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本多市郎君 ただいま
議長からの御
報告に相なりました
通り、本
院議員本田英作君は、去る十月四日、急患を発して逝去いたされました。この際私は、
諸君の御同意を得まして、
議員一同を代表いたし、謹んで
哀悼の辞を述べたいと存じます。
君は、
長崎市の御出身でありまして、
東京帝国大学を御卒業の後司法官を志されたのでありまするが、二年後に退官されて、爾來父祖の地に定住し、弁護士としてその才幹を発揮されたのであります。
昭和三年
以來本院議員に当選すること前後五回、在職八箇年有余に及び、多年わが憲政のために献身せられたことは、
諸君御承知の
通りであります。殊に
終戰後の第二十二回総
選挙には、わが
民主國家建設のために、大いなる抱負をも
つて起たれたのでありまして、引続き今日に至るまで、精励よくその重責を果されたのであります。その間、
終戰後の
複雜困難なる時局に際し、
外務政務次官として重大なる任務を担当し、
國家再建に異常なる熱意を示されたことは、われわれの記憶に新たなるところであります。思うに、君の
政治的舞台はむしろ今後にあり、君の眞面目は将來においてこそ一段と光彩を放つものと期待されておつたのであります。
君は、
資性温厚にして、しかも情熱に富む、郷党の
篤望家として、再三選ばれて
長崎市
会議員及び
長崎縣会議員となり、
地方自治の上にも大きな足跡を遺されました。老來ますます
意氣の壮んなものがあつたのでありまするにかかわらず、今日永遠にこの議場を去られた君を思い、うたた感慨にたえないのであります。殊に、この
臨時議会の開会を前にして、にわかに逝去されましたことは、われわれ
一同の衷心遺憾とするところであります。ここに謹んで故人の御冥福を祈り
哀悼の意を表する次第であります。(
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