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1948-10-12 第3回国会 衆議院 不当財産取引調査特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年十月十二日(火曜日)     午後二時二十八分開議  出席委員    委員長代理 理事 梶川 靜雄君    理事 鍛冶 良作君 理事 田中 角榮君    理事 辻  寛一君 理事 河井 榮藏君    理事 荊木 一久君 理事 小松 勇次君    理事 石田 一松君       尾崎 末吉君    高橋 英吉君       古島 義英君    明禮輝三郎君       足立 梅市君    佐竹 新市君       前田 種男君    小野  孝君       椎熊 三郎君    橋本 金一君       野本 品吉君    田中 健吉君       宇都宮則綱君    中村元治郎君       寺崎  覺君    徳田 球一君  委員外出席者   石炭國管問題について出頭した証人                 川崎 秀二君                 坪川 信三君                 木内 四郎君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  石炭國管問題  小委員会設置に関する件     ―――――――――――――
  2. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 これより会議を開き開きます。  本日は委員長病氣でお見えになりませんので、理事会協議の結果、私が委員長職務を行うことになりました。  まず第一番に艦艇解撤に関する件でありますが、兵器処理調査小委員会がすでに廃止になつておりますので、そのままになつておりましたが、事件が非常に複雑になつておりますので、この際六名の小委員よりなる小委員会を設けまして、艦艇解撤調査小委員会を設置し、これに問題を付託して調査したいと存じます。御異議はございませんでしようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 御異議がないようでございますからそれではさように決定いたしまして、小委員は民自、社会民主各党から一名、その他の各派から御協議の結果三名を出していただくことにいたしまして、後刻私の方で指名いたしたいと思います。御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 御異議ないものと認めます。それではさように決定いたします。  次に官僚汚職調査小委員会を設けたのでありますが、まだ小委員が指名されておりませんので、この際小委員の数を五名といたしまして同じく民自、社会民主各党から一名ずつ、その他の会派から二名を前同様に御推薦をいただきまして、私の方で指名いたしたいと思います。御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 御異議ないようでございますから、さように決定いたします。  昨日決定いたしました通り、本日は石炭國管関係証人に対して証言を求めることにいたします。本日出頭証人は、川崎秀二さん、坪川信三さん、木内四郎さん、以上三名でごいます。  証言を求める前に各証人に一言申し上げます“昨年十二月二十三日公布になりました昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことになつております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、一般の人については、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項、あるいはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するときに限られ、医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人・宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者については、その職務知つた事実であつて黙祕すべきものについて尋問を受けたときに限られております。右以外には何人も宣誓または証言を拒むことが  できないことになつておるのであります。なお証人が正当の理由なくして宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることになつておるのであります。一應このことを御承知になつておいてただきたいと思います。では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。お手許に差上げてある宣誓書を朗読の上署名捺印願います。     〔証人川崎秀二君各証人を代表して宣誓〕     〔各証人宣誓書署名捺印
  6. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 それでは順序といたしまして、初めに川崎さんからお伺いいたしますから、あとの方はしばらく別室でお控え願います。それでは川崎秀二さんにお尋ねいたしますが、あなたは民主党政務調査会の副会長を当時しておられました。
  7. 川崎秀二

    川崎證人 今もしておりますし、当時もそうです。
  8. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 石炭國管法案が当時非常に問題になつてつたわけでありますが、あなたは当時この石炭國管法案に対してどういう態度をとつておつれたわけですか。
  9. 川崎秀二

    川崎證人 片山内閣ができて三日目に、水谷商工大臣が今度の内閣重要政策として、石炭國家管理案國会に提出する予定であるという声明をされて以來、民主党の四月の総選挙に揚げたところの石炭の一時的國家管理を実現するために努力をしなければなつないと思いまして、爾來昨年の十一月二十五日衆議院の石炭国家管理案通廻まで、民主党主義主張を貫徹するために努力を傾注いたしてまいりました。
  10. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 当時岡部得三氏から石炭國管問題でいろいろお世話になるからということで、金を渡されたことはありませんでしたか。
  11. 川崎秀二

    川崎證人 昨年七月の最初の日曜日たつたと私は記憶いたしておるのでありますが、あるいは一週間間違つて六月三十日であるか、あるいは七月の八日であるかどちらであるか、さだかにはわかりませんが、日曜日に坪川信三君が私の自邸を訪ねてまいりました。その際に、岡部君が今度金ができたということをまず最初の口上として、五万円を渡されようとした事実はあります。
  12. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 そこをもう少し詳しく述べていただきたい。
  13. 川崎秀二

    川崎證人 ちようどその日曜日の朝の十時ごろであつた記憶をしているのですが、坪川君が私の所へ来て、普通の挨拶の後に、岡部君が今度金ができた、ついてはわれわれ親しい連中に分けたいからというので、自分も五万円もらつたけれども、まあ受取つてくれないか。こういう話でありました。私は平素から岡部君と親しい間柄ではありましたけれども、何の理由もなしに金をもらうということは私は考えられないと思いましたので、自分は従來党の内部から筋の通らないもので金の授受をしたことはない、從つてこれは私はお返しをするということを強く申しましたところ、坪川君は語をついで――その間に約二、三分あつたろうと思いますが、実は今度の石炭國管問題が問題になつて経済安定本部の案や商工省の案を一應國会修正してもよいということになつたのは、つまり民主党内部において北村政調会長並びに私どもの努力によつたところだと思うので、その関係もあるからぜひこれを収めてくれという岡部の話であつた。こういうことでありました。私はその際に、坪川君はあるいは情報部長をしておつた関係で、政策のこまかい点御承知ないかと思つたので、これは今は経済安定本部の案や商工省の案には反対をしたけれども、民主党主義主張の中にも、明らかに石炭の一時的國家管理をやらなければならぬということを言つておるので、近く民主党の中で民主党案を作成しようということになつておるのだから、もしそういうことになつたならばなお私は受取れないということを強く申しました。すると岡部君はさらに、そう言つてもぜひこれは受取つてもらわなければ困るのだということである。私は一体この金はどうしたんだ、岡部君自身の金かそれとも何か背後に関係はないかということを強く問うたところ、自分はつきりしたことはわからぬけれども、岡部の金もあるが、また岡部友人関係にある原口君――炭鉱業者と思いますが、その他が集めたものらしいということを言つております。そこで私はそういうことになるとますますこれは困るというので非常に押問答をしました。坪川君は子供の使いではないからということで、私が返そうとするとどうしても返せないということであつたので、私はそれならば自分から返すというので一度預かりまして、当日は日曜日であつたので、ただちに赤坂中川旅館に住んでおる岡部君に電話しました。電話は、その当時も今日も同じでありますが、特に当時は不通が多いので、どうしても中川旅館は出ません。そこであくる日の午後三時ころと思いますが、岡部君を政務調査会の部屋から呼び出して、こういうことで金を受取れということであつたけれども、私としてはこれを受取るわけにいかぬということを述べますと、岡部君は、今度の問題もあるんだからぜひ受取つてくれよということでありましたけれども、私が強くこれを返しますと、今度は簡單に持つてつたカバンの中に入れました。事件は大体そういうところであります。
  14. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 あなたが受取られたのは坪川氏から自宅において取受られ、お返しになつたのは議会の政調室岡部氏に直接お返しになつたというわけですね。
  15. 川崎秀二

    川崎證人 そういうわけです。政調室を出て今の社会党の第九控室の横で私は返したと思います。
  16. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 岡部氏がそのときに、今度の問題もあるんだからと言つたという、今度の問題というのは石炭國管修正案のことですか。
  17. 川崎秀二

    川崎證人 今度の問題もあるし、石炭問題たということを言つたと思います。
  18. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 そうしますと、あなたのお感じになつた感じは、あなたがやられた修正に対する功績と申しますか、それに対する報奨のよう感じられましたか。
  19. 川崎秀二

    川崎證人 そういうふうに感じました。
  20. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 その金の出所はただ坪川氏から受取つたというだけで、坪川氏の話では原品秀雄あたりから集められたんだろうという程度たつたのですか。
  21. 川崎秀二

    川崎證人 その程度です。
  22. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 あなたは金の出所については御存じないですか。
  23. 川崎秀二

    川崎證人 糾明するときにはそう鋭く追及はしませんでしたが、その際に出た雑談の中に、この新聞紙包みは五万円だけれども、二、三日前に岡部氏の所に行つたときに床の間に同じようなものがあつたな、そう言えばあつたなということを言いますと、坪川君はそうだつたかなと言つてそのことは承知しておらなかつたようですが、私はそういう記憶がある。
  24. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 当時岡部氏が相当の金額を使つたであろうというようなことはなかつたのですか。
  25. 川崎秀二

    川崎證人 どこにですか。
  26. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 どこというか、あなた以外にも。
  27. 川崎秀二

    川崎證人 その当時はそういう噂は聞いておりません。
  28. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 あなたが岡部氏のところに行かれたときに相当の金があつたというのはどれくらいな感じを受けましたか。
  29. 川崎秀二

    川崎證人 そうですね。ちようど私のところへ持つてきた新聞紙包みの五万円というとこのくらいのかさになりますが、そういうのが三つ四つつたと私は記憶しております。
  30. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 あなたに渡されたと同じような束が三つ四つ、ほかにもあつたということなんですね。
  31. 川崎秀二

    川崎證人 そうです。
  32. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 それからもう一つ、坪川氏があなたに渡されたのは五万円、それははつきりと、これは五万円ある、こう言うわれたのですか。
  33. 川崎秀二

    川崎證人 五万円というふうに言われました。
  34. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 そうしますと、坪川氏はそのときに私も五万円だけ受取つたと言われたのですか。
  35. 川崎秀二

    川崎證人 そのときに坪川君は、自かも五万円もらつたんた、ついては受取つてくれということであつたのです。
  36. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 坪川君はその五万円というのを返しておるのですか、返しておらぬのですか。
  37. 川崎秀二

    川崎證人 それは知りませんです。
  38. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 あなたはその後坪川氏に、おれは返したと言われたわけでしよう
  39. 川崎秀二

    川崎證人 ええ言いました。
  40. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 坪川氏の方に聽きませんでしたか。
  41. 川崎秀二

    川崎證人 返したかということをすぐそのあとで聽いたことは、ないのです。私は返した、君はどうしたかということよりも、私は坪川君から、自分も五万円もらつたから君も受取つてくれと言われたときに、君もこの金は返さなければいかぬということを強くすすめておきました。
  42. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 坪川氏が受取つたのは、あなたの分と合わせて十万円ではなくして二十万円受取つたというようなことはお聞きになつておりませんか。
  43. 川崎秀二

    川崎證人 そんなことは聞きません。
  44. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 あなたは坪川氏が又取つた金というものは全然噂にも聞いておらないのですね。
  45. 川崎秀二

    川崎證人 坪川君が、自分も五万円受取つたという以外にには聞いておりません。
  46. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 そのほか石炭國管反対問題についていろいろな風評が立つてつたのですが、特にあなたは当時風評の乱れ飛ぶ、一番いろいろな情報を集めて國管を通さなければならぬ立場にありまして、非常にそういう方面の反対運動にぶつつかられたと思うので、いろいろお聞きになつたただろうと思いますが、この問題についてほかに何かお感じがあればもう少し詳しく述べていただきたいと思います。
  47. 川崎秀二

    川崎證人 風評は非常に聞いたことがあるのですけれども、これは的確に現場を確認するということは私はないわけでありますから、そういうことについてはお答えができないと思います。
  48. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 そのほか何かお述べになりたいことはありませんか。
  49. 川崎秀二

    川崎證人 ありません。
  50. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 ほかに何か。
  51. 徳田球一

    徳田委員 竹田儀一君とこの事件に関して何かお話をしたことはありますか。
  52. 川崎秀二

    川崎證人 私の岡部君との関係事件ですか。
  53. 徳田球一

    徳田委員 いや、國管に関して岡部君かあるいはほかの人か知りませんが、要するに金を受取つた受取らぬということに対して、お話をしたことはありますか。
  54. 川崎秀二

    川崎證人 岡部君との問題ではないけれども、今聽かれていることを想像しますと、竹田儀一氏は当時民主党幹事長であつた。ところが幹事長というものはなかなか自分の意見を言われないでまとめる役であろうけれども、竹田幹事長國管問題に対する態度が私は非常に解しかねる点があつたので、早く意思表示をしてもらいたい、それといろいろ噂が乱れ飛んで、竹田幹事長が金をもらつたとかなんとかいうことがあるということを聞いたものですから、私は党を国管にまとめていくためにはぜひ幹事長に断固たる決意を発表してもらわなければならぬというので、その噂を確かめに椎熊三郎君と二人で品川の竹田儀一氏の家を訪うたことがあります。
  55. 徳田球一

    徳田委員 そのときに問答はどういうことがあつたのですか。
  56. 川崎秀二

    川崎證人 そこでこういうような噂があるのは、はなはだ私もおもしろくないと思うけれども、幹事長一体どうかとつていろいろつきつめてみると、それは絶対ないから御安心願いたいということを申されたので、私ども安心して帰りました。
  57. 徳田球一

    徳田委員 そうではなくして、実は二十万円を受取つておるが、この二十万円を受取るというようなことはいかぬじやないか、自分もこの金を受取つてはおらぬのだし、また人にもすすめてこれを返せというようなことをあなたは主張しておられるのだから、竹田儀一氏にも、金を受取つておるならば返せ、返さなければこれは將來大きな問題になるから返せと言われたのじやないですか。
  58. 川崎秀二

    川崎證人 そういうようなことを言つたことはありますけれども、とにかくそういうことを全然否定されております。私も竹田大臣がもらわぬと言われるので、安心して帰つた次第であります。
  59. 徳田球一

    徳田委員 ただ噂であるかもしれませんけれども、あなたにそう言われた結果、取急ぎ金をつくつて、そうして大分納めて、幾分まだ残つておるという話がありますが、そういうことに関して関知せられることはありませんか。
  60. 川崎秀二

    川崎證人 幾分残つておるというような噂は聞いたことはないけれども、一應もらつてあとで返したという噂をその後聞いたことはあります。
  61. 高橋英吉

    高橋(英)委員 今の噂というのは二十万円ではなくして、百万円というようなことを聞いたことはありませんか。
  62. 川崎秀二

    川崎證人 両方あります。二十万円ということもあれば、百万円ということもある。
  63. 高橋英吉

    高橋(英)委員 そうするとそれは二口になるのですか。
  64. 川崎秀二

    川崎證人 どうですかね、噂ですから。
  65. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 ほかにありませんか。
  66. 石田一松

    石田(一)委員 今の証言と、せんだつて岡部君の証言とによると、あなたが一旦受取つた金を、こんなものは要らないと言つてお返しになつたというのであるが、それは岡部氏に直接お返しになつたのですか。
  67. 川崎秀二

    川崎證人 岡部氏に直接返しました。
  68. 石田一松

    石田(一)委員 坪川氏にお返しになつたのではありませんか。
  69. 川崎秀二

    川崎證人 坪川氏ではありません。岡部氏に直接返しました。
  70. 石田一松

    石田(一)委員 後日あなたは坪川氏に、なぜ早く返さないのだということをなじつたことはありませんか。
  71. 川崎秀二

    川崎證人 なぜ早く返さないのだというようなことを言つたことはありません。
  72. 石田一松

    石田(一)委員 何だかその当時いろいろな風評があつたので、坪川氏があなたに返せと言つて返された五万円を、坪川氏が途中でこずかいに流用したというような、これも噂であるかもしれませんが私たちは聞いておるのですが、そういうことはありませんか。
  73. 川崎秀二

    川崎證人 そういう噂をする人もあるけれども、私はそういうことを信じません。
  74. 石田一松

    石田(一)委員 信じませんとおつしやると、あなたは絶対に岡部氏に直接返したとおつしやるのですね。
  75. 川崎秀二

    川崎證人 私の件に関する限りは、私は直接岡部氏に返しました。
  76. 石田一松

    石田(一)委員 あなたはほかの人の件に関して今のような事実をお知りではありませんか。坪川氏に返したが、坪川氏は岡部氏にこれを返さないで、途中でこの金を自分のこずかいか、あるいはその当時の運動費用使つたとか……。
  77. 川崎秀二

    川崎證人 さあ、それは知りません。
  78. 明禮輝三郎

    明禮委員 ちよつとお尋ねしますが、あなたは檢察廳できよう述べられたようなことを調書にとられたことがありますか。
  79. 川崎秀二

    川崎證人 あります。
  80. 明禮輝三郎

    明禮委員 その調書に述べられたことと、きようお話のこととは大体一致いたしておりますか。
  81. 川崎秀二

    川崎證人 全部一致いたしております。
  82. 明禮輝三郎

    明禮委員 きよう述べられた以外に、何か石炭國管について聽かれたことはありませんか。
  83. 川崎秀二

    川崎證人 いろいろな情報を聽きたいという話はありましたが、私は噂としてはいろいろ聞いているけれども、しかしながら自分のことに関して知つていることと、竹田幹事長のことについて自分が行つて聽きただしたことについて以外には申しておりません。
  84. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 ほかにありませんか。
  85. 石田一松

    石田(一)委員 坪川君が岡部氏からこの金を預かつてあなたにお渡しになつたときに、この金はどういう意味の金であると言つてあなたにお渡しになつたのですか。
  86. 川崎秀二

    川崎證人 それは先ほど申し上げました。もう一度繰返して申し上げましようか。
  87. 石田一松

    石田(一)委員 それは國管に関するとかというような問題は一言も出なかつたのですか。
  88. 川崎秀二

    川崎證人 岡部君が、金ができたから友だち同士わけたいというときに、私が疑点をもつたから聽いてみたら、今度の商工省案経済安定本部の案が一應引つこめられて、國会修正せられることになつたということについては、北村政調会長や私の活動によるものだから、ぜひ受取つてもらいたい、そういう意味もあるのだということでありました。
  89. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 ほかにありませんか――ではよろしゆうございます。そこで待つてつてください。
  90. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 御出頭証人坪川信三さんですか。
  91. 坪川信三

    坪川證人 そうでございます。
  92. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 証人に尋ねたいのですが、昭和二十二年の七月以降十二月までの間、赤坂中川旅館岡部得三というのが泊つて、それを訪問されたことがありますか。
  93. 坪川信三

    坪川證人 あります。
  94. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 そこで泊られたことはありませんか。
  95. 坪川信三

    坪川證人 私の家は江古田にありまして、武藏野線が十一時ごろになるとありませんので、國会など非常に遅くなつた場合に、親しい間柄でありましたから泊つたこともあります。
  96. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 何回くらいお泊りになりましたか。
  97. 坪川信三

    坪川證人 その記憶は存じておりません。たまに泊つたと思つております。
  98. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 こちらで調べたところでは七月十一日、八月一日、十二月十三日ということになつておりますが、間違いありませんか。
  99. 坪川信三

    坪川證人 その日にちははつきり覚えておりません。
  100. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 大体それくらいのものですか。
  101. 坪川信三

    坪川證人 大体そんなものだろうと思います。
  102. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 あなたは中川旅館泊つて、そこで岡部得三氏に会われて、岡部氏から金を受け取られたことはありませんか。
  103. 坪川信三

    坪川證人 いまさら申し上げるまでもありませんが、われわれ進歩党の時代から革新保守政党をつくろうという考えから、われわれ仲間が昨年のたしか二月ごろだつたろうと思いますが、新進会というものをつくりまして、殊にここにおられる川崎君、椎熊君、橘君、小坂君、それに私もはいり、また岡部君もはいつておりまして、まつた同志中の同志と申しますか、ほんとう革新保守党をつくろう、また脱皮した民主党の主体性を確立しようという仲間をつくつてつたのであります。從つてときにはこれらのわれわれの同志が飲んだり、あるいは政治の話をいたしましたり、あるいは金のないときなどには借りたり、あるいは貸してやつたりというような、まつた親友間柄であつたのでありますが、思い出しますと今お示しになりました七月の初めだつたじやないかと思いますが、中川旅館の方へいろいろ遊びに参つていたときに、岡部君からきみも情報部長などをしておつて、盆も近くなつたので金も要るだろうからもつていかんかというお話もあつたことは、確かに記憶いたしております。しかし私ちようどそのとき手もとに金があつたものですから、それを返したようなわけであります。
  104. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 あなたが岡部氏から受取られた金はいくらですか。
  105. 坪川信三

    坪川證人 五万円でございます。
  106. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 全部で五万円ですか。
  107. 坪川信三

    坪川證人 そうです。
  108. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 それはどういう意味受取られたのですか。
  109. 坪川信三

    坪川證人 それを受取つたというのは、岡部君は今申しました通り情報部長として金も要るだろうから使わぬか、こういうようお話であつたのであります。しかし私は今手もとにあるからそんな心配してくれるなと答えたのであります。
  110. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 それでその金は岡部氏がどういうぐあいにしてつくられた金かということはあなた御存じないですか。
  111. 坪川信三

    坪川證人 それは私は全然存じませんし、岡部君のそのときの話では、自分國もとの家の方から金もきたからというようなことを言つたと私は記憶いたしております。
  112. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 これは炭鉱業者友人原口秀雄という人から集めたものらしいということをあなた御存じないですか。
  113. 坪川信三

    坪川證人 私はそれは全然知りません。
  114. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 あなたはそのほか岡部氏から別に金を受取つて人に渡されたことはありませんか。
  115. 坪川信三

    坪川證人 それは今のお話とはちよつと筋が違いますが、そのときにさつきも申し上げた通りほんとう同志中の親友でありました川崎君が、ちようどそのころ政調の副会長をしておられ、岡部君も政調の副会長党務部長をしておりましたので、岡部君はそれじや川崎君はどうだろう――私も川崎君は非常に親友でありまして、今なお私はこの同志眞意を固く信じておりますが、そうした間柄であり、前にも申し上げた通り、金の借貸しなどはお互いにしておりますし、川崎君から昨年の選挙に当選いたしましたときにこういう電報をいただきました。私はこの美しい友情に対して感激したのでありますが、「当選を祝す、わが民主党椎熊岡部坪川、われ四人で邁進せん」という祝電をもらつたことを私は記憶いたしております。そうして私は川崎君にかつて微意を表しましたこともあります。そういうよう間柄でありますから、私はそれじや川崎君に持つていこうというので、私のところは目白でありますから、よくバスに乗つて帰る、近くでもありますから川崎君に届けようというので、私はそれを持つて帰りました。そうして翌日川崎君のところへお届けした次第であります。
  116. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 あなたが川崎秀二氏に渡されたときの状況をもう少し詳しく、どういう場所でどれだけの金をどういう目的で渡したかということをお話願いたい。
  117. 坪川信三

    坪川證人 もう一年以上も経ちますので詳しいことは覚えませんが、たしか川崎君のお宅の座敷で私は川崎君に渡したと思つております。
  118. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 そのときにあなたは川崎秀二氏に、おれも五万円受取つたのだからお前も受取つたらどうかと言つて、五万円ということをはつきり言つて石炭国管の問題について受取つてくれということをお言いになつたのではないですか。
  119. 坪川信三

    坪川證人 私はさようなことは申し上げません。
  120. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 あなたから自分も五万円受取つたということをそのときに言われなかつたのですか。
  121. 坪川信三

    坪川證人 はつきり記憶しておりませんが、私のこうした気持から、一度返したお金を川崎君のところに届けたということを申し上げることは、私は何かしら氣がとがめて、失礼であると思いましたので、私ももらつたが返すのだという前提のもとに申し上げたと思つております。
  122. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 もらつたが返すの、だという前提のもとに、川崎氏に私も受取つているがお前もと言つて渡されたのですか。
  123. 坪川信三

    坪川證人 私ももらつたのだからお前も受取れということは私は申し上げません。
  124. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 あなたには川崎氏の分以外に金を受取つて取次ぎされたということはありませんか。
  125. 坪川信三

    坪川證人 全然ありません。前にも申し上げましたように、重要産業の國家管理ということは民主党政策できまつていたのでりまして、われわれ同志國管に対しては血みどろに戰つてきておつたのであります。從つて少くとも岡部君も、考えてみますと、最後まで役員会あるいは議員総会などにおきましても、反対意思表示をされたようなことは私は記憶いたしておりません。たとえて申し上げますと、民主党政調会の中に設けられました國管の特別委員会をつくつたときにも、委員長を吉田君と降籏君のどちらにするかという選挙のときにも、岡部君ははつきりと吉田君に投票していることを私は記憶しております。あるいは最後の党議を決定する党の議員総会におきましても、二十数名の方が退場されましたけれども、岡部君は全然退場もしておりません。從いまして、先ほど申されましたように、國管問題に関連いたしまして、岡部君がそうした金をくれたという氣持ち、また反対するという氣持は、私は全然思つておりませんでした。
  126. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 國管問題全般に対する反対でなくても、これはある程度やむを得ない、あるいは多少はこういうぐあいにしなければならぬというふうに考えて、政府原案、はつきり申し上げますれば、商工省原案あるいは安本原案には御反対つたわけでしよう。それは民主党の線まで何とか修正したいという御意見ではなかつたのですか。
  127. 坪川信三

    坪川證人 私國管自体に対する詳しいことをはつきり記憶しておりませんが、民主党自体の党議によつて、あの國管がだんだんと與党三派の協議会においてまとまつてつたものだと私は與党代表の一人として記憶いたしております。
  128. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 そこで岡部氏は、三派修正案と言いますか、要するに民主党修正案を中心としてあそこまで安本、商工省原案を阻止したということに対して、あなたたち党の特に関與された人たちに対して非常に感謝しておられたのではないですか。
  129. 坪川信三

    坪川證人 そんな氣持は私は全然覚えておりません。御存じでないかもしれませんが、無口なまた無表情な男であつたと思いますが、そう彼の意思をはつきり表明したことも記憶しておりません。
  130. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 何かほかに御質問ありませんか。
  131. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 今委員長からお聽きになつた点ですが、今のあなたのお話を聞きますと、岡部君から、あなたは情報部長であるし、川崎君は政務調査会会長であるから、いろいろ費用も要つたであろうから、取れとこう言われたのですが、それをあなたは持つてつて川崎氏に渡されますときに、岡部君からどう言つてきたという点が抜けておつたのですが、川崎さんにどうおつしやつたのですか。
  132. 坪川信三

    坪川證人 さつきも申しました通り岡部君は單に自分政調会長であるが、何もしていないし、いろいろ面倒もかけておるから、自分の友情として届けてくれ。こういうように私は申し上げたと思います。
  133. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 政調会長として金も要るだろうから、届けてくれと言われて持つてきた、それだけなんですね。
  134. 坪川信三

    坪川證人 それだけでございます。
  135. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 それで川崎さんはどう言いましたか。
  136. 坪川信三

    坪川證人 そのときの記憶では川崎君がどうおつしやつたか、自分も、岡部君の友情は――どうもそこははつきり覚えておりませんが、返したい。こう言つておられることは私記憶いたしております。返すと……。
  137. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 そこであなたも五万円受取つたんだというようなことをおつしやつたものだから、君も返さなければいかぬぞ、こう言われたことはないですか。
  138. 坪川信三

    坪川證人 いや、そんなことは絶対ありません。私も返すんだということを前提として話しておりました。
  139. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 絶対にないですね。
  140. 坪川信三

    坪川證人 ええ、ありません。
  141. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 よろしゆうございます。
  142. 明禮輝三郎

    明禮委員 ちよつとはつきりしないのですが、族館に泊つてつたというようなことは別としまして、岡部氏から金を七月の初めに九万円一應もらつて、それをどういうふうに返したんですか。そこがよくわからないのですが、あなたは一應もらつたが、金はあるから、あとでこさえて返したとか――どういうのですか。
  143. 坪川信三

    坪川證人 いや、それははつきり申し上げます。そのとき岡部君が情報部長として金も要るだろうから持つていかぬかというようお話がありましたが、私はそのとき金もありましたし、そんな心配はしてくれるな。こう言つて岡部君に渡したのであります。そのときに岡部君はそれじやどうだろう、川崎君も今申し上げましたような話から、まあ迷惑もかけておるから、友情として持つてつてくれんか。こう言われたので、私はそれを預つて川崎君のところへ持つてつたのであります。
  144. 明禮輝三郎

    明禮委員 その金を岡部君からそういうふうに返されたのは、いつですか。
  145. 坪川信三

    坪川證人 そのときでございます。
  146. 明禮輝三郎

    明禮委員 そのときに返して、……。
  147. 坪川信三

    坪川證人 ええ。
  148. 明禮輝三郎

    明禮委員 それからまたその日ですか、川崎君のところへ行つたのは。そのあとですか。
  149. 坪川信三

    坪川證人 一應返しましたところが、岡部君は受取られまして、それじやまあ、さつき申し上げましたような趣旨のもとに川崎君のところへ届けてくれんかというような氣持、私と川崎君に対する同じ氣持だつたと思うのでございます。そういうような氣持で届けてくれんか。家の近くでもあるからと言われましたので、私は彼の友情と申しますか、彼の氣持を素直に受取つて、持つてつて川崎君のところへお届けしたということであります。
  150. 明禮輝三郎

    明禮委員 それぢや一遍岡部さんに返して、また新聞紙に別に、川崎さんのところへ届けた……。
  151. 坪川信三

    坪川證人 そのままの金でございます。
  152. 明禮輝三郎

    明禮委員 それじや、あなたのもらおうとした金を持つてつた……。
  153. 坪川信三

    坪川證人 そうなんでございます。
  154. 明禮輝三郎

    明禮委員 あなたのは、返すことを前提として、受取つてくれと言われると、どうも意味がわからない。それは自分のは返すことを前提として川崎さんに受取つてくれというのですか。さつきおつしやるのは……。
  155. 坪川信三

    坪川證人 それはさつき申し上げましたように、私がお返しした金を持つてきましたと言うのもおかしいと思いまして、私はそのときに川崎君とそういうふうに会話をいたしたと思つております。
  156. 明禮輝三郎

    明禮委員 これはどうでしよう。話が何ですが、ちよつと川崎さんから先に聽いたんたが。あなたの家の床の間には新聞紙に……(「人が違うんだ」と呼ぶ者あり)……失礼しました。  そうすると、今の金はあなたのものとしてはそのときに返してしまつたんだから一つもないんだ……。
  157. 坪川信三

    坪川證人 そうでございます。
  158. 明禮輝三郎

    明禮委員 それと同じものを上げた、そういうことですね。
  159. 坪川信三

    坪川證人 そうです。
  160. 明禮輝三郎

    明禮委員 ほかにも岡部君のところにはそういう新聞の包みがあつたということですが、ほかのところに持つてつたということを聽きませんか。
  161. 坪川信三

    坪川證人 私はそのとき行きましたが、床の間にそういう紙包みが並んであつたの記憶はいたしません。
  162. 明禮輝三郎

    明禮委員 あなたはない。
  163. 坪川信三

    坪川證人 いたしません。
  164. 宇都宮則綱

    ○宇都宮委員 さつきから話を聽いておると、その金を、あなたが岡部君から受取つたなら、受取つたのは一時でももらつたことになるのだが、その金をまた川崎君に持つてつたというなら、あなたが受取つたことにならぬではありませんか。
  165. 坪川信三

    坪川證人 一應私に渡されましたので、それで……。
  166. 宇都宮則綱

    ○宇都宮委員 その場で返した。それは受取つたことにならぬじやないか。
  167. 坪川信三

    坪川證人 渡されたのです。
  168. 宇都宮則綱

    ○宇都宮委員 持つてつたのですか。
  169. 坪川信三

    坪川證人 帰らぬ。
  170. 宇都宮則綱

    ○宇都宮委員 そうでしよう、その場で返したわけでしよう
  171. 坪川信三

    坪川證人 そうです。
  172. 宇都宮則綱

    ○宇都宮委員 その場で返したということになると受取つたことにならぬわけだな。ぼくら聽いておるとそれは受取るということには何日かあなたのところに置いたことになる、ありがたく頂戴したということになるが、その場で返したのなら受取つたことにならぬじやないか。
  173. 坪川信三

    坪川證人 そうです。
  174. 宇都宮則綱

    ○宇都宮委員 さいぜんから受取つた金というからいろいろこんがらがつてくるが、受取つたのでないでしよう、返したのでしよう
  175. 坪川信三

    坪川證人 返したのです。
  176. 明禮輝三郎

    明禮委員 これは川崎さんおられるのですが、川崎さんのお述べになつたところによると、この金は石炭國管の問題に関係がある金であるということをそのときにたしかあなたから出たというように聽いておるのですが、あなたは言われなかつたのですか。
  177. 坪川信三

    坪川證人 私はその記憶はありません。
  178. 明禮輝三郎

    明禮委員 岡部さんもそのことを言いませんか。
  179. 坪川信三

    坪川證人 言いません。
  180. 明禮輝三郎

    明禮委員 そうですが、間違いないですか。
  181. 坪川信三

    坪川證人 ええ。
  182. 徳田球一

    徳田委員 あなたのお話ですと、岡部君からは川崎君に渡そうとした金以外には全然受取つておられぬというお話ですが……。
  183. 坪川信三

    坪川證人 そうです。
  184. 徳田球一

    徳田委員 何も受取つていない。全部。
  185. 坪川信三

    坪川證人 そう。
  186. 徳田球一

    徳田委員 全部。(笑)
  187. 坪川信三

    坪川證人 そうです。
  188. 徳田球一

    徳田委員 というのは岡部君の話では、ここでの証言では、あなたに相当金を渡した。そうしていろいろ情報活動やその他に対して援助したと言つておりますが……。(「言つていない」と呼ぶ者あり)……。
  189. 徳田球一

    徳田委員 いや言つている、見てごらんなさい、言つている。そういうことはないですね。
  190. 坪川信三

    坪川證人 ありません。
  191. 徳田球一

    徳田委員 全然ないですね。
  192. 坪川信三

    坪川證人 ありません。
  193. 徳田球一

    徳田委員 全部ない、それからあの川崎君にやつたの川崎君があなたに返したようなことはないですね。あなたには返されませんね。
  194. 坪川信三

    坪川證人 川崎君から私には全然返されません。
  195. 徳田球一

    徳田委員 そのほかには一切金の関係はないですね。
  196. 坪川信三

    坪川證人 ありません。
  197. 徳田球一

    徳田委員 もう一つお尋ねしておきたい。川崎君の話では、どうもこういう金はよくないから、おれは返すのだ、だから受取らぬから君にひとつ返すのたと言われたというお話でありますが、そういうことはありませんですか。
  198. 坪川信三

    坪川證人 私はそういう記憶は、もう先申し上げました通り、一年以上経つておりますので、はつきりいたした記憶はありませんが、川崎君は返すということだけ言つておられたことは確実でございます。
  199. 徳田球一

    徳田委員 あなたか持つて帰らぬので、やむを得ず中川旅館に電話をかけて、どうも出ないものだから、しかたがないから翌日岡部君に返したのだ、川崎君としては絶対取る意思はないし、直接あなたに返したかつたのだけれども、またそれを要求したのだけれども、あなたがそれを拒絶をして、あなたがこれを受取らずにいたということになつているのですが、そうじやないですか。
  200. 坪川信三

    坪川證人 そうじやありません。
  201. 徳田球一

    徳田委員 そうじやない。
  202. 坪川信三

    坪川證人 そうじやありません。
  203. 徳田球一

    徳田委員 一旦は受取つたのですね、川崎君は。
  204. 坪川信三

    坪川證人 川崎君はまあ返す、こういうことは言つておられます。
  205. 徳田球一

    徳田委員 まあ返しはするが、一遍は受取るということになつておるのですか。そうすると大分事実は違いますね。
  206. 坪川信三

    坪川證人 いや、それで私は渡して置いてきましただけで、私は前後のことははつきりしませんが、先ほども申し上げましたように、川崎君に、これは國管に――川崎君はそうおとりになつたかどうか知りませんが、國管反対してくれという金、あるいは國管に関連がある金だというようなことは申し上げておりません。これはやはり私の同志であつた橘君などにも、何か橘君に御相談、お話があつたか、川崎君が橘君に、岡部君から金を渡されておるが、どうしようかというお話があつたということも、私は橘君からも聽いておりますので、そう私はつつこんで話をしたことは記憶いたしておりません。
  207. 徳田球一

    徳田委員 そうすると絶対にこれは國管とは関係なしに、ただ岡部君が友情に基いて贈つたということになりますね。
  208. 坪川信三

    坪川證人 そうです。
  209. 徳田球一

    徳田委員 それはちよつと内容が違いますね。まつたく違いますがね。
  210. 坪川信三

    坪川證人 私は岡部君の友情を卒直に、眞実に、いまなお信じておるのであります。
  211. 徳田球一

    徳田委員 そんなら、まあよろしうございます。
  212. 中村元治郎

    ○中村(元)委員 ちよつとお尋ねしたいのですが、あなたが川崎さんに金を五万円渡そうとしたときに、川崎さんがこれはどういう金かということを聽かれた際に、岡部君が今度金ができたために、親しい友だちにわけたいと思うんだが、自分は五万円受取つた、君もひとつこれを受取つてくれ、こういう話をせられたというのですが、そういう事実はありませんか。
  213. 坪川信三

    坪川證人 私は、そういうことを川崎君には申し上げておりません。
  214. 中村元治郎

    ○中村(元)委員 そのときに、川崎さんが重ねて、この金は一体どういう性質の金かということを尋ねられたとき、あなたが、これは岡部自分の金もあるが、大体原口という人、その他の人から集めた金だということを言われたようですが。
  215. 坪川信三

    坪川證人 絶対に私はありません。
  216. 中村元治郎

    ○中村(元)委員 そうしますと、もう一つお尋ねしたいのですが、川崎氏に渡されるときに、自分は返したんだが、君は受取つておかぬかというようなことで渡されたというのですが、あなたが返したというところには、その金は純潔な金だつたかどうか考えられて返したとおつしやるのですか。それともこの金は不浄な金だと考えて返したというのですか。
  217. 坪川信三

    坪川證人 先ほども申し上げましたように、岡部君とわれわれ同志というものは、ともに飲んだり食つたり、あるいはときには拂つてもらつたり、あるいは貸してももらつたり、貸し借りをやつてつたというよう間柄でもありますし、私川崎氏にも微意は表したこともあります。そういうような、ほんとうの血盟と言うと語弊があるかもしれませんが、同志中の同志でありまして、私たちはほんとうに政治的にも、私的にも、苦楽をともにしてきた間でありますので、私はそうした疑いという氣持ももちませんし、岡部君の家も相当裕福な家であるということは、前の生活、あるいは前の族館生活などを見ておつても、はつきりと私は想像できるのであります。それでありますから、私はそうした金とは信じたくなかつたのであります。
  218. 中村元治郎

    ○中村(元)委員 そうするとあなたは、純潔な金だから川崎さんに渡してやればよいというところで、もつていかれたが、川崎さんはこれを受取らないということであつたわけですな。
  219. 坪川信三

    坪川證人 そうです。
  220. 石田一松

    石田(一)委員 ちよつとお尋ねしますが、あなたは今七月の初旬とか、下旬とかに、中川族館に行つて岡部君とこういう金銭の問題があつた、こうおつしやつていますが、記憶はつきりしてない、とおつしやるのですが、この点よく、いつごろかはつきり、もう一遍記憶を呼び起してもらえませんでしようか。
  221. 坪川信三

    坪川證人 その記憶が、私どうも七月の大体初めだつたと思うのです。
  222. 石田一松

    石田(一)委員 実はこの前、二十四日のこの委員会では、岡部君は六月の中旬だということを言つております。この点について御記憶はいかがですか。
  223. 坪川信三

    坪川證人 さあ、その季節の問題になりますと、どうも私はつきり記憶いたしておりませんが、大体いずれにいたしましても、七月の初旬を中心とした、まあ六月の下旬か、七月の上旬と、私はこう思つておるのであります。
  224. 石田一松

    石田(一)委員 そこで民主党のいわゆる國管案の修正案というものがまとまつたのは、いつごろですか。
  225. 坪川信三

    坪川證人 まだそのころは、私の記憶にいたしますと、民主党内においてほんとうの、正式に國管案というものを、政調会で一應非公式に論議はされたよう記憶はいたしておりますが、まだ公式に政調会にかけられて、そうして話されておつたかどうかは、その点は私はつきり記憶いたしませんが、御存じように、あの國管というものが國会で、本格的に論議されるようになつたのは、私のスクラップ・ブツクの新聞記事などをたどつて見ますと、大体七月の下旬から始まつておるのじやないか、こう思つております。
  226. 石田一松

    石田(一)委員 そうだとすると、実は商工省原案、安本原案の民主党修正案ができて、これが政調会の盡力のおかげであるという言葉は、全然意味がなくなつてくると私は思うのですが、今のあなたの民主党内の修正案ができたという御証言には、違いありませんか。
  227. 坪川信三

    坪川證人 間違いないと思います。
  228. 石田一松

    石田(一)委員 どうもありがとうございました。
  229. 徳田球一

    徳田委員 もう一点聽きたいことがあります。あなたはこの事件檢察廳に呼び出されたことがありますか。
  230. 坪川信三

    坪川證人 ええ、あります。
  231. 徳田球一

    徳田委員 今言われたのは記録と違いありませんか。
  232. 坪川信三

    坪川證人 違いありません。
  233. 石田一松

    石田(一)委員 ちよつと委員長にお願いしますが、特にこの際、先ほどの証人川崎君に、ちよつと質問したいと思いますが、お許し願いたいと思います。それはただいまちようど民主党政調会の副会長であつた川崎君がいらつしやるので、その民主党修正案なるものができたというお礼、盡力というよう意味で……。
  234. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 ちよつとその問題の方は、もう少し待つてください。坪川氏の分が終つてから――今一緒になりましたから対決みたいなかつこうになると思いますから、一應坪川証人証言を聽いてからやりたいと思います。  それでは最後に一つ、念のためにもう一度お伺いしたいと思うのですが、大体事情は今お述べになつたことはよくわかつたのですが、先ほど川崎証人の方から、五万円は、國管の問題について念を押してみたところが、そういうぐあいな話だつたということと、もう一つは、わしも受け取つたから、君もどうだと言われたということ、それからその金の七十所はどこだと言つたところが、原口秀雄らしいというお話があつたというような御証言があつたのですがね。まあずいぶん前のことでもありますししますので、御記憶も薄らいでおるかとも思いますが、われわれの普通の考えからいたしましても、友情の問題は友情の問題といたしましても、十五万円ずつこう皆にずつと渡していくというようなことも、普通の場合には――特別に困つておる人なら別ですが、もし寄附するならそれは党にでも寄附するということが、党人としても正しいと思いますし、またあなたにいたしましても、お金にはお困りの方でもないようでありますから、それにはやはりたた意味もなしに友情としての点だけでは、五万円あなたに持つてこられたとは考えられないのですが、やはり川崎証人が先ほど言われたように、國管の問題に対していろいろ御苦労をかけたというようなことではなかつたのですか。その点でもう一度明確な御証言を願いたいと思うのであります。
  235. 坪川信三

    坪川證人 はつきり答えます。今委員長からお示しになりました三点につきまして、第一点は國管の問逝に関連しているという問題、第二は原口君から出ているというお話、その次のもう一つは何ですか。
  236. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 あなた自身が受取つて……。
  237. 坪川信三

    坪川證人 私自身も受取つたという、この三つの点につきましては、私は全然さようなことは申しておりません。
  238. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 三つとも否定されるわけでございますね。
  239. 坪川信三

    坪川證人 否定いたします。
  240. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 何かほかにございませんか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  241. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 それでは坪川さん終りました。     〔「ちよつと川崎君に」と呼ぶ者あり〕
  242. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 この問題について一應証言を終つたあとで残つていただきたいという鍛冶委員からの要求がありまして、残つてもらいましたので、これに対する質疑につきましては、やはり先ほど居残りを承認された関係上、もう一度証言していただくことが了承願えるかと思いますので、その点御異議ありませんね。
  243. 徳田球一

    徳田委員 木内君とも関係しておるから、もう一遍関連して聽きたい。
  244. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 そうでなしに、今石田君から川崎証人に対して、もう一度証言を求めたいという御要求があるのです。これに対して……。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  245. 石田一松

    石田(一)委員 しつこいようですが、ただいまの坪川君の言う七月の初旬という時期に、安本案あるいは商工省石炭國管案なるものが握りつぶされた。葬つてしまつた。そうして確たる民主党案というものが、あの当時すでにできてしまつていたのですか。
  246. 川崎秀二

    川崎證人 六月二十三日に水谷商工大臣國会で、炭鉱國家管理案を今度出すということを、公式に表明がありました。新聞記者團に対しては内閣発表をする。六月の下旬に民主党の控室で、和田安本長官、水谷商工大臣が來られて、その際に北村政調会長並びに私どもいろいろとその際、経営権の棚上げの問題その他について相当論戦をしました。そのときに水谷商工大臣が、経本案、商工省案というのが、それほど官僚統制主義の面がある。あるいは現場と本社を切り離すというような点があることを指摘されるならば、修正をしてもよろしいということで、それから二日経つて、たしか七月一日か二日だと思いますが、國会修正をされることはいいということを言われたわけです。その案がつぶれたことについては、たいへんやつかいになつたということであります。
  247. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 もうありませんね。
  248. 徳田球一

    徳田委員 木内君とも関係があるので、残つてつてもらいたい。
  249. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 それでは残つてつてください。
  250. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 木内四郎さんですね。
  251. 木内四郎

    木内證人 そうです。
  252. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 あなたは日本石炭鉱業会の副会長をしておられましたか。
  253. 木内四郎

    木内證人 昨年の八月の中旬までやつておりました。
  254. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 いつからですか。
  255. 木内四郎

    木内證人 一昨年の十二月の中ごろからです。
  256. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 それですと石炭鉱業会のことは大体御存じですね。
  257. 木内四郎

    木内證人 ところが私はもともと業者でもありませんし、石炭のことはまつたく素人でございます。ところが長い間役人生活をしておつたというので、官廳方面との連絡について何か役に立てばというよう意味合いだと思うのですが、前の会長から頼まれまして、副会長を引受けたのですが、そのときはつきりお断りしておいたのですが、素人でもあり、かつ当時貴族院議員でありましたから、時間に非常に制約を受けておるので、毎日来るわけにいかぬということを言つておきました。殊に貴族院が末期でありまして、いろいろの法案等の関係で忙しかつた。引続いて私は選挙でずつと留守でありました。五月十日までちよつと病氣でそのあと休んでおりました。その後におきましては殊に議会へ行きまして、運営委員長を勤めておつた関係上、継続的に出ることはできません。きわめて断片的にしか出ることができませんでしたので、鉱業会の内容につきましては遺憾ながらよく知つているとは申し上げかねます。
  258. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 知つておられるだけで結構ですから、次のことを御証言ください。昨年石炭鉱業会が理事会及び総代会において、石炭國管案に反対の決議をして、その反対運動をしたようですが、どのような方法で運動したかということについて御証言願いたい。
  259. 木内四郎

    木内證人 私の承知いたしておりまする限りにおきましては、商工大臣とか安本とか、あるいは石炭廳というような官廳方面、あるいは総理大臣、官房長官、そういう方面に対して陳情をする。あるいは各政党を歴訪して陳情をする。また議会内部におきましても各政党の控室でもつて、陳情するというようなことをやつてつた承知しております。
  260. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 それは鉱業会の中であなたはそういう方をおもに担当されたということなのですか、鉱業会自体がそういう運動をしたということなのですか。
  261. 木内四郎

    木内證人 さつき御質問になりましたように、鉱業会がどういう方法で運動したかというお話でありましたから、鉱業会がやつたのです。
  262. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 鉱業会がやつたことですね。
  263. 木内四郎

    木内證人 私自身はその陳情にはついてまいりませんでした。ただ民主党の本部においてその陳情の人々が来たときに、私はたまたま本部におつて一緒に聽いたことはあります。
  264. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 当時地方からも業者がたくさん上京してきて、反対運動しておつたのですが、鉱業会の方との反対運動の連関性といいますか、御関係はどういう御関係つたのですか。
  265. 木内四郎

    木内證人 鉱業会とは関係はないと思います。
  266. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 全然無関係ですか。
  267. 木内四郎

    木内證人 無関係であると思います。
  268. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 そうしますと、鉱業会のことをちよつとお伺いしたいのですが、鉱業会の帳簿によりますと、反対運動のための会食費とかあるいは交通費というようなものが相当な金額出ておるんですが、これらの運動費はどういうふうにして捻出されたんですか。
  269. 木内四郎

    木内證人 私はその捻出の方法を計算のこまかなことは存じませんが、各会員に割当てて経費は出させております。その要つただけの経費は――どれだけ要つておりますか私知りませんけれども、その経費は各会員から会費として納めておる。
  270. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 大体御参考までに申し上げますと、帳簿上では先ほど申し上げました会食費というようなものも昭和二十二年の六月以降十二月までの大体に國管反対運動が起つてつた間に、合計百四十四万三千円となつておりますし、自動車の支拂も同期間に六十五万六千円というふうになつておるのです。それでそういう金をどうやつて出したかということがお伺いしたいのですが、あなたの今のお話ではまあ割当てた、しかし賦課の方法というものは非常に当時やかましくて賦課金の増徴という問題はできなかつたのじやなかつたですか。
  271. 木内四郎

    木内證人 賦課金のことは私はこまかな計数は覚えておりませんが、何か規約によりまして一定の率によつて出す、臨時に必要な場合には総会でしたか決議を経まして、それに追加をして賦課しておつたと存じております。
  272. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 そうしますと、あなたもその会食や何かの場合に相当出席されましたか。
  273. 木内四郎

    木内證人 少し余分であるかもしれませんが、鉱業会は私が一昨年の暮はいつた当時からの印象ですが、その当時から非常に会食が派手なのです。ややルーズであるといつていいくらいに鉱業会ではいろいろ宴会など使つておりました。私も初め就任の当時におきましてはずいぶんしばしば出ました。
  274. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 去年の七月二十六日に、八月一日、八月二日と三回、あなたやそれから西田隆男氏ほかの方たちと懇談会として三万三千九百九十円という支拂が初波奈へなされておるように鉱業会の帳簿に載つていますが、そのときの会合をされたのはどんな方ですか。
  275. 木内四郎

    木内證人 そのときは、今三回とおつしやいましたが……。
  276. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 今載つているのを見ましても、そういうぐあいに三回出ているのです。あなたの御出席になつている分が。
  277. 木内四郎

    木内證人 別に私の記憶しておりまするのは椎熊三郎郎君、川崎秀二君、それに西田君は大体記憶しております。
  278. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 その会合の目的は何ですか。
  279. 木内四郎

    木内證人 それは少しさかのぼりますけれども、西田君が選挙されて出ました当時に、初めのころに会いまして、お互いに当選してよかつたという話から、民主党内の話などが出まして、そうして民主党内の新進会の話なども出ましたそのときに、新進会の有力なメンバーの椎熊君と川崎君にいつか紹介してくれんかという話があつた。そのときに私は一席設けようかなどと言つてつたままになつて延び延びになつてつた。その後七月にはいりまして両君の都合のいい日がありましたので、懇親をはかるかたがた一夕会食した。
  280. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 それは石炭國管反対のために、あなたが鉱業会の代弁者として会食されたんじやないですか。
  281. 木内四郎

    木内證人 そういうことじやありません。
  282. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 それですと、民主党の会合に鉱業会の金を三万いくら使つていることは、鉱業会副会長として重大な問題だと思いますね。
  283. 木内四郎

    木内證人 金額が三万いくら、そんな金額になつていることは私は承知しておりません。
  284. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 鉱業会の帳簿にはそれが載つているんですよ。
  285. 木内四郎

    木内證人 鉱業会におきまして、鉱業会の副会長が、そのときは理事もおりましたが、その社会上の地位を保つに必要な交際費あるいは宴会費というものは、鉱業会が負担しても差支えないものだと思います。
  286. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 そうすると、その会合は民主党員としての会合でなくして、あなたが鉱業会の副会長として、民主党の人を招待されたということになるんですか。
  287. 木内四郎

    木内證人 鉱業会の副会長、議員たる鉱業会の副会長……。
  288. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 議員たる鉱業会副会長といつても、鉱業会の金をあなたが使われる限り、やはり鉱業会の代弁者として使われなければ、これは明らかにあなたは背任ですよ。卒直にあなたからお答えしていただきたいんですが、これはやはり鉱業会の代弁者として民主党を切崩さなければいかぬから、民主党の一番新進氣鋭の新進会のところに、手を入れられたということになるんじやありませんか。
  289. 木内四郎

    木内證人 そういうことではありません。鉱業会は議員たる私を副会長として代表させている以上、議員たる私を副会長として招聘しております以上は、やはり私の議員たる地位において、その社会的地位を保つに必要な交際費、あるいは宴会費を鉱業会が負担するのは当然だと思つております。
  290. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 それじやそれはそれくらいにしておきまして、あなたはまだそのほかにたとえば武内禮藏氏とか、あるいは原口秀雄、上田清郎、木曽重義、西田隆男、麻生太賀吉、それから田龍寅藏、早川勝、山川良一、以上のよう石炭業者側から、石炭國管反対の陳情を受け、議会その他でいろいろ御面談されたことはございませんか。もしされたらそのときの日時、あるいは場所とか、そのときの事情、そういうようなものをお話していただきたい。
  291. 木内四郎

    木内證人 私はそういう人々からは別に陳情を受けませんが、私自身この石炭國家管理案につきましては、長い間の役人の経験から、役人がこういう方面に深くますます多く關與していくことは、結局増産にならぬ。当時増産にならなかつたのは炭價のきめ方、あるいは資材の配給が円滑にいつていなかつた。あるいは労務関係、殊に労務者の勤労意欲というような点にあることを深く痛感しておつた。殊にこの点は私が初め副議長をしておりまして、その後議長になりました全國石炭復興会議の力によつて打開できるというふうに私は確信しておつたんです。私自身反対でありました。それから私がおりました鉱業会の理事会においても反対決議をしております。私はそういう人々から陳情を受ける必要はない。初めから反対である。鉱業会ですでに反対の決議をしておる。
  292. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 当時こういうような方々とあなたが非常に会見されて、金銭の授受なんかされたという風評があるのですが、そういう事実は全然ありませんか。
  293. 木内四郎

    木内證人 私はそういう人とは会見しておりません。武内君は鉱業会の理事でありましたから会いましたが、そのほかの人とは会見した事実はありません。從つて金銭授受というよう関係も全然ありません。
  294. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 あなたは神田の龍名館というのをご存じですね。
  295. 木内四郎

    木内證人 龍各館は知つております。
  296. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 龍名館に出入りされたことがありますか。
  297. 木内四郎

    木内證人 おりません。
  298. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 龍名館であなたは武内氏とか、あるいは原口秀雄、淵上房太郎、橋上保、長尾達生、西田隆男、野田俊作あるいは田籠寅藏とか、上田清次郎、木曽重義、麻生太賀吉、早川勝、山川良一、こういうような人たちと会われたことはありませんか。
  299. 木内四郎

    木内證人 私は龍名館に行つたことはありません。しかし今お話なされた名前のうちで、山川君と麻生君等は鉱業会の理事ですから、理事会に顔を出したいときにたまに会いました。
  300. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 あなたは参議院で鉱工業委員会理事をやつておりましたか。
  301. 木内四郎

    木内證人 やつておりません。
  302. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 あなたは植原悦二郎氏と國管問題について対面されたことがありますか。
  303. 木内四郎

    木内證人 ありません。
  304. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 ほかに何か委員の方でありますか。
  305. 徳田球一

    徳田委員 この國管問題につきまして、あなたは検察廳へ喚ばれたことがありますか。
  306. 木内四郎

    木内證人 ありません。
  307. 徳田球一

    徳田委員 西田君、権能君、川崎君との会合は、内容はいかなる内容であつたのですか。
  308. 木内四郎

    木内證人 そう言われると、この席上で申し上げることは適当な言葉でないかもしれませんが、よく酒の席などで語られて、愉快に語り興ずるような性質のものでありました。人情話とでも言いますか……。
  309. 徳田球一

    徳田委員 それ以外何もありませんでしたか。
  310. 木内四郎

    木内證人 ありません。
  311. 徳田球一

    徳田委員 そういうことでも鉱業会の金はどしどし三万円も使つていいのですか。
  312. 木内四郎

    木内證人 三万円ということは、私も承知しません。議員としての私を鉱業会が副会長として迎えておる以上、私が議員として体面を保ち得る交際費を出すことは当然だと思います。
  313. 徳田球一

    徳田委員 ただ議員としてむだな金を使うことはないはずであります。それでは鉱業会ではただ金を出しておるように思いますが、どうでしよう
  314. 木内四郎

    木内證人 私はそうたくさんな金を使つた覚えはありません。
  315. 徳田球一

    徳田委員 そのときはいくら使つたのですか。
  316. 木内四郎

    木内證人 そのときは西田君を初めから紹介するという考えがありましたので、西田君が拂つておらなければ、鉱業会が拂つておると思います。
  317. 徳田球一

    徳田委員 西田君を椎熊君、川崎君に紹介するという考えでしたか。
  318. 木内四郎

    木内證人 そうです。
  319. 徳田球一

    徳田委員 また椎熊君、川崎君とはお知合いでしたか。西田君をつき合わせようということは、ただ茶飲話をするということだけではどうも紹介にもならぬように思いますが、ほかにありませんか。
  320. 木内四郎

    木内證人 よく同じ党派の議員が集まつて、何となく御飯を食べて、愉快な話をすることがあるじやないですか。
  321. 徳田球一

    徳田委員 それだけじやないでしよう。鉱業会から金が出ておらなければ何ですが、鉱業会があなたの交際費だと言つて、あなたのむだ話をする費用まで金を出すという理由は、どうしても理解できない。そういうくせになつておるのですか。
  322. 木内四郎

    木内證人 鉱業会はそういう習慣になつているとは申しませんが、私はこの場合の費用は出してもらつていいと思います。
  323. 徳田球一

    徳田委員 鉱業会から一箇月もしくは一年でどのくらいの交際費をもらつておりますか。
  324. 木内四郎

    木内證人 私は交際費としてはもらつておりませんが、給與と賞與を合せて一箇月約一万円くらいもらつております。しかし前のああいう性質の会の手当は七、五、三といつて、年七万円、五万円、三万円というような金を会長、副会長理事がもらつておりましたが、当時に比べまして、私は月一万円もらつても、きわめて少いもので、そのほかに多少交際費をもらつても当然だと思つております。
  325. 徳田球一

    徳田委員 七、五、三というと……。
  326. 木内四郎

    木内證人 前には七、五、三というような比率になつておりました。
  327. 徳田球一

    徳田委員 だから当然五万円はもらえるというのですか。
  328. 木内四郎

    木内證人 それは前とは貨幣價値が違います。六十五倍の安定帶と言いますが、かりに、五倍としても年二十五万円もらつても、まだ当時の鉱業会の副会長の体面を維持することができない。
  329. 徳田球一

    徳田委員 そうすると六十五倍とすると、三百万円はもらつてもいいわけですね。
  330. 木内四郎

    木内證人 そういうことは言いませんが、ある程度の交際費を出してもらつてもいいと思います。
  331. 徳田球一

    徳田委員 そうすると、このときの会合について、これは私の会合だという通知をしないでも、しり括りをしてくれるわけですか。
  332. 木内四郎

    木内證人 そのときのことはよく承知しておりませんが……。
  333. 徳田球一

    徳田委員 あなたはそういうことを鉱業会に通知してありますか。
  334. 木内四郎

    木内證人 それは鉱業会にこういうことがあつたということを通知してあつたから鉱業会で拂つて帳簿に記載してあるのです。
  335. 徳田球一

    徳田委員 そうすると鉱業会はしりぬぐいしてくれるわけですか。三百万円の限度までは……。
  336. 木内四郎

    木内證人 そういうめちやなことは言いませんが、私がこういう人を呼んだ。しかしそれがリゾナぶブルな限度だから、鉱業会が拂つてくれたと思います。
  337. 石田一松

    石田(一)委員 この会合を催そうという話は、西田さんとあなたとがどういう機会でお始めになつたのですか。
  338. 木内四郎

    木内證人 それはさつきも申したように、当選してから私は病氣していたが、鉱業会に出てきてからです。西田君は初めてだが、私は前に貴族院議員をしていた関係上、民主党の事情もよく知つていたものですから、いつか紹介してくれぬかということから、そのとき私は一席設けようかなと言つてつた。それが延び延びになつていたのが七月半ばごろになつて一席設けた。
  339. 石田一松

    石田(一)委員 延び延びというのは当選直後ですか。
  340. 木内四郎

    木内證人 直後でありません。五月十日ごろまで病氣で寝ていましたから、それから後のことです。
  341. 石田一松

    石田(一)委員 民主党新進会椎熊君、川崎君に西田君は特に会いたがつておりましたか。
  342. 木内四郎

    木内證人 いや、前にそういう話がありましたから、それによつて一席設けた。その前に西田君とそういう話が出ておつたことがありましたから、遅れたけれども一席設けたわけです。
  343. 石田一松

    石田(一)委員 あなたは民主党の事情にお詳しいから、民主党内の新進会のいわゆる実力というようなことを、西田さんに説明かなんかしたのではありませんか。
  344. 木内四郎

    木内證人 当選直後党内のことをいろいろ雑談しておりましたときに、そういう話が出たのだが、現実の会合が延びた。
  345. 石田一松

    石田(一)委員 それで新進会内で最も同志的にやつているのが椎熊君あるいは川崎君だということを西田君にお話になつたのですか。
  346. 木内四郎

    木内證人 有力メンバーの一人だ、私も御両人を承知しておりますから……。
  347. 石田一松

    石田(一)委員 それで西田さんの方から、椎熊君、あるいは川崎君にぜひ紹介してくれということになつたのですか。
  348. 木内四郎

    木内證人 そういう堅い話でなかつたが、西田君も政治的向上心に燃えている人ですから、そういう人と近づきになりたいという考えを当選直後にもつていたと思います。
  349. 石田一松

    石田(一)委員 そうすると民主党内においても強力な勢力をもつている新進会川崎君、椎熊君ということをあなたが御説明あそばして、そこで西田君はそれならばそういう人に一遍会つてみたいという希望があつたので後日会合を設けた。こういうわけですね。
  350. 木内四郎

    木内證人 はい。
  351. 徳田球一

    徳田委員 あなたは鉱業会から自動車を借りておるようなことはありませんか。
  352. 木内四郎

    木内證人 私は鉱業会の副会長でありましたが、当時遺憾ながら、朝行くときも、帰るときも、乗るようなことはほとんどありませんでした。たまに送つてもらうという程度です。
  353. 徳田球一

    徳田委員 あなた自身の車を持つておられるのじやなかつたですか。
  354. 木内四郎

    木内證人 おりませんでした。
  355. 徳田球一

    徳田委員 それではあなたは副会長であつても、当時車はなかつたわけですね。
  356. 木内四郎

    木内證人 当時專属の車はありません。
  357. 徳田球一

    徳田委員 それでは鉱業会では、車の送り迎えは、自分の方の理事長とか会長とか、常習的に送り迎えをしたということはないのですね。
  358. 木内四郎

    木内證人 ないことはありません。当時私は、自分の車はありませんが、議会の方の車で乗つて行くこともありました。そんな関係で、私には專属の車はありませんでした。
  359. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 先ほど委員長から聽かれた、三回で三万六千いくらということになつておるのですが、その点明確になつておらぬ。あなたの懇談会は一回だけのように聞えますが、そのほかにもあつたのですか。また金額はどうか。それを明確にしていただきたい。
  360. 木内四郎

    木内證人 金額は少し多起きると思います。たとえ三回といたしましても多過ぎると思うのです。あるいは鉱業会では他の宴会の経費と一緒に支拂つた、それが載つておるのかもしれません。
  361. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 ちよつと今質疑中ですが、去年の七月二十六日、八月一日、八月二日、この三回で二万三午九百九十円、初波奈、懇談会及び女中心づけ、となつております。
  362. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 その回数及び金額をはつきりしていただきたい。
  363. 木内四郎

    木内證人 私は川崎君、椎熊君のは記憶しておりますが、ほかのは七月の終りというのは記憶しておりません。あるいは他の宴会費と一緒に拂つたのじやないかという氣がします。
  364. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 とにかく帳簿上はそうなつております。
  365. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 するとあなたとしては一回だけなんですね。
  366. 木内四郎

    木内證人 今この一回だけは記憶しております。ほかには鉱業会としてたびたび会合がありますから。
  367. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 何か鉱業会ではあなたの名前で……。
  368. 木内四郎

    木内證人 椎熊君のときには私の名前で電話をかけておりましたから。
  369. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 そのほかはありませんね。
  370. 木内四郎

    木内證人 そのほかに七月の終りにはありません。
  371. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 八月初めは。
  372. 木内四郎

    木内證人 八月一日、二日というようなときにはなかつたと思つております。
  373. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 もう一遍申し上げますが、三回が西田氏が主催した懇談会ということになつております。
  374. 木内四郎

    木内證人 西田君と一緒のは一回だけです。他の宴会費がそれに入つて支拂いされておるのかとも思います。
  375. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 何かほかにありますか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  376. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 それでは御苦労さんでした。
  377. 徳田球一

    徳田委員 川崎君に聽きたいんですが、この木内君の主催による西田君を引合わせるためのあなたと権能君とを呼んだという会合はいつごろですか。
  378. 川崎秀二

    川崎證人 七月の末ではなかつたかと思います。
  379. 徳田球一

    徳田委員 やはり初波奈ですね。
  380. 川崎秀二

    川崎證人 そうです。
  381. 徳田球一

    徳田委員 このときに、木内君はさつきあんなことを言つておりましたが、それに相違ありませんか。ほかに何か話合は。
  382. 川崎秀二

    川崎證人 これは、ちようどその日私は文部大臣か何かの官邸で会合があつたと思います。それから椎熊君も逓信省の会議があつて、招待されておるのだけれどもとても行く時間がなくなりまして、やめようかといつて連絡したことがあります。文部大臣の官邸だと私は思います。それから連絡をとつて、私は自動車がないものですから、行くならばあなたの自動車を貸してくれということで、逓信省から十時過ぎに私の方へ来たと思うのです。それから初波奈へ行きましたのは十時二十分か三十分くらいだと思つておりますが、行つて、その席上に西田君もおり、木内君もおつて今のお話通りであります。普通ならば、私は、大概炭鉱の問題でも何でも政治上の話をするのでありますけれども、当日は相当夜分遅くもあつたので、西田君は、自分は夜になると蕁麻疹が出て困るんだというので、すれ違いに帰つたのです。ちよつと話してすぐ五分くらいして帰つたと思う。この前西田君はそんなことを言つておりましたが、それと違いありません。それでそのときに何も話は出なかつたが、たしか私の方で、玄関を出たときに、一体君は賛成なのか反対なのか、非常に態度が不明確じやないかということを木内君になじつたことがあると思うのです。そうしたら、いや自分國管案には賛成なんたから、ということでありました。
  383. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 もうありませんか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  384. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 それじや御苦労さまでした。  明日は午後一時より委員会を開くことにして、本日はこれにて散会いたします。     午後四時五分散会