○山下(春)
委員 能率向上の問題で、
大藏大臣は随時随所に適当なる措置を講ずるというお話でございますが、
タバコ耕作というものはただいまは收納期でございまして、これが專賣事業であるということについては、一糸乱れず、労苦に耐えて收納が完璧が行われていることは御
承知でいらつしやいまし
ようけれども、あの六百俵くらいある梱包を、一日のうちに收納係官も收納者も
努力してや
つておるのであります。ああい
つたような苦労は、非常に限られた
一つの時間とか、あるいはいろいろな專賣法による
一つの規定があるために、非常にスムーズに、しかも労働基準法とか何とかいうことをほとんど無視したかの
ように見える
一つの働きをいたしておりますが、これがもしも公社というものがただ
專賣局の看板を裏返しただけであるということから
考えれば、そんななまはんかなものをこしらえましても、何にもならないと思いますが、
將來やはりこれは
民間の営利会社に移行される下心があ
つてこしらえられたものと思います。そういう場合に、今
大藏大臣は随時随所にとおつしやるけれども、とうてい私にはそれは想像がつかないのであります。おそらくこれは
日本全体としても、ちつとも得はしないことであろうと思います。のみならずそういうふうな機運がもうすでに
タバコの方に與えられたとしますれば、品種の改良というものは必至だと思います。その品種の改良をせしめるのに、貧乏な百姓の自己犠牲において改良しろなどと言
つても、それはとうていできないことでありまして、どうしてもそれは國がめんどうを見て、改良の犠牲を國が背負
つてやらなければならぬと思うのであります。しかしそういう面に対して、この公社
法案でそれを随時随所にやるとおつしやるけれども、どういう方法をも
つておやりになるのか、あるいは
大藏大臣自身この公社
法案に対して、心から腹の底から賛成しておいでになるのであるかどうか。公務員法から、この
專賣局に從事いたしております労働組合員を除外してやりたいというためにのみ
考えられているのであ
つたら、公務員法というものはまだ決定しておりませんが、その公務員法の中にも團体協約権などの許される
ような場合においては、何ら
企業体の労働組合
法案の中にあるものと大差ないと思います。それならばただいまこういうときに
機構いじりをなさる必要はないと思います。どうしてもこの公社
法案の方がよろしいとお思いになるのかどうか、あるいはそういう点をいろいろ勘案して、今日ただいまこれを通過させなくても、よりよき方法をもう少し御熟考なさる御意思があるかどうかを承りたいと思います。