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1948-11-16 第3回国会 参議院 運輸委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年十一月十六日(火曜日)   —————————————   委員の異動 十一月十五日(月曜日)委員加藤常太 郎君辞任につき、その補欠として橋本 萬右衞門君を議長において選定した。   —————————————   本日の会議に付した事件観光事業に関する小委員の選定 ○輸送力増強に関する件 ○日本國有鉄道法案内閣送付)   —————————————    午後一時三十八分開会
  2. 板谷順助

    委員長板谷順助君) これより委員会を開会いたします。先般御承認を得ました観光事業の小委員七名ということでありますが、委員長、理事に御一任になりました結果、その人名を発表いたします。小泉秀吉君、大隅憲二君、入交太藏君、小野哲君、高田寛君、結城安次君、丹羽五郎君、以上七名を小委員として御承認をお願いいたします。
  3. 内村清次

    内村清次君 七月から八月を中心といたしました鉄道輸送秩序が保たれなかつた事件につきまして、実は前回委員会におきまして、私質問をしたわけでありまするが、これも六月の二十九日に、今回の七月一日からのダイヤ改正が、組合との交渉において、どうも妥結点に入つておらない。而も又この状態を以て行なつたならば、必ず將來において、鉄道の一番重大である正確及び迅速、安全という見地から逆行したような程度の下に、いわゆる労働強化保安度低下の下に、今回のダイヤ改正ということは施行せられつつある、その状態に鑑みて、先ず根本的な対策を作らないと、將來輸送関係において重大なる事態が起るであろうということを、本委員は警告したわけでありまするが、当時の責任者である加賀山長官は、そういう事態は絶対に起らない確信があるというような答弁であつたことも、前回委員会で申上げた通りでありまするが、その後、七月から八月にかけて、恐らく鉄道では、この國有鉄道開設以來、初めてのああいうような輸送秩序が乱れてしまつた、これは原因はいろいろ考えられましよう。先ずいろいろと申しますると、勿論この点につきましては、組合関係におきまして、いわゆる青年從事員であり、又特にその該当者であるところの機関助手の方面においての労働強化、この面についての組合より完全な了解を得なかつたということも大きな原因でありましようし、その他の問題につきましては、この委員会においては、先ず言葉を避けますが、これは答弁を聽きました後において明らかにしたいと思いまするが、かようなこと、即ちこの鉄道使命であるところの安全、正確及び迅速という大きな問題の中で、特に安全の問題、即ち安全の問題というものは、運轉というものが特に鉄道開設以來堅持して來た問題であつて、その保安度の問題については、この運轉関係者は傳統的にこの保安度低下して貰いたくない、又運轉事故を起さないという思想は堅持して來た考えでありまするが、この七月一日からして保安度低下している、例えば閉塞区間併合する、或いは後部車掌を廃止する、それから列車防護省略をやる、こういうようなものは特に人命、財産の防護に対して軽視したような感じがいたしまするが、この問題、それから特に労働力強化につきましては、この委員会でも現下の石炭事情に鑑みまして、石炭カロリー向上については、委員会自体が、國民の代表として強力に当局を支援して、各関係長官に働きかけた事実もある。然るにこのカロリー低下のために、お互い運轉從事員は、皆自分の機関車について、非常な努力をして行かなければならないこの困難性、これは殆んど据付けのボイラーに見られないところの困難性、この困難性に打勝つて、そうして又よく輸送秩序を守つているその運轉從事員に対して、漸くこの許されたところの、先ず列車保安、即ち信号注視というような列車保安重大性と共に、そうして労力を均衡化して行く、当然化して行くというような措置が、一挙にして七月一日から廃止されて、そうして四トン以上の自動区間においては二人乘務を禁止しておるという事実が、事実要員関係において本当に充足されて、万全な対策ができて施行されたものであるかどうか。この点について私は将來の鉄道を守つて行く見地からいたしましても、当然この経緯と、それからこれに対する今後なからしめんとするような立場からして、本委員会でも十分檢討して行くのが、当然な委員会の義務でもあると存じまして、私先ず当局者、即ち責任者の責任あるところの御答弁をお願いしたいと思います。
  4. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 運輸事務次官下山定則氏を説明員として答弁いたさせることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 板谷順助

    委員長板谷順助君) それではお願いします。
  6. 下山定則

    説明員下山定則君) 今の御質問にお答えいたします。先ず去る七月一日に行いました時刻改正に当つて、安全の問題、或いは保安度その他の低下を來しておるのではないか。更に労働組合と話が十分に付かないうちに、そういう時刻改正をやつたがために混乱が起つたのではないか。こういう御質問でありますが、私共といたしましては、七月一日に行ないました時刻改正は、一億三千万トン輸送應ずる列車輸送力を設定するということと、旅客列車の方におきましては、幹線急行列車、或いは直通列車等におきまして、先程お話がありました旅客サービス向上するという意味において、列車増発をいたしましたと同時に、石炭カロリーが惡くなつて來ておるに應じて、速度を落して燃料の節約を図る等、いろいろの鉄道運営上、又は公共的な使命を持つている鉄道といたしましての使命達成上、益するところが非常に多いというわけで行なつたわけであります。ところがこれに應ずるためには、從事員の数も相当の数を必要としたわけでございますが、一方國鉄自身経営上の見地から申しまして、要るだけの人をどんどん新規採用をして、これを埋めて行くということは、経営合理化、或いは経営採算上これを許せない事情もありましたので、業務の中でいろいろ配置轉換行なつたり、或いは仕事のやり方を変えたりする方法によつて、これに要する人を賄う方法を取つたわけであります。その中には、先程御指摘になるような保安の問題が起つたのであります。例に取られた閉塞区間併合の問題にいたしましても、成る程嚴格な意味から言うならば、安全度低下ということになりまするけれども、併し閉塞区間併合運轉ということが、戰爭前等においても、以前から相当古くこれを行なつておりまして、特に人の数を減らして行くという場合に、前にもこの方法は採られたことがあつて経験済みのものであります。それから又後部車掌省略した問題につきましても、これも戰爭が終りますまでは、二十年近く後部車掌省略して來た問題であります。終戰と同時に復員者その他非常に車掌において人の余裕ができたために、新らしく後部車掌という制度を作つて列車保安度を増すと同時に、人を有効に使うという意味で、終戰後後部車掌を乘せたものであります。それからもう一つ信号中止という問題がありましたが、これは自動信号区間だけの問題でありまして、先程四トン以上のところの信号区間に二人乘務を止めたというお話でしたが、これは間違いで、四トン以下の話だと思いますが、四トン以上のところでは今でも二人乘務をいたしております。これは労働力関係から言いまして、即ち四トン以上の石炭を食う仕業については、これは二人乘務もそのままでありまして、これは人も増しておりません。四トン以下のところで自動信号区間だけは、これも終戰後機関助手余裕がありましたので、信号中止ということで、一人余計に乘せておつたのでありますが、これらのところの信号中止の問題、後部車掌省略できる区間省略、或いは又閉塞区間併合ということによつて、人を生み出して、七月一日からの時刻改正行なつたわけであります。一方先程のお話のように保安度低下ではないか、絶対に保安度低下をしていないと言えば言えますし、形式的に見て、二人おるところを一人に減らせば、それだけの注意力が減るから保安度低下ではないかという見方をすれば、そういう見方もできる問題でありますが、一方これによつて七月一日から行いましたようなサービス向上なり、列車回数なり、輸送力増強なりということは、どうしても新らしく人を殖してやるわけにはいかんというので、これを生み出す方法といたしまして、そのために特に非常に不安が起るというようなことがないという判定の下に行なつたわけでありまして、現にそのことによつて十何年來の経験もありまするし、又その後もそういうことによつて間違いが起つておりませんし、又私共は起るチャンスがそうあるとは考えておりません。そういうわけで、私共の方といたしましては、今度の時刻改正を実施したわけでございます。その後の七月、八月等におきまして、いろいろ問題を起して、あちらこちらで列車の運行を阻害したような問題が起りましたが、これは先程お話のありました保安度低下等の問題と直接関係があつたようにも私は思いませんので、これは又別に七月二十二日に発せられましたマ書簡、あれによつて出た政令第二百一号等の問題と絡んでおりまして、いろいろと北海道地区その他において列車が切れたりして、一般國民大衆に御迷惑をかけたことにつきましては、私共誠に遺憾千万でありまして、遺憾の意を表さなければなりません。先程の御質疑に対しまして、保安度低下の問題と時刻改正の問題ということについて、一應御答弁申上げます。
  7. 内村清次

    内村清次君 この事態につきまして、先ず組合との交渉過程の如何に遅かつたかという点について私は明らかにしまして、先ずこの点から御答弁をお願いしたのですが、勿論このダイヤ改正の問題が、先ず業務体として、或いは組合に一應、一應というのか、七月一日から、こういうような改正を考えておるのだというような打合せをされたのは、これは昨年の九月の定例第一回の鉄道経営協議会でやつておらるるようでありますが、而もそのときには、ダイヤ改正をこういうふうにやるという具体的事態でなくして、列車運轉合理化一環として、内容一環として、こういう計画が一部にあるというだけで、例えばスピード・ダウンをして石炭を生み出すのだとか、それから機関車長距離運轉は無理であるからして、それに対して合理的な機関車ダイヤを組むのだとか、こういうような、ただ漠たることを言つておられますが、本年に入つて五月、このダイヤ改正を最も関係の深いところの一億三千万トンの輸送計画したときに、更に経営協議会を催されて、そうしてそのときには、一億三千万トンの輸送可なりや否や。これに対して組合の者も協力するかどうか。こういうような打合せがあつたのであつて、又ダイヤ改正の具体的なその事態についての打合せはなかつたように聞いておりまするが、その後六月の二十三日から、丁度一週間前から、この問題に対して本格的に御協議になつておるようでありますが、その点については、その通りでありましようか。
  8. 下山定則

    説明員下山定則君) 今御指摘経営協議会の際においても、時刻改正の必要なこと、それから速度低下長距離運轉その他のことについては、或る程度具体的に経営協議会の席上で話をしておる筈です。それからダイヤ改正の具体的なことにつきましては、六月二十三日に始めてというお話ですが、その前に職能別協議会の方には、ダイヤの具体的なこと、それから乘務員勤務状態のことその他について、具体的に数次に亘つて相談をしております。ただここに六月の初旬から中旬にかけて、執行部の交替がありました。そのために、その間、いわゆる組合全体としての中央執行部との話というものが、止むを得ず切れたのです。そこで新らしい執行部かできて直ぐに、六月十五日に新らしい執行部ができると同時に、そこで具体的な案を今度は組合執行部折衝を始めた。その後数回に亘つて折衝を続けたわけです。ところが組合側としては、最後のどたん場に至るまで、大体よかろうというような話のところまで行つてつて最後組合としての明確な返答がなかつた。ないうちに、返答なしに、六月二十六日ですか、当局の方にも何も連絡なしに、いきなり時刻改正はやらん、やつてはいかんという指令を各機関に出したというようなことから、ああいうごたごたが起つたことが、当時の実情であつたわけです。
  9. 内村清次

    内村清次君 今の職能別協議会とおつしやいましたが、これは即ち運轉協議会でありますが、その運轉協議会お話をされたということはいつでありますか。
  10. 下山定則

    説明員下山定則君) 何月何日というはつきりした記憶はありませんが、年度が変つて四月の終り頃から、運轉協議会運轉局幹部との間には話が始まつてつたと私は記憶しております。
  11. 内村清次

    内村清次君 運轉協議会は、勿論この機関車乘務員を主体とした協議会でありまするが、大体今回の列車改正というものは、いわゆる運輸関係工務関係もすべての範囲内に亘つた問題であつて、特に二人乘務の件につきまして、或いは機関車ダイヤだけの問題につきましては、運轉協議会お話合いになることもこれは必要だと存しますが、一般の問題はやはり組合本部交渉せなくちやならない。先程申上しました組合本部との御交渉過程において、いわゆる執行部が変つたという事実もその通りでありまして、奈良大会におきまして執行委員が全部変つてはおりますが、いわゆる六月の十五日にはもう当然この東京に、中央参つて、そうして執行の権限を持つてつておりまするが、大体この問題が、本当に組合対の問題になつてお話合をされたのは、それは記憶に新たでありますように、六月二十三日からやつておるわけであります。二十三日から二十六日、二十六日には組合はこの問題については相当労働力向上と、強化と、それから能率の低下のために、どうしても組合としては受入れ難から、旧ダイヤ運轉するというような指令を出したことも、これは御承知通りでありまするが、併し二十三日から一週間をかけて、この問題が十分当局との間において話合が付いておらない。その結果が、七月頃即ちダイヤ改正に入つて後においては、勿論直前におきましては、或いは指令を撤回するというような事態も起つてはおりますが、その後において、七月に入つてから、この問題というものの動機ができて來ておる。即ち局の手に亘つて、そうして局がいわゆる本省指令を受けつつ、組合と、いわゆる分会その他の專門委員会話合事態において、この問題の動機が起きておりますが、職場離脱というような動機が起きておりまするが、かような局だけの、本省だけの、本省組合本部だけの話ができておらなかつた。その影響でもありまするが、できる過程においての余裕かなかつたために、この局及び管理部というような組織の下部至つて、而も現場機関車を動かさなくちやならん、列車を動かさなくちやならんという、その現場において、そういうような事態が起つておるということは、当局としてはやはり相当事前から、この問題については熱心に、組合の意向も十分尊重しつつ、或いは当局の意見も十分納得さしてかかるべきであると思いますが、その点につきましては如何でございましよう。
  12. 下山定則

    説明員下山定則君) 丁度今私がお話しましたように、職能別協議会との話合というのは、運轉だけでなくて、車輌の関係その他とも話合つてつた筈です。そういうことで職能別協議会の方で話を進めておりますと同時に、組合全体としての執行部との話合は勿論しなくちやならなかつたのでありますが、言い訳ばかりするわけではありませんが、丁度奈良大会その他で執行部変つて帰つて來るところで直ぐ始めたというのが、私はちよつと記憶しませんが、御承知の二十三日からというのは本当のわけで、七月一日からの時刻改正ということについてのいわゆる本部と、鉄道当局幹部との最後話合ということについては、日が相当迫つてつたということは私も認めます。が併し、大体の話の骨子なり、或いは内容なんというものは、前以て職能別協議会とは十分に話合つておるし、各鉄道局を通じて、地方協議会、或いは管理部と、支部というところとの話をも、それまでの間に並行的に、確かあのときには管理者側下部を通して話をしておつたと私は記憶いたしますので、相当事柄の内容自体については分つてつたので、後は中央部執行部としてこれをイエスと言うか、ノウと言うかのところに來ておつたと私は思います。そういうことで多少時間的に余裕のなかつたことは認めますが、そのときに全体としての返事ができるか、できないかということについては、私共の方ではそう無理なことであるとは思つておらないのであります。併しながら甚だ残念なことには、返事が來ないうちに反対だという指令か出て、ああいうことになつたわけであります。その後七月一日から時刻改正を実施いたしました後で、そういうようなことで、指令を取消したとか、或いは組合計画がうまく行つたとか、行かなかつたとか、後味が残つたことも事実ですし、そのことから発して松山の機関区の職場離脱でなくて、集團欠勤なんか起きて、列車が消えたということも事実であります。この点私共も甚だ遺憾に思つております。そのときには確か全部に機関助手を二人乘せろ、機関助手の一人乘務反対鬪爭というようなことで乘務を拒否したということが起つたのであります。これは前の問題とは違う問題が元になつてつたのであります。同時に又九州において起つたのも、これに類するようなことで起つたので、これは私共返えすがえすもこのことが起つたことに対しては、遺憾なことで残念至極に考えております。
  13. 内村清次

    内村清次君 次官のお話を聽きますと、先ずこのことの経過につきましては、肯定したかのごとく、或いは肯定しないかのごとく、從來からそういうこともあつたのだというような話しにもなつておりまするが、この点取扱いの一部を、これは昭和二十三年の六月二十日の日に、運轉局保安課の名で出しておらるるのですか、この運轉取扱心得改正するときには、勿論これも経営協議会條文にもありまするように、國鉄一般に関することでもあり、又運轉の中枢を握つておる運轉從事員には至大な関係がありまするので、この面でも專門委員会を通じて御協議あるべき筈であるが、その点について御協議があつたかどうかという点、その一点と、それからこの條文を見ますると、五百六十一條の第二号といたしましても、列車に対する車掌乘務方は、進駐軍の專用列車を除いては、当分の間第十條の規定によるという見透しで、その乘務方制限又は省略してもよろしい。それ以外のときには乘務方制限してもよろしい、車掌乘務制限については、車掌乘車制限をできる区間を別表で定めて、そうして制限をしておられるところで、一閉塞区間については二以上の運轉をしてはならないというような運轉制限をやつて、この制限をしたようなことが一つ旅客貨物扱い、或いは運轉業務旅客貨物乘務車掌は一名でよろしいということ、車掌旅客貨物扱いとして、平常においては最後部にいなければならない。その他の場合を除いては、これは後部でなくてもよろしい。こういうようなことで悉く保安度低下のことがこれまでも明らかでありまするが、これはこの改正というものは、今回が初めてのように私は感じまするが、從前からこういうような保安度低下改正があつた事実がありますか。
  14. 下山定則

    説明員下山定則君) その初めてという意味終戰後意味ですか、それとも前のずつとのことですか。
  15. 内村清次

    内村清次君 終戰後です。終戰後も前からも……。
  16. 下山定則

    説明員下山定則君) 前からのことを申上げますと、車掌前部車掌後部車掌と、それから前部列車の方に乘せておつたのですが、大正十五年に運轉取扱心得改正がありまして、そのときに車掌を一人乘務にしたのであります。その後昭和六、七年、非常に不景気になつて來たときに、運轉取扱心得運轉規程を大いに改正をいたしまして、轉轍手の数を減らし、それまでの規則は、幹線区間に行き違いのときに両方の轉轍機轉轍手が付いていなければならんというのを、付いてなくても轉轍機は反位にしておいてもよろしいというようなことの規定を直したり、或いは又車掌、駅の関係の人も、信号を扱う人も、いろいろ規定を、信号規定かなんかを直して、人を減らすようなことで規定を直したこともあります。要するに我が國のこの鉄道に対する保安度は、いわゆる保安度といわれるものは、この機械の裝置と、機械というもので確保されておりますものも、人の注意力によつて確保されておるものもあるわけです。特に我が國は鉄道保安の点にいては、人の注意力によつておるものが多いのであります。相当多いのであります。多いのですが、人を二人に殖すとか、三人に殖したから、それだけ保安度を増すかということは、一人でもしつかりしたものがいれば、三人ぼんやりしたものがおるよりも注意力が高いというのであります。一人でもしつかり見ておれば、そういうことがいいということになるのであります。同じものを二人で見ておるものを三人で見ておればいいのであります。車掌を減らした点については、先程もちよつと説明いたしましたように、終戰後復員して來たものが非常に多くて、例の二・一ゼネストのとき整理するということが、整理しない、首切りはしないということになつて、ともかく從事員職場を與えて仕事に就いて貰わなければならんということから、大正十五年、昭和二年頃の割合に遡つて、一人乘務で以來二十年やつて来たものを、二人にして最後部車掌を置いて、後方防護の狙いを考えてやつたわけなんです。事実一年間或いは十年間の統計を全部取つて後方防護の必要を生じて、後から列車が追突するというような場合を調べて見ますに、非常に稀な場合であつて、一方この鉄道のように、企業的に独立採算制とまでは行かなくても、企業をやつておる建前から言いますと、やはりこの経営をして行きますと、費用、收支というものも考えて行かなくちやならないので、この程度の人を中央乘務省略しても、保安度にそう影響はないという観点から、後日そういう運轉心得等改正をしたわけであります。
  17. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 私先からお話を承わつておりますと、水掛論というか、あなたの方で規則通りにやつていないということを、具体的によくお調べになつて政府答弁を求めたらどうですか。
  18. 内村清次

    委員長内村清次君) お調べになつてからというような、調べているのです。水掛論とあんた方におつしやるけれども、ああいう事態は今後も起つてもいいのですか。  私先からお話を承わつておりますと、水掛論というか、あなたの方で規則通りにやつていないということを、具体的によくお調べになつて政府答弁を求めたらどうですか。
  19. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 起つていいとは言わんが、規則通り政府でやつているか、やつていないかということを、あなたが一つ例証を挙げて政府質問したらどうですか。
  20. 内村清次

    内村清次君 そこを要求して頂けば、先ず質問から入つて行きませんと……それでどうですか、質問制限される意味ですか。
  21. 板谷順助

    委員長板谷順助君) いやいや制限しません。制限はしないけれども、どうも政府の先の答弁を聽いてもぴんと來ないように思うから、そこで聽いたのです。
  22. 内村清次

    内村清次君 政府の御答弁の方で、どうもぴんと私の方に來ておらないのです。その点が実際欠陷があるのだ、その点について今後この点は直して行くというような御答弁があれば、私としても満足するのであります。併しこの点においては、組合としてはもう少し考えるべき点があつたのではないかということを明瞭に言つて頂けばよいわけですが、事実運轉の取扱の改正をやつておられることは、保安度低下は、誰が見ても條文を一々読上げまして、皆さん方委員の方々は、これに詳しいお方ばかりでいらつしやいますので、これははつきり分るのでしようが、そうやらなくちやならん事態というものは、即ち人員を生み出して、そうして今回のキロ数の増加に対して充当したのだというような事実がはつきりしておりますが、その内容改正列車増発意味しておりますし、それから又機関車乘務員が不足しておる現在、機関助手が二千人も不足をしておるのです。そうしてそのまま機関手見習の仕事をやらすとか、又一つ機関助手仕事もやらし、機関手見習は機関手の仕事をやらせるというので、「かま」の仕事をやらして二人乘務のところは、一人乘務でやつて、そうして列車につぎこんでやるということは、二人乘務で今までやつて来た機関車乘務ということを、一人でやらすということは、これは労働強化になるということをはつきり言つて頂けばよいわけです。併しそういうことをなぜしなければならんかということは、新ダイヤで、あそこへ無理してやらなくちやならんという現実の事態であつたならば、傭員をもう少しなぜ確保してやらなかつたかというところの態度を、本当に明らかにして頂きたいと思います。ちよつと速記を止めて下さい。
  23. 板谷順助

    委員長板谷順助君) ちよつと速記を中止して下さい。    〔速記中止
  24. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 速記を始めて。これより日本國有鉄道法案を議題に供します。大臣も御出席になつておりますので、一つ質問を願います。    〔委員長退席、理事丹羽五郎委員長席に著く〕
  25. 小野哲

    小野哲君 日本國有鉄道法案の提案の理由は、前回大臣から詳細承わつたのでありますが、この法律案と不可分一体になつておる公共企業体労働関係法案、これは併せて審議をして行かないと、マッカーサー元帥の書簡に指示された重点から外れて来るように私は思うのであります。併しながら一應今日は、恐らく総括的な質問委員長はお許しになつておるものと考えますので、私から先ず総括的な意味においての日本國有鉄道法案を主体とした御質問を申上げ、更に後日機会を得て、各論的な内容亘つて政府の御所見を伺いたい。更に機会を得て各論的な質問に入ります前に、日本國有鉄道法案の逐條に亘る政府当局の説明も頂きたい、かように考えております。從つて今日の私の質問は、差当りの質問でありますので、その後機会を得て続行のお許しを願いたいと思います。先ず、第一に伺つて見たいと思いますことは、今回の日本國有鉄道法案の御提案によりまして、我が國の國有鉄道経営形態が、國有國営の形態から、公共企業体に再編成されることになるのであります。この國有鉄道のような、我が國でも最大の企業でありますものの経営形態を一挙にして再編成いたすということは、なかなかむずかしい問題だろうと存じます。從つてこの経営形態を変えますについては余程の理由がなければならない。経営者側におきましても、又従事員側においても、或いは廣く國民として納得できるような内容を持つたものでなければならないと考えられます。それで一体現在の国有国営の形態で行われておるという鉄道内容において、どういうふうな不適当な点があるのか、言換えれば、もつと端的に言いますと、こういう公共企業体に変えなければならないのには、余程の理由がなければならないが、それについては、現行の國有國営制度に如何なる欠陷があるのか、例えば経営方式の問題であるとか、或いは勤労事情の問題であるとか、いろいろの問題があると思うのでありますが、どういう点に一体欠陷政府はお考えになつておるのか、若し欠陷がありとするならば、これを公共企業体に再編成することによつて十分是正されるのかどうか、又是正される自信を持つておられるのか、こういう点につきまして先ず第一に運輸大臣の御所見を伺つて置きたいと思います。
  26. 小澤佐重喜

    ○國務大臣(小澤佐重喜君) 國営事業と民営事業とか、いずれが能率的であつて、合理性を持つておるかという点については、いろいろな見解があるのであります。併し我々といたしましては、これは省議ではございませんけれども、日本で行われた國営事業というものは、どうも経営方法において無駄があるというような感じを、現在持たざるを得ないような環境になつております。從つて今具体的に政策がどうこうというわけではございませんけれども、経営合理化というような面に行つたならば、むしろ民営の経営というものが、今後の経済事情にぴつたりするのじやないかという感じを持つておるのであります。併しこれは本案に対して、そういう前提の下にこの法律が提出せられ、よつて以て企業体に経営主体を変更するという理由では全然ないのであります。要は、提案の趣旨弁明におきまして度々申上げました通り、御承知のように今般マッカーサー元帥からの書簡によりまして、公務員法が改正されるのであります。公務員法の改正に伴いまして、やはり國営事業の職員でありまする鉄道の職員も公務員であるという点には相違がありませんので、直ちにこの公務員法を國営の事業である鉄道從事員に、そのまま適用することは穏当でなかろうという見地から、やはりこれに対しましては、一つの公共企業体というものができまして、その公共企業体には國家公務員法の適用を除外し、だからというて、公共性に鑑みて直ちに労働組合法を適用することも困難であろうというようは中間を歩みました。別に提案されておりまするところの、お示しの公共企業体労働関係法、この法律の適用をして、そうして実際の企業体にふさわしい労働問題の解決をしたいということが書簡の趣旨であるのであります。そういう線について大きな勧告を受けまして、私共は本法案の起草に取りかかつたのでありまするが、併し我我といたしましては、今小野委員がお示しのように、單にそれだけの目的だけでなくして、現段階における國有事業の欠陷というものがあるならば、そういう点を大きく是正して、そうして一般國民の輿望に應えるような公共企業体の再出発が望ましいという見地から、いろいろいわゆる書簡に基く要旨とは違つた趣旨の、いわゆる國有國鉄再編成に関するような方向にいろいろな意見を持ちまして、そうして関係方面とも折衝いたしたのであります。ところがその中の一部、我々の説が認められた点もありますし、又全然認められなかつた点もありますし、尚最終的にも五、六ケ所の意見を付しまして、関係方面に意見を請いに行つておるのであります。從つてそれが若し全部〇Kが取れることになりますれば、或いは政府提出案の修正とか、或いは便宜國会において御修正を願うとかいうような方向に行きたいと思つておりますけれども、現段階では、まだその方の許可もないような次第でありまして、止むなく原案のまま出したような次第でありますが、御意見のように、この法案を出しまして、そうして経営形態を変えたということは、全く只今申上げました通り、マッカーサー元帥の書簡に基いてこの法案を出したのでありまして、新たな、この根本的な、つまり國鉄経営体の主体が、こういう欠陷があつて、どの程度を是正せんがためという目的でないということを、非常に提案者自身といたしましても遺憾だと考えております。併し徐々に今申上げました順序で、一度経営体を変更するものであるならば、できるだけ國民の要望する、又我々の理想点に近いものに漸次改廃して行きたいという念慮は少しも去つておりません。
  27. 小野哲

    小野哲君 只今大臣から詳しい御説明がありまして、大臣の御説明の内容については、別に異存を挾むべき点はなかろうと思います。私も從つてこの公共企業体に再編成する目的が、主として労働関係に置かれておる。即ち國家公務員法との関連において、理解をいたさなければならんことも十分承知いたしておる一人であります。併しながら國有鉄道というふうな、大きな一つの企業を考えて見ますると、一体マッカーサー元帥の書簡に対して、忠実に公共企業体に移しますための措置といたしましては、成程尤もだと思うのでありますけれども、今日の経済の事情なり、諸般の点から考えまして、こういうふうな機会にこそ、公共企業体の下に、國鉄の運営が合理的に行われるという体制に持つて行く努力をすべきであり、又その努力につきましても、関係方面の十分な了解を付けることが、國会という立場から考えて、私は望ましいことと思つておるのであります。從つて日本國有鉄道法案を通覽いたしますというと、殆んど國家行政機関一つに過ぎないような形態でありまして、一体どこにその運営面において、新らしい構想が織込まれておるかということを実は疑うのでありまして、而も労働関係につきましては、別に公共企業体に共通した、而も專賣公社と同じような扱で、國有鉄道労働関係を取扱つておるというところには、私は納得の行かない矛盾を感ずるのであります。これは恐らく國鉄從事員諸君においても同樣の感じを持つておるのではないかと存ずるのであります。從つて國有鉄道法案を審議するということは、取も直さず、むしろ日本國有鉄道法案というものが主体ではなくして、公共企業体労働関係法案というものが主体である、こういういうことに私は考えざるを得ないのであります。で、若しも公共企業体に共通な労働関係を抽出いたしまして、單行法を作るというアイデア、構想は、理解できないことはありませんけれども、併し必ずしも全部が一本法律で取扱い得るかというと、必ずしもそうではない、從つて公共企業体の労働関係につきましても、これを國有鉄道と專賣公社とは別に考えなければならないのではないか、從つて私の考え方を以ていたしますならば、むしろ國有鉄道に特殊な関係を持つておるところの、又特徴のある労働関係は、日本國有鉄道法案の中に綜合的に取入れることが最も望ましい立法の方法ではないか、それによつて一面に國有鉄道法案によりまして、公共企業体の運営の上に、欠くべからざる会計、予算、運賃その他の問題につきましても、これを取入れますと共に、労働関係法においてもこれを取入れまして、名実共に綜合的な公共企業体としての日本國有鉄道を再編成する、こういう行き方をすべきが至当であろう、こういうふうに考えるのであります。政府はいろいろとこの法律案を御提案になる前には御検討を加えられたことと思うのでありますが、どういうふうなお考えで日本國有鉄道法案という、この法律案に至るまでの結論をお出しになりましたか、その過程の中において、私が今申上げましたような構想の下に御研究なすつたのかどうか、この点を伺つて置きたいと思います。
  28. 小澤佐重喜

    ○國務大臣(小澤佐重喜君) 小野委員の御意見は全く同感でありまして、從いまして運輸省が本法案を提案するに当りましては、先ず第一に、公共企業体に分離するならば、この機会を利用して、現在経営に行悩んでおりまするところの國鉄というものの経営合理化ということを主眼として、一緒にこの法案に織込んで出すべきであるという結論を得たのであります。それにつきましては、殊に御承知のように、國鉄内に國鉄審議会というものがございまして、その審議会に、その点に関する諮問を運輸大臣から発し、審議会議員の諸君も愼重審議、この点についての答申をなされたのであります。從つてこのための経営合理化方面に関する各條項を、運輸省の考え方として関係方面に対しまして、何とか織り込んで、そうした修正ができるように再三懇談協議を進めたのでありましたが、甚だ残念ながら最後の最終的の結論に行かなかつたような次第であります。第二点の、公共企業体労働関係法案というものを、專賣公社という、この程度のコーポレーシヨンの関係と一括して、規律するよりは、むしろ、この國有鉄道法の中に公共企業体に関する、而も國鉄の從業員に適合するような労働法規を一本として立てて、そうしてこれを規律した方がよかつたのではないかという声であります。この点につきましても運輸省といたしましては、そうしたいという考えの下に、極力苦心をし、又これに対する交渉も重ねて見たのであります。殊に事務当局におきましては、再三その案を以ちまして、私の就任前から、そうした交渉を継続して参つたそうでありますが、遺憾ながらこの目的も達成できなかつたのでありまするが、今小野委員の御所論は、すでに運輸省といたしましては、再三再四、あらゆる角度から檢討いたしまして、そうした考えの下に進もうと思いましたが、甚だ遺憾でございまするが、今の段階では、先方の了解を得る程度でありまして、併しながら先程も申上げました通りこれを以てもう最後であるというような考えであるものではありませんので、我々も機会あるごとにそうした考えの下に進みまして、そうしてこの法律の理想化に全力を捧げたいと、こう考えております。
  29. 小野哲

    小野哲君 今の御説明一々努力の跡が私も看取できると思うのでありますが、私の懸念いたしますことは、繰返し申上げますが、國有鉄道のような多数の從事員を持ちまして、大きな組織で動かさなければならないような事業の再編成というようなものは、なかなかこれは小出しにやつて行くというふうなことが、場合によつてはむつかしい場合がありますので、むしろこういうふうな絶好のチヤンスを捉えて、根本的な改革を進めて行くということか必要なことであろうと、かように思うのであります。併しながら一挙にしてと申しましてもなかなか困難でありますので、勿論時間的なゆとりは持たなければならんことは申すまでもありません。併し佛を作つて魂を忘れるようなふうに見える改正では、どうも満足がいたし兼ねる。從つて私共といたしましては、政府当局が非常に熱心に努力されましたことについては敬意を表し、且つその結果、要望されるようなことの成果を得られなかつたということについての理解は持つ者でありますが、本委員会においては、公共企業体の事業経営ということに主眼を置いての、やはりこの法律案に檢討を加えて行くということが私は良心的であろうと、かように思いますので、関係方面と政府との御折衝の件につきましては、御参考までに伺つて置きますが、國会は國会としての立場において今後審議の機関を得たいと、かように思つておる次第であります。特に大臣がお触れになりました國有鉄道審議会をお作りになつて相当檢討され、又その結果答申案も大臣の手許へ出されて、これを参考として立案に当られたものと思うのであります。私共も國有鉄道審議会の答申案自体につきましても関心を持つておりますので、これらを参考として審議をいたしたいと思うのでありますが、大臣の説明の中にも言つておられるように、時間的に非常にせつぱ詰つて詳細研究を遂げる遑がない。このために能率化に必要な諸般の設備が必ずしも整備されたとは言いにくい。でき上つたものは國の機関と大した違いのないものとなつて、公共企業体本來の内容を完備しておるとは言い兼ねるのだと、こういうふうに言つておられることは、恐らく本当のところであろうとお察しするのでありますが、如上申上げましたような考え方で、この法案の審議を継続して行くことが必要ではないか、かように考えられますので、余り時間を取りましても如何かと思いますので、私の本日の質問はこの程度にして置きたいと思います。
  30. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 委員長としても、只今小野委員の言われた通り、公共企業体として、この際できるだけ根本的に整理したい。この委員会としては、そこで、まあ関係方面とのいろいろの交渉もあるでありましようが、前内閣以來、國鉄審議会というものを特に作られたのでありまするので、それが如何なる答申をしたか、若しお差支えなかつたならば、この委員会一つ参考として御提出を願いたい。我々國会議員としては、できるだけこの機会に根本的の改正ができるならばやりたい。この方針でこの審議を進めたい。こう考えております。
  31. 小澤佐重喜

    ○國務大臣(小澤佐重喜君) 近いうちに印刷したのがございますから……
  32. 内村清次

    内村清次君 概括的な提案理由に対しての私の質問は今日は差控えますが、ただこのうち一点お尋ねいたして置きたいのは、二百一号の政令が出ましてこの條文、あの政令のうちにもあつたと思いますが、組合の團体交渉を切つてしまつたと、ところが御承知のごとく、この法案では直ちに四月一日に切替えるとすれば、職員がいわゆる國家企業体の職員になるのだ。そうして見て、公共企業体の労働関係法案にもありますように、大体從事員労働問題、即ち組合関係の結成團結権及び團体交渉権、それから團体交渉権に伴うところの一部の團体協約も認めておるのでありますが、こういう建前から申しますと、いわゆる二百一号の政令は政令といたしまして、とにかく組合の意思というもの、從來すでに結んであるところの團体協約権のうちには経営協議会も残つておるのでありまして、こういうような大きな組織の変化については組合と……これは幾らか組合の意向も参酌し、組合と御協議なさつたというような経緯が立案の過程においてあつたかどうか、この点一つお伺いして置きたいと思います。
  33. 小澤佐重喜

    ○國務大臣(小澤佐重喜君) 大体二百一号の政令については、いろいろ憲法違反であるとか、その他の議論がありまするが、とにかく現在においては、あの政令が適当なものと考えての御質問のようでありまするから、お答えしますが、要するに四月一日にこの法律案が適用されますと、その間に政令、組合との実際の交渉の面では、ずれがあるのじやないかというような御質問だと思いまするが、それは勿論その政令に違反したということをやるわけにも参りませんし、だからと言つて未だ施行されない公共企業体労働関係法を直ちに適用して、從業員と交渉するわけには参りませんけれども、少くとも公共企業体労働関係法で確められた労働組合運動というものがあるのでありますから、この精神に近いような方法で、運用の面で緩和して行きたい、こういうふうにまあ考えておる次第であります。
  34. 内村清次

    内村清次君 今の御答弁のうち、ちよつと違つてつたように思いますが、私の質問は、この立案に当つて幾らか組合の意向を参酌されたかどうかという、こういう点です。
  35. 小澤佐重喜

    ○國務大臣(小澤佐重喜君) その問題でしたらば、直接に正式に組合とは交渉いたしません、この法案を出すについては……。併しながら常に他の問題で組合幹部諸君ともいろいろ意見を聽いたり、話したりしておりまするので、正式な交渉は全然しておりませんけれども、大体組合の方でも、こういう形ならば了承できるだろうという考えの下に進んだのであります。
  36. 飯田精太郎

    ○飯田精太郎君 この法案と運輸省の機構と言いますか、組織法というようなものと密接な関係があると思いますが、近くこの國会にお出しになるのですか。
  37. 小澤佐重喜

    ○國務大臣(小澤佐重喜君) お話のように運輸省設置法案というようなものが、疾うに出されなければならん状況にあつたのであります。ところが各省設置法案が、從來の政令制度であつたものを法律ですることが適当だという見地から、前回の國会でも提出されて、いろいろ審議にかかつたのでありますけれども、御承知のように行政組織法が來年の一月一日から施行されるというので、その行政組織法に基いて、各省同じような考え方で、各省設置法案を出そうというような見地から、その準備は、一切この法案を撤回いたしまして、これをやることになつてつたのでありますが、今行政組織法が一月一日実施ということを、更に四月一日に延期する法案を國会に出しておるような始末であります。從つてこの日本国有鉄道法と同時に、残余の運輸省設置法案というものが共に提出されて、その連関関係を見ながら御審議を願うことが最も便宜と考えたのでありまするけれども、一方各省の設置法案というものは各省で相談して、來年の通常國会でこれを審議して貰おうということに決まりましたものですから、この法案だけを独立して出したような次第であります。併し運輸省設置法案に対する、これを除いたあとの法案といたしましては、例えば海運或いは運輸業の監督行政、その他地方行政というものは少しも変動がないのでありまして、この公共企業体を運輸大臣がどういう事務組織で、或いは行政組織で監督するかという点が残つておるだけだと思います。これはできるだけこういう現在の事業関係でありまするから、少くとも官房に一課ぐらいを設けて、経費を節約しながら、この監督行政を取つて行きたいという心組でありますが、勿論具体的には省議として決まつておりません。
  38. 板谷順助

    委員長板谷順助君) それじやよろしうございます。大臣は衆議院本会議へ行かれましたが、外の政府委員諸君がおられますが、何か御質問かありましたら……。如何ですか。今日はこの程度にして置きますか。ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  39. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 速記を始めて……本日はこの程度で散会いたします。    午後二時五十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     板谷 順助君    理事            小泉 秀吉君            小野  哲君            丹羽 五郎君    委員            内村 清次君            大隅 憲二君            入交 太藏君           前之園喜一郎君            飯田精太郎君            高田  寛君   国務大臣    運 輸 大 臣 小澤佐重喜君   政府委員    運輸政府次官  加藤常太郎君    運輸事務官    (鉄道総局総務    局総務課長)  吾孫子 豊君   説明員    運 輸 次 官 下山 定則君