○鈴木(善)
委員 長官が新任せられましたこの
機会に、多年の縣案であります漁港政策の確立につきまして、私の
意見を申し述べ、かつ御
当局の今後の御
方針を承りたいと思うのであります。
漁業の再建復興の上に漁港の
整備拡充が非常に重大な要素であることは申上げるまでもないことであります。しかるに今日までわが國の漁港政策が、
農林、運輸両
当局の間におきまして何らの
連絡調整ができていないために、非常に計画的な修築復旧が行われていない。これは非常に私
どもの遺憾としているところであります。運輸省の
関係は、内務省時代からの慣例に基くものだと思うのでありますが、漁港、船たまりでありましても、災害を復旧いたしまする場合には運輸省の
関係でこれをや
つておる。もとより
農林省におきましても、一部地元及び縣の申請に基いて取上げる面もあるのでありますけれドも、補助率の
関係から助成の率の高い運輸省
関係に多く申請がされて、運輸
当局の手によ
つてこれが行われておる。ただはつきりしている点は、現在工事を進行中の
農林省
関係の漁港、船たまりの場合に限り、これを当然
農林省が取上げるということだけが明確にな
つておるのでありまして、その他は
地方地元の申請に基いて運輸、
農林両
当局がそれぞれ別個にこれを取上げておる。全般的に申し上げますと、ただいま申し上げました
ように補助率の
関係から運輸
当局に多くの場合これが取上げられておる。こういう
関係にあるのであります。私
どもの
漁業政策と密接不可分の
関係にありますこの漁港政策は、当然
水産廳において総合的な観点からこれを取上ぐべきものだと
考えておるのでありますが、それを商港あるいは重要港湾、避難港等と同じ
ように、
水産業に対し、
漁業政策に対し何らの知識も持たない運輸
当局によ
つて、これらが無計画に取上げられているということは、今後の
漁業の
発展の上からみて、きわめて遺憾な点であると私
どもは
考えておるのであります。これはひつき
よういたしまするに、漁港船たまりに対する補助率において、運輸省その他の取扱いますところの商港、避難港等と比較いたしまして、そこに大きな差異があり、低い率に押しつけられているという不合理と、それから内務省時代からの慣例に基く分野の不明確という二点に帰結いたすものと思うのであります。どうか今後
水産廳におかれましてはこの点を十分御認識いただきまして、補助率を漁港船にたまりといえ
ども、その他の商港等と同率に取扱うこと、及び運輸省の所管と
農林省の所管とを明確に一線を画して、総合的な
漁業振興
対策の一環としてこれを取上げていただくということを強く要望してやまない点であります。
その次は
漁業に対する労務加配の問題であります。十一月から労務者に対する加配米は大幅に引上げられて、その範囲も拡充されておるのでありまして、私
どもがかねがね要求してまいりました
漁業者に対する労務加配の問題、特に現在まで全然顧みられなかつたところの
沿岸漁業者に対する労務加配を、どういうぐあいに
政府では今後取扱
つて行く御
方針であるか。
沿岸漁業者はなるほど
生産の零細性と申しますか。労働力に対してその
生産量は低位にあるのでありますけれ
ども、労働の面からいいますと、機械力等を利用しますところの遠洋
漁業の場合よりも、なお一層労働一本に依存しているという
関係にあるのであります。私
どもはこの
ような非常な超重労働になります
沿岸漁業者に対して、この
機会に労務加配を確保するということを特に要望いたしたいのであります。
その次は取引高税の問題であります。これは自由党
内閣は取引高税の撤廃を公約いたしておるのでありますが、私
どもは全面的な取引高税の問題は、大きな観点からこれを別に取上げるといたしまして、
水産関係の取引高税の面から見まして、現在の取引高税の取扱いの
わく内におきましても、
水産の一部
加工品が当然課税の対象からはずされるべきものが取引高税の対象にな
つておる。これを非常に私
どもは遺憾に思
つておるのであります。大体取引高税は当初重要物資調整法の適用を受けるものは、原則として取引高税の対象にしないという見地に立
つてお
つたように思うのでありますが、現在國家の要請から指定物資として
統制されておるところの
水産加工品が取引高税の対象にな
つておるという
ような、非常にへんぱな取扱いを受けておるのでありますが、これを全般的な取引高税の撤廃いかんにかかわらず、早急にこの
ような一部の
水産加工品の課税からの解除という点についてどういう御
方針で進んでおられるか、その見通し等を承りたいと思うのであります。
それから先ほど來
金融の問題が出ておりますが、
生産地におきまして鮮魚の
出荷機関が鮮魚を出荷いたしました場合には、
荷受機関から代金がはいるまでの間、
金融を受ける道はやや開かれておりまして、幾分でも
金融の道がそこにあるのでありますが、
加工品に対してはその措置が講ぜられていない。少くとも指定
水産物につきまして、指定集荷
機関があ
つて、これを
統制しておるものに関しましては、何らそこに鮮魚と差等をつける必要は全然認めがたい。しかるに
加工品については、それが指定集荷
機関に集荷されまして、
荷受機関に出荷した場合に何ら
金融の道がそこにないということも、
漁村における
金詰まりの一つの原因であります。こういう具体的な不合理に対しても適切なる措置をすみやかに講ぜられることが必要だと
考えております。これらの四点につきまして御
方針を承りたいと思います。