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1948-11-12 第3回国会 衆議院 文部委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十三年十一月十二日(金曜日) 午前十時四十九分
開議
出席委員
委員長
圓谷
光衞
君
理事
原田 憲君
理事
松本
七郎君
理事
伊藤 恭一君
理事
久保
猛夫
君 平澤 長吉君
渡邊
良夫
君 山名
義芳
君 受田 新吉君
高津
正道君
松本
淳造
君 後藤 悦治君
西山冨佐太
君 黒岩 重治君
松原
一彦君
委員外
の
出席者
議 員 松澤 兼人君
文部事務官
日高
第四郎君
文部事務官
剱木
亨弘
君
大学設置委員会
委員長
和田
小六君
大学設置委員会
副
委員長
矢野
貫城
君 専 門 員 宇野
圓空
君 専 門 員
横田重左衞門
君 専 門 員 武藤 智雄君 十一月九日
委員水谷昇
君辞任につき、その補欠として
渡邊
良夫
君が議長の指名で
委員
に選任された。 同月十二日
久保猛夫
君が
理事
に
追加選任
された。 ――
―――――――――――
十一月十一日 新
設國立福島大学学藝学部
四年
制即時実施
に関 する
請願
(
圓谷光衞
君
紹介
)(第八号) 豊島区に
新制大学設立
の
請願
(
加藤隆太郎
君紹 介)(第一四号)
國立宮崎大学設立
の
請願
(
川野芳滿
君
紹介
)( 第五一号)
岩手縣
の外地無縁故
引揚兒童教育施設費國庫補
助に関する
請願
(
山本猛夫
君
紹介
)(第七三 号) の
審査
を本
委員会
に付託された。 同日 詫間町に
香川大学設立
の
陳情書
(第八号)
教育復興
に関する
陳情外
一件 (第 三二号)
佐賀大学設立
に関する
陳情書
(第三五号) 六・三
制中学校建築費國庫負担
の
陳情書
(第六一号)
愛知縣
に
農林大学設立
の
陳情書
(第一一九号)
教員
の
退職手当支給
に関する
陳情書
(第一二四号) 東北
大学
・
仙台工業専門学校
・第二
高等学校及
び宮城師範学校教職員
に対する増俸の
陳情書
(第一三六号)
秋田専門学校昇格
の
陳情書
(第一三七号) を本
委員会
に送付された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した事件
理事
の
追加選任
國政調査承認要求
に関する件
大学設置
に関する
説明聴取
――
―――――――――――
圓谷光衞
1
○
圓谷委員長
これより
会議
を開きます。 十一月九日の
議院運営委員会
において、小会派より
理事
一名を選任いたすことになりました。よ
つて
これより
理事
の
追加選任
を行います。
松原一彦
2
○
松原
(一)
委員
理事
は
委員長
において指名せられんことを望みます。
圓谷光衞
3
○
圓谷委員長
ただいまの
松原
君の動議に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
圓谷光衞
4
○
圓谷委員長
御
異議
なしと認めます。それでは
理事
に
久保猛夫
君を指名いたします。暫時休憩いたします。 午前十時五十分休憩
——
——
◇—
——
——
午前十一時一分
開議
圓谷光衞
5
○
圓谷委員長
それでは引続き
会議
をを開きます。
大学設置
問題を議題といたします。本問題につきましては、
大学設置委員会
より御
出席
がありますので、まず諸般の
説明
を聴取いたしました後に、各位の御
意見
の御発表を願いたいと思います。
和田小六
6
○
和田説明員
ただいま御
紹介
いただきました
和田
でございます。
大学設置委員会
の
経過
、
運営
並びに
方針等
につきまして、簡單に御報告申し上げます。
大学設置委員会
が発足いたしましたのは、昨年の十二月末でございまして、本二十三
年度
より
申請
を受付け、
新制大学
の
審査
に当る
計画
を立てて参りましたが、昨二十二
年度
において、二十三
年度
より
新制大学
として出発される
学校
の御
希望
がございまして、用意ができておるならば一刻も早く
新制大学
を発足せしむべきであるというお
考え
が、
文部省
の方にもありましたので、昨
年度
の終りでございました二月の
末日
から三月にかけまして、十三の
学校
につきまして
審査
をいたし、うち十二を
新制大学
として発足いたすのに適当であるという答申を、
文部大臣
に差出した次第であります。なお一校は
審査
を、各種の
事情
がございまして、判定を保留いたしました。本
年度
におきましては、
明年度
、すなわち二十四
年度
より
新制大学
として発足することを御
希望
にな
つて
おります
大学
の
申請書
を、七月
末日
までに御提出いただくことを
委員会
として決定いたし、その旨を御通知いたしました。大体
新制大学
として御
希望
になり、
申請
されました
書類
は、
文部省
において七月三十一日までに受付けられました数が、全体におきまして二百十九ございました。
委員会
といたしましては、これをいかに
審査
いたしますかにつきましては、技術的の問題といたしまして、非常に困難もございまするので、いろいろ相談をいたしまして、大体
審査
を二月
末日
までに終るという目途をつけまして、その間に三回にわけて
審査
をいたすという
方針
を立てましてございます。そういたしまして、第一回の
審査
を九月初旬に開始いたしまして、約二箇月足らずを予定いたしまして、一回の
審査
を一應終えました次第であります。第一回の
審査
に付しました
学校
は約八十三校でございます。現在第二回の
審査
を引続き進めつつある次第であります。なお第二回の
審査
は、大体におきまして十二月の初めにはほぼ終ると存じます。その後に
総会
を開く予定を立てておりますが、まだ決定いたしておりません。
委員会
といたしましては、
最初
三回にわけました各
終了過程
におきまして、
総会
を開きまして、
可否
を決定いたす案を一應は立てたのでございまするが、
審査
をして参りますると、
学校
の
当局
の方におきましても、また
審査員
の方におきましても、いろいろの疑念が生じ、また研究を要する
点等
がございまして、早急に
総会
を開きまして、
可否
を決定いたすこともいかがかと存じまして、まず二回ほどの
審査
を終えました後に、各
審査会
の思想の
統一等
もほぼととのいました後に
総会
を開き、
可否
を決定することを適当と認めましたので、第一回の
総会
を延期いたしました。 以上が大体の
経過
でございまするが、なお
運営
の
組織
と申しまするか、
方法
につきまして申し上げますならば、
総会
において
承認
を得ました
常任委員会
が、
一般運営
の衝に当
つて
おります。また
審査
に当りますものは、これまた
総会
において
承認
を得ました八つの
審査会
でありまして、
委員長
及び副
委員長
を除きました全
委員
を適当に各
審査会
に配置いたしまして、なおそれに
臨時委員
を加えまして、
審査会
を
組織
いたしております。なお特別の問題を特に取上げ
審議
いたしますために、四つの
特別委員会
を、
総会
の議を経て設けております。第一の
特別委員会
は、
大学
の
基準
に関する事項につきまして、
審議
をいたす
委員会
でございます。第二の
委員会
は、
申請書
の書式を
中心
といたしまして
審議
いたす
委員会
でございます。第三は、
運営
、
審査
の
実施等
につきまして
審議
いたしております。なお第四は、
教員
の
組織
について、特に重大な問題でございますので、
特別委員会
を設けまして、その中に十三の
専門委員会
を設けました。それからそれをまとめます
一般
の
分科会
、合せまして十四日の
委員会
を設けております。 大体ただいま申し上げましたような
組織
ですが、なお実際の
審査
の
経過
と申しますか、やり方を申し上げますならば、
最初
に
文部大臣
よりの
諮問
がございました。それに対しまして
書類審査
を
——最初
と少しかえましてございますが、
申請書
によりまして、まず現在や
つて
おります
方法
は、第四
特別委員会
の
教員組織
に関する
専門分科会
の
審査
をまず
最初
にいたしました。続きまして各
審査会
が
書類
上の
審査
をいたし、
教員組織
に対する
専門分科会
の大体の御
意見
を取入れまして、
書類審査
を終了いたし、その結果を
常任委員会
において大体調整いたし、そうして各
審査会
は
臨時委員
を加えまして、
実施
を視察することにな
つて
おります。その結果を再び
審査会
においてまとめ、
常任委員会
において調整をいたし、
審査会
より
総会
に報告することにな
つて
おります。
総会
におきまして
可否
を決定いたす次第でざいます。 なお
一般方針
について申し上げますならば、
教育
の
民主化
、
大学教育
の
機会均等
、
教育刷新
の
根本方針
・
大学
の
水準
をできるだけ高く保つという、これまた
根本
の
方針
をと
つて
おります。その
方法
といたしましては、結局
大学教育
の
機会均等
、
教育
の
民主化
ということにつきましては、
大学
の
門戸
を拡大するということを
考え
まして、
設置委員会
といたしましては、
学校
の
当局
とともに、少しでも
特長
のあるものは生かして、その
特長
をとらえて、
大学
を少しでも多くつくる
とい方針
をと
つて
おります。また
大学
の
水準
をできるだけ高く保つということに対しましては、
内容
の充実いたしました
学部
をつくることを
目的
といたしております。とかく横に廣く
奥行き
の薄いものが見られるのでございますが、そういうものはなるたけ
間口
は狭くとも、
奥行き
の深いものをつくるようにお願いいたしております。それに対しましては、
根本
の問題といたしまして、
從來
の
大学
に対する
概念
が多少かえられなければならないということを
考え
、また了解していただくことにいたしております。つまり
從來
の
大学
と申しまするものは、大体において
学問体系
を基礎といたしまして、それから出て参りました
専門
的なものを教えるということに、ほとんど終始いたしてお
つたの
でございます。
新制大学
におきましては
社会
の
指導者
、あるいは職業的な
エキスパート
を
教育
するという面にまで、
大学
の範囲を
廣げ
て
考え
る必要があり、またそうでなければならないと
考え
ておるのであります。從いまして
從來
の
大学
の
学部
というもの、すなわち
旧制大学
において
考え
られておりました
学部
に対する観念も多少加えて
考え
る。先ほど申し上げましたある
特色
をも
つて
おるものならば、きわめて小さいものでも
一つ
の
学部
として認め、その
特長
を生かしていく。
学部
には何学科なければならないから、弱いものだけ合せてただ駒だけをそろえるというような
方針
は、とらぬことにいたしております。 なお一應その
審査
の結果から見まして、代表的と申しまするか、感じましたことを申し上げますならば、大体におきまして
新制大学
の
特長
と
考え
られます点は、
一般教養
ということが
大学
に強く取入れられ、見方によりましては、それが
大学
の
教育
の主体であるというふうに
考え
られておるのでありますが、この点に対する
施設
がはなはだ不備である。当然のこととは存じまするが、
文科系
の
学校
におきましては、
理科系
の
大学
の
施設
なり、
教員組織
より不備である。それから
私立大学
においては、
專仕教員
を得るということに対して、非常な困難を感じておられるようであります。これは御
承知
のごとく、わが國の
私立大学
は
一つ
の
特長
を持
つて
いるのでございまして、強い
大学
と
教員
に関する限りはある程度お互いに助け
合つて
、
大学教育
をや
つて
来たのが実態なのであります。それを専任の
教授
のある数を備えなければならないというところに、非常な困難を感じておられるようであります。 なお全体を見ますならば、
教員
の絶対数が足りないのではないかと
考え
られます。從いまして有能な
教授
が多くの
学校
を兼任されているのが多く見られます。なお
新制大学
に対する各
学校
における御
理解等
もまだ十分でないのではないか。
申請書
が実際記載の際に非常に
変更
されることがしばしばあるのでありますが、
申請書
の
変更
に対しましては、
委員会
としましては十分な
好意
を持ちまして、それに
應ずるよう
にいたしておりますが、全体の
計画
を乱すものは、自然
あと
まわしになることはやむを得ないかと存じます。全体といたして、どうも
新制大学
に対するほんとうの認識、御
理解
が十分でないということと、
教育
の
質的改善
ということに対しての御
理解
が、十分でないのではないかという点を感じた次第であります。これは私の単なる感じでありまして、
委員会
の
意見
でございません。 以上簡単でございますが、また何か御
質問
に應じまして申し上げます。
松本七郎
7
○
松本
(七)
委員
先だ
つて
大学設置
の問題を衆議院からも各地に派遣されて調査したのですが、そのときに、これは
学藝大学
の問題でありますが、
学藝大学
のシーニア・コースの
設置場所
について、方々で問題が起きているようであります。
地元
でまとまらないで、一
應申請書
だけは
設置委員会
に提出しているような
事情
にあるところが、相当にあるようであります。
福岡縣
のごときは
地元
でまとまらずに、現在も
福岡
と
小倉
の
両方
で運動し
合つて
おる
実情
であります。われわれの見たところでも、それぞれ
特色
がある。
小倉
は
設備
のいいものを持
つて
おる。
福岡
の方は
設備
に欠けておるのでありますが、九州
大学
が近く
文化
の
中心
であるという点から、それぞれ自分のところに有利な点を主張し
合つて
おるような
実情
であります。そこでただいまの
委員長
の
お話
では、一旦
申請書
を出しても、途中で
変更
した場合には、これを十分尊重するというような
お話
でございましたが、
地元
でも
つて
一致してこの案を
変更
したというような場合は、問題はないと思いますが、どこまでも
地元
でまとまらない。一
應設置委員会
に通すというために、いろいろな
変更
が加えられて來るような場合も
考え
られる。
地元
でまとまらない場合に、
大学設置委員会
としてどういう
態度
で臨まれようとするのか。その点をひ
とつ
承りたいと思います。
和田小六
8
○
和田説明員
申請書
の
変更
ということになりますが、
委員会
といたしましては、実は
文部大臣
の
諮問
に答えまして、
大学
が
新制大学
としてのものさしに
合つて
おるかということを、受身の形で
審査
いたすのが本務でございます。ただいまの御
指摘
のような場合、
文部省
を通しまして、
申請書
に
変更
がございました場合には、
審査会
といたしましては、先ほど申し上げましたように、できるだけ
好意
をも
つて
扱いまするが、しかし大体
順序
がきま
つて
おりまするので、先ほど申し上げましたように、二百十九の
大学希望
の
学校
を大体三つにわかちまして、その
グループグループ
に
審査
いたして参るのでございます。その
順序
が狂いまして、たとえば第三の
審査
の時期に、そういう手続をとりましたために、第三の
審査
の時期が遅れるということは、
委員会
としては極力避けたい
考え
でございます。大きな
変更
のございます場合には、勢い第三の
審査会
の終りました
あと
において、それを取上げるという大体の
方針
はきま
つて
おります。しかし比較的軽微なものは、そのときどきの
審査会
の意向によりまして取上げるものもあると存じます。
地元
で
意見
の違うということの御
指摘
でございましたが、それは
文部省
におきまして、それを行政的にまとめたものが
審査会
に参ることを本筋といたしております。もちろん
地元
から直接
設置委員会
の方に
歎願書
というようなものも受けております。それは
審査
の
内容
としての
一つ
の参考の資料として、各
審査会
におまわしをいたし、
審査
の
内容
に含めて
考え
ております。それで非常にその
地元
におきまして問題が解決しておらないという場合には、一
應文部省
に対しまして、行政的にまとめることを要求することになると存じます。
松本七郎
9
○
松本
(七)
委員
そうすると、これは
文部省
に御返答願いたいのですが、
文部省
としては、そういう場合に中央で何らかの決定をするというような御
方針
でしようか。それともあくまで
地元
がまとまることを待つという
態度
でしようか。どちらでしようか。
日高第四郎
10
○
日高説明員
私の見解では、
官立学校
のことでありますから、本來の建前からいいますと、これは
文部省
が決定し得ることであるし、またしなければならないというふうに
考え
ているのであります。今日特殊の状態にありまして、
関係方面
でもなるべくそういうコントロールを避けろというような特別の指示があります。私
ども
としてはできるだけ地方及び
学校
の話合いの上できめるように勧めております。絶対に
文部省
が何事もしないとは申しませんけれ
ども
、それは極力避ける
方針
で今日までや
つて
おります。中には相当複雑いたしておりまして、あるいは
大学設置委員会
の
審査会
に間に合いかねるようなことがあるかとも思いますが、そういう際にはいたしかたがなく、
申請
を延期するよりほかはないのではないかというふうに
考え
ております。
松本七郎
11
○
松本
(七)
委員
それからもう一点は、この間
文部省
で非公式に
伺つたの
ですが、一
應申請書
に出した案で、それが
通つた
場合に、ほかにもつと有力な
候補地
があるというような場合、
最初申請書
に出す場合にどれにしていいかわからぬ、
候補地
が非常にたくさんあるというような場合に、一應案を出して、それが
通つた
後にこれを
変更
することができるというようなことだ
つたの
ですが、その点をはつきり伺
つて
おきたい。
日高第四郎
12
○
日高説明員
これは
文部省
といたしましては、よりよき案にすることを望んでおるのでありまして、
大学設置委員会
の
審査
に間に合わないような場合には、これはいたしかたがないけれ
ども
、なるべくは
大学設置委員会
の御了解を得るようにでき得る限りにおいては一層適切ないい案によ
つて
、
審議
をしていただきたいという
考え
でおります。なるべくはそれを
既定方針
に
從つて
や
つて
もらうようにするつもりでありますが、非常に大きな差がありまして、
あと
から改正した方がいいというような場合には、特別の
処置
としてお願いするつもりであります。それは先ほど
和田委員長
からも
お話
のありましたように、
審査
に間に合わないような憂いが伴うと思いますが、御了承をいただきたいと思います。
高津正道
13
○
高津委員
ただいま
和田委員長
の御報告を聞いたのでありますが、
一般方針
として三つあげられまして、その第三に
大学
の
水準
は
あと
う限り高く保つという
方針
で臨んでいると言われましたが、その御
説明
の中に、
間口
は挾くとも
奥行き
の深いものを尊重する。
從つて從来
と
大分概念
は
変更
されて、
社会
の
指導者
、職業の
エキスパート
を養成するということであると申されたのでありますが、
大学
の
水準
を
あと
う限り高く保つということが
考え
られておるにもかかわらず、
大学
生の間には低
文化政策反対
というスローガンをも
つて
、現在の
新制大学
がつくられることに猛烈な
反対運動
を今起されておるのであります。例を申しますと、早
稻田大学学生自治会
が、幹部は
共産党系
が多いのではありますけれ
ども
、
從來
の
大学
の高い
水準
をこわして、
日本
の
文化
を低めるような
政策
を
政府
がと
つて
おる。
諮問委員会
もいわゆる
大学設置委員会
も、大体そういう
方針
で動いておる。これは
日本
の將來にと
つて
非常に憂うべき現象である。こういうふうに宣博せられるためにそういう
共産管側
の
宣傳
に対して
反対
する
学生
があるのでありますけれ
ども
、その力が弱く、
大学
はこぞ
つて
現在の
新制大学設置
のプランに対して非常な
反対
をしておる。
政府
に対する
反対
は同時にまた
——
どういう言葉を
使つて
いいのでありましようか、國際的にも
反対
する。あるいは
反米運動
のような形を呈しておることは間違いのないことであります。これは私
誤解
であろうと思うのでありますけれ
ども
、何らかそういうことについて
文部当局
あるいは
大学設置委員会
の方で、決して
日本
の
文化
を低めるようなことをわれわれは
考え
てもいないし、そういうことをや
つて
はいないのだというような
声明
を出される必要はないのか。そうでないらなばそうではない。そういう意図や
運びはやつておらぬということを
、將來ある
学生
のために、そういう
誤解
に基いて行動しないように、
十分手
を打たれるべきではあるまいか。これは非常に重大な問題である。私たちも
議会
に籍を持
つて
おりますので、そういうことでない、すなわちそれは
誤解
であるということがわか
つて
おるから、われわれ自身で
説明
に行きたいとも思いますけれ
ども
、
議会
の本職が忙しいのでそういうこともできないのであります。
設置委員会
にこれを要求するのではありませんが、
政府
としては大きい責任があるのではないか。
文部当局
は何らかこれに対して手を打
つて
おられるのかどうであるか。
和田委員長
のこの問題に対する御
意見
と、
文部当局
を代表して出ておられる
日高局長
のこれに対するお
考え
を、ちよつと聞いておきたいと思います。
和田小六
14
○
和田説明員
ただいまのお尋ねに対してお答え申し上げます。
学問
の
水準
が低くなりはしないかということはよく言われておりますが、そこに非常な問題があると存じます。ただ私の
考え
でございますが、
学問
の
水準
と申しますか、
大学
の
水準
とは一体どういうことなのかというところに、非常な
考え
の差があると存じます。
新制大学
が
一般
の
教養
に重きを置き、
從來
のごとくただ
専門
に鈴く狭く伸びておる
人間
ばかりでなく、いわゆる
教育
の
民主化
、つまりアヴェレージの
人間
を対象とし、それに市民の
指導者たる
の
教養
と、なおそれ必要な
専門的知識
を與えるということが、
新制大学
の
根本
の
方針
なのであります。それと同時になお
大学院制度
、それから
学問
、教学の自由ということも認めておるのでありまして、強い
学生
、伸び得る
学生
に対しても、なおその
門戸
はとざされておらないというふうに私は
考え
ております。その
大学
がある程度の
水準
を持
つて
おるならば、
從来
の
意味
における
学問
の
水準
ということの非常に狭いものに対しては、
大学院
を含めましては決してその
水準
は下らないと存じますが、全体とし
教育
の
目的
が多少変
つて
おるのではないかと
考え
ております。
高津正道
15
○
高津委員
政府
の御答弁はすぐ
あと
で聞くといたしまして、
大学設置委員会
ではそういうお
考え
を持
つて
おるのであれば、そう世間の
誤解
に対して避けるような何らかの
処置
をおとりにな
つたの
でありましようか。そういうことまでは
委員会
としてはなさ
つて
いなか
つたの
でありましようか。その点をお伺いしておきます。
和田小六
16
○
和田説明員
審査
にあたり、
学校
に
審査委員
が参ります際には、その点は十分に徹底いたすように
説明
いたしております。
委員会
全体として、
委員会
の名において
声明書
を出すというようなことはただいまは
考え
ておりません。
日高第四郎
17
○
日高説明員
ただいまの御
質問
に対してお答えいたしたいと存じます。
大学設置委員会
の
基準
というものは、現在及び将來の
大学
の最高のよるべき
基準
ではないと、私
ども
は
理解
しておるのであります。
がまん
のできる
水準
で、いわば下の方の
ミニマム
の
水準
をも
つて
大学
の
設置
は許す。その
意味
においてなるべくたくさんの
大学
をつくるというようなことが、
大学設置委員会
においては、暗黙のうちにおそらく
承認
されておることだと思うのでありますが、そのほかに御
承知
のように
大学基準協会
というものがございまして、これは
文部省
とは無関係に独立して、現在ある
大学
が相互に
学問
及び
教育
の
内容
を向上させるための、いわば上の方の
——
上と申しましてもそう非常に高いものではないのでありますけれ
ども
、相当な
基準
を立てまして、それに近づくように
大学基準協会
をつく
つて
、その
方面
は努力いたしておるのであります。こういう点で
二つ
の
基準
があるということについて、多少
誤解
があるかというふうに
考え
ておる次第であります。もちろん
文部省
といたしましても、五十年も七十年もかか
つて
できた
大学
と、五年や六年でつくり上げようとする
大学
とが、
内容
の上において多少学力の差のあることは、これは避けがたいことでありまして、
文部省
としては、よい
大学
はあくまでもよくなることを望んでおるのであります。新しくできる
大学
に多少不備がありましても、それは
大学
として
がまん
のできる
基準
に当てはまるならば、
大学
として出発させて、
將來日本
の
國力
が回復しますならば、できるだけ高い
基準
にみなを押し上げたいという
希望
を持
つて
おるのであります。この
二つ
の
基準
の混同から、あるいは高いものを引きずり落すというような
——
私は
誤解
ではなくて曲解だと思うのでありますが、そういうことに対する
処置
についてはまだ格別のことをいたしておりません。もしそういう
学生
が私
ども
のところに参りますならば、私
ども
もよく
事情
を話すつもりでおります。まだそういう時期に至
つて
おりませんが、必要があればその趣旨を明らかにいたしたいと思
つて
おります。
高津正道
18
○
高津委員
大学設置委員会
の方は、なるべくスタートしやすいように、
ミニマム
の点を
考え
ておる。
文部省
とは独立しておる
大学基準協会
の方では、上の方の
基準
を示しておるので、
文部省
は
両方
とも肯定しておる。そうして将来は低い
基準
でスタートしたものも、高位においてスタートしたものも、高めるような
方針
である。また
和田委員長
の御
説明
の中には、狭い学者
——
言葉は悪いのですが、それは
大学院制度
があ
つて
落ちないようにな
つて
おる、程度が低くならないようにな
つて
おる、こういうような
お話
を承
つて
おるのでありますが、
二つ
を
学生
は混同しておる。決して
政府
としては高いものを低くするものではない。こう言われたので、私は十分了解したのであります。
日高局長
は今
学生
がたずねて來れば
説明
をすると言われたが、現在
学生
はそのように動いておるのでありますから、來れば
説明
するというのでなく、
文部省
の役人は多いのでありますから、何らかの手を打
つて
それを詳しく親切に
説明
されて、ただそういう
文化
を低める
政策
を
政府
がと
つて
おるというような見方のもとに、低
文化政策反対
という運動をしておる側の人のみでなく、その席へそういう低
文化政策反対
運動者でない者をも一緒に入れて詳しく
説明
をされるならば、非常に裨益するところが多かろうということを、私は
文部省
に
希望
するものであります。どうぞよろしくその点をお願いいたします。
松本淳造
19
○
松本
(淳)
委員
高津
君の御
質問
で大体私もわか
つたの
ですが、それに関連して、低
文化
政策
の問題を、何と申しましようか、政党の
一つ
の闘いの武器にしておる傾きもないとはいえない現状であります。これは非常に大きな問題だと思いますので、
文部当局
におかれましても何かの機会にやはり明らかにされることを私としても
希望
してやまない。たとえば
大学設置
の問題に限らず、六・三制の問題でありますが、これな
ども
日本
を徹底的に低
文化
にさせる
一つ
の方便であるということが、相当の政治活動をする人から堂々と演説をされたり、それを眞に受けて地方では非常な混乱を来しておる点も、私
ども
は見受けておるわけであります。そういう点の注意をお願いしておきたいと思うのであります。これは
高津
君の御
質問
と関連しますので、私からもつけ加えて注意を申し上げておきたいと思うのであります。 いま
一つ
は、これは必ずしも
質問
をしてどうというのではありませんが、
和田委員長
の御
説明
によりますと、
間口
は小いさくても奥行の深いものという
お話
もあ
つたの
でありますが、しかし
日高局長
の
お話
のように、何と申しましても二百十九校にあまる
大学
を
設置
するのでありますから、従来の
大学
というものの
概念
とはやはり多少違つた
大学
というものを想像せざるを得ない。
從つて
非常な大きな数に上るわけでありまして、この狭い
日本
で二百二十にあまる
大学
ができるわけであります。これは私がことさら申さぬでも、
専門
の
和田委員長
その他十分御
承知
であろうと思いますが、イギリスのごときにおきましても
大学
はわずかに三十六、七だと思
つて
おります。フランスあたりも十六、七程度であつたと思
つて
おりますが、
日本
だけが二百二十の
大学
が一挙にできるということは、新しい
大学
という構想のもとならば一應わかるのでありますけれ
ども
、はたしてそれほど多くの数量を必要とするかどうかということは、また別な角度から
考え
てみる必要もあるのではないかと、私は実は内々
考え
ておるわけで、この数量の問題について、
設置委員会
として、
從來
今までの御会合において議題に
なつ
たことがありましようか。あるいは将來
総会
その他における議題として、お
考え
になる意思があるかどうか。一應念のために伺
つて
おきたいと思います。
矢野貫城
20
○矢野
説明
員 今の問題でございますが、
設置委員会
が非常に頭を用いておりますことは、現在の
専門
学校
は近いうちになくなるわけでございます。二百十九校とい
つて
も、來年あたりそのほかにまだ出て来ると思いますので、相当多くなると思いますが、現在の
専門
学校
がなくなることを
考え
ますと、新制の高等
学校
は、高等
学校
といいますけれ
ども
、実はこれは中等
学校
でありまして、そこでもし
大学
の
設置
を非常に制限をいたしますと、高等
教育
の数が非常に減
つて
参ります。現在では高等
教育
を受けている
学生
の数は、その同じ年齢の層にくらべて五・一%にな
つて
おります。この五・一%を維持するのには、どうしても現在の
専門
学校
及び
大学
を全部
大学
にするということにしないと、今までの数を維持することもできないことになるのであります。そこで相当の程度に
教育
を高めるといたしますと、その数が維持ができない。現在でも相当同等
教育
の入学が困難でありますが、そこまで制限いたしますと、一層の入学難を来すようなことになることを恐れております。そこで今
和田委員長
から
お話
がありましたように、できるだけ指導をいたしまして、親切にいろいろの相談に乗りまして、なるべく
大学
ができるようにということを
考え
ているのであります。
大学
と申しますけれ
ども
、今度の
大学
は先ほ
ども
お話
がありましたように、
概念
が大分違うのでなければならぬと
考え
まして、またこれは今、
日高局長
の
お話
もありましたように、
大学
とい
つて
も、あるものは実は
從來
の
専門
学校
の機能を発揮する程度にしか、
考え
られないものもあるのではないかと思います。そういうものもこの際は全然認めないわけにも行かないのであります。
学問
の
水準
は
大学院
とかそういう
方面
でできるだけ持
つて
行く。それからまた今
お話
がありました
大学基準協会
が、まだ十分発達いたしておりませんが、これは
和田委員長
がその方の
委員長
にもな
つて
おりますので、これが十分発達いたしますと、
大学
を高めて行く役割を十分に果すようになると
考え
ております。私
ども
は
大学基準協会
が発達して
大学
の
水準
を高めて行く。
大学基準協会
に入れない
大学
は、多少程度は低くてもこれはしかたがない。しかしそれでも今日の状態としては、
学生
の入学難を続けるよりはいいだろう。こういう
考え
方をも
つて
話合いをしているわけであります。
伊藤恭一
21
○伊藤(恭)
委員
和田委員長
にお伺いいたしますが、原則として
教育
の
機会均等
の上から、一縣一
大学
ということが大体きま
つて
いるようでありますが、しかし先刻も
委員長
からの
お話
に、
大学
の
基準
はできるだけ高めたいという
お話
であります。もしこの敗戦
日本
の現在の財政におきまして、今
松本
さんから
お話
がありましたように、すべてが
大学
に昇格することに
なつ
たならば、これは非常な二流、三流の、つまり低級な
大学
が構成せられることになりまして、われわれといたしましては、
教育
の
機会均等
の上からいたしまして、これは賛成ではありますけれ
ども
、やはり
大学
基準
のことからいいましたならば、その点にやはり非常な疑問があります。でありますから特に各府縣においては、特殊の
事情
のあるもの、特に
学校
であるとか、父兄であるとか、縣民であるとかいうものが、
内容
をあくまでも向上したいというような特殊の
事情
のあるものについては、必ずしも、一縣一
大学
というようなことでなしに、特別の例外を認めていただくことも当然であると思います。そういうようなことにつきましては、
大学設置委員会
におきましては
文部当局
と十分に交渉をして、そうして特殊の
事情
のあるものについては、特別の
処置
をと
つて
いただくというようなことも必要であると
考え
ますが、これについて
委員長
の御
意見
を伺いたいと思います。
和田小六
22
○
和田説明員
要するにただいま仰せのごとく、今日の状態におきまして、ここに立派な
大学
をただちにつくるということは非常に困難でございます。まずスタートにおきましては、おそらく物足りない
大学
ができると存じます。要するに
日本
全体にいえることかと存じますが、今後の発展性というものがどれたけそこに包藏されておるかということが問題だと存じます。それを
大学
とした方がよいか、
専門
学校
にとどめておいた方がよいかというところに問題があると存じます。すべてある
大学
を一縣一総合
大学
という
一つ
の
概念
で縛りつけるか、あるいはそれを別の
大学
として認める方がよいかということも、要するにその点に帰すると存じます。問題は今後にすべてあると存じます。現在のスタートにおいて、今後の完成を期する上において、どちらをとるべきであるかということは、どつちを
とつ
た方が、今後の大きな
目的
に対しての完成に、より有効であるかということによ
つて
、きまるのではないかと存じます。はなはだ抽象的のことを申し上げましたが、大体私はそういうふうに
考え
ております。
高津正道
23
○
高津委員
教育
優先の見地から、総予算などから
あと
う限り
教育
のために、特にこの際は
新制大学
のために思い切
つて
多額の支出をすべきであり、そのために私たちは努力しておるのでありますが、それにしても限りある財源しかない現状において、各縣に不完全な
新制大学
をスタートさせることは、國費の濫費というか、非常に不経済な使用
方法
であるということが
考え
られるのであります。また
大学
のまさにあるべき姿が、総合
大学
であろうと思うのでありますが、総合
大学
という場合には、
学部
が三つとか四つとかいう程度を持つのでは、総合
大学
たる眞の威力と價値とを発揮することは不可能であることも自明の理であります。むろんそんなのは総合
大学
とは言わないのであろうと思います。
從つて
私はこの
意味
において全國の各府縣といわず、各ブロックに少くとも
一つ
は完全な総合
大学
を
設置
するという
方針
を、あくまでも
委員会
でも
文部当局
も堅持さるべきではあるまいかと
考え
ております。第二回國会の文教
委員会
で、
大学設置
問題に関する
一つ
の決議をしたのでありますが、その意図するところは、各
大学設置
に関しては、あくまでも重点主義で行くベしというのでありました。その後
文部省
に対する
大学設置委員会
の答申として、新聞に発表されたものを見ると、大体この重点主義を十分了解し、お認めにな
つて
おるように私は伺
つて
、それを非常に喜んでおつたものでありますが、そういう一ブロツクに
一つ
は
あと
う限り完全な総合
大学
をつくるという
方針
を、依然堅持」ておられるのであるかどうか。この点を承
つて
おきたいのであります。
和田小六
24
○
和田説明員
実は
設置委員会
は、そういうことに対しまして積極的な
意見
を述べる立場ではございませんが、各府縣にただいまのところでは
一つ
の
大学
というような大体の
方針
がとられておるようであります。その各府縣から御
申請
にな
つて
おります総合
大学
の
水準
等につきまして、
設置委員会
といたしましては
審査
をいたしておるのであります。それをブロックといたしました方がよろしゆうございましようか、各府縣に置きました方がよろしゆうございましようか。どうもブロックに置きますと、旧帝大がその
中心
になる。そうでなくてもそこに問題があるように感するので、やはり一應は各府縣くらいに、問題を今後の発表に期待いたしまして、置いた方がいいのではないか。これははつきりした結論を得ておるわけではございませんけれ
ども
、そういうふうには
考え
ております。この程度にしかお答え申し上げられません。
日高第四郎
25
○
日高説明員
高津委員
の
お話
に
なつ
たようなことは、実は一両年前には
文部省
もそういう
方針
を
考え
ておつた時代もあ
つたの
であります。北海道とか、東北とか、関東とか、東海というふうに、少し廣い区域にわかちまして、そこにできるだけ整つた総合
大学
をつくり、その地方にある高等
教育
機関は、何らかの
意味
においてそれと連絡をして、
大学
の機能を発揮させたらばいいのではないかというふうな試案も、
文部省
自身持
つて
お
つたの
でありますが、その後内務省が解体いたしますし、警察
組織
法がかわりますし、地方自治制が確立いたしますし、さらに地方
教育
委員会
ができるというような客観的の情勢が相当変化いたしましたので、現在のところでは優先的に一廣地域に総合
大学
をつくるという
方針
は、表面からは捨ててしまつたわけでありまして、現在のところでは各府縣に、できるだけ官立の
大学
は
一つ
にまとめて、お互いに助けあうことによ
つて
、新らしい
目的
に到達しようという
方針
にな
つて
おるのであります。実は七月の際に、必要があれば、國立の
新制大学
の
実施
の
文部省
としての
方針
を、御
説明
にあがるつもりでおりまして、申入れだけはいたしたのでありますが、國会の方が非常にお忙しか
つたの
で、まだそういう機会を得ておらないのであります。大体十一ばかり原則を立てまして、三百七十八の
学校
を六十九の官立の
大学
にまとめ上げるように、骨を折
つて
来たわけであります。それには今の点で申しますと、國立の
新制大学
は特別の地域を除き、同地域にある
官立学校
は、これは合併して一
大学
となし、一府縣一
大学
の実現をはかる。これを第一に掲げてあるのであります。特別の地域と申しますのは、北海道、東京、愛知、大阪、京都、
福岡
、これは主として人口三百万以上の土地でありますし、京都のごときは人三百万人はございませんけれ
ども
、京都には高等
専門
学校
が四十一ございま出す。大阪は四十二ございます。東京は百六十九とな
つて
おります。こういうものを
一つ
にするということは実行不可能でありますので、これは除外いたしたのでありますが、そのほかの縣は官立の
学校
はできだけ
一つ
の
大学
にして、有無相通じて先ほど
お話
のありましたような、
一般教養
とか、基礎学科の
教授
陣というようなものを強めて、合
目的
に
組織
をし直そうという
方針
で、一府縣一
大学
ということを
考え
て來ておるような次第であります。
高津正道
26
○
高津委員
関連して伺いたいのですが、
和田委員長
の答えでは、各府縣に「置く
方針
であるとあ
つたの
であります。
日高局長
の
意見
に至
つて
は、一年か一年半前に
高津
の述べた線である。國際情勢の変化もあ
つて
、現在では
和田委員長
の言われておるような方向にな
つて
おる。こう申されたのであります。間違
つて
いれば御
指摘
を受けたいためにもう一度繰返すのでありますが、京都でも、大阪でも、その他の府縣でも、その府縣にあるところの官立のものを一まとめにして、それを
大学
にすると言われるのであります。しかし警察制度も地方警察と国家警察とがあ
つて
、それにちやんと立派な関連がありますし、地方自治がいくら拡張されましても、その間に連絡がないように
なつ
たならば、実に国家としても困つたことでありますから、連絡のあるようなプランをも
つて
臨むことが、やはり可能であると思うのであります。だからあるだけの官立の
大学
を一まとめに、みんなどの府縣でもやるというのは、非常にイージー・ゴーイングな行き方で、あまりに企画性が足りないように思えるのです。どの
方面
へ向
つて
も十分に
当局
が粘り強く御
説明
になられれば、國家の將來にと
つて
も損のない、現在にも大いに役立つような案があ
つて
それが押進められるものではあるまいかと
考え
るのですが、十分に手は打たれたのでしようか。その点を伺いたいと思います。
日高第四郎
27
○
日高説明員
私がただいま答弁いたしました中に、
一つ
足りない点がございます。補足いたしましてから、今の御
質問
にお答えいたしたいと思います。現在問題にな
つて
おりませんけれ
ども
、おそらく
大学院
の問題が引続いて起ると思うのであります。この
大学院
を置ける
大学
というのは、先ほど
高津
さんのおつしやつたように、相当強力な
組織
を持つた綜合
大学
、あるいは相当長い歴史をも
つて
充実しておる
大学
でございませんと、
大学院
をそう簡単に置くわけには行かないと思うのでありまして、そういう面においては
文化
や、あるいは
学問
の最高の
水準
を高めるために、重点的な配置はおのずからいたさなければならないというふうに、予想いたしておるのであります。 それからただいま
お話
のありましたように、機械的に
一つ
の府縣の
学校
を結んで
一つ
の
大学
にするというようなぎらいも、あるいはお感じになるかもしれませんけれ
ども
、これにはこういう趣意もあるのであります。今度の
大学
には、
一般教養
を受持つ
学部
とかあるいは部とかいうようなものがぜひなければ、
専門
教養
のものも新しい
大学
にはなれない。こういう状況なんでありますけれ
ども
、その
一般教養
を受持つような
学校
に轉換し得るのに一番よい現在の旧制の
学校
は、これは高等学と若干の師範
学校
等がそれに当るかと思うのでありまして、いきなり普通の
専門
の
教育
をするのでなしに、
専門
の
教育
の地盤になるような基礎の学科及び
一般教養
をするということは、なかなか
教員
が得がたいのであります。の点で
文部省
も一番苦しんでおるのでありますが、そういうことを
考え
合せますると、各府縣に
一般教養
の
学部
もしくは部を持つような
学校
を
考え
ましたときには、
一つ
一つ
の学
学校
はとうてい持ち得ないのでありまして、その点で師範
学校
とか高等
学校
とか適当なものをそれの
中心
にいたしまして、
一般教養
及び基礎学科の
学部
あるいはカレッジというものをつくり上げる
方針
でおるのであります。 もう
一つ
は、これは
関係方面
との話合いもございまして、各府縣の義務
教育
の教師の養成には、ぜひとも
教育
の
学部
あるいは
教育
部というものを、できるだけ重視して整えなければならないというふうに
考え
て参
つたの
であります。その点においてもやはり
一般教養
と同じように、各府縣にはたいてい師範
学校
等がありますが、私
ども
は師範
学校
を決してそのまま
教育
学部
にしてしまうとか、あるいは
教育
部にしてしまうというふうには
考え
ておらないのであります。それでこそ
大学設置委員会
に非常な御迷惑をお願いして、
教員
の
審査
等もしていただいておるのでありますが、その
審査
の結果、中味を改善いたして、そういう
教育
学部
とか
教育
部というものを、つくり上げたいという
考え
であります。こういう
考え
で全体を見まわしますると、一府縣に一
大学
をつくるということには、理由もあるというふうに
考え
まして、今までその
方針
をと
つて
参
つたの
であります。 それからもう
一つ
は、御
承知
のような状態でありまして、われわれだけで事をきめるわけには行かない場合もあります。これはできるだけ
日本
の
実情
をよく
理解
してもらいまして、その
理解
の行き届かない場合には、相当摩擦があ
つて
も讓らないつもりで、現在まではや
つて
来たのであります。ある点には御不満を買うようなことがあるかと思いますが、私
ども
としては、それはあらゆる困難をしのいで参るつもりでおります。その点御了承いただきたいと思います。
高津正道
28
○
高津委員
もう一点だけ。今、
日高局長
の
お話
を聞いて、相当強力な
組織
をもつた
大学
でないと、いわゆる
大学院
は置けない。これは最高の
水準
に合致するものであ
つて
、重点的配置になる。こういう
意味
に承
つたの
でありますが、その
大学院
というものは数はどのくらいであり、それからこれは最終決定ではないでしようが、大体今きま
つて
いるところはどこどこであるか。承れるならこの席で承
つて
おきたいと思います。
剱木亨弘
29
○剱木
説明
員
大学院
の
設置
につきましては、実はまだ
大学院
の
設置
基準
が決定されていないのであります。なお
新制大学
は來
年度
スタートしましてから二、三年の余裕がございますが、その期間に
大学院
の
基準
が決定されることと存じます。ただ国立の
大学
が各府縣にずつとできるわけでありますが、これに全部
大学院
まで置くような
施設
なり、
内容
を持
つて
行くということは、これこそ國費の濫費になるおそれがありますので、これは相当重点的に、あるいはブロツク別に、あるいは
学校
種別にとかいうことで、その数はそうたくさんは
考え
られない。いわゆる將來を見ます場合におきましては、相当國といたしましてはある数を限
つて
、そこに重点的に
施設
をすることになるかと思います。ただいまのところまだ全然予定ということはないのございますが、大体の方向はそうなるものと
考え
ます。
和田小六
30
○
和田説明員
大学院
の点につきましてお問いがございましたが、
大学院
につきましては
設置委員会
におきましても、最近その問題を取上げたいと存じております。現在の段階におきましては、
大学院
の
基準
において、
新制大学
におきまして、有名無実であつた
大学院
がより
内容
が充実され、名実ともに
大学院
となるのは大きな
一つ
の変化がと思います。それで先ほどちよつと
お話
に出ましたが、現在私立のものではございますが、
大学基準協会
というものがございます。昨年ただいまごろでございましたか、特別の
委員会
を設けまして、
大学
の
基準
につきまして非常に詳しい検討をいたして、各
大学
における個々の
教授
会の御
意見
等もまとめ、最近にその結果が出ると存じます。それを持ちまして
設置委員会
といたしましては、独自の立場におきましてそを参考にいたし、
大学院
の規準を決定いたす運びにいたしたいと思います。その上で大体
大学院
の性格なり、
組織
というものがきまるのではないかと
考え
ます。
松本七郎
31
○
松本
(七)
委員
日高局長
の
お話
の中に、一存では行きかねるので、他との関係について極力努力するという
お話
がありましたが、
大学設置
の問題ばかりでなく、質の問題でも、すべてそうなのです。
從来
はとかく予算の問題にしろ、すべてにおいて
政府
の努力に大いに期待しておるが、いよいよせつぱ諾ま
つて
から國会でやるという事態を繰返しておる。しかしこれは國会自体としても、あらゆる問題についてもう少し積極的に動く必要があろうと思うのですが何と言
つて
も行政部が一審他との接触が密接ですからにつちもさつちも行かなくなるまでほう
つて
おかれないで、何か困難な問題が予想される場合には、行政部の方から
委員長
を通じて、國会にそちらの方がらひ
とつ
依頼していただきたい。これは
大学
の問題ばかりでなくあらゆる問題ついて重要な段階にあると思いますので、特に今後はこの点を御注意願いたいと思います。
圓谷光衞
32
○
圓谷委員長
何か他に発言がございませんか。 —
——
——
——
——
——
——
圓谷光衞
33
○
圓谷委員長
それではお諮りいたします。本日議題といたしました
大学設置
の問題、及び
教育
委員会
設置
後における各般の調査、この二件は本
委員会
としては特別の関心を持
つて
おるものでありますので、今後この二問題を取上げまして、十二分に調査いたしたいと思うのであります。調査事項として議長に
承認
要求をいたしたいと思うのでありますが、いかがでしよう。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
圓谷光衞
34
○
圓谷委員長
異議
ないと思いますで、それではさよう決します。
國政調査承認要求
書 一、調査を要する事項
教育
制度及びこれに関連する諸問題 二、調査の
目的
1
大学設置
に関する調査 2
教育
委員会
法の
実施
に関し各般の調査 三、調査の
方法
関係各
方面
より
意見
聴取、小
委員会
設置
及び実地調査 四、調査の期間 本会期中に右より國政に関する調査をしたいから衆議院規則第九十四條により
承認
を求める。 昭和二十三年十一月十二日 文部
委員長
圓谷
光衞
衆議院議長松岡駒吉殿御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
圓谷光衞
35
○
圓谷委員長
御
異議
ないと認めまして、さようとりはからいます。 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後零時十八分散会