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井上(良)
委員 ここでさらにもう一度
政府当局のこの問題についての
考え方を明らかにしておきたい問題は、消費者の立場からものを考えますと、現在配給されている米、
いも、外國食糧、これらの品質の問題です。御承知の通り、主要食糧には食糧檢査令というものが
法律でございまして、それに伴う檢査規則というものがちやんとあるのです。そうしてその檢査によらなければ買い上げることができないことにな
つている。しかるに最近
政府の買い上げておりますところの内地産の米または
いも類を見ましても、実にな
つてないのです。そのやり方は、高い費用を使
つて、そして買い上げておる内容を調べてみると、問題にならぬです。第一重量において、中身六十キロなければならぬものを、俵込み六十キロというものがたくさんあるのです。風袋込みです。中身が六十キロなんて、ほとんどない。うそと思うのなら、各営團え行
つて、倉庫に入
つている米をかけてごらんなさい。ほとんど目方通り入
つていない。私は現に行
つて調べて來ておる。そういうことを全然あなた方問題外にしているのでしよう。それがみな消費者負担になるのです。それは一体どうするのです。それからさらにくず米です。ほとんどくず米にひとしきものを四等として檢査を通している。この間も三重の食糧配給所え行
つて、見ましたところが、うんかの
被害にあ
つた米を出して四等で通
つたという、完全に成熟した結粒にな
つているものは数えるぐらいしかない。
あとはほとんど水につければ浮き上るものです。そんなものを檢査して通しているのです。これはみな消費者負担になる。このまま精白できませんから、わきのいい米にこれをまぜて、そうして抱合せで操作して配給しているのです。これは全部そうな
つている。あるいは北陸、東北地帶の早場米の買上げがそうなんです。早場米は、十分乾燥されてな
いものをどんどん買い上げている。これは全部消費者負担になりますよ。
いもについてもそうです。今度は相当
いもが問題になりまして、來年からは相当品種を指定した上で買い上げるというようなことをいろいろ御協議されておるそうでありますが、最近の
状態を見ますと、消費者の手に渡るまでは、ほとんど三分の一は使用にたえな
いものが実際は配給されておるのです。もちろんこれを家に持
つて帰
つて腐
つておればこれをかえてあげるというけれ
ども、またこれを配給所までえつさえつさと持
つていく手間と労苦とを考えて、みな泣き寢入りしておる。だから
いもの配給はたいがい断
つてしまうという現状にある。ここにつけこんできて、共産党が
いもを断
つてしまえ、米寄こせというビラをまいて、回覧板をまわしておる。この事実を
政府は何と見るか。このみな腐
つたいもが全部消費者に負担されるのです。いわゆる配給操作のうまくないということと、腐
つたものやいろいろ惡
いものを配給されるということから、その欠損が全部消費者に轉嫁されてくる。こういう点を全然あなた方が問題外にして計算をされてはかなわぬのです。だから消費者にはあなたが言
つた一升五十一円二十銭の米は、実際を言うと五十五、六円につく。もつと高くつく。しかも完全に家庭持込みがされていないのです。そういうようなやり方をされたのでは、実際消費者は困
つてしまうのです。われわれとしては、遺憾ながら今御
説明のような
食糧管理局が当然
政府経費として持たなければならぬものを消費者に轉嫁さしたり、あるいはまたこの十一月にいよいよ選挙をや
つて今度新しくできますところの農業
調整委員会の経費約八億円をこの中に加えておる。私
どもの推定によれば大体三十億くらいは國庫負担になるべきものじやないかと考えておりますが、それらのものは全然
政府が負担せずに消費者にぶつかけておる。そこに今申したような目方の損耗、品質の損耗、それから実際における
減收というようなものを、二重にも三重にも消費者はこの配給操作のために背負わされておるのです。結局だれが損をするかといえば、それは消費者なのです。
いもが腐
つて返すのもいいけれ
ども、返したならばそれだけ次の配給まで置いておきますから、置いておいたならば必ず腐る。腐
つたいもは欠損にならずにそのまま消費者の
價格の中にぶつかけてくる。そういうことをわれわれは見のがすわけにはいかないのです。そういう点についてどうするというのか、その点を明確にしていただきたいと思います。