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1948-11-10 第3回国会 衆議院 農林委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十三年十一月十日(水曜日) 午前十一時十五分
開議
出席委員
委員長
坂本
實君
理事
田口助太郎
君
理事
井上
良次
君
理事
圖司 安正君
佐々木秀世
君
重富
卓君 野原 正勝君
八木
一郎
君
菊池
重作
君
清澤
俊英君 金野 定吉君
成瀬喜五郎
君 小林
運美
君
鈴木
強平君
関根
久藏
君
飯田
義茂
君 松澤 一君
山口
武秀
君 寺本 齋君
委員外
の
出席者
農林事務官
平川
守君 專 門 員 片山 徳次君 專 門 員 岩隈 博君 十一月九日
委員小川原政信
君及び
山村
新治郎君辞任につき、 その補欠として
加藤吉太夫
及び
山口六郎次
君 が議長の指名で
委員
に選任された。 ————————————— 本日の
会議
に付した事件 小
委員会設置
に関する件 小
委員長互選
の件
委員派遣承認申請
に関する件
農業災害保險
に関する件 —————————————
坂本實
1
○
坂本委員長
これより
会議
を開きます。
政府委員
の
出席
が遅れていますので、
日程
を変更して第三より始めます。まず
委員派遣
に関する件でありますが、昨日の
委員会
におきまして、
食糧公團
の
配給制度等
につきまして、調査研究いたしたいという御意見がありましたので、さような意味で
委員
の
派遣
をいたしたいと
考え
ます。 この際
井上委員
から
発言
を求められております。これを許します。なお
発言
につきましては
発言順
により行いたいと存じますので、あらかじめ
委員長
の手もとまでお申し出願います。
井上良次
2
○
井上
(良)
委員
昨日
政府当局
から
食糧配給
に関連する諸問題について
説明
を求め、いろいろ討議いたしたのでありますが、御
承知
の
通り
、
昭和
二十四年の新米穀
年度
がこの十一月から発足いたしまして、これが円満なる
配給
を続けて行くためには、農民の非常な協力による供出の完遂と、
外國食糧
の輸入の促進と、同時にこれの
配給
がいかに適正に行われるかということについて、十分われわれとしては
檢討
を加えなければならぬ問題が多いのでありますので、この際本
委員会
の中に、
食糧対策小委員会
を設置し、これら諸問題についての対象を立てるようにおとりはからいを願いたいと思います。
委員
の数及び小
委員長
は
委員長
に一任をいたしたいと思います。
坂本實
3
○
坂本委員長
おはかりいたします。ただいま
井上
君の御提案に対しまして御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
坂本實
4
○
坂本委員長
御
異議
なしと認めます。よ
つて食糧対策小委員会
を設置することとし、その小
委員
は
委員長
から指名いたします。
田口助太郎
君
重富
卓君
八木
一郎
君
井上
良次
君
成瀬喜五郎
君
菊池
重作
君
鈴木
強平君
関根
久藏
君
飯田
義茂
君
山口
武秀
君 以上十名であります。なお小
委員長
には
井上良次
君をお願いいたします。 なお先ほどおはかりいたしました
委員派遣
は、ただいま申し上げました
食糧対策小委員
の方にお願いいたしたいと思いますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
坂本實
5
○
坂本委員長
御
異議
ないものと認めましてさように
決定
いたします。 —————————————
井上良次
6
○
井上
(良)
委員
日程
の都合がございますが、幸い
農林省
の
総務局長
が見えておりますから、この際特に
農業災害
に伴います
復旧
について、いろいろ
資金面等
の問題がございますので、
農業資金
のその後の経過について
総務局長
から一應
説明
を求めて、これに関連する
質疑
を続行していただくようにおとりはからいを願いたいと思います。
坂本實
7
○
坂本委員長
政府当局
の御
説明
を願います。
平川守
8
○
平川説明員
本
年度
の
各種災害
の
被害額
を概算見積りますると、
耕地関係
におきまして約二百三十二億円、
林野関係
において五十四億円、
水産関係
において七億円くらい、これは
復旧
を要する
施設関係
の
被害
でありまするが、それくらいあつたと見積られるのであります。これに対しまして、本
年度
中に
復旧
をいたしまする
部分
は、大体三箇年くらいの
計画
で
復旧
をいたすように
計画
をいたしておりまするが、
耕地関係
におきまして
被害
二百三十二億に対して八十六億、
林野関係
において五十四億円の
被害
に対しまして十三億、
水産関係
におきまして、七億の
被害
に対し三億というくらいの
復旧
をいたしたいと
考え
ておるわけであります。これだけの
復旧事業
を実施いたしますると、從來の
慣例
からいたしまして、大体六割ないし八割、九割
程度
、これは各
被害
の
状況
なり、縣の
財政事情
なりによりまして
補助率
はかわるわけでありますけれ
ども
、それくらいの
補助
をいたす
慣例
にな
つて
おるわけであります。八十六億の
耕地関係
の
復旧事業
に対しましては六十二億、
林野関係
の十三億の
復旧事業
に対しましては十億、
水産関係
の三億の
復旧事業
に対しましては二億円見当の
補助
を必要とするように
考え
まして、
農林省
といたしましては、そのくらいの
計画
で進んでおるわけであります。このうちすでに第二・
四半期
までの
補助
の
決定
をいたしました
部分
はごくわずかでありまして、
耕地関係
にして四億七千万円、
林野関係
が七千九百万円、
水産関係
が三百七十万円、
合計
五億五千万円
程度
のきわめて少額しか
決定
を見ておらぬのであります。これは第二・
四半期
までの
計画
であります。第三・
四半期
の分は目下
檢討
をいたしておりまする
追加予算
の分にはい
つて
まいるわけであります。この
金額
がどの
程度
に
決定
するかは、まだ最後的の
決定
を見ておらないのであります。
農林省
といたしましては、さような
計画
をいたしておるわけであります。いずれにいたしましても、
補助金
の額が
決定
を見、それが実際に交付せられまするまでの間におきましては、
相当
の時間を要する一方、
復旧事業
の方は非常に急を要する
関係
がありますので、さしあたりただいま申し上げました
計画
のうちで、
総額
十一億七千万円
程度
で、この
内訳
は
耕地関係
が十億、
林野関係
が一億四千六百万円、それから
水産関係
が二千四百万円、
合計
十一億七千万円ばかりを
限度
といたしまして、これだけの
金額
はいずれにしても
補助
のある
見込み
であるという前提で、
予金部
の方から
應急
の
融資
をいたすことに
決定
を見たのであります。これにつきましては、
農林関係
以外に
建設省方面
の
土木関係
もありまして、その分も合せて四十億の
融資
をするということに
決定
をいたしておりまして、すでに各
地方
に通達いたしまして、この四十億のうちで三十億ばかりがすでに
貸出済み
にな
つて
おる。
建設省方面
と
農林省関係方面
との
内訳
は、今
内訳
のこまかい
数字
をも
つて
おりませんが、大体四十億のうちの十一億が
農林省関係
にな
つて
おります。およそそれくらいの
比率
で貸し出されると思います。 ただいま申しましたのは、
公共事業関係
で
復旧
する
事業
に対する
融資
といたしまして、
予金部
から貸すということをきめたのでありますけれ
ども
、なおそのほかに
公共事業
でない
施設
の
関係
で、
農林
、
水産方面
で、たとえば
共同
の
施設
が破壞されたとか、あるいは漁船、漁具が流失したとかいうようなものがございます。これに対しましては、とりあえず先般
閣議
の
決定
を見て、実施にはい
つて
おります
農林
、
漁業関係
の
復興融資
の
資金
がごザいますので、この中から
融資
をしてもらおうという
計画
をしております。およその
限度
としては大体五億円くらい
考え
ておりますが、この
範囲
において、各
地方
からの
要求
に基いて、
各種
の
共同
の
施設
に対して
復興資金
の方から
融資
をいたしたいと
考え
ております。なおそのほか
臨時
的な短期の
営農資金
に対しましては、
肥料代
であるとか、
農機具代
であるとかいうような
営農資金
につきましては、
農林中央金庫
の方の
手元資金
をも
つて
金融
をいたすということに
考え
ております。今回の
アイオン台風
に対しては、大体四億五千万円
程度
の
営業資金
を
限度
として貸し出さう、かように
考え
まま支、
目下中金
でそれの受付をいたす態勢にな
つて
おります。なおそのほか
農林省関係
の
各種公共事業等
に対しましては、
一般
の
復興金融金庫
の方から五千万円
程度
の
融資
をいたすということに
決定
を見ておるのであります。なお先般の
北陸
の
震災
に対しましては、別にただいま申したような
建設資金
四億ほどを
限度
として、すでに貸出しを実施しております。これは
臨時
の
措置
として、
中央金庫
の
手元資金
をも
つて
貸出しを一時いたしまして、最近
農林漁業
の
復興資金
の方が
決定
を見ましたので、これに振りかえるということにな
つて
おります。 以上のような
各種
の
金融
の
措置
を講ずることによ
つて應急
の
資金需要
に應じ、また將來交付せらるべき
補助金
を引当てにいたしました
預金部
の
資金
の
運用
と相ま
つて
、
復興
の
事業
には、ただちに着手をいたすことにしておるのであります。ただ何分にも
財政
の
関係
がありまして、われわれの
考え
ておるような十分な
事業分量
ができるかどうかにつきましては、まだ
決定
を見ておらぬような
状況
でございます。 なおついででありますけれ
ども
、
農村漁業関係
の
復興資金
のその後の
進展状況
について御
説明
申し上げておきたいと思います。御
承知
のごとく
閣議決定
によりまして、本
年度臨時應急
の
措置
といたしまして、本年八月から明年の三月までの間において、四十億円を
限度
として
農林中央金庫
の
社債発行
によ
つて
、この
社債
を
復興金庫
が
復興金融債
の
発行
によ
つて
引受ける、
復興金庫
の
資金
をも
つて
農林中央金庫
の
社債
を引受けてもらいまして、
農林中央金庫
をして本
年度
において
農林関係
の
復興事業
に四十億の
融資
をするということに相なりまして、そのうち第三・
四半期
の分につきましては、その半分の二十億を
限度
として貸出しを始めるということに相なりました。そのうちの六億七千万円ばかりにつきましては、すでに
関係方面
の
了解
も得まして、すでに各
地方
の
手続等
を通知をいたしまして、各
地方
の方から
農林中央金庫
の支所、
出張所あて
に
融資
の
申込み
をしてもらいますれば、それに基いて具体的の貸出しをするという
運び
に相な
つて
おるのであります。第三・
四半期
の二十億のわくにつきましては、すでに安本と
農林省
の
了解
を得ましたので、近く
関係方面
の
了解
を得る
運び
にいたしております。これも内々の
了解
は得ておりまするから問題ないと思
つて
おります。大体現在までの
災害関係
並びにその他の
復興
に関する
資金
といたしましては、さような方向で進んでおりのであります。 なおこの
復興
に関しまする
資材
の点につきましては、
安定本部
の方に申出をいたしまして、ある
程度
の
了解
を得ておるのでありまするが、なかなか
資材
がきゆう
くつ
な
関係
からして十分な
数量
を得られませんので、実はなお折衝を続けておるような
状況
でございますが、ごく大ざつぱに申しますと、最近までにきまりました
数量
は、
アイオン台風
の分におきましては、鉄材が
銑鉄
、鋼材合せまして五百五十トン、それからくぎ、針金二百トン、鉄線も合せますと二百五十トンになります。それから
亞鉛鉄板
が百トン、
木材
が二十万石というような
程度
の
数字
をさしあたりもらいまして、これにつきましてはただちに現物化し得るような
態ゾ
にいたしております。ただ全体の
需要
から申しますると、その
程度
では実は問題になりませんので、
銑鉄
、鋼材にいたしましても、私
ども
の方の
要求
といたしましては七千トンぐらいがほしいということを言
つて
おるのであります。なかなか物資の
関係
が困難でありまするためにさような圧縮を受けまして、なお引続いてこれは
追加予算
とからみ合せまして、
資材
の方も
要求
をいたしておるというような
状況
にあるのであります。
災害復旧関係
の
資金
の
関係
と
資材
の
関係
をごく概略でございましたけれ
ども
御
説明
いたしました。
坂本實
9
○
坂本委員長
ただいま
平川総務局長
の
説明
がありましたが、この際
日程
第一を付議いたし、
質疑
を行いたいと存じます。
成瀬喜五郎
君。
成瀬喜五郎
10
○
成瀬委員
ただいま
災害
に対する
政府
の
補助金
の
概要
及び
融資
の
概要
につきまして、
渡川総務局長
から
説明
がございました。が、それらの
被害
の
復旧
に対しましては、大体過般
國会
におきまして
災害特別委員会
が設立されたのでございますが、そういつた
委員会
の意向をしんしやくいたしましての結果であるか。大体この
災害
の
範囲
がどの
程度
に全体に及んでおるかということを
考え
てみる場合に、あまりにもこの
耕地
及び
林業
及び
水産関係
における
復旧
に対する
補助金
の率が少な過ぎはしないか、また
融資
の
関係
においても少な過ぎはしないかという
考え
を持
つて
おるのでありまして、全体的な
被害
の
総額
を十分に鮮明にしていただきたい、かように思うのでございます。なおまた
アイオイ台風等
の
関係
を主として言われておりますし、
國会
における
災害
の
委員会
におきましても、
水害等
を
中心
にいたしまして、
福井縣
の
地震関係
も織り込んでおりますが、
南海
の
地震
による沈下は今なお継続中だということも、一部においては言われておりますが、そういつた
方面
においての
被害
が、ともすれば忘れがちにな
つて
おるようにも
考え
られるのでありまして、今回におけるところの
耕地
は
復旧
その他の面におきましても、はたしてその
方面
に対するところの含みを持
つて
おられるかどうかということを
考え
る次第であります。なおまた
政府
の一割増産というこの見地から、
食糧
の確保は喫緊の最
重要事
でございますが、さような面から
考え
ましても、
耕地
の
復旧等
は特に急を要することでございますが、しかしの第二・
四半期
におけるところの
金額
は、あまりにも小に過ぎる、こういう緊急の
復旧
に要る
資金
といたしまして、あまりにも寡少であろう、こういうようにも
考え
るのでございまして、はたしてこれで
所期
の
復旧
ができるかどうかを疑うのでございます。
從つて
われわれは今まで、
農業復興金庫等
、別に
金融機関
を設置いたしまして、急速に
災害
その他の
土地改良等
に要する
資金
なり、また
補助
の面の増額を
要求
してまいりましたが、
政府
ははたしてこの
方面
に対しまして、いかなる
考え
を持
つて
おられるか、以上
耕地関係
については、
南海地震等
を
中心
にいたしまして
質問
する次第であります。 また
林業関係
におけるところの点は、
もつ
ぱら治山治水
の
関係
から、
植林事業
を急速に進めなくてはならない必要に迫られておりますが、
地方
に参りますと、なかなかそれが
所期
の目的を達し得るような
状態
にまで進んでおりません。いろいろ他の
方面
にも原因があれますが、
植林
をするについては多額の経費を必要とするわけでありますがために、その
方面
に対する
融資
は、
相当
重視しなくてはならない
関係
にあると思うのでございます。しかしながらそういう
融資関係
におきましては、最近
金利
があまりにも高いというようなことから、躊躇する向きもございますが、こういう
融資関係
におけるところの
金利
、また
政府
がその面に対する
補助
を必要とする次第でありますが、こういう
方面
に対しまして、どういう
考え
を持
つて
おられるか。以上三点につきまして
質問
をする次第であります。
平川守
11
○
平川説明員
ただいま御
説明
申し上げました
災害関係
の
被害
及び
補助
につきましては、
南海方面
の
震災等
ももちろん入
つて
おるのでありまして、包括的に申し上げましたが、ただいま申しました
被害
が約二百三十億というのは、雪害、旱害、
南海
の
震災
、
北陸
の
震災
、また
アイオン台風
の
水害
及びその以前の
水害
というように、
各種
の
災害
を包括いたしまた
数字
でありまして、
南海方面
の
震災
につきましては、
耕地関係
で、二百三十億の全体の
被害
の中で一億二千万円ほどの
被害
を見積
つて
おります。また
林野関係
におきましても、
南海方面
の
震災
によりまして、一億六千万円ほどの
被害
を見積
つて
おるのであります。從いまして、これに対する
復旧事業
、また
補助金
というものも、他とほぼ同一の
比率
をも
つて
融資
をいたしておるような
状況
でございます。それから
一般
の
復興資金
の問題につきましては、特別の
農林関係
の
復興金庫
というようなもので設けて、それによ
つて
そういう
資金
の円滑をはかりたいということにつきましては、かねて私
ども
の方でも主張をいたしまして、いろいろ立案をいたしたのでありますが、たまたま現在
金融機構
の全体の問題といたしまして、
金融業法
と申しますような一種の根本的な
制度
の問題が、
関係方面
の示唆によりまして、
大藏省
を
中心
として立案
檢討
せられておるわけであります。
農林関係
の
復興金融
の
組織
につきましても、この全体の
金融業法
の一還として
考え
たいということのために、
基本制度
の方はその方と関連をも
つて
檢討
せられておるわけであります。しかしながら
農林関係
の
復興
の
事業
は非常に急ぐ。そこで暫定の
措置
として、本年はとりあえず
中央金庫
という既存の
機関
があるから、これを
使つて金融
をしよう。
金額
についても私
ども
は必ずしも満足と思いませんけれ
ども
、しかしとにかく
國家資金
をも
つて
農林関係
の
復興
をやるということについては初めての試みでもありますので、とりあえずこれで出発をして、しばらくその
運営状況
を見よう、その間に明三月までには今の
運用状況
とにらみ合せ、また基本的な
金融制度
ともにらみ合せまして、根本的な
対策
を立てよう、大体こういう
方針
で、一方暫定的に
中央金庫
を
使つて金融
をいたしまするとともに、これと併行して基本的な
農林関係
の
復興金融組織
につきまして
檢討
いたしておるような
状況
でございます。 なお
造林
の問題についての
融資
あるいはその
金利等
の問題がございましたが、
造林
につきましては、
治山
の
関係
からその
重要性
は十分認めておるところでございまして、四十億円の
復興資金
の中におきましても、今はつきり
数字
を覚えませんが、五、六億の
造林資金
というものを見積
つて
おるような
状況
でございます。ただ
金利
の点につきましては、実は私
ども
も非常に苦しんだのでありますけれ
ども
、どうも非常に安い
利子
の
資金
というものを得ることが、現在非常に困難なわけであります。私
ども
の
考え
では、
國債
を
発行
することによ
つて
この
資金
に充てたい。そういたしますと
國債
であれば五分何がしの
金利
で借りられますから、そうなるとよほど安くなるというふうに
考え
たのでありますけれ
ども
、こういう種類の
國債
はまかりならぬという全体の
方針
でございまして、
融資
については
復興資金
というものが
考え
られておる、その一環として
考え
ればよろしいわけであるから、
復興金庫
の
発行
する
復金債
というものでその
資金
をまかなえということに相
なつ
たわけであります。多くの
事業
につきましてはこれでもまだや
つて
いけるかと思いますが、特に
造林等
になりますとよほど
利子負担
が大きいかと存ずるのであります。
林野局方面
においてはどうしても
造林関係
の
利子
は四分以下でないと成り立たないという資料を出しておるのでありますが、現在の
金融状況
から、四分以下の金というものは何としても手にはいらない
状況
であります。とにかくとりあえず
復金債
で入手できる
資金
において、それでもやろうという
希望者
があるならば、その
部分
でや
つて
いこうということで始めたわけであります。現在のところそれでもある
程度
の
見込み
は來ておるようでありますので、少しく
運用
をいたしてみたいと思います。
復興資金
の方の
復金債
で
資金
を求めますと、
各種
の
手数料等
を入れますと、どうしても七分二、三厘というところが限界なのであります。それに対してあと
中金
の貸出しに要する
事務費
その他を加算いたしますと、どうしても
九分
五厘以下では採算が割れるのであります。その点ははなはだわれわれとしても苦しいわけであります。純粹に
金融
という面から見れば現在一番
復金関係
で有利に扱われているのは
石炭関係
でありまして、これは
九分
五厘であります。
復金
の金を使うということになれば、一番有利に扱われている
石炭
と同列で、他のものは
もつ
と高くな
つて
いるのでありまして、それでしんぼうするより仕方がない。それで足りないものは
補助金関係
の
資金
として現在
造林
としては四割くらいの
補助金
がありますので、この
補助金
の方でカバーしていくということで行くより仕方がないのではないか、將來の問題としては、どうしてもこれではきゆう
くつ
で成立たぬということになれば、あるいは
利子補給
という問題も
考え
られるかと存じますが、
財政
の
関係
でそういつたようなものは押えられておりますから、
補助金
の
関係
とにらみ合せて、この
金利
の非常に高いところは補
つて
行くようにいたすよりいたし方がありまいと
考え
ております。
成瀬喜五郎
12
○
成瀬委員
今いろいろ御
説明
を伺いましたが、最近における
木材界
はまつたく不振をきわめまして、
マル公
を下まわるような
状態
でありますがために、山林におけるところの
労働者
もそのために失業するというような、きわめて深刻な
経済状態
に陷
つて
いる次第でございます。そういうようなことをまず念頭に置いて現在に至るまでの
状態
を
考え
てみますと、大体山を伐採いたしまして、それによ
つて
得たところの
金額
をも
つて
植林
いたしますならば、近々その苗木が、五、六箇年
程度
におきまして、伐採せるところの
木材
の代價がすべてそれに注ぎ込まれなければならないというような
状態
にあることは、
労働賃金
その他いろいろの
関係
におきまして言えるわけでございます。
從つて
、まず伐採いたしましても
植林
を躊躇するというのが
山村
における実情でございます。そういう面から
政府
も
森林資源造成法等
によるところの
相当額
の
補助金
によりまして、
奬励
にこれ努めておりますけれ
ども
、なかなか思うようにまいらないのであります。そこで今言つたような
九分
五厘、あるいは一割に
相当
するところの
金利
をも
つて
いたしますならば、三十年、四十年にわたるこれからの國家的な性質を
帶びる造林事業
ということは、とうていその成果を
收め
ることはむずかしいと
考え
るのでありますから、こういうことを
大藏当局
においても十分お
考え
なさ
つて
、せめて
造林
に対しましては
造林
し得るような、まず
融資面
からの
金利
に対する
補助
を早急にお
考え
願いたい。以上をも
つて
質問
を打切りたいと思います。
坂本實
13
○
坂本委員長
政府委員
の
出席
を督促いたしておりますが、まだ
出席
がありませんので、この
程度
で
散会
か、または午後に続開いたしたいと思いますが、いかがでしようか。
井上良次
14
○
井上
(良)
委員
もつ
と
政府
の方ではつきりしてもらわないと、実際
委員会
を開いておりながら、
委員会
としての審議ができないのです。御
承知
の
通り
、
農業災害
の問題にいたしましても、
耕地復旧
の問題にしても、今解決しておかなければならぬ問題ばかりですから、
もつ
と
政府
の方で
委員会
に
責任
を持
つて
出てもら
つて
や
つて
いただかないと困ると思います。ただお茶を濁すというような
委員会
なら開かない方がいいから、
もつ
と
責任
のあるやり方をと
つて
もらわないとわれわれが困る。そこで特に
委員長
から
農林大臣
、
大藏大臣
に、
出席
できる日時を明確にしてもら
つて
、この二つの問題は非常に大きな問題ですから、ぜひはつきりしておいて
委員会
を開いていただきたい。そうしておかなければ何にもなりません。その点を特に私からお願いしておきたい。
坂本實
15
○
坂本委員長
井上
君の御
発言
は了承いたしました。
委員長
から特に
政府側
に
要求
をいたしまして、ぜひ
出席
を求めたいと
考え
ます。 本日はこれを
もつ
と
散会
いたします。 午前十一時五十二分
散会