○圖司
委員 だんだん承
つておりますと、どうも
政府の政策、特に民主自由党を基盤としたところの多数の者の考えというものは、不確定なる事実というものを、さも確定した事実のごとくこれを流布して、そうしてその末端を惑わせておるようなきらいが多分に見受けられるのであります。それは結局生産意欲を向上せしめることではなくして、むしろ生産意欲を減退せしめるのみならず、生産
農民をしていたずらにやみ行為にかり立てて行くようなきらいが多分にあるので、政治を明るくすることではなくして、むしろ暗い政治というものを助長せしめるような結果を招來するおそれが多分にあるように見受けられる。今日酒が三十三万石しか造石できないということの國際情勢のもとにあるから、むしろどぶろくがあるとするならば、農林
当局は
大藏当局と協力してこれを取締るべきであ
つて、どぶろくがあるから酒の造石を認めてやろうというような考え方は、安易なる
現状に妥協する以外の何ものでもないのであ
つて、これは、政治を明るくするなり、ある心はまた
農民の生産意欲を向上せしめるというようなことにならないと私は思う。むしろ食糧政策というものは、現行の
法律というものをあくまでも
農民は遵守する、この建前をとるべきであ
つて、ことに食糧が今日の國際情勢下に置かれておる場合において、供出後の食糧を
自由販賣するなどということは、およそこれは夢である。遠き將來のことを健全なる常識をも
つて考えるところの政策であつたならば、われわれはこの政策を眞劍に檢討しなければならぬことはもちろんであるけれ
ども、およそ不可能な事実を前提として、農林
大臣は食糧政策を樹立し、さらにこの施策を実施面に移して行かれようということであつたならば、生産
農民をして混乱に陷らしめるばかりでなく、わが國の食糧行政に対して非常なる悪例を残し、混乱を生ぜしめると私は考えるのでありますが、責任ある農林
大臣として、あなたのほんとうの腹の中からそういうふうにお考えにな
つておるのかどうか。民主自由党が掲げておるところのこの政策というものは、ただ選挙
対策として
農民の投票を集める一つの手段に考えておるのじやないかとわれわれは思うのである。そういう点に対して、國際情勢下における現在の農林
大臣として眞劍な——私は民主自由党の前政務調査会長としてお伺いするのではない、農林
大臣として、ほんとうにそういう考えであるかどうか、私はその信念を伺いたいのであります。