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1948-11-13 第3回国会 参議院 経済安定委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十三年十一月十三日(土曜日)
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
適度経済力集中排除法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣送付
)
—————————————
午前十時五十二分開会
佐々木良作
1
○
委員長
(
佐々木良作
君) それでは
只今
から
委員会
を開会いたします。回数は第二回の
委員会
にな
つて
いる筈であります。昨日の理事の方との打合せによりまして、今回の
委員会
の
議題
は
予備審査
のために
付託
にな
つて
おりまする
過度経済力集中排除法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
に供したいと思います。
規則
によりまして、この
法案
の
審議
の前に
内閣提出
に係るものでありますから、
議案
の
趣旨説明
を
内閣
から聞くことにな
つて
おりますから、先ず
議案
の
趣旨
の
説明
を
政府
の方に願いたいと思います。よろしうございますか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
佐々木良作
2
○
委員長
(
佐々木良作
君)
説明
を終りましたら、直ぐ御自由に
質疑
に入
つて
貫いたいと、こういうふうに考えますから、そのように御了承願います。先ず
政府委員
は先程申上げましたように、長官は差支えているそうでありまして、
政務次官
の
中川
さんと、神田さん及び
安定本部
の
財政金融局長
の
内田政府委員
が見えております。先ずそれじや
政府委員
から本
議案
に対する
趣旨
の
説明
をお願いいたします。
中川以良
3
○
政府委員
(
中川以良君
) 本日
大臣
が出まして、御
説明
を申すべきでございましたが、
只今委員長
から
お話
がございましたごとく、急にG・H・Qの方に呼ばれて参りましたので、私が代
つて
御
説明
を申上げることにいたします。 今回本
委員会
において御
審議
をお願いをいたすことに相成
つて
おりますところの「
過度経済力集中排除法
の一部を
改正
する
法律案
」につきまして、御
説明
を申上げます。 昨年十二月八日公布
施行
されました
過度経済力集中排除法
におきましては、本來この
法律
が
経過的性質
のものでありますることと、並びにその他の
事情等
からいたしまして、
財閥解体
の
機関
として先に設立されておりますところの
持株会社整理委員会
をしてこの
法律施行
の当面の
担当機関
としているのであります。 併しながら、この
法律
第二十六條の
規定
によりますると、「この
法律
の
規定
による
持株会社整理委員会
の
職権
及び
記録
並びに必要な
職員
、将來これを
公正取引委員会
に移す」ことを
建前
といたしている次第でございます。而してこれが
移管
に関しては、別に
法律
を
制定
することとな
つて
いるのでありまして、その
法律
は、これを本年九月一日から本年十二月
末日
までの間に
制定
いたしますることに
規定
をされているのでございます。併しながら、この
法律施行
一ヶ年の
状況
からいたしまするというと、
過度経済力集中
の
規定
につきましては、すでに一應これを完了いたしているのございまするが、これが
具体的排除
の
措置
につきましては、当初予想されましたところより遅れておりまする一面と、最近この問題に関しまする微妙なる
情勢
の動きもございまして、
関係方面
の意向によりまして、右の
移管
に関しまするところの
法律
は、これを今直ちに
制定
することを適当としないことが明瞭と
なつ
たのでございます。よ
つて
この際この
立法期限
を先に延長いたす必要があるのでありまして、これを一應明年の六月三十日まで
延期
をいたすこととしまして、この点について
現行法
第二十六條の
改正案
を本
國会
に
提案
をいたしました次第であります。 右に申述べました
通り
、今回の
改正案自体
は、極めて簡單な
事項
でありまして、
権限等
の
移管
に関する
法律
の
制定期限
を一時
延期
することだけであるでございます。御
審議
の上において速かに可決せられんことを御願いを申上げまする次第でございます。
佐々木良作
4
○
委員長
(
佐々木良作
君) 一應の
趣旨
の
説明
を得たわけでありますが、これに対しまして御
質疑
がありましたらお願いしたいと思います。
西川昌夫
5
○
西川昌夫
君
集排法
の
所管
は、
持株会社整理委員会
ということにな
つて
いるわけでありますが、我々の安本の
所管
には
持株会社整理委員会
の
所管
を
國会法
に想定してなか
つたよう
ですが、これはどうな
つて
おりますか。
佐々木良作
6
○
委員長
(
佐々木良作
君) それは、私に対する
質問
でございますか。
西川昌夫
7
○
西川昌夫
君 それを
委員長
でなくて、
所管
の方にお願いいたします。
内田常雄
8
○
政府委員
(
内田常雄
君)
只今
の
西川委員
の御
質問
に対してお答え申上げます。正直なところ、私共も
只今
の
西川委昌
の御
質問
の
通り
の感があることをみずから考えておるのでございますが、御
承知
のように、この
持株会社整理委員会
は、先程
提案趣旨
の御
説明
の中にございましたように、元來この
持株会社整理委員会
は
財閥等
の
解体
のために作られました
機関
ではありますけれども、これがいわゆる
ポツダム宣言
による
勅令
であり、且つ又その後
法律
を以ちまして、一部
改正
はせられたと思いますが、
一つ
の行政的の
機能
は行うけれども、正確な
意味
における
行政機関
ではなしに
法人
であると、これは、
持株会社整理委員会令
の第一條にもその
規定
があるのでございまするが、
行政機能
に行うけれども正確の
意味
の
行政機関
ではないと、むしろ
一つ
の特別な
法人
である。こういう今までの我が國の
法律組織
とは非常に
違つた性格
を持
つて
おる。從いまして又然る
ゆえん
のものは、
財閥解体
或いはこの
温度経済力集中排除法
の
実施
を担当いたしますためには、國の
行政機関
であ
つて
は恐らく
連合軍
の
占領政策
を最も障害なしにやることが困難だ、むしろ國の
行政組織
からは一應切り離したところの
只今
申しましたような
一つ
の特別な仕組を作
つて
やることが、この
占領政策
を最も円滑に且つ最も短
期間
に仕上げる
ゆえん
であるというような
著想
から、
関係方面
の
指令
もございましてさような
機関
ができたのだろうと思います。そこでさような
性質
を持
つて
いる
持株会社整理委員会
がこの
集中排除
の
担当機関
となりましても、みずから
國会
に対して
法律
の
改正
その他につきまして、
政府委員
として当るというようなことが、必ずしもその
持株会社整理委員会
の機構の筋から出て参らない。ただ
持株会社整理委員会
はさような
性格
を持
つて
おりますけれども、公の
機関
であることは、これも
持株会社整理委員会令
の
規定
にあることでございまして、その
一般的監督
は
内閣総理大臣
がこれに当る、こういう
規定
にもな
つて
おりまして、その
関係
するところはむしろ
商工省
、
大藏省
、実体的には
商工省
、
大蔵省等
が多いのでありますけれども、まあ
内閣総理大臣
の直接所轄の下に、
経済安定本部
がその他の
一般政策
と
関連
もありまするから、
國会
に対しましても今回の
改正等
につきましてはその衝に当るのが便利であると、かような見地から
安定本部
から
内閣
を通しまして
國会
に
提案
されたものと考えております。
佐々木良作
9
○
委員長
(
佐々木良作
君) よろしうございますか。
西川昌夫
10
○
西川昌夫
君 了承いたしました。
佐々木良作
11
○
委員長
(
佐々木良作
君) 尚
國会
に提出されたものの
委員会
に対する
付託
は
議長
の
権限
でありまして、
議長
が
運営委員会
に諮
つて
掛ける。
從つて本院
におきましては、
議長
が
議院運営委員会
に諮
つた
上で当
委員会
に掛けられるものであります。こういうように了承しております。
帆足計
12
○
帆足計
君
集中排除法
の
実施
につきましては、先般にいわゆる四
原則
が発表されまして、紆余曲折を経ておりますように承
つて
おりますので、この
法案
を
審議
します前に、私は最近の
運営
の実情についてお伺いしなければ、御
質問
も十分できないようなふうに考えますので、
委員長
のお取計らいで皆さんにお諮り下さいまして適当なときに本日最近の
実施
の
状況
につきまして、要点を伺いたいと思います。
佐々木良作
13
○
委員長
(
佐々木良作
君)
只今帆足委員
から、
審議
に先立
つて
同
法案
の最近における
実施状況
の
説明
を
政府
から求めたいというような
お話
でありますが、よろしうございますか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中川以良
14
○
政府委員
(
中川以良君
)
只今
の
帆足委員
の御
質問
に対しまして、最近の
情勢
につきまして概略の御
説明
をさして頂きたいと思います。 御
承知
のように
過度経済力集中排除法
は、昨年の十二月十八日に公布
施行
されたのでありまするが、これに伴いまして
持株会社整理委員会
は本年三月八日に
過度経済力集中排除法
に基く
手続規則
及び
鉱工業等
における
過度
の
経済力集中
に関する
基準
を公布いたしております。
過度
の
経済力集中
として、
鉱工業部門
二百五十七社を
指定
いたしたのでございます。引続きまして同
委員会
は二月二十二日に
配給業
及び
サービス業等
の
部門
におきまするところの適度の
経済力
の
集中
に関する
基準
を公布をいたしております。
過度
の
経済力集中
といたしまして、
配給業
及び
サービス業部門
六十八社をこの際に
指定
をいたしたのでございます。かようにいたしまして
指定
されました
会社数
は、総計三百二十五社であります。この内五十社は後において
指定
の
取消
が行われたのでございます。残り二百七十五社の内百七十五社につきましては、單にその
所有株式
の
開放等
を行う程度で足るものと認められたのでございます。爾余の百社につきましてのみ
当該企業
の再
編成
、即ち
企業
の
分割
を必要とするものと内定されて今日に至
つて
おるのでございます。この百社は概ね大
企業
でございまして、その再
編成
の如何によりましては、我が
國民経済
に重大な
影響
を及ぼすものであるのであります。この百社の内すでに
日本曹達
、
日産化学
、神戸製鋼、
日本鋼管
、
扶桑金属
、
日本製鉄
、
王子製紙
などの
企業
については一
應再編成計画
の
指令案
が発せられておることは皆様すでに御
承知
の
通り
であります。然るに最近に至りましてすでに
新聞紙上等
で以て報道されておりますように、改めて
過度経済力集中排除法
の
運用
に関しまするところの
四つ
の
原則
が示されたのでございます。これによ
つて
著しい
情勢
の変化が認められて
参つて來
た次第であります。即ちこの
四つ
の
原則
と申しますのは、一は、
過度
の
経済力
の
集中
として
指定
さるべき
会社
が
競争
を制限し、又他のものが独立して
事業
を行うことを妨げておるということが明らかな証拠が示されない限り、その
指定
は解除さるべぎである。その二は、
指定
された
会社
が本來の
事業
に無
関連
な
事業
を兼営しておるということだけでは、
過度
の
経済力
の
集中
とは言えないということであります。その三は、
指定
された
会社
が自発的に再
編成計画案
を提出しておるということを理由として
集中排除
の
措置
を
決定
してはならないということであります。
最後
の四は、
集中排除
の
措置
は、
指定
された
会社
が
過度
の
経済力
の
集中
として
指定
された
事項
と直接
関連
するものでなくてはならないということであります。こういう
集中排除
の
運用
に関しまする
四つ
のプリンプシプルであるのであります。この
原則
は
集中排除法
の
根本精神
を変えるものでないとは言われておりまするけれども、その
運用
については極めて微妙な新らしい
基準
を與えられたものでございまして、先に
企業
の
分割
を必要とすると認められましたところの
企業
でありましても、例えば
日本曹達
、
日産化学
のような
企業
に対しましては、十一月五日それぞれ
指定
の
取消
を見るに
至つたの
でございます。
過度
の
経済力集中排除法
による
企業
の再
編成
の
進行状況
は、大体以上のような次第で
只今
進んでおりまする次第でございます。
帆足計
15
○
帆足計
君 先般発表されました四
原則
につきましては、私も当時最初の
過度
の
経済力集中排除法
の
審議
に当りまして
鉱工業委員
としてこれに参加したものであります。当時
委員会
におきましてほぼこの四
原則
と同様の
趣旨
の
運用
上の
解釈
が
委員会
において確認されております。そうして
速記録
にこの
趣旨
は概ね載
つて
いる次第であります。從いまして当時
委員会
におきましてこの
法案
を
審議
し、これを通過せしめました
委員会
の
趣旨
と、この四
原則
とは大体において合致するものでありまして、ここに到達したということはそれに参加しました
委員
の一員としまして私は極めて満足するものでありますが、その後の
経過
につきましては
只今中川次官
から承わりましたが、更に最近
審議
はどういうふうに進んでおりますのか。
只今
御
意見
を伺いますと、すべて通達したものも一應
取消
にな
つて
いるようでありますので、この
法案
を適用して
解体指定
が出ました
会社
はまだ一社もないわけでございますか。
内田常雄
16
○
政府委員
(
内田常雄
君)
帆足委員
の御
質問
の
通り
、この
指令
によ
つて
解体
しましたのは一社もございません。
只今政務次官
から
お話
のございました、最近
指令
の
取消
のございました
日本曹達
、及び
日産化学
におきましても、
日本曹達
のごときは再
編成指令案
が出ましたのは本年の七月二十一日、それから八月十日に
聴聞会
を済ませまして、
最後
の
分割
の
決定指令
が八月二十七日に通達せられでしま
つて
いるのであります。從いましてこの法定の
期限
内に不服の申立でもない限り、それはもう最終的に
決定
した筈でございますけれども、それがこの本月の五日に至りまして
決定指令
を覆して
指定
の
取消
をいたした、こういう
法律
の
手続
の流れからは必ずしもきちんと行かないような形で
指定
の
取り消し
が行われております。
日産化学
におきましては、これは
指令案
が通達せらただけでありまして、
決定指令
がまだなく、
聴聞会
を開きました結果、
利害関係人
におきましても全部
分割案
に
反対
したという経緯もございまして、同じく十一月五日
指令
の
取消
がございました。その他すでに
指定
を受けました
会社
、或いは
指令案
が通達せられました
会社
におきましては、或るものは
聴聞会
の開催が
無期延期
とな
つて
おります。御
承知
のようにこの法令の
規定
によりますと
指令案
の通達せられた後十五日を超えた日に
聴聞会
がある筈でございますが、
扶桑金属
であるとか、或いは
日本鋼管
であるとか、こういうような
会社
におきましては
聴聞会自体
が
無期延期
にな
つて
いる。又
王子製紙
とか、或いは
日鉄
のような
会社
におきましては、これも
政務次官
の
お話
のように、そういう
指令案
は出ているのでありまして、又その後も
聴聞会
も開かれているのでありますが、この
聴聞会
におきましては両者とも
利害関係人
は全部
分割案
に
反対
の
意見
を表明したということを漏れ聞いているのでありますが、それもさような
反対
の
経過
のままで未だ最終の
決定
はない、かような次第にな
つて
おります。
帆足計
17
○
帆足計
君 そういたしますと、それからその後の現在の
整理委員会
の
運営方針
といたしましては、新たに確認されました四
原則
に從いまして從来の御調査を再検討しますために
愼重
な
態度
を取
つて
おられるのであ
つて
、研究の方は続行しておる。こういうふうに考えてよろしいわけでございますか。
中川以良
18
○
政府委員
(
中川以良君
)
只今帆足委員
の御指示になりました
通り
でありまして、この四
原則
につきまして更に
愼重
なる検討が加えられておるものと存じます。
佐々木良作
19
○
委員長
(
佐々木良作
君) 他に御
質問
ありませんですか。……では、私が
ちよ
つと、お伺いしたいのですが、今のと
関連
するのでありますが
集排法自身
の
内容
の
緩和改正
が
規定
されており、そうして近いうちに
法律案
として出す出さんの話が大分前にありましたのですが、その辺の
関連
とこれのただこの
内容
だけの
延期
との
関連
についてお分りにな
つて
おるところがありましたら御
説明
願いたいと思います。
内田常雄
20
○
政府委員
(
内田常雄
君) その辺は必ずしも私審らかにはいたしませんけれども、
集排法自体
の
改正
につきましては先程
帆足委員
から御発言がございましたように、この
集排法
のそもそもこの「
過度
の
経済力
の
集中
」とは何ぞやということにつきまして昨年の
政府
が
國会
に提出いたしました原案におきましては非常に辛い、ひよつとすると何でもかんでもこの
集中排除
という烙印を打たれるような
規定
の仕方でいろいろ並べてございましたのを、
國会
におきましてもいろいろ御苦心になり、又
関係方面
にも当りまして、今日第三條……お
手許
にお配りしてございますが、第三條にございますように、
指定
の
対象
になるところの
集中
とは
專ら営利
を目的とする
私企業
又はその
結合体
である。そうしてその
事業分野
における
企業
が非常に大きいために
競争
を制限する。又は他の
企業
が独立して
企業
を営むことを妨げておるものというような一本の太い
ライン
に、或る
意味
におきましては考え方の非常に大きな
改正変更
が
國会
の手によ
つて
行われまして今日に至
つて
おるのでありまして、先程も
お話
が出ましたように、今日示されましたところの四
原則
も專らこの
ライン
に忠実に從
つて
おります。ただこの
國会
をすでに通
つて
公布しておるところの
現行法
におきましても、実は三條の
経済力
の
集中
とはかくかくのものであるという
改正
された
規定
と矛盾するいろいろな
事項
がそのまま残
つて
おるところがありまして、これ亦当時のことを御
記憶
であり、又御
関係
になられた
委員
の方がおられますと分ると存じますが、例えばこの三
條はさよう
に直しておりながら
現行法
の
二條
にいろいろ
定義
がございますのを、
現行法
の
二條
の
定義
の中には三條を根本的に修正した結果、その
定義
が要らなくな
つて
しま
つた
。かかる
集中排除
は予想しないようなものまでも
二條
においては書かれている。この
二條
の
書き方
を精密に御覧になると、例えば
二條
の初めの方で「この
法律
で
企業
とは、」「この
法律
で
独立企業
とは、」というようなことで「この
法律
で」ということではつきり謳
つて
あるのであります。五項以下になりますと、「この
法律
の
施行
について
独占的性質
の
企業
とは、」或いは六項におきましても、「この
法律
の
施行
について
関連性
のない
事業分野
とは、」というような
書き方
にな
つて
お
つて
、この
法律自体
においてはもうかような
定義
は要らない。ただ今後実際にこの
法律
の
運用
に当
つて
この
持株会社整理委員会等
が、先程
政務次官
から御
説明
がございました
集中排除
に関する
基準
を作るその際において、
言葉
は悪いかも知れませんが、未練がましく
独占的性質
を有する
私企業
を
集中排除法
の
対象
にするとか、或いは二以上の
事業分野
に亘
つて
独占的な
事業
を経営しておるところの
会社
を
集中
の
対象
として考えるとか、或いは又第三條で
改正
されましたところの
私企業
のみならず、
二條
にございますように、
二條
の
終い
の方の
定義
にございますように、個人とか、家族とかいうものの富の
集中そのもの
を
集中排除
の
対象
にするかも知れないというようなことのために、妙な
尻尾
だけが、その当時は故意に
法律
の
二條
には残されてお
つたよう
に今から思うと考えます。從いまして又先刻
政務次官
から
お話
がございました本年の二月何日かに
持株会社整理委員会
が定めたところの
集中排除
の
基準等
におきましても、これ亦未練がましくそつくり三條の
競争
を制限し、或いは独占的に現実にな
つて
いるというものの外にいろいろやはりむずかしい
範囲
を拡げたような
基準
が載
つて
おります。これらにつきましては、お
手許
に
持株会社整理委員会
の公示第一号以下といたしまして、殊に
鉱工業等
の
部門
における
集中排除
の
基準
であるとか、或いは
配給業
、
サービス業
の
集中排除
の
基準
であるとか、さようなものにはまだ未練がましく
尻尾
が残
つて
いる。從いまして
法律
の
建前
としては、三條の
精神
をそつくり活かして行こうということを以て、今の段階においては必ずしも手を入れる必要もないのじやなかろうか、要すれば、この
持株会社整理委員会
の予測的な
基準
を四
原則
に合わしてや
つて
しまうということで、早くこの
手続
を終結してしま
つた
方がいいのじやなかろうかと存じます。当時この
法律
が今回御
改正
をお願いいたしましたように、二十六條におきましては本年九月一日から十二月
末日
までの間に
持株会社整理委員会
の
権限
、
記録
、
職員等
は
公正取引委員会
に移すという
規定
を置きます
ゆえん
のものも、大体その
期間
くらいまでの間には
集中排除
の
基準
はもとより、
集中排除
の
具体的措置等
も、
企業
の
分割
再
編成等
の目鼻をつけてしま
つて
、後の監視的な
仕事
を
公正取引委員会
に委してしまう、
公正取引委員会
は本来の
建前
である
独占禁止
の
規定
と併せて残務を処理するというところまでも想定してお
つた
ものと思われますので、今日丁度その時期に來ている。ただ今回この
期限
を延ばします
ゆえん
のものは、これから又新らしい
指定
をするとか、或いは
排除
の
具体的措置
を非常に廣く
解釈
して、
残つた各位
について皆ばたばたと
排除
の
指令
を出すということのためではなくしてむしろ
持株会社整理委員会自体
をして、戻すものは戻す、
取消
すものは
取消
すという恰好をはつきりさせるために
公正取引委員会
の方に移すための
法律
の
制定
時期を
ちよ
つと待
つた
方がよかろうと、こういう
解釈
からでございます。尤もこのことは、先程
西川委員
の御
質問
にも
関連
するのでありますが、私共は
專ら外
を取巻いて観察しておるだけでありまして、正確なところは
持株会社整理委員会
の
委員
の方にでもお伺いしないと申上げられませんが、大体の観測はさようなところだろうと思います。尚
速記
を止めて頂いた方がよいと思いますが……。
佐々木良作
21
○
委員長
(
佐々木良作
君)
速記
を止めて下さい。 〔
速記中止
〕
佐々木良作
22
○
委員長
(
佐々木良作
君)
速記
をどうぞ開始して下さい。そうすると今直ぐには
法律
の
内容
の
改正
は、少くとも今会期中に出るということは恐らくなかろうというふうに感じていいわけですね。
内田常雄
23
○
政府委員
(
内田常雄
君) さようでございます。
佐々木良作
24
○
委員長
(
佐々木良作
君) 外に御
質問
ありませんか。
帆足計
25
○
帆足計
君 そういたしますと、従來出ました
法律
の
解釈
とやや離れました二号、四号の
基準
ですね。これはすでに正式に
取り消し
になりましたですか。
内田常雄
26
○
政府委員
(
内田常雄
君) な
つて
おりません。死んでおるものと
解釈
した方がよかろうと思います。四
原則
によ
つて
殺されたと
解釈
されたらよかろうと思います。この辺は次の
委員会
まで私も
持株会社
の方に参りまして落した方がよかろうということを勧告して見ようと思います。
帆足計
27
○
帆足計
君
集中排除法
を半年延ばすということにつきましては、
一つ
は延ばすという以上は、我々先般
集中排除法
を
制定
しましたときの
委員
から非常に強い
意見
がありまして、
過度
のという
言葉
を確かそのとき入れたと思うのですが、
國民
の
記憶
に新らしいところでありますから、そういう観点から現在の
運用
の
状況
をよく檢討して、そうして我々
國会
の意思のあるところを
司令部
にも十分に納得して頂いて
政府
並びに
司令部
にも反映して頂いて、そうしてそれから逸脱した
運用
が過去に行われていたとしましたならば、できるだけそれを直すようにやはりせねばなりませんから、今の第二号、第四
号等
の
解釈
につきましては、やはり
政府委員
の方において次までに
内部折衝
をして
態度
を明らかにして頂いて何か納得行くような
状況
にしてこの
法案
の継続の問題を
審議
すべきであると思います。 それから第二には、この
集中排除法
は、御
承知
のように非常に多くの
手続
や
認可等
を、
指定
されておる間必要する
法律
でありますから、幸いに最近
制限会社令
の方の
施行
が緩和されましたのに、
集中排除指定
にな
つて
おります百社は、殆んど
影響
のない位多くの
手続規則
に依然として縛られておる。而もそれらの
会社
は
日本
における
経済再建
の最も基盤をなす産業でございますから、私どもとしましては、これが早く解決つくことを非常に切望せざるを得ないわけでありまして、果して六ヶ月の
期間
が妥当なりや否やということのつきましても、もう少し
愼重
に
審議
いたしたいと思いますので、その点も
政府委員
におきましては十分予備的に御研究下さいまして、次回で
一つ一つ意見
を承りたいと、こう思うわけであります。
内田常雄
28
○
政府委員
(
内田常雄
君)
只今帆足委員
の御説の中に、この点は
一つ
各
委員
の方に
誤解
のないようにお願いたしたいことは、今回の二十六條の
改正
は、
集中排除法そのもの
の働く
期間
を六ヶ月先に延ばすとか、或いは又
持株会社整理委員会
が今や
つて
おる
仕事
を
公正取引委員会
に
移管
するその
期間
を六ヶ月延ばすということ、いずれでもないのでありまして、これは二十六條の見方が非常に難しいのでありますけれども、そうではなしに、
持株会社整理委員会
の
職権等
を
公正取引委員会
に移すことについては
法律
が要る。その
法律
を出す
期間
を先に延ばすという
間接法
にな
つて
おるのでございまして、仮に
現行法
二十六條の
通り
この際別の
法律
を作るといたしましても、これは本年一杯は
持株会社整理委員会
の
機能
を
公正取引委員会
に当然移すということにはならんのでありまして、将来の時機を見計ら
つて
、來年のいつ移すか。どういう
手続
を移すか、
記録
はどの
範囲
まで移すか、
職員
はどの
範囲
まで移すかということを
法律
で決めるということにな
つて
おるので、この
法律そのもの
の
制定
時期を今この際がたがたしない。これだけのことでございますから、この点
一つ誤解
のないように願います。尚二十六條を我々読みましても、お
手許
にございますが、「
持株会社整理委員会
の
職権
及び
記録
、並びにこの
法律
の目的の達成を確保するために必要な
職員
は、昭和二十三年九月一日から同年十二月三十一日までの間において別に
法律
で定めるところにより、それを
公正取引委員会
に移す」この十二月三十一日までの間に
公正取引委員会
に移すというこの
法律
は、言語でありますけれども、これは英文とも対照が非常に悪か
つた
と思うのでありまして、英文そのものはこの
期間
において
法律
を作る、こういう明瞭な
書き方
にな
つて
おる。今日におきましては專ら「別に
法律
で定めるところにより、」という下に点がある。この点が生きておるというむずかしい読み方をしておると御
承知
を願いたいと思います。
佐々木良作
29
○
委員長
(
佐々木良作
君) 外に御
質問
ございませんですか。若し御
質問
がないようでありましたならば今日最初の
説明
に対する
質問
でありましたので、まだ御準備も十分でないかと思いまするし、それも尚
政府
側の方につきましての
質疑
のこつちのポイントも明らかでなか
つた
ので、
質疑
は次回にもずつと継続いたしまして、一應今日の
委員会
は閉じて、そうしてこの
法案
の
審議
についての御相談を打合会か何か
ちよ
つとして頂いてはどうかと思うのでありますがよろしうございますか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
佐々木良作
30
○
委員長
(
佐々木良作
君) それでは
質疑
は尚次回に続けることにいたしまして、次の
委員会
その他につきましては理事の方と打合せて
決定
をいたしたいと思います。今日の
委員会
はこれで閉会いたします。 午前十一時三十三分散会 出席者は左の
通り
。
委員長
佐々木良作
君 理事 西川 昌夫君 安達 良助君 帆足 計君
委員
三木 治朗君 川村 松助君 池田七郎兵衞君 鎌田 逸郎君 藤井 丙午君
政府委員
経済安定
政府
次 官
中川
以良君 総理廳事務官 (
経済安定本部
財政金融局長
) 内田 常雄君