○辻委員 一言だけ御
証言を得ておきたい。これは
兵器処理の問題だけに限定いたしません。廣く軍需
物資が
終戰直後を頂点といたしまして多量に隠匿され、これが横流しされたということはあなたの御
証言でも大体お認めにな
つておるようでありまするが、その額が一体どれくらいにのぼるだろうか。世間では数百億だ、いや数千億だというふうに取沙汰いたしておるわけであります。金額はもとよりわかりませんが、少くともその
軍需品の品目なり、
数量というものは割り出していけるんじやないかと思うのです。それにはこうした隠匿された時期というものが大体二つにわけて
考えることができると思います。もちろんああいう場合でありますので、正確を期することはできないことは
軍務局長からも承りましたが記大体
終戰当時八月三十一日現在における軍需
物資の
保有量というものが出ております。私もいただいております。それから
進駐軍の方へ
引渡したそのリストも復員局にあるそうでありまするから、つまりその
引渡しの完了した間においてこれが隠匿されたのが
一つの時期、いま
一つは、引渡された軍需
物資が向うから
内務省を通じて特殊物件として
返還された。もちろん
兵器もはい
つておりまするが、その中にも
飛行機など燒かれたとか、彈丸など返
つてこなか
つたというお話もあるから、そういうものを除外いたしまして、つまり特殊物件として返
つてきた時期、この二期にわけで
考えることができると思います。それで第一期の方は、現在復員局にあると聞きまするところのリストの総計から、いただいておりまする
終戰当時の
保有量、これを差引きますれば、
数量とその品名だけは
はつきりすると思います。これは一應理屈上でありまして、技術的には相当むつかしいと思いまするが、とにかくそういう理屈になるわけだと思います。それから
内務省へ返
つてまいりまとた特殊物件、このリストもあるはずでありまするから、それを
引渡しました復員局にあるところのリストから引きますると、その間にい
つた分、もちろん今申しましたように向うにおいて処理された特別のものは除きまして差引きますれば、その間においてとにかく散逸いたしました雲隠れしたところの
数量が出て來る。從いましてさらにこれを加えまして、要するに
終戰当時における軍需
物資の
保有数量から
内務省へ
返還されたところの特殊物件の
数量を差引きますと、いわゆる軍需
物資が大体どれだけの
数量隠匿され、これが横流しの原因にな
つておるというこの数字を割出すことができると私は
考えるのでありますが、あなたはこれをいかにお
考えにな
つておりましようか、その点を
ちよつと伺
つておきたい。