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1948-11-27 第3回国会 衆議院 予算委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年十一月二十七日(土曜日)     午後二時五十一分開議  出席委員    委員長 上林山榮吉君    理事 苫米地英俊君 理事 稻村 順三君    理事 竹谷源太郎君 理事 小坂善太郎君    理事 田中源三郎君 理事 今井  耕君    理事 大原 博夫君       青木 孝義君    淺利 三朗君       平島 良一君    本間 俊一君       松浦  榮君    川島 金次君       田中織之進君    松永 義雄君       松原喜之次君    森戸 辰男君     青木清左ヱ衞門君    押川 定秋君       川崎 秀二君    北村徳太郎君     長野重右ヱ衞門君    河野 金昇君       叶   凸君    黒田 寿男君       高倉 定助君    織田 正信君       野坂 參三君  出席國務大臣         大 藏 大 臣 泉山 三六君  出席政府委員         大藏政務次官  塚田十一郎君         大 藏 次 官 野田 卯一君         大藏事務官   河野 一之君         大藏事務官   阪田 泰二君  委員外出席者         專  門  員 芹澤 彪衞君         專  門  員 小竹 豊治君     ————————————— 本日の会議に付した事件  追加予算に関する説明聽取     —————————————
  2. 上林山榮吉

    ○上林山委員長 これより会議を開きます。  お諮りいたします。本日の議事運営については、先刻來理事諸君とも御協議申し上げた結果、本日はまず当局より追加予算に関して各般の説明を願うのでありますが、これは打合会において聽取することといたしたいのであります。  なお委員諸君より御質疑なり御意見は、委員会を再開して議事を進めたいと思いますが、御異議はありませんか。
  3. 上林山榮吉

    ○上林山委員長 御異議なければさように取運びます。
  4. 竹谷源太郎

    竹谷委員 この際私は追つて提出せらるべき補正予算審議資料といたし、その他國の予算執行状況審議の必要上、次の七項目についての資料を提出し、本委員会にできるだけすみやかに、なるべく今月中にわれわれの手元へ届くようにしてもらいたいと思います。  第一は國税の各税種につきまして、本年度実績と今後の見通し、なお法人税については、その基礎となるべき法人資本別の数、これは昨年度本年度別々に調べてもらいたい。なお法人税の昨年の実績、及びこれに対する本年度の比較についての資料を要求するものであります。  第二は鉄道、逓信、專賣、各特別会計收支状況。  第三は人件費でありますが、予算定員と実人員との数、及びその給與額、及び今後の見通し。これは三千七百円のベースとして計算してもらいたい。  第四は國有財産処分状況。これは昨年度本年度と双方ほしいのであります。なお將來処分可能のものがいかほどあるか。その金額は幾らであるか。  第五は財産税特別会計所有財産処分実績と現存の所有財産。  第六は不正保有物資等措置特別会計本年度実績と、本年度内の状況見通し。  第七は物價改訂に基く本年度國民所得の推算及びこれに基く國民総支出の見通し及び資金配分の計画の見通し。  以上七項目について早急に資料のあるものはただちに、また未そろいのものは至急に調査の上、本委員会にできるだけ早く提出せられんことを望みます。
  5. 上林山榮吉

    ○上林山委員長 それではここで休憩いたしまして、大藏大臣が見えましたから打合会に入りたいと思います。     午後二時五十四分休憩      ━━━━◇◇━━━━━     午後三時六分開議
  6. 上林山榮吉

    ○上林山委員長 これより休憩前に引続いて委員会を再開いたしたいと思います。
  7. 田中源三郎

    田中(源)委員 大体政府はいつごろ追加予算をお出しになるのか、それを委員長の方からはつきりとした日時をきめていただきたい。それは議事進行上に非常な重大な関係があるのでお伺いするのであります。
  8. 上林山榮吉

    ○上林山委員長 大藏大臣から答弁をいたさせます。
  9. 泉山三六

    泉山國務大臣 お答え申し上げます。ただいま追加予算のこれまでの経緯につきまして率直に申し上げました通りでございまして、目下関係方面と鋭意折衝中でございます。從いまして近き將來においてこれを提出する、かようなことを申し上げ得る段階にございます。
  10. 田中源三郎

    田中(源)委員 大藏大臣の御苦心のほども了承します。関係当局折衝に相当の日時を要するということも了承いたしますが、ほぼどの辺の見込みということを——別にそれをもつてわれわれはこだわるわけではないので、議事審議関係もございますから、虚心坦懷に、ほぼこのころにやるのだということを聞きたい。その時期がくずれたからといつて別にこれを追究しようというのではない。できるだけすみやかなことを願つているのでありますから、大体お見込みの程度をここでお知らせ願つておくことが必要ではないかと思いますので、重ねてこのことをお聞きいたしておきたいと思います。
  11. 泉山三六

    泉山國務大臣 田中さんに重ねてお答え申し上げます。本國会に間に合いますように鋭意努力をいたすつもりでおります。
  12. 田中源三郎

    田中(源)委員 本國会に間に合わせるという意味でありまして、正直にこれを受取つてよいのでありますか。あるいはまた先ほどお話ように、その筋との折衝関係で延びるかもしれませんが、当局誠意のあるところは、本國会提出する、こういうことでございますか。一應お言葉通り受取つてよいかどうか、その点を重ねてお尋ねいたしておきます。
  13. 泉山三六

    泉山國務大臣 さように御了承を願います。
  14. 田中織之進

    田中(織)委員 先ほど打合会大藏大臣から追加予算編成に関するきわめて簡略なる御方針を御説明願つたのでありますが、ことに大藏大臣の御説明にもありました追加予算中心をなす官公吏賃金ベースに関する問題につきましては、大藏大臣の御説明によりますと、本予算決定以後の物價並びに民間賃金の騰貴に伴います事情のみをあげておられるのでありますが、われわれはその事情ももちろんであるのみならず、現にこの國会に目下審議中の國家公務員法関係におきます賃金ベース改訂、これに伴う給與予算提出が、追加予算編成の基本的な命題であると考えておるのであります。この点につきましてはさき衆議院の院議をもつて政府に対して本國会公務員法改正不可分関係にある政府職員に対する給與予算提出を要求いたしておるのでございますが、大藏大臣のただいまの御説明ではその点に何ら触れておられないのであります。この点が目下進行中の公務員法審議ときわめて重大な関係がございますので、この点に対する大藏大臣の明確なる御所信を承つておきたいのであります。
  15. 泉山三六

    泉山國務大臣 田中さんにお答え申し上げます。國家公務員諸君に対します給與につきましては、これが予算化について鋭意努力を重ねておることは、前刻申し上げた通りでございますが、政府といたしましては國家公務員法予算とは法理二つのものである、かようの理解の上に立つものでございます。しかしながらさき総理大臣の声明におきまして、本國会がまず國家公務員法改訂、次にはこれに付随する法案、その次には緊急やむを得ざる議案、かようの三つの区分をいたしておるのでございますが、本内閣といたしましては、新給與ベースに伴います予算は、この第三の緊急やむを得ざるものと了解いたしておる次第であります。しかしながらその時間的の観点におきましては、第三の順位のものが必ずしも第一順位、第二順位に遅るるものではない、かようのことを付言いたしたいと思います。
  16. 田中織之進

    田中(織)委員 ただいまの大藏大臣の御答弁はきわめて不満足であります。大藏大臣は過般來開かれております國家公務員法に関する人事委員会におきまして、國家公務員法給與予算不可分性については十分それを認められて、この國会に必ず提出するということを言明せられておるとわれわれは了解しておるのでございますが、ただいまの御答弁によりますと、法理上別二つのものであるという御見解のようでございますが、問題は予算に関する限りにおきましては、あくまでも政治的な観点において考えなければならぬことは、先ほどの打合会における大藏大臣の御説明にも明らかになつておると思うのであります。公務員法改正がなくても当然官公吏給與改訂を行わなければならぬということはすでに認められておる。このことは大藏大臣のみならず内閣総理大臣においても、過般議院運営委員会において申し述べられた通りである。しかも國家公務員法とこれに先行するところの國家公務員に対する生活の確保ということは、明らかにマッカーサー元帥國家公務員法改正に関する書簡に明示せられておるところでありまして、この國会がこの書簡に基いて國家公務員法並びにこれと不可分関係にあります諮般の関係法規審議のために、召集せられたものであるという政治的観点からいたしまして、われわれは当然にこの國会提出せらるべき追加予算につきましては、國家公務員法不可分関係において、國家公務員に関する給與予算提出することが当然であると考えるのでありますが、この点に対する大藏大臣の明確なる答弁を重ねて煩わしたいのであります。
  17. 泉山三六

    泉山國務大臣 お答えいたします。ただいま田中さんの御質疑の中には、多々まことに御同感にたえない点があるのであります。しかしながらその結論におきまして、田中さんも御指摘通り法理的には別であるが、政治的には不可分ではないか。かようの御議論に承つたのでありますが、本内閣といたしましても、その政治的の観点におきまして、これを認めますがゆえに、よつて緊急やむを得ざるものとしてこれを取上げておるのでございます。
  18. 竹谷源太郎

    竹谷委員 昨日午前中に大藏大臣が幸い委員会出席をいたし、ただちに委員会が開かれ、そして大藏大臣説明に入ろうとしたときに、委員長が、委員会開会のまま打合会に入るというよう議事運営上の誤謬を犯しましたために、混乱をいたして、そのためにとうとう午前中は過ぎてしまつて、晝になりまして休憩となり、午後一時に再開するということで、われわれは大藏大臣出席を待つたのでありますが、なかなかこの委員会に顔を出さない。とうとう一時三十五分ごろになりまして、委員長から大藏大臣はただいま人事委員会において説明答弁等のために出席中であるから、午後二時まで待つてもらいたい。午後二時には向うを切り上げて本委員会出席するということでありましたので、われわれは二時まで待つた。それでもなお出席をいたしません。それから二時半になつてもなお出席をしない。そこで再開を要求いたしまして、開かれた委員会において、私は大藏大臣が虚偽をもつて委員会を欺罔した点について、大いに追究すべきであるという動議を提出して、その動議は満場一致をもつて成立いたしたのであります。委員長は適当の処置をとるべきことが、この動議において決定されておるのでありますが、これに関しまして委員長はいかなる処置をとりつつあるか、またとらんとするか、委員長答弁を求める次第であります。
  19. 上林山榮吉

    ○上林山委員長 この問題に対しては、おつしやる通り事情のみとは受取れませんけれども、大藏大臣に対して、こういう事情であつたから、つとめて委員会を尊重して、今後は適当に出席してもらいたいという要求をいたして参つたのであります。なおこの点について多少大藏大臣から弁明したいこともあると思いますので、この際大藏大臣発言を求めたいと思います。
  20. 泉山三六

    泉山國務大臣 竹谷さんからちようど私の発言機会を賜わりましたことは、まことに欣幸とするところであります。昨日私がこちらに参りますお約束でございましたが、その時間の前に十分間の余裕がございましたのでございます。從いましてかねての切なる要望にこたえ、参議院人事委員会に参りました。それがその約束がついに一時間五分に相なりました次第でありまして、いかに私の氣の弱いかを示すのでございまして、何とぞ御了承願いたいと思うのでございます。
  21. 竹谷源太郎

    竹谷委員 委員会があまり開かれないので、われわれ同僚の委員の数名の方々が人事委員会傍聽に行つた。しかるに人事委員会会議を開かれておらぬのです。その点大藏大臣弁明ははなはだ奇怪であります。なおその際人事委員長大藏大臣出席有無等について質問をいたしたところ、実は人事委員会と他の委員会との間の問題についても、やはり大藏大臣は一方に出席しておつて他方に出られなかつたというようなことがあつたから、調べてみると事実はどつちも出なかつたというような事態があつて、はなはだけしからぬ。かよう與党人事委員長言つておるのでありまして、ただいまの弁明だけではどうも納得が行かぬ。衆議院人事委員会開会中であるために、それに出席中であるがゆえに、すぐには出られないから、二時まで待つてもらいたいという話があつて、まつたく食い違いがございます。この点はどういう事情でありますか。
  22. 泉山三六

    泉山國務大臣 竹谷さんに再度弁明をいたします。私の昨日の午後出席いたしましたのは参議院人事委員会であるのであります。なおその人事委員会を済まして、すぐここに参りましたが、どなたもおられなかつた、かようの事実でございます。
  23. 竹谷源太郎

    竹谷委員 どうもまだふに落ちませんが、しかしながら大藏大臣誠意をもつて委員会に対して行動してもらいたいと思う。憲法規定にも、國務大臣並びに政府委員國会会議出席をして発言することができる。なお答弁説明のために出席を求められた場合には出席をしなければならないとありまして、これは政府としての重大な國会に対する責務でありまして、この憲法規定から申しましても、昨日のよう大藏大臣の行動ははなはだ遺憾でありまして、今後嚴にかようなことのないように御留意あらんことを切望いたします。
  24. 河野一之

    河野委員 大藏大臣にお伺いしますが、賃金ベース追加予算は、今会期中に出すべく努力しておるとおつしやることはそのまま私も了承いたします。しかしその場合に賃金ベースだけを切り離してお出しになるのか、それとも最初説明になつていたように、災害復旧予算なんかもそれに含めてお出しになるか、一つ一つ小切りにしてお出しになるのか、まとめてお出しになるのか、はつきり承つておきたいと思います。
  25. 泉山三六

    泉山國務大臣 お答え申し上げます。冐頭におきまして追加予算審議の経過並びに現段階におきましての状況を申し述べたのでございます。その事情をもちまして大体御了承願つたことかと思うのでありまするが、ただいまのお尋ねは、なるほど今日この時におきましては、まことにごもつとものお尋ねと存じ上げますので、政府といたしましては、当初より追加予算はこれをできるだけ一本にして、これを國会提出いたしたい、かよう構想のもとに、またこの希望を捨てておらぬのであります。しかしながらもし時間的にこれを許しがたい場合におきましては、あるいはただいま御指摘ような場合も決してないのではない、かようのことをお答え申し上げたいと思うのであります。
  26. 河野一之

    河野委員 そうすると何だか最初説明はただ説明しただけであつて、内容はそれと大分違つておるよう考えます。今大藏大臣関係方面折衝しておられるのは一体一本にした予算なのか、それとも賃金ベース災害復旧とかその他の予算というように区別して一々折衝しておられるのか、その点をはつきりしていただきたいと思います。
  27. 泉山三六

    泉山國務大臣 お答え申し上げます。その前者でございます。
  28. 河野一之

    河野委員 前者であるということは、時々大藏大臣答弁質問とを間違えられたりして御発言のあることもありますから、前者とか後者という意味でなしに一本にまとめた予算で交渉しておるとか、別々に交渉しておるとか、言葉の上ではつきりしておいていただきたいと思います。
  29. 泉山三六

    泉山國務大臣 私は繰返す煩を避けましてさように申し上げたのでありますが、せつかく河野さんの重ねてのお話でございまするので、それは今日この段階におきましては、一本として交渉を重ねておる次第であります。
  30. 小坂善太郎

    小坂委員 先ほど田中君からいろいろお話があつたので、私はごく中心点だけを時間もないようですから伺います。私は大臣就任以來たびたび御発表せられるところの御意見等新聞等を通して伺つておるのでありますが、非常に危惧の念を持つておりますことは、大臣が何か予算のバランスという原則を無視した予算をお組みになるというようなことが往々紙上に現われて來るので、こういうことをなさると、予算ができたから國会に出すとおつしやいましても、これはなかなかわれわれとして審議が急速に進まないのじやないか、この点をはつきりあなたから伺つておきたいと思うのであります。すなわち今度お出しになる一本の予算というものは、收支の均衝した予算であつてあなたのおつしやるよう建設公債言葉をかえて言えば、赤字公債の含まれたよう予算であるかどうか、多分ないことを私は希望するのでありますが、その点をはつきりこの際伺つておきたいと思います。
  31. 泉山三六

    泉山國務大臣 小坂さんのお尋ねにお答え申し上げます。決してさようの御心配はないようにお願いいたしたいのでございます。なお私がたびたび何か健全財政以外の構想についての発言があつたやの言葉は何とぞ御杞憂にお願いしたい。かように思うのであります。
  32. 小坂善太郎

    小坂委員 もう一点伺いますけれども、今月中に予算をお出しになるということは、けつこうでありますけれども、今月の最後の日、三十日にお出しになりまして、われわれに審議をしろと言つても、政府は月末に解散をするという話でありますが、そういうことをされては、われわれの審議権というものはなくなつてしまうのではないか。この点はどうかお考えになつておるか、お伺いいたしたい。
  33. 泉山三六

    泉山國務大臣 お答えいたします。十分審議は尊重する。かよう考えております。
  34. 小坂善太郎

    小坂委員 そうしますると、われわれの審議権を尊重してくださると言われるが、もう今月末まで余すところ幾ばくもないのでありますから、大藏事務当局も御苦労をなさつておると思いますが、徹夜をなさつてもこれは月末近くなつてから出て來て、われわれが一日、二日審議をして、われわれの審議権を尊重されたといくらあなたが口先でおつしやつても、われわれは、残念ながらそうは受取れないのであります。ですから、われわれが伺いたいのは、審議権を尊重してくださるならば、第四國会にこの審議が継続されても、あなたはこの予算を通そうとお考えになつておられるかどうかお伺いいたしたいと思います。
  35. 泉山三六

    泉山國務大臣 ただいま第四國会のことは考慮いたしておりません。
  36. 小坂善太郎

    小坂委員 そうしますると、われわれも委員会の権威のために、あなたの反省を促しておきたいと思います。われわれはこの予算審議する——あなたは予算をどうお考えになつておるかしりませんが、予算審議というものを通して、國民経済生活は、殺すも生かすもあなたの権能の中に入つている。ここで変なことをされてこの予算審議未了、あるいは審議権を実際において無視された形になつて、年末に至つて官公職員給料も拂えないということになつた場合、われわれとては少くとも國会議員としての予算委員会の立場としては、これは國民に対して非常に申訳ないことになる。わずか三千七百円ばかりの給料をもらつて官公吏は年末を暮せるとお考えになつておるのですか。
  37. 泉山三六

    泉山國務大臣 お答え申し上げます。ただいまの小坂さんの御質問はどの点が重点であつたのか、私多少了解に苦しむのでありますが、おそらくなるべく早くこれを出して、皆さんの御審議にも十分ときを貸せ、かよう意味合いかと存じ上げますので、十分了承いたしたのであります。
  38. 小坂善太郎

    小坂委員 具体的にお願いしたいのでありますが、実は具体的に申し上げますと、明日は二十八日でありまして、日曜日であります。明後日は二十九日で、その次が三十日で今月は終るのです。ひとつ審議権を十分に尊重してくださるならば、きよう出していただいても、なかなかこれは尊重されたと言いがたい。しかし明日出すから十分やつてくれ。こう言われればわれわれ徹夜してもやる覚悟を持つている。ところが三十日の前日、あるいはその日にお出しになつたのでは、私はあなたの職責が全うできないように思うから伺つているので、私の質問重点はきわめてはつきりしていると思う。どうぞあなたもお考え直し願つて、これは予算をあずかる予算委員並びに大藏大臣としてぜひとも官公労の生活のことを考えて、この予算は第四國会に入つても通したいつもりなんだということを、実は言明していただきたいと思つているのです。
  39. 泉山三六

    泉山國務大臣 お答え申し上げます。ただいまのお話を承りますると、本國会はすでに時日も切迫いたしましたので、本國会に新給與ベースに関する予算はこれが提出を見合わしてはいかがかと、かようの御提案かもしれませんが、政府としてはすみやかに上程いたす、かよう考えであります。
  40. 小坂善太郎

    小坂委員 どうもそういうふうにおとりになつてははなはだ心外なんでありまして、われわれとしては、とにかくこの予算だけはどうしても通さねばならぬという考え方を持つておるから、あなたを勉励、叱咤激励する意味において、こういう話を申し上げておるのであります。この公務員法改正の問題は、マツカーサー元帥書簡に基いて発端が開かれたことは申すまでもない。書簡をよく読んでごらんになると、公務員法改正しろという意見と同時に、官公職員給與の待遇を十分保障するようにという二本建になつておる。これは法理上どうとかこうとかいう問題でなくて、マツカーサー元帥書簡に基いてこういう法案審議するというのは、國会全体としての職務で、この二つの問題は不可分だということは、政治上どうのこうのということよりも、そういう問題が根本になつておる。そういう問題をあなたは大藏大臣としてお見のがしになつては困ると思う。この政治上の問題として、あなたは大藏大臣として、政治家として、政治家の最高峰として、こういう問題については閣議において強力に発言されて、日本の再建のために、道を誤らないように方策をおとりにならければならぬのでないかと思うので、このことを申し上げておるので、重ねて伺いますが、この給料予算は、あなたはあくまで國会が次の國会移つても通すという覚悟を持たなければならぬと思うが、その点に対してあなたは御賛成でおられるのかどうかということです。
  41. 泉山三六

    泉山國務大臣 小坂さんのお尋ねにお答え申し上げます。まずその前にるる御叱咤をいただきまして恐縮に存ずる次第であります。ただ問題は、本國会より第四國会に引続いてこれが審議をせよ、かようのことでございました。これは相当前提に富むものと私は了解いたしますので、今日この機会はかようの御答弁を申し上げることは適当でない、かよう考えております。
  42. 小坂善太郎

    小坂委員 どうも満足しないから続けざるを得ないが、私はあなたが内閣方針として言いたいことはあるだろうけれども、言えないという氣持もわからないではないが、この点を話して大体話を終りにする以外にないと思うので、こういう助け舟を出すわけですが、私はこういうよう審議状況にしたのはあなたのお責任だと思うから、最後にもう一つ伺いたい。早く出してもらいたいとわれわれ予算委員会は非常に熱望しておつたのです。さればこそ昨日も一昨日もあなたの御出席を求めて、どういう状況になつておるか、その状況によつて——われわれも民主党、芦田内閣のときに、予算審議したときに、大綱ではいけないとあなたたちはおつしやつた。われわれは大綱でも出して早く審議してもらいたいと誠意を示したつもりだ、それを憲法の明文に照せば、大綱審議はいけないのだとあなたたちはおつしやつたのでありますが、実情はこうだということを言つて、本会議だけでも質問して審議していただきたいと話を進めた、そういう手段もあるからどうなつておるかと伺つておる。あなたたちとしては、これで話は打切りますが、どうかさらに協力的に全誠意を傾けてお出しになるようにしてもらいたい。また遅れたなら遅れたで、現在の政治情勢を勘案して、第四國会至つてもこれだけは審議して通したいのだということをおつしやるのが、あなたの責任として、政治家として、党派を超えた当然の立場じやないかと思うので、あえてこの点を特に要請いたしておきます。お答えは同じでしようからこの辺で打切ります。
  43. 野坂參三

    ○野坂委員 私は予算がこんなに遅れたことについて、実は大藏大臣から率直な報告を願いたいと思います。今回の予算の問題については、われわれは実に憤慨にたえないと思います。吉田内閣ができてから、当然この予算は取上げられて、もう今までに当然出ておらなければならぬ。その実情について大藏大臣から何ら報告がない。この問題については、私これ以上聞きません。聞いたところで、どうせいいかげんなお答えだろうと思います。それで率直にお聞きしたいのは、先ほど大藏大臣は、今度の予算はこま切れの予算ではないと、はつきり言われた。これは今交渉中だそうで、われわれはこれに期待している。ただ給與予算を一つだけ出すのでなく、これを追加予算という形でお出しになるとはつきり言われた。さてお出しになると、われわれの審議の上において、相当時間がかかると思います。これはおそらくここの委員会全部の希望だと思いますが、いつこの予算をお出しになるのか。あともう三日しかない。きようもはや夕暮です。明日は日曜だ。そうすると、実際上二日しかない。いつ出すのか。これを今はつきりしてもらいたい。
  44. 泉山三六

    泉山國務大臣 野坂さんにお答え申し上げます。まず予算が遅れているじやないか、こういうお話でございましたが、政府といたしましては鋭意努力を重ねておりまして、内閣成立の当初より、第一回の閣議より本追加予算案につきましての協議を重ねて参つた次第でありまして、決して怠慢などとは考えておりません。なお今回の予算につきまして、先ほど小坂さんから答弁はいらぬと、かようの前提の上にお話がございました。予算大綱をなぜ出さないかというよう意味合いのこともございましたが、問題の重点は、國家公務員諸君の新給與という点でございます。新賃金ベースにつきましては、皆さん御承知の通り、それが本月九日に至りまして、発表いたされたのでございまするが、その後いろいろの事情もあり、なおその算定の基礎に至つては、さらに一週間後においてこれを示された、かようの実情でございますので、これが最終的の決定はいまだその段階至つておらないのでございまして、いろいろの事情は万々御了承願いたいのでございます。從いまして政府におきましては、ただいま野坂さんの御指摘ような点はないのでありまして、この点御了承願いたいと思うのであります。しかしてそのいつ何日に出すかというようお尋ねに対しましては、先ほどから田中さんにもお答え申し上げました通りであります。
  45. 野坂參三

    ○野坂委員 國会の時間が一週間とか二週間とか、あるいはなお余裕があれば問題にはならない。あと三日しかない。われわれは責任をもつてここで審議しなければならぬ。それがためには、いつお出しになるかということをお聞きしなければ、この審議を続けることができないと思う。三十日にひよこり出されて、これを通せと言われてもそれはできない。そこで政府にお見込みがあるかと聞いている。この点、政府のお答えいかんによつてはつきり審議するかしないかというわれわれの態度がきまるのです。
  46. 田中源三郎

    田中(源)委員 先ほど私の議事進行についての大藏大臣の御答弁は、予算はこの國会中に提出する、こういう確たる答弁であつた。しかしてこれについては小坂君から、われわれの審議権はつとめて努力はするが、日時がないから、そのわれわれの審議権に対して、政府はどう考えておるか。短時日において審議せよということは無理であります。それに対して、審議権については十分注意いたします、十分尊重いたしますと、こういうお答えが大臣から出ておる。そして今度は小坂君の御質問で、この國会中において審議の期間がなかつた場合はどうするか。いわゆる第四國会に向つてこれを継続審議することを考えておるかということに対し、それは考えていないと言う。ここに前の答弁とあとの答弁とのギヤップが出て來ている。私は大藏大臣に対して、小坂君のそう言つた通りにできなければ、続けてでもこれをやる。お互いに官公吏に対して、この予算を通すということの、政府は義務を持つており、國会もつとめてこれを眞劍にできるだけ早く審議して、この予算を成立せしめなければならぬ義務がある。だから大臣がすなおにそういう心持だとお答えになれば、すつかり話が片がつく。しかし第四回國会に継続してやるということは今日は考えておらぬというところに、どうもギヤップが出て來る。そこが先ほどから小坂君が言つているように、そんなにこだわらないで、お互いに、あなたの方ではいろいろ苦心されて予算をおつくりになるのだから、率直にお話をされて、スムーズに行くようにされる方がいい。そこに何だか大臣は、從來の総理の声明にもありました点にこだわつて、その答えがそういうふうになつて來ると、あなたの御答弁が、最初としまいとはもうまつたく矛盾したお答えになる。だからして結局われわれは今國会中にあなた方がつとめてお出しくださるという最初答弁を信ずる。そうして同時にできるだけ審議権を尊重する。この二つをわれわれは正直に受取つておく。この審議期間がなければいたしかたがない。自然あなたの方は、審議する見込みで十二月一日に召集なさつており、もともと召集がなければ、あなたのお答えの問題についても、いろいろ議論が出て來る。政府が十二月一日に國会を召集している告示は明らかに出ておる。そういうところにあなた方政府が面子にとらわれたようなことをおつしやるから、そこにこういう問題が起きて來る。はつきりこの際にもう一度あなたからおつしやつて——われわれはあなた方の言葉じりをとらえてどうこうしようというのではないのだから、はつきりと大藏大臣から政府の態度を御説明になれば、委員の諸君も納得すると思う。あらためてさつきの答弁を確認すると同時に、あなたの所信をここに、はつきりとお示しを願つておきたいと思います。
  47. 泉山三六

    泉山國務大臣 田中さんの御質問にお答え申し上げます。まず第一にお示しの点につきましてはまつたくその通りであります。つきましてはこの際決意を示せということでありましたが、決意はだんだん申し上げた通りでございますので、この点もあわせて御了承願いたいと思うのであります。
  48. 上林山榮吉

    ○上林山委員長 次会は公報をもつて御通知いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時五十分散会