○
木内政府委員 御
質問の御
趣旨はまことにご
もつともと存ずるのであります。しかしながら御
承知の
通り檢察廳法によりますと、副
檢事は二級官三年以上という
わくも
一つあるのであります。ところがこれを最初動かすことになりましたときに、三年以上の二級官と申しますと、
警察関係においては
相当古い人があるのでありますが、
檢察廳、
裁判所関係におきましては、
書記長が二級官である以外に、ほとんど二級官のいすがなく、その後
優遇等によりまして、
裁判所書記あるいは
檢察事務官につきまして二級のポストができたのでありますが、それはごく最近のことでありますがために、三年に達していないのであります。
從つて優秀なる者でありましても、三年以上という
わくがあるがために、副
檢事に
採用するということができなか
つた実情なのであります。そこでただ質を下げて副
檢事を
補充し
ようというわけではないのでありまして、ただ三年という
わくがあるゆえに、優秀なる人が部外にお
つても入れない。その
採用の途を開くということも、その
特例を設けていただく
一つの有力なる
理由であ
つたのでございます。その後この
特例ができまして、
採用いたすにあたりましても、その人選には非常に注意を拂いました。まず第一の
方法といたしましては、一
應檢察事務官等から副
檢事たることを
希望する場合には、それぞれ
地方檢察廳において、特別に
法律知識及び
実務につきましても、
担当檢事を設けまして
修習さす、あるいは高檢へ集めて
修習さす、そうしてその中からまず
檢事正が選んで
檢事長に上申する。
高等檢察廳においてまた管内全部の副
檢事希望者を集めて、さらに
選考をやりまして、そのうちの優秀なる者を
本省へ上申するということにな
つております。そうして
本省においては、
檢察廳法によりまして御
承知の
通り副
檢事選考委員会というものがあるわけでありますが、その
選考委員会においてさらに
嚴選いたしまして、そうしてその優秀な者の中から副
檢事の
任命をいたすということにいたしまして、いわゆる
檢察官としての
技能、人格、
能力等を十分勘案し、
檢察の威信を落すことのない
ように姫力して参
つた次第でございます。
さ
ような次第で、今までの一年間の
特例によりまして、その
特例の
範囲内で
採用された者が
相当あるのでありますが、先ほど申しました
通り、三年以上二級
官良の
地位になか
つたという点だけでありまして、
人物、
技能等におきましては、決して三年以上の二級官をや
つた者に劣るという
ような者はほとんどないと
考えておる次第であります。さ
ようにいたしまして
相当の
充員をいたすことができたのでございますが、先ほ
ども申しました
通りに、
嚴選に
嚴選を重ねましたために、思う
ような
充員ができずして、なお
相当の
欠員を生じておるという次第でございます。なお新
刑事訴訟法の実施を見越しまして、
相当の
檢察官を
増員する必要があると思うのでありますが、すでに御
承知の
通り、
檢事をも
つてこれを
補充するということがなかなか困難なことでございます。そこで私
どもといたしましては、まず
檢事よりも
採用のしやすい副
檢事及び檢察事務官の
増員をはかりまして、そうして多少とも
檢事の手足として働かして、
檢察の機能をあげて行きたい、か
ような
考えでおるのであります。
從つて副
檢事の
増員ということも考慮いたしておる次第でございます。
欠員があるところにも
つて來て、さらにまた
増員しなければならぬという
実情から見ましても、ぜひともこの
特例をさらに延ばしていただかなければ、とうていこれを充足することができない、か
ように
考えておるのであります。ただ今御
質問の、今度また一年延ばしてそれで一体いいのか、また今後どうする
考えだ、こういう御
質問でございますが、私
どもも決してこの
特例が長くたびたび延びるという
ようなことは、やはり
特例中の
特例であるのでありますから、さ
ようなことはよろしくない、か
ように
考えておるのであります。しかしながら一年延ばしていただきまして、この次はもう絶対に延ばさなくても十分まかなえるか、こういうことに相なりますと、今のところ私
どもといたしましては、
見通しがつかないわけでございます。しかし少くともこの一年で何とかできるだけのことをやりたい、か
ように
考えております。しかしあらかじめ二年、三年、五年という
ような長い期間を
切つて特例を願うということは、
特例の
趣旨に反すると思いますので、また次の実績を見まして、あるいはまた一年延ばしていただくということに相なるかも存じませんが、私
どもとしては、ぜひ延ばさずに行ける
ようには望んでおる次第でございます。