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冨田委員 今までの御答弁に対して私は非常に好感を持
つたのですが、最後の御答弁はいささか私はふに落ちないのです。そういう政治論をここで出さないと
質問者の方からは申し上げておる。またこれは政治問題ではない。そういうふうにお
考えになることの思想の中に間違いがある。少數党
内閣であることは初めからわか
つておる。しかし給與ベースその他の問題について、決して出しもしないうちから反対もしていない。これを上げることに野党は一生懸命に
なつておるのですから、その問題についてただ國家財政の均衡、歳入の面がはたしてうまく行
つているか、いないかが檢討されるだけであ
つて、何もこれは少數党
内閣だから、多數党
内閣だからというような問題とは
関係ない。この点は誤解なさらぬように願いたい。おおらかな氣持で私はお尋ねしておるのだから、決して與党をいじめるとか、
内閣をいじめるとかいうような氣持でなく、私はさつきから繰返して申し上げておるように、良心的に
発言しているつもりですから、そういうふうにお聞き取りを願いたい。私はこの
委員会においてあえて政治論を闘わせて、みずから痛快がらんとするものではない。ですから早くこの給與の問題について、とにかく何はさておいても方策を講じないと、悪く言うと、言葉は過ぎるかもしれないが、官廳の
機構はとま
つてしまう。私はそういう事態に立ち至らしめないようにということを心配している。私は決して共産主義者でもなければ、労働爭議を煽動する者でないことは御
承知のはずである。そういう建前から私は來ているのですから、どうかその点をお
考え願いたい。しかし何人といえ
ども三十七百円という現状をも
つて年を越すことはできないのですから、これを一刻も早くおやりに
なつて、ことにこの
機構改革をお急ぎになるような建前——
機構改革を急がなければならぬことは私は十分
承知しております。しかし私はこの
機構改革の問題より、むしろ給與ベースの方が急がなければならぬ問題だと
考えております。いかにりつぱな
機構をつく
つても、そこにおける人々が眞に、
大臣の先ほどおつしや
つたように、安んじて
通信事業に從事し得るという態度ができない。少くとも、不足ではあるが、どうせ今の現状において労働組合その他の者が滿足し得るようなものが、実際においてできないことはわか
つている。しかしながら百尺竿頭一歩を進めて、そこに年越しの準備もでき、幾らかの安心をさせる、こういう氣持を私は抱かしめるために、現
政府もこの給與の問題のために努力をしてもらいたい。こういうのでなければ、何でもかでも解散にしてしまえば云々というような——あるいはまた政治論の中でも今お述べになりました少數党
内閣だから、それでは解散してしまえば次は多數党になるかといえば、必ずしも選挙の結果は、にわかに逆賭しがたいのでありまして、そういう政治上の問題を離れて、現実の
通信行政の問題と取組んで
考えて行きたい。露骨に言えば、私は監督官廳などというものは、いわゆるあなた方の方の自由
経済主義、統制を撤廃するということができると思いますけれ
ども、実際を言うと、私は
逓信省の方はそうは行かないと思
つております。人間の能率と、事実上
事業それ自体を
政府がや
つているのだから、人をしてやらせておいて、監督しているのではない。自分が
仕事をや
つているのだから、それぞれ手持ちの
仕事があ
つて、そう剰員はないとにらんでいる。私も檢討してみて、誤
つていないと
考えている。從
つて、決して首を切るとかやめさせるとかいうことでなく、それを安心して働かせるというところに、私は現在大きな努力が拂われなければならぬ。こういう
立場から申し上げているのですから、どうかその点を混同してお
考えにならぬように願いたいと思います。