○塚田
政府委員 佐藤
委員の御指摘の点、まことにごもつともなのでありまして、私なども野党でおりました時分から、今も引続きまして
貿易資金特別会計の内容というものはなかなかのみ込みにくいのであります。これは
しろうとであるとか、ないとかいうこととは別個に、のみ込みにくくな
つておる。のみ込みにくくな
つておるからよくわからない。從
つて疑惑が出て來るということは当然の状態なのでありまして、
政府といたしましては、
民間ことに
委員の皆さん方の間にも、そういう御意見があるということであるならば、ぜひ適当の機会に
貿易資金特別会計の内容がどういうぐあいにな
つておるかということを
数字的に、またさらに御希望があれますれば、実態的な面についても御調査を願
つて、これを明らかにして行くということ、ことに
財政状態に絶えず
國民の前に明らかにするということを命じております新憲法の趣旨から言
つても、当然
政府のなすべき義務であると考えておりますので、そのようにぜひはからいたいと考えております。
なおこの際先ほど來、
堀江委員から非常に眞劍に御
質問願
つていただいておる点、まだ
堀江委員の御納得のところまで行
つておらないような氣がいたしますので、若干先ほどからの
政府委員の御
説明に補足いたして、お答え申し上げておきたいと思います。おそらくこの間本
会議の
徳田議員の御
質問、それからそれを繰返しての本
委員会におきましての
堀江委員の御
質問は、
輸出する物を当然賣れるべき
値段で賣らずに、安く賣
つて日本が損をしておりはせぬかということを、これは
日本産業の立場から御心配にな
つていただいておることにお
氣持の要点があるのだと私は思うのであります。これはまさにそうなければならぬのでありまして、もし
早稻田委員が先ほど御指摘になりましたように、ミシンの例でもありますように、
貿易廳なりそういう事務を扱
つておりますものの不注意もしくは手落ちによ
つて、当然高く賣れるものを安く賣
つておるという
事態があ
つたら、これは
日本の産業全体、
日本の國全体が非常に
損失のことになり、
損得があるとすれば、そういう場合にこれは確かにあるはずなので、そういうような損は絶対ないようにわれわれは注意をいたします。しかしその他の面におきましては、
損得というものはむしろないのじやないか。
政府が損をしている場合には
國民を得をしておるのであり、
國民が得をしておる場合に
政府が損をするということであれば、これは一應御了承願えるのじやないか、こういうふうに私どもは考えておるのです。ただ
民間から物を買い上げます場合にも、これは御
承知でもありますように、一應今公定
價格制度でや
つておりまして、公定で、しかもそれが
物價廳できめました
値段で買い上げておりますから、個々の業者に対する
関係において、特殊の業者の利するというような
関係は、まずこの計算の基礎に誤りがない限りは、これもないはずだと思
つております。その他
拂下げ物資を安く賣るものに対しましても、一應これは
國民全体が
利益を受けるという形においてのみ、そういうふうに扱
つておるのでありますから、おそらく先ほど申し上げた
政府が損をする場合には、
國民全体が
利益をする形にな
つておるということはここで申し上げられると思うのです。ですから御指摘の点はよく了承いたしましたから、そういう意味において國全体の損のないようにということは、なお
民間側の專門の方々のお知惠、お力もあわせて拜借いたしまして、ぜひこれは努めていきたいと考えております。