選
による
公職
の
候補者
となることができない」とあつたわけでありまして、
只今
までのところ
人事委員会規則
で
規定
したものはございません。ところがこの度の
改正法
におきましては、
一般職
に属するところの
國家公務員
は一切
公選
による
公職
の
候補者
となることができないというようにいたしました。
職員
の
身分
を保有する限りにおきましては、それらの
公職
の
候補者
にならずに、政治的に
中立性
をこれによ
つて
確保したい。こういうような
考え
でございます。 次に第三項に参りまして、「
職員
は、
政党
その他の
政治的團体
の
役員
、
政治的顧問
、その他これらと同樣な
役割
をもつ
構成員
となることができない。」と
規定
いたしますのは、
現行法
の下におきましては、
法律
又は
人事委員会規則
で定めて
職員
だけが、
政党
その他の
政治的團体
の
役員
となることができないとありますのを、その
苟くも國家公務員
たる
身分
を、持つ
一般職
に属する
職員
は、
ひとり政党
その他の
政治的團体
の
役員
のみならず、
顧問
、即ち若しも
顧問
が
役員
の中に入
つて
おりますならば当然でありますが、いわゆる
役員
の中に入らなくとも、政治的な
意味
の
顧問
、それから
役員
に入らず、或いは
顧問
というような
一定
の職名を持たなくとも、同じようなそれぞれの
政党
又は
政治的團体
においてこれらと匹敵するような政治的な
役割
を持つ
党員
、その他の
構成員
とな
つて
はならない。でありますから、この第三項が
規定
しておりますのは、
職員
の当然の
権利
といたしまして、
政党
その他の
政治的團体
の
党員
になる。これは当然許されておることでありますが、この
党員
としての
最低限度
の、或いは
党員
としての当然の
活動
以上の
役割
を持つところの
党員
、その他の
構成員
となることができないと、こういう
意味
に御
了承
を頂きたいと思うのであります。 尚第一項に参りまして、第一項は「
職員
は、
政党
又は
政治的目的
のために、
寄附金
その他の利益を求め、若しくは受領し、又は何らの
方法
を以てするを問わず、これらの
行爲
に関與してはならない。」というのが
現行法
の
建前
でありまするが、
改正法律案
におきましては、これに附加いたしまして、「あるいは
選挙権
の
行使
を除く外、
人事院規則
で定める
政治的行爲
をしてはならない。」と
規定
したわけであります。その根本的な
趣旨
は、
政治的行爲
というものは、
選挙権
の
行使
によ
つて主
として現わすべきものであ
つて
、それ以外の
政治的行爲
をしてはならない。
從い
まして、ここで
人事院規則
で定める
政治的行爲
をしてはならないという書き方でありまするが、上に「
選挙権
の
行使
を除く外」と、こう大きく嚴格に被せてあります点を
考え
ましても、
選挙権
の
行使
以外に、
政治的行爲
をなし得る
範囲
というものは極めて限られている。勿論
人事院規則
の
規定
の仕方といたしましては、これこれの
行爲
はいけないと、こういうように
規定
する方針でおるわけでありますが、それが、非常に幅の限られた、
制限
された
政治的行爲
しか許されないような形になり得ることは、なりそうなことは御
了承
を……察し頂けようかと思うのであります。この
人事院規則
で定める
政治的行爲
をしてはならないと
規定
してございますので、やはりこの
法律
が公布になり、
施行
になると同時に、この
人事院規則
で
本條
に基く
政治的行爲
はこういうものであるということを
規定
した
人事院規則
が制定されることになろうかと存ずるのであります。
山田節男
5
○
委員長代理
(
山田節男
君) もう一つ私からお尋ねしたいのは、二十七條と、それから第三十
八條
の第五号というような問題を、一つ併せてこの百
二條
に関連して御
説明
願いたい。
田村文吉
6
○
田村文吉
君 どうでしようか、いろいろ御質問なさりたい点もあるかと思いますから……。
山田節男
7
○
委員長代理
(
山田節男
君) 丁度
労働関係
だけ今日済まして頂けば、尚又委員から……。
田村文吉
8
○
田村文吉
君 質問を願うとなれば全部お願いすることになりますから……、各箇條的でなくとも……。
山田節男
9
○
委員長代理
(
山田節男
君) 今の政治的
活動
に関連しまして、二十七條と三十
八條
の第五号でございますね。
岡部史郎
10
○
政府委員
(
岡部史郎
君) 簡單に申上げます。三十
八條
、第五号、これはこの前御制定頂きましたそのままでございまして、この
趣旨
を持
つて
來まして、はつきりとこの三十
八條
、第五号に
規定
するような場合は除くけれども、その外の政治的
意見
、政治的所属
関係
、即ちそれが合法的な
政党
、或いは合法的な政治
團体
として許される限りにおきましては、それらの政治的
意見
、若しくは政治的所属
関係
によ
つて
は、外の社会的
身分
、又は門地その他によ
つて
差別されてならないと同じように、差別されてはならないものであるということを二十七條に平等取扱の
原則
として
規定
したに止まると
承知
しております。
山田節男
11
○
委員長代理
(
山田節男
君) これで大体本
改正案
に含まれております直接
労働法
の
関係
の箇條に触れた御
説明
があ
つたの
でありますが、これにつきまして御質問があれば……。
大山安
12
○大山安君
意見
を
労働関係
ということについて……と伺つたように聞かれますが、この
改正法
案は極めて
人事院
というものの
権限
が強いようにできておられます。というのは、すべてが
人事委員会
によ
つて
官公
職員
が自由にされるというような
内容
にな
つて
おります。私も深くは知りませんが、一應眼を通しました。というのは、例えば起訴権から判決権までがこの
人事院
に
権利
があるというような
内容
にな
つて
おります。これは十分檢討しなくてはいかんのじやないか。殊にそういう
内容
が多分にあるにも拘わらず、すべては
人事院
の
規則
によ
つて
これを定めるというときには、これは相当今後この法案を作るについても、つまり笠議上相当の研究を要するものであるから、その辺は今日
人事
関係
において、
人事院
としてつまり独立性を持つというような
権限
を得るという場合には、こういうような法案というものは法の
精神
が僕は抜けといるという感じを持
つて
います。第一本法に從
つて
細則を設けるという場合には、本法にその根拠を現わさなくてはならん。例えばここにありますが、何條でしたか、警察とか、その他官職のことがありますな。何條でしたか……。これらについて團結してはならない。併しながらこれをいろいろ廣義に解釈すれば、善意の團結というものはあるのです。惡意の團結というものもある。善意か、惡意か、その團結だが、これは正しい善意であるという下に團結をしたという
考え
である。又
人事院
は我々から見れば御三人の
人事
官が……。今日でも三百万か四百万あるでしよう。大きくなればつまり一億くらいになるでしよう。國民全体が挙
つて
勤労
するという場合には……、今は職がないから多数はありませんが、その場合に二、三人にしてその
権利
を左右される、
意見
を左右されるということは、極めてこれは
國家
的な在り方じやないというような
考え
を持
つて
おります。で、この細則というのは、結局
人事院規則
というものに殆ど左右されるようにできておりますから、これは私から
考え
ますると、これはどうしても國会で
審議
すべきである。現在の段階では、この細則ということについては國会で
審議
するだけのことがある。國会で
審議
の必要がない細則だという場合には、この
法律案
に明文化するということでなくてはならんものである。そこをよく研究されてありますか、
國家
の
法律
をですね‥…。
人事
官が二、三人で仕事をする。例えば仮りに裁判所としましても、一審でつまり最終の判決を得るということは確かにないわけです。一審は警察犯処罰令にはあるけれども……。これはそうでなくできておる。実際にその氣持で以てやつた仕事なんです。やはり
人事院規則
でどんなことをするか分らない。分らないことをここで
審議
するわけにいかない。それを完全なものが拵えられるように、ここを十分な訂正をしなければならん、こういうことになります。そういう必要を手を借りずに、我々いろいろの
國家
全体に亘る國策に関して
法律
も研究をしておりますが、あなた方は專門家だ。そのときには
國家
のためには挺身して
國家
の有効なる
法律
を作るわけだ、ということにしてはこれは如何です。それは基本的な動かすべからざるものがあるでしよう。私は惡く言えば、GHQの指令に便乘して國会を目隠しをして作
つて
、
自分
の
権利
を極めて保護するというのは、これは独善主義ということを多分に含んでおる。決して僕は
個人
的でなしに、一方的でなしに、公平な
國家
的
観念
から、これは言うことです。それは多分にありますよ。ないと言うならば、この辺はそうだなんということは言えます。僕はあると思う。GHQがかくしなければならんということに便乘して、これはよいことだ、このうちだ、何もかも國会なんか盲だ。ところがどうして参議院はそうはいかない、変つたものですから……。そういうことがないように……、確かにこれにはありますよ。こんなことは
意見
を聞いたり、証人を呼んだり……という
條文
はあります。そういうところをよく研究して調べて下さい。大体出してみて下さい。
審議
上進捗するものと私は思います。
佐藤朝生
13
○
政府委員
(佐藤朝生君)
只今
大山委員からのいろいろの御
意見
を承りまして、我々これからの仕事をいたします注意といたしたいと思います。
人事院規則
の性質につきまして、いろいろ御
意見
承りましたのですが、
人事院規則
は、勿論この國定
公務員
法の下にある
規則
でございますし、又
國家公務員法
の中でも職階制でありますとか、給與に関しますことでありますとか、そういう
國家
の財政に
関係
いたしますこと、或いは
國家
のいろいろな方面に
関係
いたしますことは、
法律
で御制定を願う
趣旨
でございまして、その外に
人事
行政
に関しまするいろいろ細かい專門的
事項
を、主として
人事院規則
或いは
人事院
指令で発する我々の氣持でございます。ただ先程岡部法制部長が申上げました
政治的行爲
の
制限
のみにつきまして、
ちよ
つと
人事院規則
で
政治的行爲
を
制限
するような形にな
つて
おりまして、この点は例外でございますが、その外の点は大体そういうような
考え
を持
つて
おります。
平野善治郎
14
○平野善治郎君
ちよ
つと
政府委員
にお尋ねしたいのですが、二十
八條
の交渉の問題ですね。これは非常に重要な問題であります。その
内容
或いは
組合
の力がどういうように現れるか。こういうようなことが皆これは今のところ人によ
つて
解釈がいろいろ違
つて
來ると思います。さつきから佐藤さんのお話を伺
つて
おりましても、我々交渉ということを
日本
人が
考え
るときは、大体対等なような立場に置いた氣持で進められる、こう解釈するのでありますが、併しこの
條文
や佐藤さんのお話を聞いておりますと、全然それとは反対でありまして、結果においては單なる申入であるというような結果になるようにも聞きとれるのであります。從
つて
これらのことがさつき
人事院
の定める
手続
にしたいと、こういうことがありますが、この
手続
というものの
内容
が分
つて
参りますと、私共は判断をするのに非常に拠りどころができて來るのでありますが、あなた方が今
予定
しているのがありましたら、お知らせ願いたい。こう思うのです。
岡部史郎
15
○
政府委員
(
岡部史郎
君) 先程大山委員からもお尋がございました
通り
、
人事院規則
の
規定
に讓
つて
いるところが非常に多いわけであります。それから私が先程御
説明
申上げました点につきましても、可なり重要な点は皆
人事院規則
で
規定
するのだというようなことを申上げたわけであります。これから
人事院規則
の制定公布に取りかかるわけでございますが、この
法律
そのものの
建前
といたしまして、この
附則
の一條を御覽頂きたいと思うのでございますが、一條の二項でございます。「この
法律
中
人事院
及び服務に関する
規定
以外の
規定
は、
法律
、
人事院規則
又は
人事院
指令の定めるところにより、実行の可能な限度において、逐次これを
適用
することができる。」と、それでございますから、この
法律
は公布
施行
になりましても、同時に全面的に
適用
になるわけではございません。殊に職階に関するようなものは、今後可なりの年月を
適用
になるまでは必要とすることになろうかと思うのであります。これらの
法律
が採用しておりますいろいろな制度につきましては、そのときどきに準備ができ次第、
法律
又は
人事院規則
で逐次これを
適用
して行くということにな
つて
おりますが、即ちこの
法律
が公布
施行
になりますと同時に設立されます
人事院
、それから
職員
の服務に関する
規定
、即ち服務に関する
規定
は本
法律
の九十六條から百六條まででございますが、これらの
規定
は直ちにこれが
適用
になるというふうに解釈しているわけでありまして、
從い
まして
人事院
関係
は除きまして、服務に関する
規定
に関しまして、必要な
人事院規則
は少くともこの
法律
が制定され、公布されるまでに
施行
されなければこれが
適用
に
差支
を生ずるという状態にありますので、私共その緊急なものにつきましては、鋭意その準備に努力しておりまして、目下大体成案を得たものにつきましては、
関係
方面と折衝を重ねております。又いろいろその他必要なものにつきましては、やはり
関係
方面の助言を得たりしておるわけでありまして、
只今
お尋ねのこの九十
八條
の
人事院
の定める決議でありますとか、百
二條
の
人事院
の定める
政治的行爲
につきましては、それぞれ一應の成案は得まして、今折衝中なのでございまして、近い適当な
機会
におきまして、これらの
内容
につきましても、淺井
委員長
から皆樣に申上げるという
予定
にな
つて
おるのでございまして、そういう
意味
におきまして、今日は
ちよ
つとその
内容
につきましては、保留させて頂きたいと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
田村文吉
16
○
田村文吉
君 今日の
審議
方法
は、これは
労働関係
だけの質問に止めますか、それともそれ以外のお尋ねをしてもよろしうございますか。
山田節男
17
○
委員長代理
(
山田節男
君) これは前にも
中井委員長
から申上げましたが、逐條
審議
中に
一般
的な質問もやろうと、こういうことで進行されておるようでございますが、今日の
審議
は
労働関係
に限
つて
実は
説明
を願いましたけれども、併し
一般
的に質問があれば勿論受けるつもりであります。
田村文吉
18
○
田村文吉
君 これは今度の改正に始まつたことではないのでありますが、第一條の第二項でありますが、「この
法律
は、もつぱら
日本
國憲法第七十三條にいう官吏に関する事務を掌理する
基準
を定める、」こうあるのでありまして、一体
公務員
というものをはつきりと、何か憲法か或いは又この
法律
とかによ
つて
例えば雇員、傭員等は
公務員
に入れるとか入れないとかいうことについてはつきりしたものがどこかにあるのでありましようか、これを一つお尋ねいたしたいと思います。
岡部史郎
19
○
政府委員
(
岡部史郎
君) お答えいたします。この憲法におきましては、勿論
公務員
という
観念
は採用いたしておりまして、この
公務員
の中にはつきり
身分
、等級を持ちました官吏という
観念
もその中に一
部分
入れておるわけでございますが、
國家公務員法
におきましては、官吏という
観念
はこれは採用しないことにいたしまして、全部國の仕事をし、即ち國の仕事に從事し、國から給與を受けておるものは、その
任命
、雇傭の形式を問わず、すべてこれを
國家公務員
とする、そうしてそれについての
規定
を設ける、こういう
建前
で進んでおりまするので、何が
國家公務員
かということについて積極的に
規定
は設けてございません。但し今お尋ねのありました
通り
、
國家公務員
の
範囲
につきましては、いろいろ疑義が生ずることは言うまでもないことでございます。それでそういう
意味
におきまして、或る職即ち或るポスとの仕事が
國家公務員
の職に属するかどうか、その中でも
一般職
に属するものであるか、特別職に属するものであるか、ということについての区別を具体的に決めるものといたしましては、それは
人事院
がこれに当るのだということを特に第
二條
において
規定
しておるわけでありまして、その
考え
といたしましては今私が申上げましたような極く廣い抽象的な定義、國の
任命
、雇傭の形式を問わず、國の仕事をし、國から給與を受けている者が
國家公務員
であると定義した。ところでその
内容
ははつきりしないというような
考え
から、具体的にこれを
規定
して行つた方がよかろうということでこの第
二條
の四項にその
趣旨
を
謳つて
いるわけでありまして、具体的にどれが
公務員
に属する、即ち勿論
國家公務員
の
範囲
に属するものについて自明のものが多いのでありますが、疑義があるものにつきましてはこれを決定して行く、こういう決前をと
つて
おるわけであります。ただこの第一條第二項において「もつぱら
日本
國憲法第七十三條にいう官吏に関する事務」云々という言葉を使いましたのは、これは憲法七十三條のこの言葉そのものを引いたためにここに官吏という言葉を用いて來た、こういうように御
了承
頂きたいと思います。
田村文吉
20
○
田村文吉
君 そうしますと
人事院
の解釈によ
つて
、入れても出してもいいということになるような虞れがあるのですが、こういう
法律
はもつとそういう点についてはつきりと定義すべきものじやないかと思うのでありますが、或いはいろいろ御折衝の結果そういうことにな
つたの
か存じませんけれども、少くとも
人事院
はどういうものをこの
公務員
法でやるのだという
範囲
だけは、次回にでも明瞭に一つお示しを頂いた方が結構だと思います。できましようか。
岡部史郎
21
○
政府委員
(
岡部史郎
君) さようでございます。田村委員の仰せの
通り
私共の仕事の
建前
といたしましては、抽象的にその
原則
を引くというのじやなしに、具体的にこれこれがこの
法律
の
規定
に当るのだということを各條につきましても具体的に決めるという
建前
でや
つて
おりますので、疑問のあります点につきまして一々決定して行くわけでございますが、それでありまするから、例えて申しますると進駐軍の労務者が
國家公務員
であるかどうかということにつきましても、これは一々疑問が出て來るわけであります。そういうことにつきましては、これが
國家公務員
であるかどうかということにつきまして、一々決定して行くような
措置
をと
つて
おるわけでございまして、疑問の点につきまして可なり個別的に列挙することは参考資料としては可能かと存じます。その準備をいたしまして、こういうものはこれは
國家公務員
と解する、こういうものは
國家公務員
と解しないというようなリストを作成することは可能かと存じまするから、そういうリストを作成して差上げたいと存じます。
田村文吉
22
○
田村文吉
君 非常に國民の重大関心を持
つて
おることでありまするから、
自分
達が一体
公務員
法によ
つて
束縛を受けるのか受けないのかということは非常に大きな問題になるので、そういうことは
法律
のできるときにはつきりと、
公務員
というものはこれこれのものを
考え
て
公務員
とするのだということは御表明頂くことが順序でないか、以上は議論になりますから……。 次にこれは改めて参議院全体としての
意見
になる問題であると思いますので、ただ、前例に從
つて
お入れにな
つたの
であるというような御
説明
で結構なのですが、第五條の
人事
官の
任命
について、衆議院と参議院の
権限
問題であります。これは前に公安委員の場合にもそういうような例があ
つたの
でありまするけれども、甲とか乙とかいう議論でどちらかに纏めなければならん場合においては、これは衆議院の
意見
に從うという憲法上の解釈はよろしいのでありますが、これは認証でありまするから、衆議院も認めない、参議院も認めないという場合には、そういうことはあり得るわけで、一向
差支
ないことなのです。然るにさような場合に、参議院の認めない者でも衆議院の認めた者であるから……こういうような認め方は甚だ両院の根本
趣旨
に合わない
考え
方でありますので、これは参議院全体としてのこれは議論となる問題と思
つて
おりまするが、何かこれについて……これを漫然とお入れにな
つて
いるのでありますかどうか。それだけ
ちよ
つとお聞きいたします。
岡部史郎
23
○
政府委員
(
岡部史郎
君) この
條文
につきましては、今回の改正の中には入
つて
おりませんで、昨年の
國家公務員法
制定のときに、この
條文
を入れたわけでございまして、前例と申しますか。外のいろいろの例によ
つて
、こういうものをやつたものと御了解願います。
田村文吉
24
○
田村文吉
君 それからこの間
ちよ
つと御
説明
頂いたのですが、私実際的に呑み込めなか
つたの
は、第三條の何項になりますか、一番最終の項でありまして、「前項の
規定
は、
法律
問題につき裁判所に出訴する
権利
に影響を及ぼすものではない。」ということですね。これを
ちよ
つと御
説明
頂きます。
岡部史郎
25
○
政府委員
(
岡部史郎
君) この末項及びその前の項でございますが、即ち第四項によりまして、
人事院
がレヴューする。審査する。こういう
権限
が與えられているわけでございます。それがその
行政
部門におきましては、その
人事院
の審査は最後的なものである。こういうのがこの四項の
意味
でございますが、それが併し
法律
問題……それは違法である。違法であるということの理由といたしましては、それは憲法上におきまして、
行政
機関
は最終審とすることができないというのがございますが、その当然の
規定
によりまして、
法律
問題、及び私の私見といたしましては、
法律
問題判定の
基礎
となる事実問題をも、事実の認定の問題をも含めまして、憲法七十六條の第二項の
後段
の方、「
行政
機関
は、終審として裁判を行うことができない。」こういう
意味
におきまして、これは裁判所に出訴し得るものである。こう解釈いたしますが、その当然のことを念のために
規定
したに過ぎない
條項
である。こう
考え
ます。
田村文吉
26
○
田村文吉
君
委員長
。
山田節男
27
○
委員長代理
(
山田節男
君) 関連した問題ですか。
田村文吉
28
○
田村文吉
君 関連した問題です。第
八條
の
人事
官の問題でありまするが、第二項の第一号に心身の故障のため、職務の
遂行
に堪えない場合、第二号に、職務上の義務に違反し、その他
人事
官たるに適しない非行がある。非行という言葉がある。これは前からあつた言葉なんでありまして、特にお伺いするのも恐縮でありますが、非行という
意味
は、これはどういうふうに解釈されてお
つたの
か。それからもう一つ、
人事
官として全く不適当な、無能な
人事
官がおられるような場合にも、このあれは入れられてもいいのじやないかと私共
考え
るのですが、そういう
條項
は何もないようですが、非常に無能な
人事
官がおられるような場合に、いつまでもそういう人がおられることは、実は困るのですが、そういうようなことについての、何かこれは救済
規定
が外にありますか。
岡部史郎
29
○
政府委員
(
岡部史郎
君) お答え申上げます。この
人事
官の選任につきましては、内閣が両議院の同意を得て
任命
するという形にな
つて
おりまして、その
人事
官の選任につきましては、両院の御同意を得ると、その上で内閣が
任命
する。こういうような形にな
つて
おりまするから、
只今
の田村委員の
後段
のようなお尋ねの点は、
任命
の
方法
で抑えられるのではないかと存じております。尚この第
八條
第二項の第二号の「非行」ということにつきましては、これは別段限定した
意味
がこれに加わ
つて
いるわけでございませんので、大体社会通念といたしまして、職務上の義務に違反したというような場合において、やはりこれが非行の一種になろうかと思います。その他社会通念といたしまして、重大なる職務上の義務に違反したのと同じような
程度
のものが非行になろうかと存じます。
田村文吉
30
○
田村文吉
君 第五十九條を
ちよ
つと見て頂きたいんですが、「
一般職
に属するすべての官職に対する
職員
の採用又は昇任は、すべて條件附のもの」としてありますね。それは、採用の場合はいいんですが、昇任の場合でもなんでしようか。何級官に
なつ
たという、昇進した場合には、半年なら半年は、現状のままに置くというわけでありますか。どういう
意味
でありますか。例えば課長のような場合はどうなりますか。
岡部史郎
31
○
政府委員
(
岡部史郎
君) これは、結局その何級官という
観念
が、この
條文
にはないのでございまして、この
條文
の結局生れて來たところは、職階制を背景といたしまして、職階制によ
つて
、それぞれのクラスに昇任をする。その昇任した場合においては、そのクラスに長く置いて置くのが適当であるかどうか分らんから、その間、六ケ月の間は、これを條件附のものとして、
身分
の保障その他を與えないで、いつでもトランスファーできるように、轉任させることもできるようにというような
意味
でございますから、
從い
ましてお示しの
通り
、最初の採用の場合のみならば、このグレード、グレードと申しますか、等級又は職級が上る場合において、最初の六ケ月は、條件附になるものと解釈しております。今日この職階制を前提として申上げましたが、この五十九條の
條項
を、然らば職階制が完成するまで
適用
できないのかと申しますと、そうでもないのでございまして、現在あるままにおいて、現在の制度の下においても、係長、課長補佐、或いは部長というようなものに
任命
いたします場合においても、これをこの
條項
に基いて、半年の間はこれを條件附にするというようにすることも可能でございます。
田村文吉
32
○
田村文吉
君 それから九十
八條
のさつき御
説明
の中に、交渉する場合には、
代表者
をみずから選んでこれを指名するとな
つて
おりまするが、これは、
職員
でなくともよろしいんですか。
岡部史郎
33
○
政府委員
(
岡部史郎
君) これは、
職員
の中からという
制限
はございません。
田村文吉
34
○
田村文吉
君 ただその前の文句に、「これらの
組織
を通じて」とありまするから、おのずからそこに、
職員
ということを
制限
している
意味
に
ちよ
つと取れるんですが、そういう
意味
ではないんでしようか。
岡部史郎
35
○
政府委員
(
岡部史郎
君) 「これらの
組織
を通じて」とありまするのは、
職員
が
團体
的にという、換言いたしまするならば、
團体
的に
代表者
を通じてというような
意味
に御了解頂きたいと思うのでございまして、これは
團体
的に交渉することができるという
意味
でございまして、
代表者
をみずから選ぶ場合におきましては、勿論その
團体
としての
代表者
を選ぶわけでありまするが、適任者があります場合において、自己の
團体
の
組合
員のみならず、その他適当な人を
團体
として選ぶ、その選ぶ
方法
といたしましては、一部の者が勝手の選ぶのではなくて、適法な
手続
で選ばなければならんわけでありますが、選ぶのは
組合
員に限らない、こういう
意味
でございます。
田村文吉
36
○
田村文吉
君 これは初めの原案では、
職員
の中からということが確かにあつたように聞いてお
つたの
ですが、それをどうしてもあ
つて
はいけないという事情が出てそういうふうに御修正にな
つたの
でありますが、常識的に見ますと、
職員
の中から出るのが普通であります。
山田節男
37
○
委員長代理
(
山田節男
君) 速記を止めて。 〔速記中止〕
山田節男
38
○
委員長代理
(
山田節男
君) 速記を始めて。
田村文吉
39
○
田村文吉
君 第百
八條
でありまするが、「前條の恩給制度は、本人及び本人がその退職又は死亡の当時直接扶養する者をして、退職又は死亡の時の條件に應じて、その後において適当な生活を維持するに必要な所得を與えることを
目的
とするものでなければならない」とこういうのでありますが、現在の恩給制度でありますと、到底こんなわけには行
つて
いないのです。余程これに対しては巨額の恩給を
考え
ないとやれないわけになるのであります。これは果してこういうことが堪え得る状態なのでありますかどうか……。
岡部史郎
40
○
政府委員
(
岡部史郎
君) この恩給制度に関しましては、今お尋ねの背景をなしております制度といたしまして、現在の恩給制度に根本的な改革をするということがその
建前
とな
つて
おります。即ち百
八條
の三項に持
つて
参りまして、恩給制度は健全な保險数理を
基礎
として計画されなければならない、健全な保險数理の欠くべからざる要件といたしましては、それが收支償うと申しますか、一應赤字なしでや
つて
行けるというのが健全な保險数理でなければならないと思います。即ち國庫から或る
程度
の相当巨額な基金を出すことになるだろうと思います。それに対しまして恩給受給者となるべき
國家公務員
の方から
一定
の掛金を出しまして、それによ
つて
恩給基金を造成し、恩給基金と掛金との
範囲
内においてこれを賄うというのが健全な保險数理というものの
意味
になろうかと思うのであります。そういう
意味
におきまして、これは新らしい恩給制度を作ることを前提としております。その保險数理につきましては、最も專門的な研究を必要といたすわけであります。その新らしい恩給制度につきましては、これは
人事院
がその研究をし、その成果を認めることがその職責であります。併しその成果を得るにつきましてはまだ相当な年数が掛かろうかと思
つて
おります。それまでは現在の恩給法が運用されて行く、こういうように
考え
られますので、今お尋ねの百
八條
一項というものは、健全な保險数理を
基礎
として打立てられる恩給制度と第一項の
原則
とを
組合
わされたものが新らしい恩給制度でなければならない。その形につきましてはまだ先の問題でございまして、今の殊に経済界の状況その他を
考え
ますと、こういう新らしい恩給制度というものがいつから実施されるか、どういうように運用するかということはまだ未確定の分子が多かろうと存ずる次第であります。
田村文吉
41
○
田村文吉
君 すでに恩給と申しますれば、今の養老保險とかいうものと性質が違いますから、当然國庫から差上げるものでなければならん。そうなると、今の仰せに
なつ
たような、健全な保險数理というようなものでやるべき性質のものではなくて、この
條文
を読んだ限りにおいては、
國家
の恩給法というものを、とにかくそのあとの遺族の人がや
つて
行けるだけのものは必ず拂え、拂う制度を立てろ、こういうことを
法律
ではつきり決めることになるのでありまするが、これに対しては、非常に
國家
の財政的に負担すべき金額が非常に大きくなるのに、まあお心持はそういうお心持で考慮をなさるとしても、
法律
にはつきりとこう書いてありますと、そこに非常に問題が残るように感ずるのでありますけれども、お尋ねいたすわけであります。
岡部史郎
42
○
政府委員
(
岡部史郎
君) その点は
只今
お答え申上げた点に盡きるのでございますが、この
現行法
の、今の田村委員の仰せは、
現行法
においても変
つて
ないわけでございます。それをどういうように運用するかということを、この度この三項の健全な保險数理を
基礎
としてやらなければならないのだという点で抑えておるわけでありまして、大体今のアメリカの
公務員
の恩給制度、これはやはりこの保險数理の
基礎
の上に立てられておるものと
承知
しております。一九二六年以降は、この新らしい保險数理の
基礎
を置くことに切換えられておるかと
承知
しております。大体そういう
考え
が背景にな
つて
おるもの存じております。
田村文吉
43
○
田村文吉
君 もう一つだけ、甚だ長くなりまして……最後の百九條の
罰則
でありますが、
罰則
の第二項の一号に「第五條に
規定
する資格を有しない
人事
官の
任命
に同意した閣員」が懲役一年以下、三万円以下の罰金になるので、これは甚だ嚴しいお灸のようでありますが、第五條に
規定
する資格というのは、第五條の本文と、それから第二号以下があるのでありますが、この本文を含む
意味
になりますと、随分抽象的な文字が使われておるのでありますが、この御解釈は、この第三項の各号という
意味
でありますか。そうでなく全部に対しての
任命
をした場合に
適用
されるのでありますか。例えば「
人事
官は、人格が高潔で、民主的な統治
組織
と成績本位の
原則
による能率的な事務の処理に理解があり」なかなか抽象的に非常にむずかしい問題であります。どうも人格高潔ならざる人を選んだ場合には、これは内閣総理大臣はそこで処罰を受ける、そういうふうなことに相成るのでありますが、第五條に
規定
する人格ということは、その全文を
意味
するのは、然らずして第三項の各号を
意味
する
意味
か、これを
ちよ
つとお伺いしたいと思います。
佐藤朝生
44
○
政府委員
(佐藤朝生君)
只今
のお尋ねでございますが、私共の解釈は第五條全文をやはり
意味
するのでございます。
田村文吉
45
○
田村文吉
君 以上で私の質問を終ります。
原虎一
46
○原虎一君
労働関係
について二、三点お伺いしたいと思いますが、先程田村委員から質問がありました九十
八條
、
職員
が
代表者
を選んで
政府
との折衝ができるという
代表者
のことでありますが、今御
説明
によると芦田内閣時代にこういうふうに決めた、吉田内閣にな
つて
これを
職員
の中から選ぶということに変えたい、併しこれが困難であるという御答弁でありますが、それはどういうわけですか。どういう理由でありますか。吉田内閣でいいということは、どういう理由でな
つたの
でありますか、お伺いしたいと思います。
山田節男
47
○
委員長代理
(
山田節男
君)
ちよ
つと速記を止めて。 〔速記中止〕
山田節男
48
○
委員長代理
(
山田節男
君) 速記を始めて。
原虎一
49
○原虎一君 私の聽かんとするところは、
職員
の中から
代表者
を必ず選ばなければならんということは、いろいろなその
意見
に対しては想像ができまするが、これは別といたしまして、我々は
職員
以外からも選べるという途を講じて置くことが、より
労働
者の
公務員
の
権利
を保護する
建前
に立つものであるという解釈をとるものであります。例えば簡單に
考え
ますれば、大都市或いは小都市にいたしましても、都市におきますところの
公務員
は、
政府
と折衝する場合におきまして、知識の点において或いは力量の点において劣らない場合が多いのでありまするが、例えば失礼に亘りますれども、林野、山の中にあるところの
公務員
というようなものは、必ずしもそういう知識、力量という点において十分備えておるわけではないのであります。そういう場合において又今度事務專從者というものが
制限
されて休職に
なつ
た場合においては
公務員
という
権限
がどうなるか、
公務員
でない事務專從者、傭われた事務專從者が
職員
でないということになりますれば、この
代表者
は折衝権を持たない、これは折衝できないということになる。そういう点から
考え
ましても、これは外部からも選ばれる、そのいずれを選ぶかということは、
組織
の
機関
が決定するのである、これが私は進歩的であり、
労働
者を保護するところの
精神
に基くものであると解釈する。こういう点について現
政府
がこれを変えなければならんとされたとするならば、その論拠をお伺いしたいから申上げた次第であります。
岡部史郎
50
○
政府委員
(
岡部史郎
君) お答え申上げます。
只今
佐藤
政府委員
から申上げましたのは、いろいろ折衝の経過を申上げたわけでございますが、結局現内閣におきまして國会に御提出いたしましたのは、先程私が御
説明
申上げました
通り
、
代表者
というものはその
職員
の
團体
において
構成員
以外からもこれを選び得るというようにいたしましてこれを提出いたしたわけであります。
從い
まして明らかにその点におきましては、原委員の仰せの
通り
の見解を取
つて
おるわけであります。その点は
公共企業体労働関係法案
におきましても、
團体
交渉を行う場合におきましてその
公共
企業体の
職員
を
代表
する交渉委員が必ずしもその
團体
の
構成員
に限られてないというのと、首尾一貫しておる次第でございます。
原虎一
51
○原虎一君 次は政治行動に関する問題でありますが、この
改正法律附則
の第
二條
に基きまして、「
職員
で既に
公選
による
公職
に在る者は、昭和二十四年二月一日前にその
公職
を退いて辞表の写及びその辞表が受理され、且つ、その効力を生じたことを公に証明する書面を
人事院
に送付しない限り、その日においてその官職を失うものとする。」というふうにな
つて
おります。
公務員
というものがはつきりして、限界が明らかにな
つて
おればこれでもよろしいのでありますが、今日提案にな
つて
おります國有鉄道法であるとか、專賣公社法
関係
の
法律
から見まして、この專賣
関係
の從業員と國鉄從業員は、
公務員
法の
適用
を受けない
政府
職員
というものができるわけであります。そうすると、これはこの
法律
が実施されますというと、現在鉄道
職員
で
公職
を持
つて
おる諸君が即座に二月一日までに辞めなくちやならん。併し今度は鉄道國有法が通過しますれば、
公務員
でなくなるのでありますから、辞める必要がない、そういう具体的な問題が起
つて
來るのであります。又
人事院
において決定されることによ
つて
公務員
法の
適用
を受けない
政府
職員
というものがある。それを進駐軍
労働
者の中にある者に、そういう問題が起きて來ると思うのであります。こういう具体的な時間的な
関係
において、当然持
つて
おられる
権利
を喪失しなければならない。こういう問題が起きて來る虞れが想像されるのでありますが、こういう点はどういうふうにお
考え
にな
つて
おりますか、お伺いしたいと思います。
岡部史郎
52
○
政府委員
(
岡部史郎
君) お答え申上げます。この
附則
第
二條
ができました
趣旨
は、百
二條
に遡りまして、百
二條
の第二項によりますと「
職員
は、
公選
による
公職
の
候補者
となることができない」ということにな
つて
おりまするから、その
法律
の当然の解釈といたしまして、この
法律
が
施行
されまするならば、
國家公務員
で
公選
による
職員
にある者は、当然その職務を失うことになろうかと思うのであります。併しそれは甚だ酷な
措置
になるのでありまして、事情の許します限り、その
國家公務員
の職にある者が、現に持
つて
おりまする既得権と申しますか、既得の地位、これはできるならば適当な
機会
までこれを保有させることが妥当なことは、仰せの
通り
でございます。その
意味
におきまして、それぞれ折衝を重ねまして、最後に二十四年二月一日まで延びたわけでありまして、これも御
承知
の
通り
私がいつぞや申上げた頃の時期よりは更に延びておるわけでございます。そういう間の事情も御諒察頂けたらと、こう存ずるのでありますが、何と申しましても、
只今
原委員が仰せの
通り
現在におきまして、
國家公務員
で將來の時期におきまして、即ち
日本
國有鉄道法でありますとか、專賣公社法は、これは來年の四月一日から
施行
になる
予定
と承
つて
おりますが、その後に
施行
になりまするならば、その後は
公職
を兼ね得る
職員
でありまして、現在の下におきましては兼ねられなくなる、こういうギヤツプが出て來ることは、これは仰せの
通り
でございます。これはいろいろ経緯があるわけでありますが、併し結局それらの國有鉄道或いは專賣公社に属する
職員
にいたしましても、國会議員でありまするとか、地方議会の議員とかいうような、主な
公職
とは兼ねることができないようなそういう案で、その点におきましては、或る
程度
までその矛盾を事実上は少くなるような、案としては出ているわけでありまして、今後御
審議
頂くわけでございますが、案の
建前
としてはそういうような
構想
で、そのためにギヤツプは事実問題としてはそう多くはない、こういうように
考え
ておりますが、仰せのギヤツプは一應確かにあろうかと思
つて
おります。
原虎一
53
○原虎一君 もう一つお伺いしたいと思いますが、それはこの
法律
によりまして、
公務員
は勿論
労働組合法
の
適用
を受けないことにな
つて
おります。併し
労働組合法
の四條から行きますれば、警察官、消防夫、監獄に從事する
職員
は、これは
労働
者の
團結権
を持
つて
いない。
公務員
は
労働組合法
による
團結権
は持たない。
公共
企業体の
労働
者は、私はまだ十分研究いたしておりませんが、そういう関連法との
関係
において、一体この
公務員
法に基く
職員
組合
を作れるのかどうか。
團結権
の禁止されておる
労働組合法
との
関係
であります。これらについては
政府
当局
はどういうふうにお
考え
にな
つて
おりますか。
公務員
には違いない、監獄に從事する
職員
、それから消防夫、警察官は……
労働組合法
で禁止されておるということと、この
公務員
法によ
つて
職員
組合
組織
ができるということと、この点の
関係
はどういうふうに法的に解釈したらよろしいか、お伺いしたいと思います。
岡部史郎
54
○
政府委員
(
岡部史郎
君) 恐れ入りますが、
ちよ
つともう一度おつしや
つて
頂きたいと思います。恐縮でございますが……。
原虎一
55
○原虎一君 簡單に申しますと、
労働組合法
の第四條に基いて、監獄に從事する者、消防夫、警官は
労働組合
は作れない。
公務員
法に基くと、これは
職員
組合
は作れる。そうすると、これは
労働組合法
と
公務員
法との関連はどういうふうにな
つて
來るか。法的解釈を明らかにして頂きたい。
岡部史郎
56
○
政府委員
(
岡部史郎
君) 私のお答えに或いは誤解があろうかと存じますが、聽き違えましたら又改めてお答え申上げますが、
警察職員
、
消防職員
及び海上保安廳又は海上において
勤務
する
職員
というものは、
從來
におきましては
労働組合
を
結成
することができなかつた。今度の
國家公務員法
の中に取入れられました場合においては、
当局
と
勤務條件
に関して交す渉る
團体
を
結成
することが許されないものであるということを、先程申上げたのでありまして、原委員はそういう
團体
を
結成
することができるというように仰せられたように思いますが、それはできないと私共申上げたのでございます。
原虎一
57
○原虎一君 私少し出席が遅れましたから、その
説明
を聽いていなか
つたの
で……。それなら私も言う必要はないと思います。それで結構です。 〔羽仁五郎君発言の
許可
を求む〕
山田節男
58
○
委員長代理
(
山田節男
君) どうでしよう、お諮りいたしますが、すでに十二時半でございまして、速記を十二時以後は成るべく使わないということで、三十分経過しておりますが……。まだ御質問もあるようでございますが、一つ次回にお讓り願えませんか。
羽仁五郎
59
○羽仁五郎君 了解いたしました。
山田節男
60
○
委員長代理
(
山田節男
君) それでは次の会に讓りまして、今日は散会いたします。 午後零時三十分散会 出席者は左の
通り
。
人事
委員 理事 木下 源吾君 小串 清一君 委員 赤松 常子君 大山 安君 東浦 庄治君 羽仁 五郎君 岩男 仁藏君
労働
委員
委員長
山田 節男君 理事 一松 政二君 平野善治郎君 委員 原 虎一君 村尾 重雄君 田口政五郎君 田村 文吉君 早川 愼一君
政府委員
臨時
人事
委員 上野 陽一君 総理廳事務官 (臨時
人事
委員 会事務局長) 佐藤 朝生君 総理廳事務官 (臨時
人事
委員 会事務局法制部 長一級) 岡部 史郎君